既存の部屋に新たな設備や機能を足して、より快適に暮らせるようにすることを「リノベーション」といいます。築年数の経った中古マンションでも、リノベーションすることによって新たに生まれ変わり長く住めると近年人気です。
▼この記事のポイント
<中古マンションをリノベーションする時のデメリット>
・すぐに住めない点
・工事期間中の住居費用が発生する点
・ローンの金利が高い点
・特殊すぎる部屋は買い手が見つかりにくい点
<中古マンションをリノベーションする時に失敗しないコツ>
・工事業者をよく選ぶ
・全ての費用を考える
・手放すときのことも頭に入れておく
・マンション規約をよくチェックしておく
メリットばかりに見えるマンションのリノベーションですが、デメリットもあります。
今回は、後になって後悔することがないようリノベーションマンションのデメリットをまとめました。マンション購入を控えている人は要チェックです。
中古マンションをリノベーションする際の4つのデメリット
購入した中古マンションをリノベーションして住みやすくつくりかえる人は多いでしょう。
しかし、中古マンションをリノベーションする場合にはデメリットがあります。
・すぐに住めない
・工事期間中の住居費用が発生する
・ローンの金利が高い
・特殊すぎる部屋は買い手が見つかりにくい
以下からそれぞれ詳しく解説します。
①すぐに住めない
中古マンションを購入しリノベーションをしようと考えているなら、工事が終わるまでは新居に住むことはできません。一般的には、中古マンションなら契約が終わればすぐに部屋に引っ越して新しい生活ができますが、リノベーションを行う場合は工事期間が終わるまで待たなくてはいけないのです。
せっかく購入した新居にすぐに住めないという残念さはもちろん、仕事などの都合で早く引っ越したいという場合もあるでしょう。マンションをリノベーションする際は、しばらくは住めないことも頭に入れて考えることが大切です。
②工事期間中の住居費用が発生する
リノベーションマンションはすぐに住めないというデメリットがあると前述しましたが、それに伴い余分な住居費用がかかってしまうということにもつながります。工事期間は新居に住めないということは、せっかく部屋を購入しても現在の住居に住み続けなければいけないということですよね。
賃貸や住宅ローンを支払っている場合、購入した新居にすぐに住めれば発生することのなかった住居費用が余計にかかるということになります。引っ越しにはさまざまな出費が重なるので、大きなデメリットとなるでしょう。
③ローンの金利が高い
マンションのリノベーションは、大規模な工事になると数百万円の出費になる場合があります。一括で払えない場合はリノベーション費用をローン払いにする人もいるでしょう。しかし、一般的にリノベーションローンは住宅ローンと比較して金利が高い傾向にあります。
例えば、横浜銀行のリノベーションローンの金利は変動で約1.7〜2.7%ですが、足利銀行の場合は変動で約3.2%となっています。
平均としては約1.3〜4%ほどのプランを用意している銀行が多いです。変動で約0.3〜0.5%の住宅ローンの変動金利と比較すると、かなり高いことがわかりますね。
④特殊すぎる部屋は買い手が見つかりにくい
自分のこだわりを詰め込んだ部屋にするため、リノベーションを行う人も多いでしょう。しかし、こだわりすぎた部屋は売りたいと思ったときに買い手が見つかりにくくなってしまう可能性があります。
こだわるあまり、一般的には珍しい間取りにしたり普通の家庭にはない設備をつけたりすると、他人からすると住みにくい部屋になってしまう危険があるためです。こだわりを詰め込むのはよいですが、住みやすさを重視したリノベーションを行うようにしましょう。
中古マンションリノベーションで失敗しないためのコツ4選
リノベーションのデメリットをご紹介しましたが、失敗しないためにはどうすればよいのでしょうか?
ここでは、中古マンションのリノベーションで失敗しないためのコツを対策とともにご紹介します。
・工事業者をよく選ぶ
・全ての費用を考える
・手放すときのことも頭に入れておく
・マンション規約をよくチェックしておく
以下からそれぞれ詳しく解説していきます。
①工事業者はよく選ぶ
ときには壁を取り壊すなど、部屋の構造にまで及ぶ大規模な工事を行うこともあるリノベーションは、信頼できる業者を見つけることが重要です。リノベーション業者を選ぶ際は、以下の4つのポイントを参考に選びましょう。
・リノベーション実績が多い
・細かい質問にも真摯に応えてくれる
・担当者が工事内容をしっかり理解している
・工事後に不備があった場合は対応してくれる
また、担当者との相性も大事なポイントですね。理想的な部屋をつくるためにも、信頼できる業者に発注しましょう。
②すべての費用を考える
リノベーションをするときにかかる費用は、リノベーションの工事代金だけではありません。お金が足りなくなってしまわないよう、リノベーションにかかるすべての費用を考えておきましょう。
リノベーションをするとなると工事期間中は現在の住まいに住み続ける必要があるため、家賃と新居のローンが二重でかかってしまう可能性があります。また、何らかのトラブルでリノベーションの工期が伸びてしまうとプラスで住居費が発生するでしょう。
家賃とローンの二重払いが難しい場合は、リノベーションの工事期間だけ親戚や友人の家に住まわせてもらうとよいでしょう。それが無理なら、お金をしっかり貯めておくしかありません。引っ越しにはさまざまな費用が発生するので、余裕を持って資金を用意しておきましょう。
③手放すときのことも頭に入れておく
前述したように、特殊すぎる間取りにリノベーションされたマンションは買い手がつきにくいというデメリットがあります。リノベーションを行うときは、手放すときのこともよく考えるようにしてください。
具体的には、壁の色やドアのデザインを奇抜なものにしたり動線の悪い間取りにしたりしてしまうと、なかなか買い手が見つからない可能性があります。理想の部屋をつくるのは大事ですが、先のことまで考えたリノベーションにしましょう。
④マンション規約をよくチェックしておく
マンションのリノベーションは、何をやってもよいわけではありません。マンションによってリノベーション可能な部分や内容が決まっているため、リノベーションする前に購入したマンションの規約を確認することを忘れないようにしましょう。
例えば、フローリングに遮音性能の決まりがあったり壁紙には不燃性のものを使用する決まりがあったりするマンションもあります。規約を守れないと、施行後に工事のやり直しなどが必要になる場合があるので、マンションリノベーションの際は規約の確認は必須です。
リノベーション済みマンションの4つのデメリットとは?
リノベーションマンションに住むには、中古マンションを購入後に自分でリノベーションするほかにリノベーション済みのマンションを選ぶ方法もあります。リノベーション済みマンションを選ぶさいにもデメリットがあるので、知っておきましょう。
・実際に住むと使いにくいことがある
・追加工事が発生する場合がある
・ほかの部屋よりも価格が高い
・部屋は綺麗でもマンションに問題がある場合も
以下からそれぞれ詳しく解説していきます。
①実際に住むと使いにくいことも
リノベーション済みマンションのなかには、リノベーションした人が自分好みに特殊な間取りにしている物件もあります。しかし、かわった部屋だからと興味を持って選んだものの、実際に住んでみたら住みにくさを感じる可能性も。
部屋選びで大切なのは、快適に暮らせるかどうかです。リノベーションマンションを選ぶときは、実際に住んだときのことをよく考えることをおすすめします。
②追加工事が発生する場合がある
すでにリノベーションされたマンションは、一見とてもきれいです。しかし、中古マンションの場合は建物の築年数が経っている場合もあり、耐震性や防火性など見た目には見えない問題が見つかることがあります。
マンションに問題がある場合、自分で追加の工事を行わなければなりません。そうなると新居への引っ越しが遅れる・余計な費用が発生するなど、予想外の問題が出てくるため注意が必要です。
③ほかの部屋よりも価格が高い
中古のマンションはお買い得な値段で購入できる場合が多いですが、リノベーションされたマンションは価格が下がりにくい傾向にあります。リノベーションされたことで、同じマンションのほかの部屋よりも室内が非常にきれいになるためです。
中古マンションとしては価格が高いのはデメリットですが、新築マンションと比較すればまだ安いといえるでしょう。
④部屋はきれいでもマンションに問題があることがある
中古のマンションでリノベーションが行われるのは、基本的には室内のみです。マンション自体はリノベーションされていないということを忘れないようにしましょう。
築年数40年や50年というマンションの1室がリノベーションされてきれいになったとしても、マンションの共有部分はかなり老朽化が進んでいる可能性が高いです。マンション自体が住めなくなってしまえば部屋を退去しなければならないので、注意してください。
リノベーション済みマンション選びで失敗しない4つのポイント
リノベーション済みマンションを選ぶときには、4つのポイントが大切です。ここでは失敗しないリノベーション済みマンションの選び方をご紹介します。
・マンション全体で考える
・特殊すぎる部屋は選ばない
・住んでからのイメージをして選ぶ
・資金は余裕を持っておく
以下からそれぞれ詳しく解説していきます。
①マンション全体で考える
マンションを選ぶときは、購入する部屋だけではなくマンション全体をチェックすることが重要です。マンションの築年数・現在の状態・共有部分はきれいか・管理組合は正常に運営しているかなど、細かい部分までしっかり確認してから選びましょう。
②特殊すぎる部屋は選ばない
リノベーションする人の多くは、自分の理想に近づけるため一般的な部屋では見られない特殊な間取りや珍しい設備を設置することがあります。しかし、そのような特殊な物件は万人に受けるものではありません。
一部の人にしか受け入れられない物件は、売りたいときに買い手が見つからない可能性が高いので避けることをおすすめします。なるべく、誰にでも使いやすい動線に優れた物件を選びましょう。
③住んでからのことをイメージして選ぶ
部屋選びで大切なのは、快適な暮らしがおくれる部屋なのかどうかということです。前の持ち主のこだわりが詰まったリノベーション済みマンションは、こだわりが強すぎて住みにくい物件もあります。
特殊な間取りのマンションは、最初は面白そうと思って選んだものの実際に暮らしてみると落ち着かない・間取りが使いづらいと感じる可能性も。購入後に後悔しないですむよう、住んでからの暮らしをイメージして選びましょう。
④資金には余裕をもっておく
リノベーション済みマンションは、購入後に追加工事が発生したり工期の延長により余計な住居費が必要になったりすることがあります。リノベーション済み物件を購入後に費用が足りなくなってしまうと、工事が途中でストップすることになるでしょう。
そうならないためにも、資金には余裕をもって購入に進んでください。無理なローンを組んだり高すぎる物件を購入したりしないよう、気をつけましょう。
リノベーションマンションもデメリットを対策すれば問題なし!
リノベーションマンションのデメリットについてご紹介しました。
一見メリットばかりに感じられる中古マンションのリノベーションですが、デメリットがあることがわかりました。マンション自体の築年数が経った物件・珍しいリノベーションがされた物件などは、長く住めない可能性や買い手が見つからない可能性があるため、とくに要注意です。
中古マンションをリノベーションするとき、リノベーション済みマンションを購入するときは、メリットとデメリット両方をしっかり理解して選んでください。今回ご紹介したデメリットも、対策を行うことでリノベーションマンションに問題なく住めるでしょう。
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