マンション購入は、わからないことや戸惑うことも多いですよね。そこで、マンション購入の流れと各項目で気を付けたいことをわかりやすく解説します。さらに、中古マンションならではとも言えるリノベーションについての確認すべきポイントもご紹介します!新築とは違った注意点がありますので、中古マンション購入・リノベーションを検討している方は必見です!
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中古マンションの購入の流れ
「中古マンションの購入を考えているけれど、なにから始めたら良いのかわからない」「購入から引き渡しまでの流れをよく把握できていない」このような方も多いのではないでしょうか。ここでは、中古マンションを購入する際の引き渡しまでの流れや、それぞれの項目で気を付けることなどを解説します。
- 資金計画を立てる
- 物件選びや情報収集に時間をかける
- 物件内覧に行く
- 物件を購入する
- 住宅ローンの申し込み・審査をする
- 売買契約を結ぶ
- 住宅ローンを契約する
- 決済に進む
- 物件の引き渡しをする
それぞれ詳しく解説します。
①資金計画を立てる
中古マンションの購入を決めたら、まずは予算を設定します。
マンション購入は人生において最も大きな買い物とも言われています。資金計画の立て方があまく、毎月のローン返済に追われて購入後の生活が苦しくなってしまっては本末転倒です。収入やライフプランに合わせて、無理のない資金計画を立てましょう。
住宅ローンで借りる金額の大まかな目安は、年収の5~6倍です。この借入れ額に、貯金などの頭金を足した金額がマンション購入予算となります。住宅ローンは、「借りられる額」ではなく「無理なく返せる額」にすることが重要です。将来、支出が増えても返済が厳しくならないよう、返済額は年収の20%以下に抑えましょう。
年収ごとの資金計画の一例は、以下の通りです。
年収 |
マンションの予算 ※年収の5~6倍 |
年間ローン返済額(毎月返済額)※年収の20% |
300万円 |
1,500~1,800万円 |
年間60万円(月5万円) |
400万円 |
2,000~2,400万円 |
年間80万円(月6.7万円) |
500万円 |
2,500~3,000万円 |
年間100万円(月8.3万円) |
600万円 |
3,000~3,600万円 |
年間120万円(月10万円) |
700万円 |
3,500~4,200万円 |
年間140万円(月11.7万円) |
800万円 |
4,000~4,800万円 |
年間160万円(月13.3万円) |
900万円 |
4,500~5,400万円 |
年間180万円(月15万円) |
1,000万円 |
5,000~6,000万円 |
年間200万円(月16.7万円) |
「頭金」は物件価格の約10~20%、ローン借入金額は物件価格の約80%が相場です。
頭金は必須ではなく、全額住宅ローンでまかなうことも可能です(=フルローン)。
しかし、フルローンは審査が厳しくなることに加え、借入金額が増えることで利息や返済期間が増えてしまいます。頭金はできるだけ準備しておきましょう。住宅ローンの資金計画をより詳しく立てたいという場合は、ファイナンシャルプランナーへの相談もおすすめです。
②物件選びや情報収集に時間をかける
物件選びはインターネットの物件情報サイトや、不動産会社の仲介サービスで行います。資金計画で決めた予算を軸に、予算以外の希望条件を考えておきましょう。最低限、以下の項目について条件を考えておくと物件が絞りやすくなります。
- エリア
- 築年数
- 間取り
- 最寄り駅からの距離・所要時間
- 周辺の生活環境
- リノベーションの有無
中古マンションは、立地と築年数で相場が決まります。築年数が古い物件は安いですが、リフォームの手間と費用がかかります。一方で、築浅の物件は数が少ないため立地が限られます。譲れない条件やどこを重視するのかを最初に決めておきましょう。
また、リノベーションする場合はこの時点でリノベーション会社を決めておくとスムーズです。住宅ローンを借り入れる際に、リノベーション費用の見積もりも審査で必要になるためです。
③物件内覧に行く
気になる物件が見つかったら、内覧を申し込みます。
内覧時のポイントは、インターネット上ではわかりにくい部分をしっかりと確認することです。具体的には、日当たりや水回りの設備、家事動線など。専用部(部屋)だけでなく共有部や、可能であれば病院・学校・スーパーなどの周辺環境も実際に見ておきましょう。
近年は不動産会社のスタッフが現地(物件)へ行って、オンラインで物件内を紹介するサービスも増えています。遠方に住んでいる場合は、このようなサービスを利用してみるのも良いでしょう。
また、リノベーションを検討している場合は、希望通りにリノベーションができるかどうかの確認も必要です。間取りや構造、床下の配管状況などによってリノベーションに制限がある可能性も。リノベーションも扱う不動産会社に確認しながら物件を選ぶと安心です。
④物件を購入する
購入したいと思える物件が見つかったら、「購入申込書(買付証明書)」の提出により、購入申し込みを行います。申し込みは契約ではありませんが、オーナーである売主に購入の意思を示す大事な手段です。中古物件は一点ものの場合も多く先着申し込みのため、先に申し込みをしたほうが優先されます。
物件の価格交渉もこのときから可能で、交渉の権利も申し込み順に与えられます。しかし、無理な要望や値下げ交渉は売主からの印象が悪くなるので注意しましょう。
⑤住宅ローンの申し込み・審査をする
購入申し込みをしたら、次の売買契約までの間に住宅ローンの事前審査を申し込みましょう。この段階で事前審査に通っておくと、本審査やローン契約時に支払い能力を示すことができ、手続きがスムーズに進められるためです。
利用するローンを決める際には、毎月の返済金額などに適したローンも探さなくてはいけません。ローン選びには予想以上に時間をとられてしまう可能性もあるため、ローンの情報収集や事前審査の準備はできるだけ早めに行いましょう。事前審査は、物件情報や年齢、年収、職業などの申告によって行えます。
⑥売買契約を結ぶ
売主と交渉し、購入申し込みが合意に至ったら売買契約を結びます。購入申し込みから売買契約までの期間は、通常1~2週間程です。
契約当日に行う手続きは「物件の重要事項説明」「売買契約の締結」「手付金の支払」の3つです。契約手続きは不動産会社のオフィスで行われることが多く、売主と買主の双方が対面で契約書にサインします。所要時間は2~3時間ほどです。
「重要事項説明」はマンション規約や物件の状態に関する説明で、「売買契約」では物件価格と契約内容を確認します。マンションや契約に関して気になることや質問があれば、このときまでにしっかり確認して解決しておきましょう。
「手付金」は物件価格の5~10%が相場ですが、一律100万円などの場合もあります。不動産会社によっては、仲介手数料の半額をここで支払うことも。どれも現金での支払いとなるので、当日までに金額を確認して準備しておきましょう。
⑦中古マンション購入時の住宅ローン契約をする
売買契約を終えたら、すぐに住宅ローンの本審査手続きを進めます。万が一、本審査が下りなかった場合に契約を無効化できる解除条件には期限があるため、速やかに手続きを進めましょう。本審査にかかる時間は金融機関によって異なりますが、おおよそ2週間~1ヵ月です。
審査に通ったら、金融機関と「金銭消費賃借契約」を結びます。ここでは借入れ金額や期間・金利などのローン条件と、融資の実行日を決めます。ローン契約時に必要な書類は以下の通りです。
項目 |
必要書類 |
本人確認 |
運転免許証やマイナンバーカード |
住民票 |
|
印鑑証明書 |
|
収入確認 |
源泉徴収票 |
住民税決定通知書 |
|
物件確認 |
物件のパンフレットや図面など |
土地や建物の登記事項証明書 |
印鑑証明書は実印を登録していないと発行されません。事前に市役所で登録を行っておきましょう。また、住民票と印鑑証明書は契約時に複数枚必要なことがあるため、余分に用意しておくと安心です。
⑧決済に進む
住宅ローンの融資が可能になったら、いよいよ決済です。
決済はローンを組んだ金融機関の応接室などで、引き渡しと同時に行われます。売主、買主のほか、不動産会社、金融機関の担当者、司法書士などが立ち合い、所有権の移転や抵当権の設定などの登記手続きも行います。決済当日には、以下のような手続きが行われます。流れを確認しておきましょう。
- 登記手続きの委任
- 融資の実行
- 売買代金の支払い
- 諸費用の支払い
- 固定資産税・管理費・修繕積立金の清算
- 管理規約・住宅設備の取扱説明書など関係書類の受取り
- 鍵の受取り(引き渡し)
物件費用だけでなく、諸費用の支払いもこのタイミングで行います。諸費用とは、司法書士への報酬、不動産取得税、融資手数料、住宅ローン手数料などです。諸費用の目安は、物件価格の10%と言われています。決して小さな金額ではないため、余裕をもって準備しておきましょう。
⑨物件の引き渡しをする
引き渡しとは、売主に物件の全額費用を支払って鍵の引き渡しを受けることです。
引き渡しが問題なく行われたあとは、「引き渡し確認書」に売主と買主がサインをして手続きは終了となります。そして、司法書士により、所有権移転登記が行われます。
登記申請から登記簿に記載されるまでは1週間ほどかかりますが、引き渡し確認書にサインした時点で物件の引き渡しは正式に完了しており、所有権も移転したことになっています。
【リノベーション】確認すべき2つのポイント
中古マンション購入時には、築年数やリノベーションに関することなど新築マンションとは違った注意点があります。
また、耐震性、管理状態、立地などはリノベーションで変えることができない部分です。これらの条件も他の物件と比較してよく検討してから購入しましょう、
ここからは、リノベーションについての確認ポイントを解説していきます。
①リノベーション済みかどうか確認する
マンションがリノベーション済みかどうかは、物件を決めるにあたり重要なポイントです。
リノベーション済み物件のメリットは、「引き渡し後すぐに快適な環境で暮らせること」と「マンション単体の購入のため住宅ローンのみで済むこと」です。
一方で、リノベーション済み物件はもともとの物件価格に内装工事費用が上乗せされているために価格が高めです。また、「リノベーション済みでないと売れない」と考える不動産会社も多く、リノベーション済みの物件ばかり勧められてしまうこともあります。
②リノベーションする際の進め方を決めておく
中古マンションを購入してリノベーションを行う場合、「①マンション購入とリノベーションを同時進行で行う」「②購入とリノベーションを別々に行う」という2通りの進め方があります。
例えば、築年数が古く設備の劣化が激しい場合は、生活にも問題が生じる可能性があるため購入と同時にリノベーションを行った方が良いでしょう。一方、生活する上で問題はないがより暮らしやすくするためにキッチンや壁紙などを新しくしたいという場合は、入居後のリノベーションでも良いでしょう。
購入後にリノベーションすると住宅ローンの金利が高くなる
マンション購入後にリノベーションする場合、住宅ローンとはまた別にリノベーションのローンを借りることになります。リノベーションローンは金利が高いため注意が必要です。住宅ローン金利の相場は1%で、1%以下も珍しくありません。一方、リノベーションローンの金利は2.5~5%と高金利です。
金利を安く抑えたければ、物件費用とリノベーション費用をまとめて借りられる「リノベーション一体型の住宅ローン」がおすすめです。リノベーション一体型なら、1~2%の低金利で借りられます。
■ローン計算例
・住宅ローンの金利:2%
・リノベーションローンの金利:5%
・1,500万円の中古マンションを購入し、500万円のリノベーションを行う場合
利息額 |
内訳 |
|
一体型ローン(金利2%の場合) |
年間40万円 |
1,500+500=2,000万円 2,000万円×金利2%=40万円 |
住宅ローン(金利2%) リノベーションローン(金利5%の場合) |
年間55万円 (30+25=55) |
1,500万円×金利2%=30万円 500万円×金利5%=25万円 |
この場合、ローンを分けると年間15万円ほど損をする計算です。
リノベーション一体型を検討している場合は、リノベーションも扱う不動産会社の利用をおすすめします。物件探しの時点から一緒に行うため、見積もりや図面作成がスムーズです。 >>プロフィールはこちら
中古マンションを購入する時の流れはイメージできましたか?
中古マンションの購入は、場合によってはリノベーションも見据えて計画を立てる必要があります。そのためには、初期の資金計画や情報収集をしっかりと行うことが大切です。特に金利の安いリフォーム一体型住宅ローンを利用する場合は、物件選びと並行しながら早い段階で見積もりや手続きを進めなくてはなりません。
資金計画に悩む場合は、ファイナンシャルプランナーに相談してみるのも良いでしょう。効率よく情報収集や手続きを行い、自分に合った中古物件を購入できると良いですね。 >>プロフィールはこちら
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