マンションにはエレベーターをはじめ、意外と電気を必要とする設備が多く、停電にともなって断水がおきてしまうことも。この記事ではマンションで停電がおきてしまう原因を踏まえ、停電してしまったときに取るべき行動や注意点をご紹介します。
普段あたり前に使っているものが突然使えなくなることは、想定していなければパニックに陥る原因になります。非常時に落ち着いて対処するために、対策を知って日ごろから備えておきましょう。
停電はなぜ起きる?
そもそも停電はなぜ起きてしまうのでしょうか?停電には原因によっていくつかのパターンがあります。
一番想像しやすいのは雷の影響でしょう。雷をともなう豪雨の日に、大きな音がしたと思ったら家の電気が消えてしまった、という経験をされたことのある方も少なくないかと思います。これは雷が電線などに落ちて電気設備が損傷したために、停電が発生するパターンです。
実は家庭の停電でもっとも多いのは、電気の使い過ぎによるものです。使用できる電気の総量は各家庭の電力会社との契約内容で決まっています。使用している電気量が、契約のアンペア数を上回ってしまうとブレーカーが落ち、住戸内が停電します。
このように停電には種類があり、対処法も異なってきます。停電がおきてしまったら、まずはどのパターンなのかを把握することが必要です。
停電の3つの種類とは?
停電がおきた場合、自宅を含めた地域一帯が停電しているのか、自宅のあるマンションだけが停電しているのか、自分の住戸だけが停電しているのかを把握する必要があります。ポイントとなるのは自宅周辺の街明かりと、マンション内共用部分の電灯です。
自宅周辺が全て停電している場合
ベランダからあたりを見回してみて、周囲の建物の明かりも消えているのであれば地域一帯が停電しています。
多くは台風や雷、大雪、地震などの自然災害が原因です。そのほかにも、近隣の火災や、電線への鳥獣の接触、車両が電柱に衝突するなどの事故、という場合もあります。
いずれも個人で対処することはできませんので、電力会社の対応と復旧を待つことになります。
自分のマンションだけが停電している場合
窓から見て周辺の明かりがついている場合、玄関から共用部分の廊下を確認しましょう。
周囲の建物は明かりがついているのにマンションの共用廊下の電気が消えている場合は、自分のマンションだけが停電しています。
考えられるのは建物内の配電のトラブルです。ご自身で対処しようとせずマンションの管理人か管理会社へ連絡しましょう。
また、平日の日中であれば電気設備点検などの理由で計画的に停電になることもあります。事前に電力会社や管理組合から通知や掲示がされているはずですので、確認してみてください。
自分の家だけ停電している場合
周辺地域やマンションの共用廊下の電気はついている場合は自分の家だけが停電しています。この場合の主な原因は電気の使い過ぎです。契約アンペア数を使用量が上回ってしまうとブレーカーが落ちる仕組みになっています。
夏場はクーラー、冬場は暖房器具をご使用の家庭が多いかと思います。エアコンがついている状態で電子レンジやトースターなどの電気使用量の多い家電を使うとブレーカーが落ちてしまうことがあります。
近年ですとティファールなどの電気ケトル使用中にブレーカーが落ちてしまう、というケースも多いようです。
自分の家だけ停電している場合はブレーカーを確認しましょう。メインブレーカー(左側にある1番大きなブレーカースイッチ)が「切」になっている場合は、直前まで使用していた家電の電源を切るかコンセントを抜いた上でブレーカーを「入」にしましょう。
停電した際に取る行動とは?
停電のパターンについてみてきました。電気の使い過ぎによる家庭内の停電であれば、ブレーカーを上げれば解決することが多くあります。
では、マンション全体、あるいは地域一帯が停電してしまった場合にはどうすればよいのでしょうか。ここからは、大規模な停電がおきた場合にとるべき3つの行動についてみていきます。
- ブレーカーはオフに
- 信頼できる情報は電力サイトで
- 電源プラグは抜いておく
非常時には見落としがちですが、いずれも二次災害を防ぐために重要ですので、いざというときに確認できるとよいでしょう。
ブレーカーの電源をオフにする
停電の原因によっては、オンになっているブレーカーをオフにし、切っておいたほうが良い場合があります。
地震や土砂崩れなどの自然災害により、家電製品が壊れたり、コード等の配線が損傷している可能性がある場合です。
ブレーカーが入ったままだと電気の復旧と同時に通電し火災(通電火災)が発生し、二次災害を引き起こす恐れがあるためです。
電力サイトページを確認する
地域ごとの停電であれば、電力会社がホームページで提供している停電情報が参考になります。
電話での問い合わせも可能ですが、混み合っていてつながらない場合が多いため、停電情報のサイトページを確認するのが早く、確実でしょう。
以下、主要電力会社の停電情報ページです。
電源プラグを抜く
個人で対処できない停電の場合、いつ電気が復旧するのか分かりません。そのため、家電類の電源プラグは抜いておいた方が安心です。
特に暖房器具やキッチン家電などの熱を発生する家電製品については、復旧したと同時に熱を発しはじめ危険です。
また、停電中に外出する場合にも、不在時に電気が復旧して漏電や火災がおきてしまう可能性を考え、電源プラグの抜ける家電は抜いておいたほうが安全といえるでしょう。
停電時に気をつけるべき3つの注意点
停電のパターンや原因、停電がおきてしまったときにやるべきことについてご理解いただけたかと思います。地震や台風など大規模な自然災害による停電では、停電そのものの被害だけでなく二次災害がおきてしまうことも。ここからは停電時にやってはいけないことについて、確認していきたいと思います。
- 室内で発電機を使わない
- 電気設備には近づかない
- 外出時はブレーカーを切る
いずれも事故や大けがを招く恐れのある行動です。二次災害を防ぐために、意識できるとよいでしょう。
注意点①発電機を部屋の中で使わないこと
もしご家庭に発電機がある場合でも、室内では絶対に使用しないようにしてください。
運転中の発電機から排出される排気ガスには、一酸化炭素が多く含まれており、部屋の中で使うと一酸化炭素中毒を引き起こす恐れがあるためです。
ベランダなど屋外で使用する場合でも、排気ガスが室内に入らないように設置位置や風向き、換気に注意しましょう。
注意点②電柱・太陽光発電に触わらないこと
台風や地震などの自然災害により電線が切れてしまったり、電柱が倒れてしまうことがあります。
損傷した電気設備は感電の恐れがあり、大変危険ですので見かけた場合は近寄らずに電力会社に連絡しましょう。
また近ごろは一般家庭にも普及している太陽光発電設備(太陽光パネル)についても注意が必要です。
太陽光発電設備は一見破損していたり、浸水しているような場合でも太陽の光が当たっている間は発電を続けています。
こちらも感電の恐れがあり、危険ですので見かけても近づかないようにしましょう。
注意点③ブレーカーを切って外出すること(通電火災の可能性があるため)
ブレーカーを切らずに外出すると災害によって停電がおきたあと、復旧にともない二次災害が起こることがあります。
例えば東日本大震災の後でも電気が復旧したことにより、通電火災が発生した事例があります。
停電中は使用していない家電の電源プラグを抜いておき、外出や避難のため自宅を離れる場合にはブレーカーも切っておきましょう。
マンションの停電に備えて準備すべきもの
マンションでの停電にはどう備えれば良いのでしょうか。
まず必需品となるのが「懐中電灯」です。ぜひ日ごろからスマートフォンと一緒に枕元に置いておきましょう。
一般的な災害時の備えに加えて、マンションで停電がおきてしまった場合には断水にも注意が必要です。飲料水だけでなく生活用水も多めに備蓄しておくのが良いでしょう。
高層階に住んでいる場合には自宅から出られずに数日間復旧か救助を待つことになる可能性もありますので、食料の備えも十分に用意しておく必要があります。
マンションで停電するとどうなる?
居住しているマンションで建物全体が停電してしまった場合には「単に電灯や家電が使えない」という以外にもさまざまな設備が動かず、困ることがあります。
標準的な設備別に、停電時にはどうなるのかを見ていきましょう。
エレベーターは使えなくなる
マンションでの停電で、まず困るのがエレベーター。非常用エレベーターが稼働している場合もありますが、基本的には停電の間は使えなくなると考えて備えておく必要があります。
災害備蓄を用意しているマンションも増えていますが1階に設置されていることが多いため、自宅が高層階の場合、日ごろから家族分の水や食料を多めに備えておいた方が良いでしょう。
階段が使用できる場合でも、普段ヒールのある靴を履くことが多い場合は、玄関に一足はスニーカーを用意しておきましょう。
また、マンションまで帰り着いても自宅階まで上がれない可能性もありますので、エントランスやロビーなどで一時的な避難ができるよう、普段の手荷物の中にエマージェンシーシートを一枚入れておくのもお勧めです。
オートロックのドアは建物によって動かなくなる
意外と見落としがちなのがオートロックのドア。メーカーや建物によって使われているドアやロックのシステムが異なりますので、自宅のドアが停電時どのような状態になるのかを知っておくことが必要です。
エントランスの自動ドアや防犯カメラなどのセキュリティ機能も停止する可能性が高いため、自宅の戸締りは念入りに行いましょう。
機械式駐車場は動かなくなる
駐車場を利用している場合、停電時には機械式の駐車場は作動しなくなります。
駐車場自体が平地でも、出入り口にシャッターなどの設備があれば、そちらも開閉不能な状態になる可能性が高く、車両を移動したり、マイカーで避難することが難しくなります。
車に災害備蓄を用意しておいたものの、いざというとき車を出せない、という事態に陥らないよう、シュミレーションしておきましょう。
マンションによっては水が出なくなる
周辺地域に断水の被害がおきていなくても、マンション内の給水設備によっては停電時に断水してしまうことがあります。
増圧直結方式という、水道管からの水圧にポンプで圧を加えて上層階に水を供給する方式の給水設備の場合、停電によってポンプが動かず、水を供給できなくなるのです。
自宅マンションの給水方式について確認の上、生活用水を含めた水の備えを多めに用意しておく必要があるでしょう。
もしもの時にしっかりと備えよう!
マンションが停電したときにとるべき行動やNG行動についてご紹介いたしました。
停電の原因はさまざまで、自宅住戸だけの場合は自力での復旧が可能な場合もありますが、自然災害については事前の備えが大切です。
停電情報についてアプリやTwitterでの情報発信を行っている電力会社も多いので、いざというときパニックに陥らないよう、日ごろからチェックしておくとよいでしょう。
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