防犯対策を考慮して、オートロックマンションを視野に入れる方も多いのではないでしょうか。オートロックマンションは、安全性が高いメリットもある一方で、思わぬ注意点も存在します。本記事では、オートロックマンションのメリット・デメリットだけでなく、選ぶ場合に確認したいポイントなどについてご紹介します!
オートロックマンションの定義
国土交通省では、オートロックを次のように定義しています。
「オートロック式とは、建物内に共用玄関のドアがあり、外からドアを開けるためには、鍵や暗証番号などを用いるか、居住者などに内側から鍵を解除してもらう必要があるものをいう」
オートロックマンションでは、エントランス部分に施錠システムが設置されています。中に入る場合は鍵・カード・暗証番号などで開錠するか、居住者から鍵を開けてもらわなくてはいけません。
エントランスのドアは開いたあと、少し経つと自動的に施錠されます。オートロックによって、部外者は侵入しにくくなるでしょう。
オートロックマンションのメリットとは?
ここでは、オートロックマンションの代表的なメリットを紹介します。
・安心できる
・勧誘などを断りやすい
・部外者の侵入を防げる
・空き巣の被害に遭いにくい
もっとも大きなメリットは安全性が高いことです。それぞれ詳しく解説しますので、見ていきましょう。
①安心できる
オートロックマンションにおいて、建物内を自由に出入りできるのは、住人や管理関係者などに限られます。
基本的に住人が鍵を開けなければ、部外者は中に入って来られません。そのため、誰でも自由に出入りできてしまうマンションに比べて、安心感が得られるでしょう。
②勧誘などを断りやすい
オートロックマンションを訪ねる場合、訪問者はまずエントランスから各部屋へ、インターホンを鳴らします。住人は訪問者を招き入れるかどうか、インターホン越しに決められるため、悪質な勧誘を断りやすいです。
また、勧誘したい人にとっても、オートロックマンションは入りにくい物件です。そのため、オートロックのない集合住宅や一軒家より、悪質な勧誘にあう機会自体が減るでしょう。
③部外者の侵入を防ぐことができる
集合住宅の住人全員の顔を覚えることはできませんよね。そのためオートロックのない集合住宅では、住人のふりをして建物内へ入っていく不審者を見抜けない可能性が高いでしょう。
しかし、オートロック機能があれば、建物内に入れる人は住人か管理者に限られます。
それ以外の誰かが立ち入る場合も、住人が立ち入りを許可した人物ということになるため、不特定多数の部外者がマンション内に侵入する状況は避けられるでしょう。
④空き巣の被害に遭いにくい
オートロックマンションは、空き巣の被害に遭いにくくなります。「まずオートロックを解除し、次に玄関の鍵を開ける」というステップが必要となり、居住スペースへの侵入に時間がかかるからです。
オートロックはセキュリティ面において、とても効果的といえるでしょう。エントランスに防犯カメラがあれば、犯罪行為を映像に残しておけるため、セキュリティレベルをさらに上げられます。
オートロックマンションのデメリットとは?
オートロック機能つきのマンションは、犯罪や勧誘目的の訪問に対策できるため安心です。しかし、思わぬところに落とし穴も存在しています。
・家賃が高い
・エントランスが開くタイミングで部外者が侵入できる
・郵便物をエントランスまで取りに行く手間がある
・鍵を忘れると入れなくなる
代表的なデメリットを、きちんと把握しておきましょう。
①家賃が高い
オートロックつきのマンションは、家賃が高くなります。自動施錠するためのシステムを365日休みなく稼働させるコストがかかってしまうからです。
間取りなどの条件にもよりますが、同じ地域でもオートロックありの物件と、なしの物件では1~2万円ほど家賃が変わってくるでしょう。
また、オートロック機能が故障すると、住人が大変な不便をこうむってしまいます。定期的なメンテナンスも必要になるので、管理費はさらにかさむでしょう。
オートロックを優先する場合、エリアや広さなど、ほかの条件を妥協する必要があるかもしれません。
②エントランスが開くタイミングで部外者が侵入できる
オートロックとはいえ、部外者を完全に排除できるわけではありません。部外者が「共連れ」や「入れ違え」という手口を使って、マンション内へ侵入するケースも考えられます。
「共連れ」は、住人がオートロックを解除してエントランスへ入る際に、後ろからついて行き侵入する手口。「入れ違え」は、住人がエントランスから出る際、すれ違うようにして侵入する手口です。
マンションへ出入りする際は念のため、不審な人物が近くにいないか確認するとよいでしょう。
③郵便物をエントランスまで取りに行く手間がある
オートロックマンションへ配達された郵便物は、エントランスの集合ポストに入れられます。そのため住人は、郵便物をエントランスまで取りに行かなければいけません。
特に、新聞を契約している人は、毎日エントランスの集合ポストへ行かなければいけないので、少々不便を感じるでしょう。
オートロックのない物件は防犯面で劣りますが、玄関先のポストまで郵便物を運んでもらえるという、便利な点があるといえます。
④鍵を忘れると入れなくなる
オートロック機能つきの物件では、鍵の管理が重要です。オートロックを解除するための、鍵やカードキーなどを忘れて出掛けると、中に入れなくなってしまいます。
マンション内に同居人や、近所付き合いのある人がいる場合は、内側から鍵を開けてもらえるでしょう。しかし、頼りになる人が誰もいないと、住人にもかかわらず締め出されてしまうのです。
オートロックマンションに住む際は、鍵を絶対に忘れないよう気をつけましょう。
鍵を忘れた時はどうする?
鍵を忘れたときの対応は、物件によって異なるため一概には言えませんが、代表的な解決策を紹介します。
・同居人や近所付き合いのある住人へ連絡する
・管理会社や管理人へ連絡する
・住人用のサービスセンターへ連絡する
マンション内に頼れる人がいない場合、管理者へ連絡するのが、もっとも確実な方法です。マンションの住人だと証明できれば、きちんと対応してもらえるでしょう。
油断は禁物?オートロックマンションでも注意すべきポイント
オートロックマンションの注意すべき点を紹介します。
・防犯意識が低下しやすくなる
・鍵を紛失すると大事になる
・「管理者の許可をもらった」と侵入してくる人がいる
オートロック機能がついていても油断は禁物です。それぞれ順に見ていきましょう。
①防犯意識が低下しやすくなる
もっとも注意するべき点は、オートロックがついているから安心。と過信して、防犯意識が低下しやすくなることです。
オートロックだからといって、悪意ある人を100%締め出せるわけではありません。また近年、集合住宅へ窓から侵入する犯罪も増えています。
自分や家族の身を守るためにも、「玄関を施錠する」「窓を開けっぱなしにしない」など、基本的な防犯対策をきちんと行うよう心掛けましょう。
②鍵を紛失すると大事になる
エントランスに入る鍵を紛失すると、大事になってしまいます。鍵を拾ってマンションへ侵入し、犯罪行為をする人がいるかもしれないからです。
鍵を紛失してしまうと、住人全員の安全にかかわる危険な状況となってしまいます。紛失した場合は、できる限りすみやかに管理者へ連絡を入れましょう。
マンションによって、対応の仕方はさまざまです。鍵を全交換したり、オートロックシステムを変更したりなど、大掛かりな対策となるケースもあります。
③「管理者の許可をもらった」と侵入してくる人がいる
悪質な勧誘やセールスなどが来ても、ほとんどの場合、インターホン越しに追い払えます。しかし、なかには「管理者の許可をもらった」と嘘をついてマンションへ訪問し、強盗などをする危険なパターンがあるのです。
目を付けたマンションを入念に観察し、管理員が不在のタイミングで住人へコンタクトを取る、計画的な犯罪もあります。事前連絡のない訪問者を安易に信用して、危険な目に遭わないよう注意が必要です。
オートロックマンションを選ぶ際に確認すべきポイント
オートロックマンションを選ぶ際に、確認すべきポイントを紹介します。
・オートロックの種類はどれか
・エントランス以外に出入口はあるか
・オートロックのほかに防犯設備はあるか
内見するときは、上記3点を必ず確認しておきましょう。
①オートロックの種類はどれか
オートロックは大きく4種類に分けられます。それぞれの仕組みと特徴は以下の通りです。
種類 |
仕組み |
特徴 |
集合キー |
部屋の玄関と同じ鍵を差し込んで開錠 |
・鍵を何個も持ち歩かなくてよい ・複製リスクが高い |
カードキー |
磁気カードをカードリーダーに通す、もしくはICカードをセンサーにかざして開錠 |
・複製のリスクが低い ・スマートなため破損や紛失のリスクが高い |
暗証番号 |
暗証番号を入力して開錠 |
・紛失や複製のリスクが低い ・背後からのぞき見されると危険 |
生体認証 |
自分の指紋や顔をセンサーにかざして開錠 |
・複製が困難 ・高級マンションを中心に普及しており家賃が高い |
オートロックには、それぞれ異なる特徴があるとわかります。検討している物件に設置されているのはどのタイプか、確認しておきましょう。また、誤作動対策をきちんと行っているかどうか、合わせてチェックするとよいでしょう。
②エントランス以外に出入口はあるか
オートロック以外のセキュリティが甘ければ、安心はできません。次のような部分を確認し、より防犯意識の高い物件を選ぶようにしましょう。
・非常口が開けっ放しにされていないか
・住人専用の裏口がきちんと施錠されているか
共用部分の施錠や整備が、きちんとされているのであれば、そこに住む人たちの防犯意識も高いといえるでしょう。
③オートロックのほかに防犯設備はあるか
オートロック以外に、防犯設備があるかどうかも重要です。
・防犯カメラが設置されているか
・管理員が常駐しているか
・雨どいに忍び返しがつけられているか
このように、防犯レベルを上げるための工夫がどの程度か確認しましょう。とくに防犯カメラは、住人の犯罪行為も抑止できるため、重点的にチェックしたい点です。
エントランスだけでなく、駐車場・駐輪場・ゴミ置き場・エレベーター・集合ポスト・各階の通路や階段などにも設置されていると、より安心できるでしょう。
オートロック付きマンションに住んだ方が良い人の特徴
オートロックつきマンションがとくにおすすめなのは、「女性で1人暮らしをしている人」と「小さな子どもがいる家庭」の2パターンです。しっかり防犯対策されている物件を選ぶことで、より安心して暮らせるでしょう。
女性が一人暮らしをするケース
オートロックマンションがもっともおすすめなのは、女性で一人暮らしをするケースです。部外者が侵入しにくい仕組みになっているため、不審人物や悪質なセールスマンと遭遇する確率を減らせます。
オートロックを過信してはいけませんが、ついているほうが圧倒的に安心です。オートロックマンションを選んだうえで、防犯対策をしっかり行うとよいでしょう。
子どもがいる家庭はおすすめ?
オートロックマンションは、子どもだけで留守番する機会が多い家庭にもおすすめです。エントランスと玄関の、二重施錠で守られているため、オートロックのついていない物件より安心できます。
しかし、オートロックがあるから、確実に安全というわけではありません。
・玄関の鍵をする
・子どもだけで外へ出ない
・マンションへ入るときは周囲を確認する
このような注意点をしっかり子どもへ教えて、防犯意識を高めることが大切です。
オートロック付きでも油断は禁物!
オートロック機能は、ついているほうが圧倒的に安全です。近年は防犯面を考慮して、オートロックをつけるマンションが増えています。
しかし、オートロックがあるからといって、油断してはいけません。「玄関の鍵をきちんとかける」「窓を開けっぱなしにしない」など、基本的な防犯対策をきちんと行うことが大切です。
また、内見するときは「オートロックの種類」「エントランス以外の侵入経路」などを確認すると、より安全性の高い物件を選べるでしょう。
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