部屋探しをするとき、「専有面積」という言葉を見たことはありませんか?
不動産用語には「○○面積」という用語が多いため、部屋の大きさを表しているとは想像できても、具体的にどこを指しているのか、わかりにくく感じますよね。
この記事では「専有面積」とは何かについて解説します。また、住戸のうち専有面積に含まれない部分や、計算方法などについても説明しますので、物件広告を見る際にお役立てください。
専有面積とは?
専有面積とは、集合住宅で借主が独占して使える室内面積のことです。専有面積にはリビング・ダイニング・キッチン・寝室・トイレ・バスルーム・玄関・クローゼットなどが含まれています。
専有面積は、居住空間のメインとなるLDKや、各個室の面積というわけではないので、注意が必要です。専有面積からLDKや各個室の広さをイメージしたいときは、トイレやバスルーム、収納などの面積を差し引いて考えるようにしましょう。
専有面積をLDKや各個室の面積と勘違いすると、いざ入居したときに「想像していたよりリビングが狭かった」などのトラブルにつながってしまいます。
専有部分と共有部分の違いは?
専有部分とは、その住戸に暮らす人だけが使用できるスペースのことです。各部屋のLDKや寝室・トイレ・バスルーム・玄関・収納スペースなどを指します。
共有部分とは、その集合住宅に暮らすすべての住民が使用できるスペースのことです。エントランスやエレベーター、階段、各階の廊下などが共有部分に当たります。
専有面積のなかに、共有部分の面積はもちろん含まれません。専有面積とはあくまでも、その住戸に暮らす人専用のスペースを指しています。
専有面積ではないスペースとは?
ここでは住戸のうち、専有面積に含まれない部分として、代表的なものを4つ紹介します。
・バルコニー、ベランダ、テラス
・ロフト
・玄関ポーチ
・床下収納
物件広告などをチェックする際に、間違えてしまわないよう注意しましょう。
バルコニー、ベランダ、テラスは含まれない
バルコニー・ベランダ・テラスなどは、その住戸に暮らす人が独占して使用できるスペースに思えますよね。しかし実は、専有面積に含まれていません。
その理由はバルコニー・ベランダ・テラスなどが、非常時の避難経路になるためです。これらは法律上、共有部分という扱いになっています。
避難経路をふさいでしまうと、逃げ遅れて命を落とす危険性が高くなるでしょう。震災や火災、水害などが起きたときスムーズに避難できるよう、これらのスペースには、私物を置きすぎない配慮が必要です。
ロフトは含まれない
ロフトは室内スペースですが、専有面積に含まれていません。居室ではなく、床下収納や屋根裏収納などと同様の扱いだからです。
そのためロフトは、多くの物件広告で「専有面積○平米・ロフト○平米・合計○平米」のように別途記載されています。ロフトのある部屋は、記載された専有面積より広い空間を使えるため、お得といえるでしょう。
しかし以下の基準を超えると、ロフトではなく2階部分という扱いになります。
・ロフトの床面積が、直下にある階の床面積より1/2以上広い
・ロフトの天井の高さが1.4m以上ある
また少数ではありますが、ロフトを専有面積に含んでいる物件広告も目にします。ロフトが専有面積に含まれている場合、実際の居住スペースは、予想より狭い可能性があるため要注意です。
玄関ポーチは含まれない
集合住宅で玄関ポーチというと、共用廊下と玄関の間に門扉を設置し、その門扉から玄関扉までにできる空間を指します。
共用廊下と玄関までの間に十分な空間ができるので、大きな荷物の出し入れがスムーズにできたり、住戸の独立性を高められたりするなどのメリットがあります。
しかし玄関ポーチは、共用廊下から誰でも出入りできるので、専有面積にはカウントされません。玄関は専有部分ですが、玄関ポーチは共有部分の扱いになることを覚えておきましょう。
また、玄関ポーチの側にあるメーターボックス(水道や電気のメーターを収納するスペース)も、専有面積には含まれません。
床下収納は含まれない
キッチンなどに床下収納がある物件を、検討している方も多いでしょう。
床下収納は、ロフトと同様の扱いになっています。そのため、広さが専有面積の半分未満であれば、カウントされません。
床下収納のある物件は、記載された専有面積よりも、物を片付けるスペースが増えます。そのため、収納面でお得といえるでしょう。
しかし、床下収納とロフトがどちらもある物件には、要注意です。2つの合計面積が、専有面積の半分以上になった場合、床下収納も専有面積としてカウントされます。
延床面積との違いとは?
専有面積と間違われやすい用語に「延床面積」があります。
延床面積とは、建物すべての床面積を合計した値です。たとえば、2階建ての一軒家であれば、「1階の床面積と2階の床面積を合計した値」が延床面積となります。
集合住宅の場合、住民が使えるのは建物全体ではなく1部屋です。そのため延床面積は、マンションやアパートを探している方にとって、あまり重視しなくてもよい値といえます。
その逆に、戸建て物件を探している方は、延床面積を確認したほうがよいでしょう。
専有面積で何がわかる?畳数で考える計算方法とは?
物件広告では、専有面積を基本的に平米(平方メートル)で表記します。しかし「部屋の広さを畳で表記しているほうがわかりやすい」と感じる方もいますよね。
1畳の大きさは地域によって異なりますが、目安となる値は1.62m2です。そのため、平米(平方メートル)で表記された専有面積を、畳数に変換したい場合は「専有面積÷1.62m2」で計算できます。たとえば、専有面積30m2の場合は「30m2÷1.62m2=約18.5畳」です。
しかし先に説明した通り、専有面積にはトイレやバスルームなども含まれています。「専有面積÷1.62m2」の計算式で算出した畳数が、LDKや各個室の広さと同じではないことを、忘れないようにしましょう。
壁芯面積と内法面積とは?
専有面積を算出する方法は、以下の2つです。
・壁芯面積(へきしんめんせき)
・内法面積(うちのりめんせき)
一般的に、壁芯面積は分譲マンション、内法面積は賃貸マンション・賃貸アパートなどで使われるケースが多いようです。それぞれの計算方法について解説しますので、見ていきましょう。
壁芯面積について
壁芯面積とは、部屋を囲む壁の半分から内側を専有面積とする計算方法です。
壁芯面積で計算された数値には、壁の厚みが半分含まれています。そのため、実際の居住スペースより、広く計算されているといえるでしょう。
さらに壁芯面積には、部屋の柱部分も含まれているので要注意です。同じ専有面積でも、柱が太くて大きな部屋を選ぶと、入居後に狭く感じてしまう可能性があります。気になる物件がある場合は、必ず内見しておくとよいでしょう。
分譲マンションなどの専有面積は、壁芯面積で算出されているケースが多いといわれています。
内法面積について
内法面積とは、単純に壁の内側を専有面積とする計算方法です。内法面積には壁の厚みも、柱も含まれていません。そのため、実際の生活空間を想像しやすいでしょう。
賃貸マンションや賃貸アパートの専有面積は、内法面積で計算されているケースが多いようです。また、登記簿上の床面積も内法面積です。
しかし賃貸物件であっても、専有面積を壁芯面積で計算している物件もあります。どちらの計算方法によって算出されているか気になるときは、不動産会社に確認してみましょう。
物件探しの際は専有面積を確認しよう
専有面積とは、集合住宅で借主が独占して使用できる室内面積のことです。具体的には、リビング・ダイニング・キッチン・寝室・トイレ・バスルーム・玄関・クローゼットなどの面積が含まれます。
専有面積は、居住スペースのメインとなるLDKや、各個室の面積というわけではないので注意しましょう。また、住戸のうちバルコニー・ベランダ・テラス・ロフト・玄関ポーチ・床下収納は、専有面積に含まれません。
平米で表記された専有面積を、畳に変換したい場合は「専有面積÷1.62m2」で計算できます。おおよその目安として、捉えておくとよいでしょう。
専有面積の算出方法には、壁の厚みの半分から内側を計る壁芯面積と、単純に壁の内側を計る内法面積があります。入居した際に「想像していたより居住空間が狭かった」という事態にならないよう、専有面積を確認したうえで、必ず内見しておきましょう。
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