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マンションの共用部分とはどこのこと?専有部分との違いを理解しよう!

2022.03.25
2022.12.09
マンションの外観の画像

マンションのどの部分が「共用部分」「専有部分」と呼ばれるかご存知でしょうか。実は、「そこが共有部分なの?」という意外な場所もあります。 

 

今回は、マンションの「共用部分」「専有部分」の違いについてご説明します。マンションに住む人は、ぜひ覚えておいてください。


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専有部分・共用部分・専用使用部分・共有部分の定義と違い

「マンションに虫眼鏡をかざしている」

 

ここでは、「専有部分」「共用部分」の定義についてご紹介します。また、専有部分・共用部分をご紹介する上で知っておいて欲しい、以下の「専用使用部分」「共有部分」という言葉についてもご紹介しますので、ぜひ覚えておいてください。

 

専有部分とは?

 

専有部分とは、「区分所有権の目的たる建物の部分」(区分所有法1条、2条3項)のことを指します。簡単に説明すると、マンションの所有者・個人が所有している場所です。以下のような人がマンションの所有者にあたります。

 

・分譲マンション:部屋を購入した人・実際に住んでいる人

・賃貸マンション:オーナー・大家さん

 

専有部分に該当するのは、部屋の内側の居住スペースです。天井・壁・床などもそれにあたります。この後ご紹介する「専用使用部分」との境界が難しいのでしっかり確認しましょう。

 

共用部分とは?

 

専有部分に対して、共用部分は、マンション全員で共有する場所を指します。つまり、専有部分以外が共有部分です。マンションは他にも住人がおり、共同でマンションを使用をしています。それぞれの使用方法や管理方法については、マンションの管理規約や使用細則に記載がされているので、住む前に一度必ず確認をしましょう。

 

そして、共有部分にはさらに「専用使用部分」「共有部分」という括りがあります。どちらもマンション住人の共有スペースですが、それぞれ管理方法などが異なるため、注意が必要です。以下では「専用使用部分」「共有部分」についてご説明します。

 

専用使用部分とは?

 

「専用使用部分」とは、共有部分の内、所有者個人が専用で使用する場所を指します。マンション住人の共同スペースでありながら、普段は所有者だけが使用する場所のことです。実は、この専用使用部分と専有部分の違いが、一番わかりにくいため注意しましょう。

 

専用使用部分の代表的な例をご紹介します。

・玄関のドア(外側)

・バルコニー・ベランダ・各部屋専用の庭

・窓枠・窓ガラス(外側)

・火災報知器

・給水管の竪管

・個人の郵便受け

・インターフォン(部屋に設置しているもの)

 

「そこも共有部分なの?」と思った人も多いのではないでしょうか。専有部分は、居住スペースの“内側”とご説明しましたが、少しでも外側に面していたり、マンション住人に関わったりする場所は、全て専用使用部分となります。共同スペースなので、勝手にリフォームや交換はしてはいけません。

 

よく専有スペースと間違えられるのが、バルコニーやベランダです。バルコニーやベランダの本来の目的は、災害時の避難経路になります。そのため、実はバルコニーやベランダに私物を置いてはいけません。

 

共有部分とは?

 

「共有部分」は、共用部分の内、マンション住人が共同で使用する場所を指します。マンション住人が普段の生活で、みんなで使う場所をイメージしてください。

 

共有部分の代表的な場所は以下になります。

・エントランス

・エレベーター

・階段

・廊下

・ゴミ捨て場

・宅配ボックス

 

 

各部分のメンテナンス方法は?

 家をメンテナンスする男性

 

各部分の定義についてご紹介しましたが、それぞれのメンテナンスはどうしたらよいのでしょうか。特に専用部分と専用使用部分は境界が難しいため注意が必要です。

 

専有部分のメンテナンス事情

 

専用部分のメンテナンスは、所有者個人で行います。居住スペース内ですので、管理や責任は個人に帰属します。メンテナンスの費用負担も個人です。

 

ただし、共有部分のメンテナンスである大規模修繕などでは、希望者向けに専有部分のメンテナンスも行ってくれる場合があります。

 

また、キッチン・洗濯機・風呂場などの排水管の洗浄は、共同部分と一緒に行うことが多いです。通常よりも費用を削減できる上に、トラブルを未然に防げるため、積極的にお願いしましょう。

 

共用部分のメンテナンス事情

 

共用部分のメンテナンスは、状況によって誰が行うのか異なります。基本的には、共有部分の補修や修理は、管理組合の負担です。

 

しかし、共有部分だからといって、全てをマンションの住人で負担するわけではありません。ここでも「専用使用部分」「共有部分」によって状況が異なるため、詳細をご紹介します。

 

専用使用部分のメンテナンス事情

 

専用使用部分のメンテナンスは、専有部分の居住者が行うケースが多いです。専用使用部分のメンテナンスにおいては、「通常の使用に伴うものについては、専用使用権を有する者がその責任と負担においてこれを行わなければならない。」(標準管理規約(敷地及び共用部分等の管理))と記載があります。この「通常の使用」というのがポイントです。ベランダや玄関のドアなどを通常使用するのは、居住者が該当します。そのためメンテナンスは居住者が行うことになります。

 

専用使用部分はマンション側でメンテナンスを行ってくれることもありますたとえば、火災報知器の消防点検や機械駐車場のメンテナンスが、マンション主催で年に数回行う消防点検です。

 

また、大規模修繕工事の際に専有部分同様オプション工事をすることもあります。特にベランダがそれにあたり、窓のサッシの補修・網戸の取り換え・張り替えなどを行ってもらえることも。

 

老朽化や自然災害などが原因で補修や修理などのメンテナンスが必要な場合も、マンション側で負担してくれることもあります。メンテナンスが必要な状況によって誰が負担するかが異なるということです。

 

専用使用部分のメンテナンスが必要な場合は、管理規約や使用細則を熟読した上で、まずは管理組合や管理会社に問い合わせてみましょう。場合によっては、管理組合で費用を負担してもらえるかもしれません。

 

共有部分のメンテナンス事情

 

共用部分のメンテナンスは、管理組合や管理会社が行います。最も代表的な例が、大規模修繕工事です。修繕積立金をマンション住人全員で負担し、数年に一度マンション全体の修繕工事を行います。目に見える外壁や廊下だけではなく、躯体や柱などのチェックも行っています。

 

また、都度メンテナンスを行っている場所の例として、エレベーターが挙げられます。エレベーターは定期点検をしなければ、大きな事故につながりかねません。そのため、多くのマンションがエレベーター点検を数か月に1度管理組合や管理会社の負担で行っています。

 

また、マンションの清掃員を雇用している管理会社もあります。廊下の掃除やマンションに植えられた植物の手入れをしてくれる清掃員も、管理組合がメンテナンス費用を負担しています。

 

共用部分に費用はかかっている?

「家の費用について話し合う男性たち」

 

マンション住人が共同で使用する「共有部分」にも、常に費用はかかっています。マンションを綺麗に保つことは、マンションそのものの価値を上げることに繋がります。そのため、マンションは常に綺麗に維持しなければなりません。状態を維持するための費用は、マンションの住人が負担をしています。主にかかる費用として以下の3つをご紹介します。

 

・管理費

・修繕積立金

・突発的な修理費

 

一つ目の管理費は、日々のマンションを綺麗に保つための維持費と考えてください。廊下やエントランスの清掃などもそれにあたります。維持費は、マンションによりますが、月1~2万円ほどかかり、管理費として住人から徴収されています。

 

二つ目は、修繕積立金です。上記で説明したように、マンションの外壁・屋上・躯体などの補修工事は数年に一度行わなければなりません。大規模修繕工事を行うための費用は、管理費同様にマンション住人から徴収されています。大規模修繕工事は、築年数が経つごとに大がかりな内容で費用がかかるため、住人の負担も増えます。

 

三つ目は、突発的に発生する修理費などです。エレベーターや駐車場など急に修理が必要になった際、普段の管理費では賄いきれない場合、臨時で住人から費用を集めることがあります。同様に、大規模修繕工事でも修繕積立金が足りない場合は、追加で住人から費用を徴収します。

 

このように、マンションでは自分の家だけではなく、共同部分の支払いもあります。そのため、余裕をもった資金計画が必要です。

 

トラブルが起きたときは誰が対応する?注意点とあわせて紹介

 「近隣の騒音に困っている男女」

 

マンションに住んでいると、何かとトラブルが起こります。その際、専有部分・共有部分どの部分でのトラブルかによって対応が異なるため注意が必要です。ここでは、以下の項目についてトラブルが起きた際の対応をご紹介します。

 

専有部分でのトラブル

 

専有部分でのトラブルは、基本的に対処は所有者個人が行います。ただし、状況によって管理組合や管理会社が介入することもあり、ここでは2つの状況を例にとってご紹介します。

 

一つ目の状況は、騒音トラブルです。マンションに住んでいると、どうしても他の部屋からの騒音で苦情が発生することがあります。騒音の出所の部屋が分かっていれば、直接注意することもできますが、住人トラブルにつながりかねません。その場合、自分で判断する前に、一度管理組合や管理会社に相談するようにしましょう。直接注意するか、マンションの共同掲示板に張り紙をするのかは、マンションによってさまざまです。

 

二つ目の状況は、水道管が原因の漏水です。下の階に漏水してしまった場合、まずは必ず原因を調査してもらいましょう。専有部分の水道管からの漏水だった場合は、かかる費用は自己負担です。火災保険など対応をしてくれる場合もありますが、専有部分の場合は基本的には住人同士でのやりとりになるため、早め早めに対処するよう心がけましょう。



共用部分でのトラブル

 

共有部分でのトラブルは、基本的には管理組合や管理会社が介入します。共有部分で起こるトラブルは、誰が原因か分からないことが多いです。ゴミ捨て場を例にとると、指定のごみ袋でなかったり、粗大ごみシールが貼られていなかったりした場合、誰が該当者か分からないため、個人では解決できません。その場合、管理組合や管理会社の責任のもと、該当者に対処してもらうよう張り紙などを行うことになります。

 

共用部分でのトラブルに関しては、自分で解決しようとせず、管理会社や管理組合に相談をするようにしましょう。思わぬトラブルに巻き込まれないよう注意が必要です。



専用使用部分でのトラブル

 

専用使用部分でのトラブルは、状況によって対応する人が異なります。ここでは、二つの状況を例にとって説明します。

 

・ベランダのトラブル

・玄関ドアのトラブル

 

一つ目は、ベランダに関するトラブルです。ベランダのトラブルはよく起こるため、注意しましょう。まず、共同スペースであるため、私物は本来置いてはいけません。ベランダは避難経路として非常時に使用するため、経路をふさがないよう不必要に物を置くのはやめましょう。

 

また、たばこのトラブルもよく起きます。ベランダでたばこを吸うという人もいますが、これも共同スペースのため、禁止されているマンションが多いです。

 

以上のようなベランダに関するトラブルがあった際は、自分で解決する前に管理会社や管理組合にまず相談しましょう。マンションの共同掲示板や、当人に注意を促してくれることもあります。

 

二つ目は、玄関ドアのトラブルです。玄関ドアの外側は、実は専用使用部分にあたります。そのため、玄関ドアは勝手に取り換えてはいけません。防犯のためにと、鍵を二重につけることも、管理規約で行ってよいとの記載がない限りできないことです。場合によっては、原状回復するよう求められることもあります。

 

住んでいる場所のどこが専用使用部分に該当するのかしっかり理解し、リフォームや取り換えを行う際は、必ず事前に管理組合や管理会社に問い合わせるようにしまそう。

 

2つの違いを理解して快適な暮らしを

 

今回は、マンションの「共用部分」「専有部分」の違いなどをご紹介しました。

 

マンションには、所有者個人が居住スペースとして使用する「専有部分」と、マンションの住人全員が共同で使用する「共有部分」があります。また、共有部分の内、所有者個人が専用で使用する場所を「専用使用部分」、共同で使用する部分が「共有部分」です。

 

メンテナンスやトラブルが起こった際の対処法は、それぞれの部分によって異なります。まずは「共用部分」「専有部分」「専用使用部分」「共有部分」それぞれの違いをしっかり理解しましょう。

 

困ったことや分からないことがあった際は、マンションの管理規約や使用細則を確認し、それでも不明な場合は管理組合や管理会社に問い合わせることをおすすめします。快適なマンションライフを送るためにも、違いを理解しルールを守って生活しましょう。

 

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