マンションを購入すると、住宅ローンの返済に加えて、修繕費と管理費の支払いが毎月必要です。その修繕費は積立されて、建物の築年数や劣化状況によって、外壁やあらゆる箇所の修繕工事の資金となります。
そこで今回は、マンションの大規模修繕と費用について、マンションの購入のタイミングも含めて紹介していきます。
マンションの大規模修繕とは?
マンションを購入後、そのマンションに住み続ける間は、修繕費用を毎月支払わなければなりません。マンションは、戸建てとは異なり集合住宅となるため、住戸数全ての修繕費用を合算して、修繕工事に使います。そこで、マンションの大規模修繕について詳しく紹介していきます。
工事期間はどのくらい?
マンションの大規模修繕では、工事の計画を始めてから修繕工事が終わるまで、約2〜3年程の期間がかかるとされています。マンションの規模によっても異なりますが、約50戸未満の建物であれば、工事期間は約3ヵ月〜約4ヶ月程度です。
約50戸以上〜約100戸未満の中規模マンションでは、住戸数も増えるのでさらに工事期間が伸びて約6ヶ月程です。そして、約100戸以上の大規模なマンションの場合には、約1年程の工事期間がかかるとされています。
マンションの大規模修繕では、工事の計画から作業に入るまでに、約1年〜約2年程かかり、工事期間の方が短いです。また、マンションの老朽化など、建物の状態によっては工事期間がさらに延期されるケースもあります。
周期と回数は?
一般的に、マンションの大規模修繕の周期としては、12年おきに実施されています。そのため、第1回目の大規模修繕の場合には、10年目の際にマンションの劣化状態を把握するために、正確な診断をしなければなりません。
第1回目の大規模修繕では、マンションの築年数も浅いため、建物の外壁を中心として綺麗にする工事が施されます。その12年後にあたる、第2回目の大規模修繕では、建物の外壁に加えてエントランス周辺や共有部分、建物の内側などを工事していきます。
第3回目(築36年程)では、第2回目で工事した箇所に加えて、建物の屋上などマンション全体を修繕していく工事が一般的です。また、その年の建築基準法に合わせて、耐震補強や省エネルギーの設備を取り付けるなど、メンテナンスの作業が行われています。
マンションの大規模修繕にかかる費用は?
マンションの大規模修繕は、工事をする周期や修繕する箇所によって、多額の費用が必要です。そこで、マンションの大規模修繕にかかる費用について紹介していきます。
大規模修繕費は毎月払う「修繕積立金」が充てられる
購入したマンションに住む場合には、管理費の他に、修繕費の支払いがあります。この修繕費は、マンションの
住人全員が支払わなければなりません。その修繕費を何年にも渡り積立することによって、大きな金額となり大規模修繕の支払いに充てられます。
費用はいくらかかる?
マンションの大規模修繕の費用は、修繕する建物の大きさや、築年数による劣化状態によっても大きく異なります。平均的としては、第1回目の修繕工事では1戸あたり約100万円前後の費用です。
例えばマンションの住戸数が、30戸であれば第1回目の修繕工事では、約3000万円前後の費用がかかることになります。そのため、マンションの規模によって、大規模修繕の費用に差があります。
費用が上がることはある?
分譲マンションなどを、新築から購入した場合には、築年数が古くなるにつれて修繕費が初期よりも上がることもあります。一般的には、マンションの第2回目の大規模修繕が終了した後に、約1000円〜約10000万円前後で値上がりしていることが現状です。
大規模修繕の内訳とは?
マンションの大規模修繕では、周期や回数によって工事の内容が大きく異なります。そのため、大規模修繕の内訳を知っておくと、修繕費用が把握できるので安心です。そこで、大規模修繕の内訳について紹介していきます。
修繕部分 |
修繕費用 |
外壁 |
約750万円〜約800万円前後で全体の約24%。 外壁の補修や塗装、洗浄。 |
シーリング |
約600万円前後で全体の約22%。 外壁ボードや窓冊子など、さまざまな箇所の防水加工を施す。 |
鉄部 |
約150万円〜約200万円前後で全体の約5%。 バルコニーやベランダなどの冊子のメンテナンス強化。 |
バルコニー |
約100万円前後。 バルコニーやベランダの劣化部分などの補修。 |
屋上 |
約120万円〜約150万円前後。 屋上の劣化部分の補修。 |
マンションの大規模修繕の時期と購入のタイミング
中古マンションを購入する際には、築年数や購入価格をはじめ、建物の大規模修繕の計画予定を把握しておくことも大切です。そこで、マンションの大規模修繕の時期と購入のタイミングについて紹介していきます。
大規模修繕前に購入するメリットは?
中古マンションの購入を検討する際には、建物の大規模修繕が行われているのか確認してみましょう。大規模修繕前の中古マンションは、比較的築年数が浅く、室内や設備などが綺麗な状態であることが多いです。
また、大規模修繕が予定されている周期によっては、毎月の修繕費が値上がりする前に購入ができ、金銭面の負担を減らせるメリットもあります。
ですが、築年数が約30年以上で、すでに第2回目の大規模修繕が終わっている場合には、修繕費や管理費が大幅に値上がりするケースもあるので注意が必要です。
大規模修繕後に購入するメリットは?
大規模修繕後に中古マンションを購入するメリットとしては、建物の外壁をはじめ共有部分など綺麗な状態で、物件を購入することができます。
また、大規模修繕の周期にもよりますが、マンションの築年数が古くなるにつれて、新築時よりも低価格で購入することができるメリットもあります。
平均として、第1回目の大規模修繕後であれば築12年前後、第2回目の大規模修繕は築24年前後、第3回目は築36年前後と工事周期によって、物件の資産価値も下がりはじめます。
そのため、低予算でマンションを購入したい方にはおすすめです。
令和3年9月に「長期修繕計画や修繕積立金に関するガイドライン」の見直し内容は?
令和3年9月に、国土交通省よりマンションの長期修繕計画や修繕積立金に関するガイドラインが改訂されました。それによって、マンションの築年数によって修繕費が正しく算出されていない物件の把握に繋がります。
また、中古マンションの場合は長期修繕計画の期間は25年以上で、新築のマンションは30年以上となっていましたが、30年以上で大規模修繕の工事が2回以上含まれていることが条件で、周期が短くなりました。
さらに、省エネ性能の向上を目的として改修工事を考慮するように改訂されています。そのため、築年数の古い中古マンションでは、省エネ性能が少ないので建物の大幅な見直しも検討されやすくなりました。
大規模修繕費用が発生することも忘れずに
今回は、大規模修繕と費用について、マンションの購入のタイミングも含めて紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
大規模修繕は、マンションの築年数が古くなるにつれて、修繕する箇所が増えて費用も大幅にかかります。中古マンションを購入する際には、大規模修繕の周期を確認してから検討しましょう。
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