マンションや一戸建て住宅を購入し、いつか子どもに譲ろう、あるいは売却しようと考える方も少なくないでしょう。
そのためには不動産の資産価値について知っておくと安心です。
今回は不動産の資産価値についてご紹介します。
不動産の資産価値の計算方法や、将来住まいを売却するならマンションと戸建てのどちらがおすすめなのかご紹介します。
また、資産価値の下がりにくい物件の特徴も説明しますので、ぜひ参考にしてみてください。
不動産の資産価値とは?
不動産の資産価値とは、その不動産のもつ価値のことを指します。物件を売却するときの金額のことです。
資産価値の下がりにくいマンションや一戸建ては売却しやすいといったメリットがあるため、物件購入のときはしっかり調べるとよいでしょう。
また、不動産の資産価値は「土地の価値」と「建物の価値」で決まります。
土地の価値は基本的に大きく変動することはありませんが、建物の価値は築年数が経つごとに下がるのが一般的です。
土地の価値は立地によって決まる
土地の価値は基本的に大きく変動することはなく、比較的安定しています。
これは建物と異なり新築や中古という分け方をしないことなどが理由です。
また、土地の価値は立地によって決まることが多いです。
駅に近いエリアや利便性が高いエリアにある土地は価値が下がりにくい傾向にあるため、物件選びのポイントとして覚えておくとよいでしょう。
建物の価値は築年数に伴い下がる
建物の価値は立地や面積、デザインや管理状態などで決まり、築年数に伴い下がっていくのが一般的です。
適切なメンテナンスやリフォームをしていればじゅうぶん住むことはできるのですが、建物は土地と違って経年劣化するためどうしても価値が下がってしまいます。
また、土地や建物など対象となる資産を使用できる期間である「法的耐用年数」は木造住宅の場合は22年、マンションなどの鉄骨鉄筋コンクリート造の場合は47年です。
木造住宅は築後22年、マンションは築後47年で建物の価値がゼロになってしまうので、築年数は資産価値に大きく関わっているといえるでしょう。
ただし、中古物件の建物は販売価格が低く設定されていることが多いため、新築物件に比べて資産価値が大きく下がることはありません。
この点も物件選びのときにおさえておきたいポイントのひとつです。
資産価値の計算方法とは?
資産価値は土地、建物の価値を元に計算するのが一般的で、土地と建物をわけて価値を計算する方法を積算法といいます。
ここでは土地の価値、建物の価値の計算方法について見ていきましょう。
土地の資産価値の計算方法
土地の資産価値は、路線価×敷地面積×奥行価格補正率という計算式で求められます。
「路線価」は市街地の道路に面した土地1㎡あたりの価額のことです。
路線価は毎年変動し7月に発表されるため、国税庁のホームページで確認するとよいでしょう。
「敷地面積」は文字通りマンションや戸建て住宅の敷地面積のことです。
「奥行価格補正率」は対象となる土地の奥行きに応じて国税庁が定めている数字で、こちらもホームページで確認できます。
例えば、路線価360、敷地面積400㎡、奥行価格補正率0.98の物件の資産価値は
360,000×400×0.98=1億4,212万円です。
ただし、土地の形状や接している道路の数などにより計算方法は異なるため、正確な金額を知るには専門家に依頼することをおすすめします。
建物の資産価値の計算方法
建物の資産価値は、再調達価格×延べ床面積×(法定耐用年数ー築年数)÷法定耐用年数で求められます。
再調達価格とは該当する物件を新たに建築したり購入したりするのに必要な金額です。
また、再調達価格と法定耐用年数は建物の構造により異なります。
建物の構造 |
再調達価格の目安 |
法定耐用年数 |
RC造・SRC造 |
16~19万円/㎡ |
47年 |
鉄骨造 |
13~16万円/㎡ |
34年 |
軽量鉄骨造 |
12~17万円/㎡ |
27年 |
木造 |
12~17万円/㎡ |
22年 |
再調達価格は金融機関により異なるので、ここではPanasonic Homesの数値を参考にしました。
これを元に、例として床面積150㎡、築10年の木造建物の価値を計算しましょう。
ここでは再調達価格を15万円とします。
15万円×150㎡×(22年−10年)÷22年=2,250×(12÷22)=1,227万円
また、床面積200㎡築10年の鉄筋コンクリート造マンションの場合は次の通りです。
ここでは再調達価格を17万円とします。
17万円×200㎡×(47年−10年)÷47年=3,400×(37÷47)=2,676万円
それぞれ新築(築1年)の時点での資産価値は、木造住宅が約2,147万円、マンションが約3,327万円なので、築10年たつと建物の価値が大幅に下がることがわかります。
資産価値が下がりにくいマンションの特徴
ここでは資産価値が下がりにくいマンションの特徴について説明します。
・立地が良い
・交通と生活の利便性が高め
・総戸数が多く部屋の面積が広い
・タワーマンションなど希少価値が高い物件
・自然災害のリスクが低い
・共用施設が充実している
それぞれ詳しく説明しますので参考にしてみてください。
①立地が良い
資産価値が下がりにくいマンションの特徴の一つ目は立地が良いことです。
マンションの多くは一戸建てと異なり、比較的立地の良いエリアに建てられることが多いのですが、その中でも人気のあるエリアにある物件は特に資産価値が下がりにくいといえます。
たとえば、東京の吉祥寺や目黒、東京以外では横浜などが人気のあるエリアです。
人気のあるエリアなど立地が良い物件であれば需要が高いので、将来売却するにも買い手を見つけやすいといえるでしょう。
②交通と生活の利便性が高め
駅から徒歩10分以内程度など交通利便性の高いマンションは資産価値が下がりにくいです。
中でも特急や急行、快速などの電車が停車する駅は人気が高いため、物件選びのポイントになります。
また、生活利便性が高いことも重要です。
徒歩圏内にコンビニやスーパー、銀行や医療機関などの生活利便施設がそろっているなど、生活利便性は資産価値に大きく影響します。
物件選びのときは周辺情報も把握しておくとよいでしょう。
③総戸数が多く部屋の面積が広い
マンションの中でも総戸数が多く部屋の面積が広い物件は、比較的資産価値が下がりにくい傾向にあります。
総戸数の多いマンションのほとんどは長期修繕計画がしっかりしており、また修繕費用が不足しにくいため、大規模改修工事を行うことで資産価値を守ることができるのです。
また、部屋の面積ですが、広いほうが人気があるエリアであれば広い部屋を選ぶとよいでしょう。
たとえばファミリー世帯に人気のあるエリアでは、ワンルームではなく面積の広いファミリー向けの部屋のほうが需要があるため、資産価値が下がりにくいです。
④タワーマンションなど希少価値が高い物件
タワーマンションなどのように希少価値が高いことも資産価値が下がりにくい物件の特徴です。
タワーマンションは一般的に20階以上の高さがあり、眺望がよい、日当たりが良い、セキュリティがしっかりしているなどのメリットがあることから人気があります。
たとえば、交通や生活の利便性が高い人気エリアに1棟しかないタワーマンションなどは希少性があり、資産価値が下がりにくいです。
⑤自然災害のリスクが低い
自然災害のリスクが低いことも資産価値に影響しやすいといえます。
日本は地震が多い国なので、耐震性や耐久性が高いマンションほど資産価値は下がりにくいといえるでしょう。
ただし災害リスクよりも交通や生活の利便性を重視するケースもあり、災害リスクが高くても資産価値が下がりにくいマンションもあります。
マンション購入のときは、ハザードマップなどでそのエリアの安全性を確認しておくとよいでしょう。
⑥共用施設が充実してる
共用施設が充実しているマンションは資産価値が下がりにくい傾向にあります。
ゲストルームやキッズルーム、宅配ルームや24時間利用可能なゴミ捨て場など、便利な共用施設がある物件ほど需要があるためです。
また、フィットネススタジオや露天風呂付きプールなど豪華な共用施設がある物件は特に人気があり、他のマンションよりも資産価値が下がりにくい傾向にあります。
資産価値が下がりにくい一戸建ての特徴
次に、資産価値が下がりにくい一戸建ての特徴を説明します。
一戸建ての資産価値の特徴は、将来土地だけを売却できるという点です。
建物は経年劣化してやがて資産価値はゼロになるため、ここでは資産価値が下がりにくい土地の特徴についてまとめました。
・土地が広く敷地の高低差がない
・自然災害のリスクが低い
・同じエリアで新築戸数が少ない
・土地の素性がよい
・利便性が高いエリアにある
・希少性が高い
それぞれ詳しく説明します。
①土地が広く敷地の高低差がない
資産価値が下がりにくい土地の特徴としては、まず広くて敷地内に高低差がないことが挙げられます。
しかし広ければ広いほど資産価値が高いのではなく、需要のある面積であることが大切です。
需要のある敷地面積はそのエリアごとに異なるため、住みたいエリアの標準的な広さを把握しておくとよいでしょう。
また、敷地内に高低差があると建築費用が高くなる可能性があり、平坦な土地に比べ資産価値は低くなります。
そのため高低差がなくできるだけ平坦な土地を選ぶと安心です。
②自然災害のリスクが低い
マンションの場合と同じで、自然災害のリスクが低い土地のほうが資産価値が下がりにくい傾向にあります。
地盤が弱いなど災害リスクの高い土地の場合は将来買い手がつきにくくなるでしょう。
購入する時点で大きな災害による被害に遭っていなくても、川や崖に近いなど災害リスクの高い土地は避けたほうが無難です。
③同じエリアで新築戸数が少ない
同じエリア内での新築戸数が少ないことも資産価値が下がりにくい土地の特徴です。
もしも同じ時期に同じエリア内で多くの新築住宅が建設されると、売却のタイミングが同じになる可能性があります。
同じエリアで同時に売りに出されると、買い手の数つまり需要に対し多くの物件があるため売値を下げざるを得なくなり、資産価値が下がってしまうのです。
④土地の素性がよい
資産価値が下がりにくい土地の特徴には、土地の素性がよいことも挙げられます。
土地の素性とは、その土地が宅地として使われる前に何に使われていたかということです。
たとえば、農地として使っていた土地は水が流れ込みやすいことが多く大雨のときに水害に合うリスクが高いという理由で資産価値が下がることがあります。
また、川や沼を埋め立てた土地の場合は地盤が弱い可能性があり場合によっては地盤改良工事が必要です。
地盤調査や造成、地盤改良工事がなされているかしっかり確認するとよいでしょう。
⑤利便性が高いエリアにある
マンションと同じように交通の利便性が高いことも資産価値が下がりにくい土地の特徴です。
駅や学校に近いなど、通勤や通学に便利なエリアであれば人気が下がることはほとんどないでしょう。
ただし、都内にある駅と地方の駅など、駅によって需要が異なるため注意が必要です。
また、郊外にある土地の場合は電車よりも車で移動する人が多いため付近の道路整備がなされており車で移動しやすいこともポイントといえます。
⑥希少性が高い
希少性が高い土地は資産価値が下がりにくいです。
たとえば、都内の一等地など人気エリアにありなかなか売りに出されることのない土地は希少性が高いといえます。
また、同じエリア内でも人気の高い立地たとえば、東南向きの角地などは希少性が高く、資産価値が下がりにくいです。
売却するならマンションと一戸建てどちらがおすすめ?
マンションと一戸建てといっても物件の立地や建物の状態などにより資産価値は異なるため、将来売却するのにどちらがいいとは一概にはいえません。
一つだけいえるのは、一戸建ては建物が劣化しても土地は売却可能なので資産価値がゼロにはならないという点です。
マンションなら駅に近く利便性性の高い物件、一戸建てなら人気エリアの平坦な土地にある物件など、将来的に売却しやすい物件を選ぶとよいでしょう。
売却する将来のことを考えて資産価値が下がらない物件を選ぼう
今回は不動産の資産価値についてご紹介しました。
不動産の資産価値とは、不動産を売った場合の金額のことです。
将来売却を考えてマンションや一戸建てを購入する場合は、資産価値が下がりにくい物件を選ぶ必要があります。
物件選びの前に、資産価値の下がりにくいマンションや土地の特徴について把握しておくとよいでしょう。
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