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「耐震基準適合証明書」取得は引き渡し前?後?住宅ローン減税の際に注意すべきポイントを解説!

2022.03.26
2022.12.09
住宅の模型と話し合う人の画像

耐震基準適合証明書を取得し、住宅ローン控除などを適用させたいと考えている人は、引き渡し前に取得しておくのがおすすめです。

 

この記事では、耐震基準適合証明書を取得するメリットや、引き渡し後に耐震基準適合証明書を取得する注意点を紹介します。これから中古物件を購入しようと考えている人は、ぜひ参考にしてください。


  cta-image-1   

「耐震基準適合証明書」とは?

「住宅の画像」

まずは、「耐震基準適合証明書」の概要を見ていきましょう。耐震基準適合証明書は、住宅の耐震性が基準を満たしていることを証明する書類です。建築基準法で定められている耐震基準をもとに判断されます。

 

また、耐震基準適合証明書は耐震基準を満たした住宅を所有したときに、自動的に発行されるわけではありません。そのため、耐震基準適合証明書を取得する場合には、耐震診断を受ける必要があります。



取得するメリットとは?

「不動産に関する税金を表す画像」

耐震基準適合証明書とは、耐震基準が満たされていることを証明する書類です。耐震基準適合証明書を取得することで、どのようなメリットがあるのでしょうか?ここでは、大きく3つに分けて、耐震基準適合証明書を取得するメリットを見ていきます。

 

<耐震基準適合証明書を取得するメリット>

・住宅ローン控除を適用できる

・中古物件の登録免許税を減税できる

・中古物件の不動産取得税を減税できる

 

住宅ローン控除を適用できる

耐震基準適合証明書を取得する1つ目のメリットは、築年数に関係なく住宅ローン控除を適用できることです。住宅ローン控除は、住宅ローンで購入した住宅すべてに適用されるわけではありません。例えば、一定の築年数を経過している住宅は、住宅ローン控除の適用外です。



構造の種類

住宅ローン控除が適用される築年数

コンクリート造の住宅

築25年以内

木造の住宅

築20年以内

参考:国税庁「中古住宅を取得した場合」

 

このように、一定の基準を満たさないと住宅ローン控除は受けられません。しかし、耐震基準適合証明書を取得することで、築年数に関係なく住宅ローン控除を受けられるようになります。



中古物件の登録免許税を減税できる

耐震基準適合証明書を取得することで、登録免許税を減税できることがメリットです。住宅を購入した場合、住宅の所有権を公的に登録するために登記する必要があります。登記の際にかかるのが、登録免許税です。登録免許税は、購入した住宅の固定資産税評価額に税率をかけて計算します。



 

「耐震基準適合証明書」取得前の税率

「耐震基準適合証明書」取得後の税率

住宅の所有権移転登記

2.0%

0.3%

抵当権設定登記

0.4%

0.1%

参考:国税庁「登録免許税のあらまし」

 

上記の表からわかる通り、耐震基準適合証明書を取得することで、登録免許税の減税が受けられます。



中古物件の不動産取得税を減税できる

中古物件の不動産取得税を減税できることもメリットです。不動産取得税とは、名前の通り不動産を取得した際に課される税金を指します。耐震基準適合証明書を取得することで、不動産取得税が4%から3%に軽減されることが特徴です。

 

参考:国土交通省「不動産取得税に係る特例措置」



「耐震基準適合証明書」発行の条件は?

「耐震診断をしている画像」

耐震基準適合証明書を取得することで、税金の負担が軽くなるメリットがあります。金銭的負担を減らすためにも、誰もが耐震基準適合証明書を取得したいと考えますよね。

 

とはいえ、耐震基準適合証明書は、耐震基準を満たした住宅に対して発行されるものなので、条件を満たさなくてはいけません。耐震基準適合証明書を取得するためには、まず耐震診断を受ける必要があります。耐震診断では「上部構造点」が4段階で判定され、その点数が1.0以上であった場合のみ、耐震基準適合証明書の取得が可能です。



「耐震基準適合証明書」の取得方法とは?

「耐震診断をしている画像」

耐震基準適合証明書を発行してもらうためには、耐震診断を受けて一定の基準を満たしている必要があります。そこでここでは、耐震基準適合証明書を取得するまでの具体的な流れを見ていきましょう。

 

<耐震基準適合証明書の取得方法>

・耐震診断を実施することを売主に伝える

・耐力壁の位置等を確認できる設計図を取得する

・その設計図で耐震診断を実施可能か診断業者に相談する

・診断業者に依頼と日程調整する

・物件の調査を実施する

・耐震診断の報告書受領と適否の確認する

・「耐震基準適合証明書」を発行する



耐震診断を実施することを売主に伝える

先に述べた通り、耐震基準適合証明書を取得するためには、耐震診断を受ける必要があります。そのため、耐震診断を実施することを売主に伝えましょう。

 

耐力壁の位置等を確認できる設計図を取得する

売主から耐震診断の許可が降りたら、耐震診断に必要な設計図を取得します。基本的には売主が所有しているので、所有しているかどうか確認してください。

 

その設計図で耐震診断を実施可能か診断業者に相談する

売主から設計図をもらったら、診断業者に設計図を提示して診断可能かどうか確認します。

 

診断業者に依頼と日程調整する

売主から渡された設計図で診断可能だった場合、診断業者に耐震診断を依頼し、日程調整をしてください。

 

物件の調査を実施する

日程調整ができたら、決めた日時に耐震診断を実施します。

 

耐震診断の報告書受領と適否の確認する

耐震診断が終わったら、耐震診断の報告書を受け取り、耐震基準を満たしているかどうかの確認をしましょう。もし、耐震基準に満たなかった場合、安心して長く住むためにも耐震補強工事の実施がおすすめです。

 

「耐震基準適合証明書」を発行する

住宅が耐震基準を満たしていた場合、耐震基準適合証明書を発行できます。耐震基準適合証明書は、役所などで発行するものではなく、耐震診断を実施した業者から取得可能です。



「耐震基準適合証明書」取得は引き渡し前がおすすめ!

「物件を引き渡している画像」

耐震基準適合証明書は、耐震診断を受けてから取得できます。これから中古物件を購入しようとしている人の中には、耐震基準適合証明書を取得するタイミングに迷う人もいるのではないでしょうか?

 

結論から言うと、耐震基準適合証明書の取得は引き渡し前がおすすめだと言えます。耐震基準適合証明書の目的は、優良な中古物件の流通促進のためです。そのため、売主が耐震基準適合証明書の申請を実施するのが一般的だと言われています。売主による耐震基準適合証明書の取得がなかった場合、購入前に耐震基準適合証明書の取得ができないか聞いてみましょう。

 

引き渡し後に「耐震基準適合証明書」を取得する際の注意点とは?

「注意を表す画像」

売主から耐震診断の許可が降りないなどで、引き渡し後に耐震基準適合証明書を取得する可能性もあります。その場合、耐震診断と、耐震基準適合証明書の取得に必要な耐震補強工事を実施しなくてはいけません。

 

また、引き渡し後に耐震診断を実施したことが判明すると、住宅ローン控除や登録免許税の減税対象外になってしまいます。このように、控除や減税の恩恵がなくなってしまうため、耐震基準適合証明書の取得は引き渡し前がおすすめです。



住宅ローン控除を受けるには他の書類も必要!

「確定申告をしている画像」

最後に、耐震基準適合証明書を取得し、住宅ローン控除を受ける際の必要書類を紹介します。



書類の名前

取得場所

確定申告書

・税務署で取得
・国税庁のホームページからダウンロード

源泉徴収票

勤務先

マイナンバーカード

役所

住宅借入金等特別控除額の計算明細書

・税務署で取得
・国税庁のホームページからダウンロード

住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書

年末に郵送される

住宅の登記事項証明書

・法務局で取得
・オンライン申請

住宅の売買契約書の写し

住宅購入時に不動産会社から取得

耐震基準適合証明書

・売主から取得
・耐震診断を実施した業者から取得

 

このように、住宅ローン控除を受けるためには、耐震基準適合証明書以外にもさまざまな書類が必要です。なお、初めて住宅ローン控除を受ける際には、確定申告をする必要があります。会社員の場合であれば、2年目以降は年末調整を通して住宅ローン控除が適用されるため、2年目以降の確定申告は必要ありません



耐震基準適合証明書は物件の引き渡し前に取得しよう

耐震基準適合証明書を取得することで、住宅ローン控除や登録免許税の減税が受けられます。金銭的な負担が減るだけでなく、耐震基準を満たしていることが証明されていることから、安心して長く住み続けることもできるはずです。そのため、中古物件を購入する際は、耐震基準適合証明書を取得しておくのがおすすめだと言えます。

 

その際に注意しなくてはいけないのが、耐震基準適合証明書を取得するタイミング。引き渡し後に取得しても、控除や減税が受けられないです。そのため、物件の引き渡し前に、耐震基準適合証明書を取得しましょう。

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