「最近のマンションでは表札をつけている家が少ないけれど、うちはどうしよう?」「小さな子どもがいるから、表札をつけるとセキュリティー的に無防備?」
そんな悩みを持っている若いファミリーが増えています。確かに近年では表札をつける家が急速に減っていて、特にその傾向はマンションで顕著です。
昔は戸建てだけではなく、ほとんどの家が掲げていた表札。素材や形、字体もさまざまで、住む人の好みやセンスを垣間見ることができました。名字だけでなく、その家に住む人全員の名前が書かれた表札も多くありました。
今回はそんな表札の歴史やメリット・デメリットなどについて、マンションに住む方の参考になる情報をご紹介します。
▼この記事のポイント
<マンションに表札をつけるメリット>
・誤配達を防ぐことができる
・マンションの資産価値が上がる
・万が一の時に援助ができる
現在、マンションに表札をつけるか悩んでいる方、ぜひ参考にしてみてくださいね。
そもそも表札は何のためにつける?
表札はその家に誰が住んでいるのかを周囲にアピールするツールです。また、表札は家主にとって「ここは自分の家だ」と強く意識づけさせるものでもあり、住まいに対する愛着の強弱にも影響するでしょう。
もともと日本では、大正時代から表札が増えてきました。日本人は明治維新まで名字がない人が多かったという歴史背景もあり、家と名字を持つことに対する喜びや自信が表札にも投影されてきました。
また、当時は郵便システムが確立する過渡期でもあったことから、表札の存在は大事な役割を果たしていました。現代は既に郵便番号や番地、部屋番号の割り振りなどが済んでいるので、それが表札の存在感が薄まる原因にもなっています。
表札をつけてる人はどのくらいいる?
海外では個々人のプライバシーが重視されるため、表札は基本的についていません。一方、日本ではかつての名残で高齢者の家ほど表札をつけている確率が高くなっています。
表札をつけている家とそうでない家は、おおよそ半々の割合となっているようです。若い世代や女性のひとり暮らし、賃貸ほど、その割合は更に低くなります。
参照:SUUMOジャーナル2016年『表札に関する調査』のコラムhttps://suumo.jp/journal/2016/06/07/112262/
表札をつけるメリットとは?
表札をつけるか迷っている皆さんは、まず表札のメリットとデメリットを見比べて、家族の状況と照らし合わせて判断してみましょう。どちらにすべきか、方向性が見えてくるはずです。表札をつけるメリットには、以下のようなものがあります。
・誤配達を防ぐことができる
・マンションの資産価値が上がる
・万が一の時に援助ができる
一つずつ確認していきましょう。
①誤配達を防ぐことができる
表札があることによって、郵便や宅配の誤配が減るというメリットがあります。送り主が届け先の番地や部屋番号を間違えることはたびたびあります。しかし、宛名を間違えることはほぼないため、配達員さんは表札を大きな手掛かりとして荷物や手紙をミスなく届けることができます。
表札がないマンションの場合は、配達員さんは送り主が書いた情報を信じて届けるしかありません。特に対面手渡しではなく郵便受け投函の場合、送り状伝票の書き間違いは大きなトラブルの元になります。
受け取った人は管理会社に連絡して正しい家に持っていく必要があるでしょう。面倒な人はそのまま荷物をもらってしまうということもあり得ます。ご近所付き合いが希薄な現代マンションが抱えるよくある事情ですね。
②マンションの資産価値が上がる
自身の名前を表札に掲げることで、自分の家だという意識が高くなります。ご近所や知人に恥ずかしくないよう大事に綺麗に使おう、小まめに修繕や装飾をしようとする意識が家主に生まれるため、結果的に不動産の資産価値が上がります。
また、互いに名前が分かることで隣同士やご近所と良好な関係を築きやすくなります。自分の住まいだけでなく共用部分も綺麗にしようと心掛けたり、連絡事項の伝達がスムーズになるなど、雰囲気の良いマンションになっていくでしょう。
③万が一の時に援助ができる
表札がきっかけで互いの名前や顔が一致するようになるため、地震や火事などの災害が起こったときに、安否確認がしやすくなるというメリットがあります。助ける側の人も、名前が分からない相手より分かる相手のほうを先に助けようとする心理になるのが人情ではないでしょうか。
また、表札をつけている割合が高いマンションの場合、逆についていないと空き室であると判断されてしまい、救助確認を飛ばされてしまう可能性もあります。
表札をつけるデメリットとは?
表札をつけない人が増えているのには、それなりに理由があります。以下では表札をつけない人たちが気にしているデメリットを2つご紹介します。危険な目に遭う前に先手を、と考える家族も多いようです。表札をつけるデメリットには以下のようなものがあります。
・営業訪問のターゲットになる
・プライバシーが守られない
それぞれ確認してみましょう。
①営業訪問のターゲットとなる
表札によって名字が知られてしまうため、全く接点のない会社などから郵便物が届いたり、知り合いを装って訪問販売に押しかけられたりする場合があります。正しい判断能力があれば上手にかわすことができますが、ひとり暮らしの高齢者や断ることが苦手な性格の人は、ターゲットにされると契約するまでしつこく訪問されてしまいます。
また、家族構成を把握して高齢の親の在宅時を狙って訪問し、「息子さんの同僚なのですが、〇〇君が会社のお金を無くしてしまい、取り合えず立て替えるために代わりに急いで家からお金を取ってきて欲しいと頼まれました。」などと嘘をついて金品を奪う詐欺行為に遭うというパターンもあるでしょう。
②プライバシーが守られない
表札によってストーカーなど見ず知らずの人に自分の名字を知られ、そこから職場や学校までつけられて所属がばれるという可能性もあります。特に女性の一人暮らしの場合は要注意です。このような表札の特性を逆手にとって、一緒に住んでいない父親の名前や架空の男性の名前を併記することで、防犯ツールとして利用している人もいます。
表札をつける場合はどうする?
メリットとデメリットを見比べた上で、マンションに表札をつけることを決めた場合は、まずは管理組合に確認が必要です。各戸の玄関ドアを出ると全て共有部となるため、勝手なことはできない決まりになっています。そのマンションは表札をつけてよいのか禁止されているのか、まずは隣近所の表札の様子をひと通り確認して、管理組合や管理人さんに相談してみましょう。
マンションの表札の種類は3つある!
多くのマンションでは、統一感を重視して表札の種類を同じにしているところが多くなっています。ここでは、主にマンションで多く導入されている表札タイプである「差し込み式」「マグネット式」「スライド式」の3つをご紹介しましょう。
差し込み式表札について
築年数が経っているマンションの場合、差し込み式の表札が取りつけられているところが多いです。名前が書かれたプレートや厚紙を、上から下に縦に差し込みます。名前以外に装飾模様などをつける場合は、左右の端がユニットに隠れてしまうため注意が必要です。非常にシンプルで、素材によってはスタイリッシュです。
マグネット式表札について
磁石がつく素材を使った玄関ドアやユニットを取りつけているマンションでは、マグネット式の表札を多く導入しています。安価なマグネットに名字を印刷したシールなどを貼りつけるだけなので、コスト重視のマンションが多く導入しています。住人が変わっても、すぐに新しい名前シールを貼りつけられるので、時間がかかりません。
スライド式表札について
先述の差し込み式を横長にしたのがスライド式です。事前にユニットが取りつけられており、プレートや厚紙を左右にスライドさせて取りつけます。こちらも上下に装飾をつけたい場合は、上下の端がユニットで隠れてしまうため、余白がどれくらい必要か計算してから、文字の大きさやデザインを考えましょう。
風水的にいい表札の付け方とは?
風水にとって玄関は、気が入ってくる重要な場所です。玄関を一生懸命掃除していれば良い運気が入ってくる、という知識がある方も多いのではないでしょうか。しかし風水にとって、表札がついていない玄関は誰も済んでいない家であり、運気が入る必要のない家と捉えられてしまいます。風水を取り入れたいなら、表札の設置は必須です。
素材や形、字体など、風水的に良いパターンを知り、それらを取り入れた表札をつけて運気を取り込みましょう。
木製の表札
風水で表札の素材に最も適しているとされるのは木製です。自然素材である木は成長の象徴であり、大いにエネルギーを放つと考えられているためです。ナチュラルな雰囲気も魅力で、訪問者に温かい印象を与えてくれます。
風除室のない戸建てだと風雨に晒されて劣化することが多いですが、マンションの場合はその心配もないでしょう。もしも傷ついたり削れてしまった場合は、なるべく早く綺麗なものに交換すれば運気は逃げないとされています。
縦長の長方形の表札
風水では表札の形や向きも重視しています。ベストとされるのは縦長の長方形です。ひと昔前はほとんどの家がそうでした。縦長長方形の表札をつけると、表札が家主の身代わりとなって禍を被り、家全体の運気を向上させてくれると考えられています。
現代は横長表札のほうが主流となっているため、縦長長方形は昔ながらの凛とした印象を与えるでしょう。
墨字の表札
表札の字体について、風水では墨字が吉とされています。単にフラットな面に書かれた文字よりも、浮き彫り(文字を浮き立たせるために、周囲を掘りさげたもの)にしたほうが、家人の出世や受験にも良い影響を与えると考えられています。
逆に文字の部分を掘り下げると墓石と同じになってしまうため、風水では忌み嫌われます。加工賃など高めになりますが、浮き彫りをおすすめします。
表札はなくても大丈夫!
社会的に知名度があったりストーカー被害に遭っていて居場所を知られたくない、同じマンションの人との交流を求めていない人などは、もちろん表札をつける必要はありません。先述のとおり郵便や宅配は基本的に届けられます。
状況によってつけたりつけなかったり、臨機応変にできるのが現代マンションの表札事情といっても過言ではありません。
表札は自分に必要なのか考えよう!
いかがでしたでしょうか。個人情報を知られたくない、犯罪に巻き込まれたくない、訪問営業にこりごり、という人たちが増えており、表札をつけない家の割合は今後更に高くなることが予想されています。
家族構成や仕事内容、家にいる時間帯、費用、周囲の家の様子などを考えて、家族ともよく相談してベストな方法を選んでくださいね。
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