フラット35を利用する際、耳に入ることも多い適合証明書の存在。適合証明書がなければ、フラット35を利用することは難しくなります。それほど重要な書類ですが、意外と意味を説明できない人も多いのではないでしょうか。
この記事では、適合証明書にまつわる基礎知識をご紹介していきます。具体的な取得方法や費用面、気を付けた方がいいポイントなどについても触れていくので、フラット35の利用を考えている人はぜひチェックしてみてください。
「適合証明書」とは?
適合証明書とは、フラット35を契約する際に金融機関に提出しなければならない書類の1つです。購入を考えている住宅が、技術基準を満たしているかどうかを証明します。
技術基準の項目は、住宅規模や耐震性、省エネ性など幅広いです。もしも技術基準をクリアできなかった場合は、フラット35を利用することはできません。
フラット35を利用できる住宅の条件とは?
いったいどのような住宅ならフラット35を利用できるのか、気になりますよね。ここからは、利用可能な住宅の条件を新築・中古に分けて解説していきましょう。
新築住宅の場合
住宅金融支援機構の「新築住宅の技術基準の概要」によると、住宅の構造が耐火構造ならびに準耐火構造などに適合していること、外壁や天井、屋根などに決められた厚さの断熱材を使用していることなどが条件として挙げられます。
配管設備の点検にも細かなルールがありますし、マンションの場合は床の遮音構造も一定の決まりを守らなければなりません。
中古住宅の場合
こちらも、住宅金融支援機構の「中古住宅の技術基準の概要」を参考にします。昭和56年6月1日以後に建築された建物であることが、中古住宅の代表的な条件だといえるでしょう。
劣化状況にも厳しい決まりがあり、一戸建て住宅をはじめとする住宅の場合は土台などに腐朽・蟻害が見られないこと、マンションの場合は外壁などから鉄筋が露出していないことなどが例に挙げられます。
フラット35の適合証明書の取得費用はかかる?
適合証明書を取得すると、物件審査手数料を支払わなければなりません。この金額は検査機関によって大きく変わることはあまりありませんが、住宅の種類が変わると違いが出ます。約2〜8万円程度であるケースが多いようです。
なお、もしも技術基準を満たすことができなかった場合でも、物件審査手数料は支払う必要があるので注意が必要です。
フラット35の適合証明書の取得方法は?
ここからは、どんな手続きを踏めば適合証明書が取得できるのか見ていきましょう。新築住宅、注文住宅、中古住宅の場合で内容に差が出ます。自分の場合と当てはめながら見ていってください。
新築住宅の場合は不動産会社に相談しよう
新築住宅の適合証明書を取得する場合、その旨を不動産会社に伝えれば問題ありません。不動産会社側が、なじみのある適合証明検査機関に依頼を代行してくれるからです。1から検査機関を調べ、自分で取得依頼を出す必要はありません。
ただし、たとえ不動産会社が依頼を行ってくれたとしても、物件審査手数料は自分で支払わなければいけないことを覚えておきましょう。
注文住宅の場合は建築会社に相談しよう
注文住宅を購入する場合は、適合証明書を取得したいと建築会社に相談してください。新築住宅のケースと同じように、付き合いのある検査機関に依頼してくれます。
利用するフラット35の種類によっては、適合しなくてはいけない技術基準が変わってくることも。なるべく早めに相談することを心がけましょう。
中古住宅の場合も不動産会社に相談しよう
中古住宅の購入を考えている場合は、適合証明検査機関だけではなく、適合証明技術者に取得依頼を出すこともできます。不動産会社を仲介して依頼することが多いですが、自分で検査機関などを選ぶことも可能です。
中古住宅は新築の住宅と違い、目視確認と書類提出によって検査が行われます。
適合証明(物件検査)手続きを省略できる住宅とは?
次に、適合証明の手続きを行わなくてもよいケースをご紹介します。
・既に物件検査を受けている住宅
・築年数が20年以内の長期優良住宅
・新築時にフラット35を利用している築10年以内の物件
二度手間を増やさないよう、きちんと頭に入れておきましょう。
既に物件検査を受けている住宅
「中古マンションらくらくフラット35」など、技術基準を満たしていることを前もって確認してある住宅は、もう一度適合証明書を取得する必要はありません。
該当するマンションを検索できるサイト(中古マンションらくらくフラット35)を使って、自分の地域を検索するところから始めてみましょう。
築年数が20年以内の長期優良住宅
一般社団法人住宅性能評価・表示協会の公式サイトによると、長期優良住宅とは「長期に使用するための構造及び設備を有していること、居住環境等への配慮を行っていること、一定面積以上の住戸面積を有していること、維持保全の期間、方法を定めていること、自然災害への配慮を行っていること」を認定された住宅のことです。
これに適した住宅も、取得手続きは不要になります。
新築時にフラット35を利用している築10年以内の物件
購入時は中古物件でも、新築時にフラット35を既に利用していた場合は、築10年以内なら取得手続きを省略できます。
【フラット35】中古住宅に関する確認書」の該当する書類を金融機関に提出すれば問題ありません。もし書類提出方法に迷ってしまったら、不動産会社に相談してみてくださいね。
適合証明書を取得する際の注意点とは?
ここからは、適合証明書を取得するときに気を付けたほうがいいポイントを3つピックアップしていきます。
①証明書が届くまで約2週間前後かかる
②証明書が発行できない場合でも費用はかかる
③証明書は有効期限がある
見落としがちな部分でもあるので、あらかじめ把握しておくことをおすすめします。
①証明書が届くまで約2週間前後かかる
住宅の種類によって具体的な日数は変わってきますが、検査終了からおおよそ2週間後を目処に考えてください。検査が終わってから即日発行できるものではないので、スケジュールを考慮しましょう。
ちなみに、物件検査を省略する手続きを行った場合は、すぐに書類を発行してもらえるので安心してくださいね。
②証明書が発行できない場合でも費用はかかる
検査終了後、最終的に証明書が発行できないことが判明した場合でも、物件審査手数料は支払わなければなりません。
金融機関を経由して依頼したケースだと手数料が請求されないこともありますが、基本的には物件検査が実施された時点で費用は支払わなければならないと覚えておきましょう。
③証明書は有効期限がある
住宅金融支援機構の公式サイトによると、以下の通りです。
・新築住宅…竣工から2年以内
・中古住宅(一戸建て)…検査日から1年間
・中古住宅(マンション)…竣工から5年を超えた場合は検査日から3年間、5年以内の場合は5年間
適合証明書の取得ができない場合の対処法とは?
物件検査を行ったうえで適合証明書が取得できないと判明したら、いったいどんな対策をとればいいのでしょうか。
同じような状況が自分の身に起こったと仮定して、考えてみましょう。
①フラット35が利用できる物件に変える
現在の物件を一度諦めてフラット35に対応できる物件を新しく探すという、とてもシンプルな方法です。
もちろん住宅選びとの兼ね合いもあるので、即断即決することは難しいかもしれません。住宅そのものにこだわるか、それとも住宅ローンを重視するのか…よく家族で相談するといいですね。
②フラット35が利用できるよう追加工事する
予算に余裕があるなら、追加工事を考えるのも1つの手でしょう。物件を変更せずにローン問題も解決できる合理的な方法だからです。
ただし、想像を超えて工事費用が高くつくこともあります。事前に不動産会社や検査業者に相談し、最適な方法をうかがうことが大切です。
事前準備を早めに行おう
フラット35の利用に必要な、適合証明書の基礎知識について紹介してきました。最初は分からないことが多いかもしれませんが、不明点があれば業者に相談すれば問題ないでしょう。
適合証明書は、とにかく早いうちに行動を始めることが重要です。スムーズに手続きを進められるように、準備できる部分は事前に準備をしておくことをおすすめします。
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