住宅価格については、「現在の価格や平均購入額はいくらなのか」といった疑問を持っている人も多いでしょう。
住宅価格はタイミングによって変動するもので、うまく立ち回れば安く購入可能です。本記事では以下について解説します。
・住宅価格を左右する条件
・住宅別の価格平均相場
・価格を抑える方法
住宅価格を安くおさえたい人はご参考ください。
住宅価格を左右する条件とは?
住宅価格を左右する条件は、大きく分けて5つあります。
・駅からの距離はどのくらいか
・築年数は何年か
・周辺環境・治安は良いか
・部屋の日当たりは良いか
・眺望は良いか
それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。
駅からの距離はどのくらいか
駅からの距離は、住宅価格に大きく影響します。いわゆる駅近であれば、そのほかの点に多少の難があっても高価格になりやすい傾向です。
特に電車での移動が多い都市圏では、その傾向が顕著に表れています。三菱UFJ不動産販売の調査では、「駅から徒歩5分圏内の住宅」と「同11分〜15分圏内」の住宅では、21%ほど価格に開きがあるというデータが出ています。
たとえば前者の住宅が5,000万円なら、後者は4,000万円程度となるわけです。
築年数は何年か
築年数は、住宅価格を大きく左右する要素のひとつです。たとえば築10年の一戸建てであれば、物件評価額は半分ほど残っています。つまり元々の価格が5,000万円なら、10年後には2,500万円まで値下がりするわけです。
一方で築20年以上で建物自体の価値が損なわれ、いわゆる「土地値物件」となるケースもあります。ただし住宅の状態によっても価格変動には違いが出てくる点に注意してください。
周辺環境・治安は良いか
周辺環境や治安も、住宅価格に関係します。
近くに病院やショッピングモールなど、生活上必要な施設が多く存在するなら、当然ながら価格は向上します。一方で周辺に施設がなく、また治安に不安がある場合は、住宅価格はやや安くなるかもしれません。
部屋の日当たりは良いか
部屋の日当たりがよいかどうかも、住宅価格を大きく左右します。日当たりがよいのは南→東→西→北の順番です。そして住宅価格も南が高く、北は安くなります。また角地であればさらに住宅価格が高くなります。
眺望は良いか
眺望も、住宅価格を左右する要因のひとつです。例えば高層階からの景色やオーシャンビューが楽しめるなら、それだけ価格は向上します。
たとえば東京カンテイの調査によれば、「東京タワー周辺を一望できるタワーマンション」住宅価格は、そうでないケースと比較して10%から25%高くなるとのことです。
一方、特に魅力が感じられない眺望であれば、住宅価格に大きな影響はありません。たとえば低地にある2階建てのアパートで、目の前が住宅街であったとすれば、眺望によって価格が上乗せされることはないでしょう。
住宅別|価格平均相場
フラット35を取り扱う住宅支援機構が実施した調査によれば、2020年度における住宅別の価格平均相場は以下のとおりです。
住宅 |
平均購入価格 |
マンション |
4,545万円 |
土地付き注文住宅 |
4,397万円 |
建売住宅 |
3,495万円 |
注文住宅 |
3,534万円 |
中古マンション |
2,971万円 |
中古戸建て |
2,480万円 |
マンションおよび土地付き注文住宅には、相当な費用がかかるとわかります。一方で中古物件であれば、半額近い平均購入価格が報告されています。
住宅価格を抑える5つのコツ!
価格をおさえるコツは、大きく分けて5つ挙げられます。
①条件のグレードを下げる
②注文住宅の場合は木材などのグレードを下げる
③住宅ローン控除を利用する
④仲介手数料を値引きしてもらう
⑤低金利のローンを選ぶ
住宅においては、ほんの少しの違いで数十万円ほど価格が変動するものです。上記を知らないままでいると、大きな損失が出るかもしれません。一つひとつ詳しく解説するので参考にしてください。
①条件のグレードを下げる
住宅価格をおさえる方法として、まずは条件のグレードを下げることが考えられます。
ここで言うグレードとは、たとえば以下を指します。
・駅からの距離
・築年数
・眺望
・日当たり
・設備費
・デザイン性etc…
いずれの条件を妥協すれば、多くの場合は価格をかなり低くおさえることが可能です。
ただしグレードは、とにかく下げればよいわけではありません。たとえば「眺望・日当たりは妥協するが 、駅近・築浅は譲らない」などと、優先順位をつけて判断する必要があります。
②注文住宅の場合は木材などのグレードを下げる
注文住宅の場合は木材などのグレードを下げることで、住宅価格もおさえられます。基本的にメーカーは、木材について3段階程度の品質等級を提案するはずです。
その中から、予算に合わせてグレードを落としましょう。近年はウッドショックの影響があるので、この手法は非常に重要です。
③住宅ローン控除を利用する
住宅ローン控除を利用すれば、住宅価格は安くおさえられます。厳密に言えば値引きされるわけではありませんが、確定申告に税金が還付されるので、実質価格割引として捉えられます。
住宅ローン控除とは、一言で言えば減税措置の一種です。条件を満たしていれば、向こう10年の間、ローン残債の1%が還付されます。
④仲介手数料を値引きしてもらう
仲介手数料を値引きしてもらうことで、住宅価格は安くおさえられます。厳密には不動産取得にかかる費用が安くなるのですが、ほとんどの物件で仲介手数料がかかるので、実質住宅の価格をおさえられるということです。
仲介手数料は、一般的な住宅であれば100万円以上はかかります。しかしこれは不動産会社の言い値にしか過ぎず、交渉で値引きすることは可能です。
⑤低金利のローンを選ぶ
住宅価格をおさえたいなら、低金利ローンを選びましょう。多くの場合住宅購入時には住宅ローンが必要ですが、金利が高ければ高いほどトータルの出費は大きくなります。
しかし低金利ローンを利用すれば、少なくとも利子については安くすることが可能です。ただし数十万円程度の諸費用がかかるなどのデメリットもあるので注意してください。
低金利ローンを選ぶときは、とにかく融資可能な銀行同士で金利を比較しましょう。ただし「変動金利」と「固定金利」どちらを選ぶかといった点についても、よく考える必要があります。
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今後の住宅価格の推移
続いて、下記のエリアにおける今後の価格動向を知っておきましょう。住宅価格の推移について知る上で重要なのは、国土交通省が発表している「不動産価格指数」です。
これは2010年の平均住宅価格を100とし、その数値から離れれば離れるほど、一眼で安い・高いと判断できます。全国・地方関係なく言えるのは、住宅価格は2010年より向上していることです。
そして2020年以降は新型コロナウイルスの影響で更なる上昇傾向が生まれました。今後も、ウッドショックやロシアのウクライナ侵攻による物価変動による影響が心配されます。
・全国
・南関東圏
・名古屋圏
・京阪神
それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。
全国の場合
全国での不動産価格指数は以下のとおりです。
年度 |
全住宅 |
一戸建て |
マンション |
2020年7月 |
112.1 |
96.9 |
100.6 |
2020年11月 |
115.5 |
100.9 |
102.7 |
2021年3月 |
117.2 |
100.0 |
103.9 |
南関東圏の場合
南関東圏での不動産価格指数は以下のとおりです。
年度 |
全住宅 |
一戸建て |
マンション |
2020年7月 |
115.9 |
100.1 |
146.3 |
2020年11月 |
118.6 |
102.3 |
148.4 |
2021年3月 |
121.0 |
103.7 |
153.5 |
南関東圏では、とにかくマンション指数が異常なほど伸びていることに注意してください。2010年を基準として比較するなら、すでに1.5倍以上の指数であり、一戸建てのほう住宅価格は落ち着いていると言えます。
名古屋圏の場合
名古屋圏での不動産価格指数は以下のとおりです。
年度 |
全住宅 |
一戸建て |
マンション |
2020年7月 |
106.4 |
101.7 |
154.3 |
2020年11月 |
108.6 |
103.3 |
165.4 |
2021年3月 |
110.6 |
105.8 |
161.6 |
名古屋圏でも、やはりマンションの価格指数が伸び続けています。戸建てについては上昇志向であり、今後も住宅価格の向上が見込まれます。
京阪神圏の場合
京阪神圏での不動産価格指数は以下のとおりです。
年度 |
全住宅 |
一戸建て |
マンション |
2020年7月 |
117.2 |
102.5 |
158.6 |
2020年11月 |
120.4 |
105.0 |
160.4 |
2021年3月 |
120.7 |
105.0 |
164.0 |
京阪神圏はマンションの指数がもっとも高まっている地域であり、一戸建てのほうが購入しやすい状況にあります。
ウッドショックは住宅価格にどのような影響がある?
新型コロナウイルスの影響で木材不足が起こり、住宅の価格は高騰しました。いわゆるウッドショックです。この点の情勢については、以下2点に注目しましょう。
・特に注文住宅に影響が出ている
・ウッドショックはいつまで続くか読めない
それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。
特に注文住宅に影響が出ている
ウッドショックにより、注文住宅の価格には大きな影響が出ています。なぜなら、契約後に注文住宅の価格が高くなる可能性があるからです。
注文住宅の場合、契約書面において「一定ウッドショックがあれば工事額を増やす」という特約が追加されるケースがあります。
本来なら「万が一に備えた決まり事」程度のものでしかありません。しかし、今回は実際にウッドショックが拡大し続けていて、特約に該当する可能性も十分あるのです。
その点を踏まえれば、今のところ注文住宅の購入には慎重になる必要があります。
ウッドショックはいつまで続くか読めない
ウッドショックはいつまで続くかまったく読めない状態が続いています。理由はいくつか挙げられますが、「そもそもコロナ禍がいつまで続くかわからないから」と考えましょう。
コロナ禍が断続している中では林業は、ウッドショック以前、つまり通常の状態には戻りません。「もう新型コロナウイルスについて心配ない」と判断され、しばらく経ってから、少しずつウッドショックも落ち着きます。
しかしコロナ禍がいつまで続くかわからない以上、いつ平時の状態に戻るか予測しづらいのが現状です。
ウクライナ情勢と不動産市場について
ウクライナの情勢は不動産市場にも影響しています。わかりやすく言うとロシアの侵攻があって、世界中の人々は「ほんの些細なことでも戦争が起こる」ということを再認識しました。
そして有事に備えるため、ありとあらゆる品目が値上がりし、住宅価格もそれに比例します。つまりロシアの侵攻によって、住宅価格は上がり、今後も上がると予測できるわけです。
参考:ウクライナ危機や株価下落のさなかに、家を買っても大丈夫か?
住宅価格は常に確認しておこう
住宅価格は、あらゆる要因によって変動するものです。タイミングを見計らえば、かなり安い価格で購入できます。
価格は駅からの距離や眺望などで変化しますが、現在はウクライナとロシアの情勢、そしてウッドショックまで関係しています。総じて住宅価格を高める要因であり、現在は買い時とまでは言えないかもしれません。
ただ、今後は「現在よりも悪くなる」可能性があります。予算にもよりますが、これ以上指数が悪化する前に購入を決断するのもよいでしょう。
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