物件を探していると、「未公開物件」という言葉を目にしたことがある人も多いでしょう。しかし、未公開物件とはどのような物件なのか、どうやって探すのか、疑問に思う点もたくさんありますよね。
この記事では未公開物件の仕組みや探し方、メリットや注意点などを詳しく解説します。未公開物件について知りたい人やなかなか理想的な物件に出会えない人はぜひ参考にしてみてください。
未公開物件とは?
ポータルサイトなどに掲載されている物件は公開物件といい、ポータルサイトなどに情報が掲載されていない物件は未公開物件といいます。未公開物件の情報は、売主から売却を依頼された不動産会社のみが知っている状態となります。ここでは物件情報の仕組みについて解説していきます。
レインズ物件について
レインズ(REINS)とは「Real Estate Information Network System」の略で、不動産物件情報交換のためのコンピュータネットワークシステムです。不動産会社のみが閲覧でき、物件情報を確認することができます。
レインズに掲載された物件情報は、売主が許可をしない限り広告掲載ができません。広告掲載の許可が出ていない物件情報は、レインズ上で不動産会社のみ閲覧することができ、一般の人には公開されていない情報ということで「未公開物件」といわれています。
予告物件について
予告物件とは、建築確認を取得する前の物件のことを指します。建築確認等取得前の物件は宅地建物取引業法により広告が禁じられているため、レインズにも掲載されていません。
販売予定がある物件でも、価格や間取りが未定であったり、居住中であったりと販売に関する必要事項がまだ決まっていない状態では情報を公開できないため、担当者に直接話を聞くことで情報を得ることができます。
未公開物件にする理由とは?
未公開物件が未公開であることにはいくつか理由があります。不動産会社側の都合で未公開とする場合、売主側の都合で未公開とする場合など、理由はさまざまです。ここではよくある5つの理由を紹介します。
・公開しなくとも買い手が見つかりそうな物件だから
・売主と不動産会社が一般媒介契約を結んでいるから
・近隣住民に売却することを知られたくないから
・未完成物件であるから
・売主が売却を急いでいるから
それでは一つ一つ解説していきます。
①公開しなくとも買い手が見つかりそうな物件だから
ポータルサイトで公開しなくても買い手が見つかりそうな物件は、未公開の状態で顧客に紹介して成約に至るケースがあります。具体的には、人気の立地や間取りなど条件が良く自社で買い手を見つけられると見込んでいる物件や、既存顧客の希望条件に合った物件です。
自社で売主と買主の仲介が完結することで仲介手数料を双方からもらうことができるため、ポータルサイトで公開する前に買い手を見つけられることは不動産会社にとって大きなメリットになります。
②売主と不動産会社が一般媒介契約を結んでいるから
売主と不動産会社が結ぶ契約は3種類あり、その中の「一般媒介契約」の場合はレインズへの登録は任意になるため、未公開物件として扱われる場合があります。
他の2つは「専任媒介契約」と「専属専任媒介契約」で、どちらもレインズへの登録が義務付けられているため未公開物件とはなりません。
③近隣住民に売却することを知られたくないから
売主が売却していることを周囲に知られたくないために未公開としている場合もあります。特に借金や離婚、近隣トラブルのために家を売却したいという理由の場合、内密に話を進めたいと思う売主が多いために未公開物件となるケースが多いです。
売主の都合で未公開としている場合、レインズへの掲載は可、ポータルサイトでの一般公開は不可としているケースが一般的です。
④未完成物件であるから
建物が完成していない場合でも、早いうちに買い手を見つけるために信頼できる不動産会社だけに販売を委託するケースもあります。
建物が未完成の場合は情報が少なく、写真もあまり用意できないためポータルサイトに掲載できないことや、市場に出回ることでトラブルが起きるケースもあるため、未公開物件として紹介されることが多いです。
⑤売主が売却を急いでいるから
売主が資金繰りに困っているなどの理由で物件の売却を急いでいる場合、未公開物件として早く買い手を見つけようとするケースもあります。情報を公開するためには何かと時間がかかるため、公開に時間をかけるより、多少安くても早く確実に売りたいという理由で未公開にしています。
売却を急いでいるため、そのような物件は割安で購入できる掘り出し物件である可能性もあります。
未公開物件の探し方・調べ方は?
未公開物件はその名の通り未公開なので、ウェブサイトや店頭の広告にも掲載されていません。そのため自分で探すことはできず、不動産会社に依頼して直接紹介してもらうのが一般的です。
「未公開物件も多数取り扱っております」と宣伝している業者であれば遠慮なく聞いても問題なく、そうでない場合でもある程度の希望条件を伝えた上で「この条件でネットに載っていない物件はありますか」と聞いてみてもいいでしょう。
不動産会社の担当者に、希望する条件に合った物件情報が入ったら知らせてもらえるようにお願いしておく方法もあります。不動産会社は購入の可能性が高い人へ情報を知らせたいため、担当者と良好な信頼関係を築いておくことが大切です。
未公開物件を調べるメリットとは?
公開されている情報の中で希望に合う物件が見つからない場合、未公開物件まで範囲を広げるのは効果的な手段です。ここでは具体的なメリットを3つ紹介します。
・一般公開が始まったらすぐに申込をすることができる
・好条件の物件に出会える可能性がある
・資産価値が高い可能性がある
それでは一つ一つ解説していきます。
①一般公開が始まったらすぐに申込をすることができる
未公開物件が一般公開される予定がある場合、未公開の期間のうちに購入を検討しておくことによって、公開後にいち早く申し込むことが可能です。
物件情報の一般公開され、申込みが可能になると先着順で売買が決まります。そのため未公開物件の情報を入手できた場合は申込み開始前に検討する時間があるため、先着申込みを有利に進めることができます。
②好条件の物件に出会える可能性がある
ネット上の情報は見る人が多い分、競争率も高くなり、好条件の物件はすぐに成約されてしまいます。しかし未公開物件の場合はライバルが少なく、特に一般公開をしなくても買い手が見つかりそうだという理由で未公開になっている場合は、かなりの好条件の物件である可能性があります。
③資産価値が高い可能性がある
売主側の事情で早急に売却したい物件である場合、一般公開されている物件よりも安い価格で取引されることがあります。「経済的に苦しく不動産を売却したいが、周囲の人に知られたくない」「相続した不動産の高額な相続税を支払うことができない」といった事情で内密に売却をしたい場合、掘り出し物件が見つかることもあります。
未公開物件の気をつけるべきことは?
未公開物件は必ずしも優良物件であるとは限らないため、購入を考える際には注意が必要です。ここではよくあるケースについて紹介するので、必ず確認してみてくださいね。
・物件価格が相場よりも高い場合がある
・近隣トラブルに巻き込まれやすい物件の可能性がある
・事故物件の場合がある
それでは一つ一つ解説していきます。
①物件価格が相場よりも高い場合がある
一般公開されている物件は一定期間売れないと値下げをすることがありますが、未公開物件の場合は情報が公開されていないことから値下げも行われにくくなります。情報の公開先を絞ってプレミアム感を演出し、相場よりも割高に価格が設定されていることもあります。
すぐに飛びつくのではなく、公開されている周辺物件の価格相場と比較して考えることが大切です。
②近隣トラブルに巻き込まれやすい物件の可能性がある
売主がポータルサイトへの情報掲載を不可とする理由のひとつとして「売却することを近隣住民に知られたくない」というケースがあります。近隣トラブルに巻き込まれているために売却したいという場合の物件は、その後もトラブルが発生する可能性があるため特に注意が必要です。
③事故物件の場合がある
事故物件は告知義務がありますが、基準が曖昧で取り扱いがグレーな部分もあります。事故物件は敬遠されてしまうため物件情報を公開しないことも多いですが、悪徳業者の場合は黙って事故物件を未公開物件として販売することもあります。未公開物件を紹介された際は、なぜ未公開にしているのか理由を確認することが大切です。
未公開物件はこんな人におすすめ!
未公開物件は、住まい探しをしていてもなかなか納得できる物件に出会えない場合には特におすすめです。ここでは具体的におすすめできるケースを紹介するので、当てはまるものがある場合はぜひ参考にしてみてください。
・住みたいエリア、地域が決まっている人
・区画をまとめて複数購入したい人
・時間をかけて探したい人
それでは一つ一つ解説していきます。
住みたいエリア、地域が決まっている人
住みたいエリアや地域を絞って物件を探している場合、未公開物件を探しているとそのエリアの物件情報をいち早く知ることができる可能性があります。特定のエリアで物件を探しているということを不動産会社に相談しておくことで、物件情報を公開する前に知らせてもらえることもあり、希望にあった物件に出会えるチャンスが増えます。
区画をまとめて複数購入したい人
複数の区画の土地を購入して二世帯住宅などの広めの注文住宅を建てたい場合も、未公開物件を検討してみるのがおすすめです。土地情報はネット上でもある程度は探せますが、希望する区画の大きさや形なども含めて条件に合うものを素人が一から見つけるのは困難です。
不動産会社に複数の区画をまとめて購入したいことを伝えておくことで未公開物件を優先的に紹介してもらえる可能性もあるので、希望する条件も含めて相談しておきましょう。
時間をかけて探したい人
未公開物件は常時あるわけではなく、物件探しをしているタイミングで自分が希望する条件に合う未公開物件があるとは限りません。時間に余裕があって良い物件情報を得たい場合は、希望にあった物件をじっくりと探す過程で未公開物件の情報を紹介してもらえることもあります。
未公開物件も視野に入れてみよう
この記事では未公開物件の仕組みや探し方、メリットや注意点などを詳しく解説しました。
公開されている物件情報ではなかなか理想的な物件に出会えない場合、未公開物件まで範囲を広げて探してみるのも一つの手といえます。未公開物件だからといって必ずしも優良物件とは限らないため、相場はどうか、近隣トラブルがないか、事故物件かどうかなどを確認することを忘れないようにしましょう。
この記事で紹介したポイントを参考に、理想の住まいを探してくださいね。
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