マンションを購入するときには物件の価格の他に初期費用がかかります。
しかし初期費用の内訳や、またいくら必要なのか把握している方は少ないのではないでしょうか。
マンション購入で必要な初期費用は高額なので、事前に確認してください。
今回はマンションを購入するときの初期費用についてご紹介します。
住宅ローンの内訳や購入するマンションにかかる税金、その他に必要な諸費用についてもまとめました。
<マンションを購入するときにかかる初期費用>
・住宅ローンの頭金・住宅ローン
・申込証拠金
・登記費用
・手付金
・仲介手数料
・マンションにかかる税金
・その他の費用
マンション購入の資金計画を立てる際の参考にしてみてください。
マンションを購入する際にかかる初期費用
マンションを購入する際には次のような初期費用がかかります。
・住宅ローンの頭金・住宅ローン
・申込証拠金
・登記費用
・手付金
・仲介手数料
・マンションにかかる税金
・その他の費用
初期費用の目安は、新築マンションの場合は物件価格の3%〜7%、中古マンションの場合は物件価格の6%〜9%とされているため、資金計画のおおまかな目安にするとよいでしょう。
それぞれ詳しく説明していきます。
住宅ローンの頭金と住宅ローンについて
マンションを購入する場合は住宅ローンを組むのが一般的です。
頭金とは住宅ローンの借入金額のうち自己資金(現金)で用意するものをいいます。国土交通省の住宅市場動向調査報告書によると、初めて分譲マンションを購入した人の自己資金比率は32.9%です。
住宅ローン借入金額の3割程度の頭金を用意している人が多いといえるでしょう。
頭金は金額を増やすほど住宅ローンの借入金額が少なくなるため、支払う利息額が少なくなるというメリットがあります。
しかし頭金以外の諸費用も用意する必要があるので、全体のバランスを考慮して頭金の金額を決めると安心です。
住宅ローンの内訳については後述します。
参考 国土交通省 平成29年度住宅市場動向調査報告書 購入資金の自己資産比率
https://www.mlit.go.jp/common/001287439.pdf
申込証拠金について
申込証拠金とは、マンション購入の申し込みの意志を示すために契約前に不動産会社に支払うお金をいいます。
購入希望の物件を優先的に売ってもらうために支払うお金ともいえるでしょう。
金額の目安は1万円~10万円ですが、中には申込証拠金が不要な物件もあります。
また、申し込みをキャンセルした場合は全額返金されます。
登記費用について
登記費用とは、登録免許税と司法書士への依頼料のことをいいます。
マンションなどの不動産を購入したときには所有権の保存登記をする必要があり、住宅ローンを組んだ場合は抵当権設定登記も必要です。
登記の手続きを行うときに支払う税金が登録免許税で、手続きを司法書士に依頼した場合は依頼料も必要になります。
登記費用については後述しますので参考にしてみてください。
手付金について
手付金とは、マンション購入の契約時に売主に対して支払うお金で、契約が成立した場合は購入代金の一部になります。手付金の金額は不動産会社により異なりますが、物件価格の5%~10%であることが一般的です。
万が一購入をキャンセルした場合は手付金がキャンセル料となり、買主に返金されることはありません。
ただし、売主の都合でキャンセルになった場合は手付金の二倍の金額を返金されます。
仲介手数料について
仲介手数料とは、不動産会社や仲介会社を通してマンションを購入した場合に発生するお金です。仲介してくれた不動産会社へのお礼のお金ということもできるでしょう。
また、仲介手数料の金額の上限は宅地建物取引業法で定められています。
物件価格による手数料の上限は次の通りです。
物件の売買価格 |
手数料の上限 |
200万円以下 |
物件価格の5%+消費税 |
200万円~400万円 |
物件価格の4%+2万円+消費税 |
400万円以上 |
物件価格の3%+6万円+消費税 |
仲介手数料を支払うタイミングは不動産会社により異なります。
売買契約成立時と物件引き渡し時の2回に分けるか、引き渡し時に一括で支払うのが一般的です。
マンションにかかる税金とは?
マンションを購入する時には次の税金を支払う必要があります。
・固定資産税
・都市計画税
・売買契約書の印紙税
・不動産取得税
固定資産税、都市計画税、不動産取得税は、マンションなどの不動産を取得するとかかる税金です。印紙税は契約書に貼る印紙代のことで、売買契約書と住宅ローン契約書の2種類があります。
税金については後述しますので参考にしてみてください。
その他かかる費用
マンションを購入する時にかかるその他の費用には次のようなものがあります。
・修繕積立基金
・引っ越し費用
・ライフラインの費用
その他の費用についても後述しますので、ここでは簡単に見ていきましょう。
・修繕積立基金
修繕積立基金とは、新築マンションを購入した時のみに支払うお金で、物件の引き渡しの時に支払う必要があります。
・引っ越し費用
購入したマンションへの引っ越しにかかる費用です。元の住まいから購入したマンションへの距離や運ぶ荷物の量などにより金額は異なります。
・ライフラインの費用
マンションを購入して生活するには、電気・水道・ガスといったライフラインの費用も支払う必要があります。
住宅ローンの内訳とは?
住宅ローンを組むと、事務手数料や保証料などの費用が発生します。住宅ローンを利用する場合にかかる費用は次の通りです。
・事務手数料
・金銭消費貸借契約の印紙税
・保証料
それぞれ詳しく見ていきましょう。
事務手数料とは?
住宅ローン事務手数料とは、住宅ローンを借り入れる金融機関に支払うお金です。
事務手数料の金額は金融機関により異なります。
借入金額にかかわらず一定の金額を支払う「定額型」と、借入金額の2.2%程度を事務手数料とする「定率型」の2種類があるので事前に確認しておくとよいでしょう。
金銭消費貸借契約の印紙税とは?
金銭消費貸借契約の印紙税とは、金融機関と金銭消費貸借契約を結ぶときの契約書に貼る印紙代のことです。
住宅ローンを組むときには金銭消費貸借契約を結ぶ必要があり、印紙代は契約書に記載された金額(借入金額)により異なります。
国税庁の印紙税額の一覧表によると印紙代は次の通りです。
契約書に記載された金額(借入金額) |
印紙代 |
500万円を超え1,000万円以下 |
1万円 |
1,000万円を超え5,000万円以下 |
2万円 |
5,000万円を超え1億円以下 |
6万円 |
参考 国税庁 印紙税額の一覧表
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7140.htm
保証料とは?
保証料とは、万が一住宅ローンの返済ができなくなった場合に残債を返済してくれる保証会社に支払うお金です。保証会社は住宅ローン契約の連帯保証人に相当し、借入先の金融機関によっては必ず保証料を支払う必要があります。
たとえば、みずほ銀行の場合、借入金額が1,000万円で保証料を一部前払いする方法を選ぶと、保証料は43,060円~721,470円です。
保証料の計算方法は住宅ローンの借入金額や返済方法、返済期間などにより大きく異なるため、金融機関で確認しておくとよいでしょう。
参考 みずほ銀行 住宅ローン商品概要
https://www.mizuhobank.co.jp/retail/products/loan/housing/new_branch/summary.html
登録費用の内訳とは?
前述したように、マンションなどの不動産を購入したときには必ず登記費用が発生します。
登記費用の内訳は登録免許税と司法書士への依頼料です。
ここではそれぞれ詳しく説明します。
登録免許税について
登録免許税とは、不動産の登記をするときにかかる税金です。
新築マンションを購入したときには所有権保存登記、中古マンションを購入したときには所有権移転登記が必要で、住宅ローンを組んだ場合は抵当権設定登記も必要になります。
国税庁および財務省の資料によると、不動産の登記・抵当権登記の税額は以下の通りです。
不動産評価額は固定資産税評価額などを元に計算します。
内容 |
税率 |
土地の所有権の移転登記 |
不動産の評価額×2% |
建物の所有権の保存登記 |
不動産の評価額×0.4% |
建物の所有権の移転登記 |
不動産の評価額×2% |
抵当権の設定登記 |
不動産の評価額×0.4% |
なお、マンションを居住用に購入する場合は、令和4年3月31日までは登録免許税の軽減措置が適用されることも覚えておくとよいでしょう。
参考 国税庁 登録免許税の税額表
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7191.htm
参考 財務省 登録免許税に関する資料
https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/property/e08.htm
司法書士への依頼料について
司法書士への依頼料とは、不動産の登記手続きを依頼した司法書士に支払うお金です。
不動産の登記はマンションを購入する人が行うこともできますが、不動産の専門知識や法律に詳しくなければ難しいため、一般的には司法書士に依頼することになります。
司法書士への依頼料の相場は5万円~8万円前後です。
不動産会社や金融機関が指定する司法書士に依頼することもあるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
参考 司法書士法人不動産名義手続き変更センター
マンションにかかる税金の内訳とは?
マンションを購入するとさまざまな税金を支払う必要があります。
・固定資産税
・都市計画税
・売買契約書の印紙税
・不動産取得税
ここでは金融機関と結ぶ金銭消費貸借契約にかかる印紙税と登録免許税以外の税金について見ていきましょう。
固定資産税について
固定資産税とは、マンションなどの不動産を取得すると支払う必要のある税金のひとつで、毎年1月1日時点で所有している固定資産に対して課税される地方税です。
たとえばマンションを購入して4月に引き渡しになった場合は、その年は4月~12月分の固定資産税を払うことになります。総務省の資料によると固定資産税の税率は1.4%です。
また、購入したマンションの床面積や住宅用地の種類などにより軽減措置の対象になることもあるので、不動産会社などに確認しておくことをおすすめします。
参考 総務省 固定資産税の概要
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/149767_08.html
都市計画税について
都市計画税とは、不動産を取得すると支払う必要のある税金の二つ目で、購入するマンションが用途地域の定められた市街化区域内にある場合にかかる地方税です。
固定資産税と同様に1月1日時点で所有している固定資産に対する税金で、引き渡しになった時以降の分を支払うことになります。総務省の資料によると都市計画税の税率の制限は0.3%です。
都市計画税に対する軽減措置はありません。購入するマンションが市街化区域内にあるか確認するには、自治体や不動産会社に問い合わせるとわかります。
参考 総務省 都市計画税
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/149767_10.html
売買契約書の印紙税について
売買契約書の印紙税とは、不動産会社と売買契約書を結ぶときの契約書に貼る印紙代のことです。
金融会社との金銭消費貸借契約の場合は住宅ローンの借入金額により税額が決まりますが、売買契約書の場合は購入する物件価格により税額が決まります。
国税庁の資料によると、不動産売買契約書の印紙税と軽減率は以下の通りです。令和4年3月31日までに作成された契約書は軽減措置の対象となるので覚えておくとよいでしょう。
契約金額 |
印紙税額 |
軽減率措置後の税額 |
1,000万円を超え5,000万円以下 |
2万円 |
1万円 |
5,000万円を超え1億円以下 |
6万円 |
3万円 |
参考 国税庁 不動産売買契約書の印紙税の軽減措置
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/inshi/08/10.htm
不動産取得税について
不動産取得税とは、マンションなどの不動産を購入したときに土地と建物にかかる税金です。総務省の資料によると標準税率は固定資産税評価額×4%ですが、住宅用の建物の場合は令和6年3月31日までは特例である3%が適用されます。
また、新築マンションと1997年4月1日以降に新築されたマンションの建物については、「床面積が50㎡以上240㎡以下」などの条件を満たせば、1,200万円の軽減措置を受けることが可能です。
土地についても特例措置があり、「150万円」または「床面積の2倍の面積(200㎡が限度)に相当する土地の価格」のうち大きい額に税率をかけた金額が減額されます。
不動産取得税の納税通知書は、マンション購入後約半年~1年前後の間に地方自治体から送られてくるため、早めに準備しておくと安心です。
参考 総務省 不動産取得税
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/149767_11.html
その他かかる費用の内訳とは?
マンションを購入すると住宅ローンや税金、手数料などの他にもさまざまな費用がかかります。
ここでは新築マンションを購入したときに必要な修繕積立基金や引っ越し費用など、その他の費用について見ていきましょう。
修繕積立基金について
修繕積立基金とは修繕維持積立基金ともいい、新築マンションを購入した場合に引き渡しの時点で支払うお金です。一般的にマンションの場合は、10年~15年ごとに行う大規模修繕のために毎月修繕積立金を支払う必要があります。
しかし毎月の修繕積立金だけでは不足する可能性があるため、新築時にまとまった金額を集めて蓄えておくのです。
東京カンテイの資料によると、2020年に建てられた首都圏の新築マンション(15階未満・床面積5000㎡未満)の平均修繕積立基金額は8,949円/㎡となっています。
仮に床面積が70㎡とすると626,430円です。
ただし金額はマンションにより異なるため、事前に確認しておきましょう。
参考 東京カンテイ新築マンションの修繕積立金&修繕積立基金(首都圏)
https://www.kantei.ne.jp/report/105TR-new_syuto.pdf
引っ越し費用について
マンションを購入したら引っ越し費用も必要です。引っ越し費用は距離や荷物の量、引っ越し時期などにより異なります。
3人家族の引っ越しにかかる費用相場は次の通りです。
新居までの距離 |
引っ越し費用(5月~2月) |
引っ越し費用(3月・4月) |
同一都道府県内 |
60,000円~80,000円 |
80,500円~118,000円 |
別の都道府県へ |
99,500円~220,000円 |
157,000円~322,500円 |
平均 |
70,000円~80,000円 |
105,000円~120,000円 |
できるだけ引っ越し費用を抑えるには繁忙期にあたる3月・4月を避けるとよいでしょう。
参考 引っ越し侍 料金総額の平均と目安
https://onl.la/v3D5zfU
ライフラインの費用について
マンションを購入して新しい生活を始めるには、電気・ガス・水道といったライフラインの契約手続きをし、料金を支払えるように準備する必要があります。
引っ越す前に契約している電気会社やガス会社、そして管轄の水道局に連絡をし、引っ越しの手続きをしましょう。
またインターネットや固定電話を使う場合も手続きが必要です。
引っ越ししてからもライフラインの費用は継続して発生するため、その他の費用として覚えておくとよいでしょう。
マンション購入時の注意点
最後にマンション購入時の初期費用に関する注意点をまとめました。
・マンション購入にかかる初期費用は現金で用意する
・諸費用ローンは住宅ローンより金利が高め・初期費用を含めた総額を知るには不動産会社に相談するとよい
マンションの購入を検討している方はこれらの点に注意するとよいでしょう。
初期費用の内訳を把握しよう
今回はマンション購入にかかる初期費用の内訳をご紹介しました。マンションを購入するときは物件価格だけでなく初期費用についても把握しておくと安心です。
満足のいくマンション購入をするためにも、不動産会社や金融機関で資金計画について相談してみるとよいでしょう。
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