不動産を取得した際などに不動産の名義変更が必要になりますが、自分で名義変更をしたいと検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
名義変更の理由によっては、さまざまな書類を用意する必要があります。
以下では、不動産の名義変更について、必要書類や費用なども一緒にご紹介していきます。
不動産の名義変更とは?
不動産の名義変更とは、一般的に不動産の所得者の名義を変更することをいいます。
不動産の所得者の名前は法務省が管轄している登記簿というものに記載されていますが、その不動産の所得者の名前を変更する手続きのことです。
不動産の名義変更をする際は、原則として不動産の所有権を渡す側と受け取る側が共同で行うことになります。
名義変更はどんな場合に必要?
不動産の名義変更は、どのような場合に必要なのかというといくつかの場合が考えられるでしょう。
以下では、相続の場合・贈与の場合・離婚の場合・売買の場合について、詳しく解説していきます。
相続の場合
不動産の名義変更は、親が亡くなり子どもに不動産を相続する場合などに必要になる可能性があります。
先ほど原則として、不動産の所有権を渡す側と受け取る側が共同で名義変更を行うと述べていますが、こういった不動産の相続の場合は、相続した側のみで行うことになるでしょう。
相続の名義変更の期限は2022年現在、とくに期限が設けられてはいませんが、相続が発生したらなるべく早めに名義変更をしに行くのがおすすめです。
贈与の場合
不動産の名義変更は、不動産の所有権を渡す側と不動産を受け取る側の同意を得て無償で譲る際にも必要になる可能性があります。
贈与は、親から子どもだけではなく、不動産所有者からその他の人などに贈与する場合もあるでしょう。
贈与の場合も、2022年現在、とくに名義変更の期限は設けられていませんが、なるべく早めに名義変更をするのがおすすめです。
離婚の場合
不動産の名義変更は、離婚して財産分与した場合にも必要になってくるでしょう。
財産分与の場合も、2022年現在、とくに名義変更の期限は設けられていないですが、早めに名義変更手続きをすることがおすすめになります。
しかし、離婚して財産分与を求める際は、離婚してから2年経ってしまうと財産分与の請求権利がなくなってしまうため、注意が必要です。
売買の場合
不動産の名義変更は、基本的に不動産を売買をする場合には必要です。
一般的には、不動産の決済日当日に名義変更の手続きも行われます。
知り合いと不動産の売買をする場合や、不動産会社に仲介をしてもらって売買する場合もあるでしょう。
名義変更にはどのくらいの時間がかかる?
名義変更をするのにどれくらいの時間がかかるかといいますと、一概にどれくらいとは言えませんが、法務局に申請してから大体1~2週間ほどは完了までにかかるでしょう。
1日で名義変更を済ませるというのは、難しいため、名義変更をする際は早めに申請することがおすすめです。
名義変更は自分でできる?
不動産の名義変更を、自分で行うことは可能です。
司法書士などに頼まずに自分で行えば費用がかからないということがメリットにはなる可能性がありますが、提出書類に間違いがある場合は訂正しに法務局に行かなければいけなくなる可能性があるため、そうなると法務局に行く手間や時間が余分にかかってしまうでしょう。
名義変更に必要な書類とは?
不動産の名義変更に必要な書類は、名義変更する理由によって違ってきます。書類は役所などから取得する場合や自分たちで作成する場合などがあるでしょう。
名義変更の理由によって必要な書類を用意し、法務局に提出します。
以下では、相続の場合・贈与の場合・離婚の場合・売買の場合の必要な書類について、詳しく解説していきましょう。
相続の場合
不動産の名義変更の理由が相続の場合は、以下のような書類が必要になるでしょう。
書類 |
取得場所 |
遺言書 |
公証役場・自宅 |
住所証明書 |
各市町村の役所 |
登記原因証明情報 |
自作か専門家に依頼し作成 |
遺産分割協議書 |
自作か専門家に依頼し作成 |
登記識別情報 |
登記所 |
印鑑証明書 |
各市区町村の役場 |
固定資産評価証明書 |
各市区町村の役場 |
委任状 |
自作 |
各市町村の役所で取得できる書類もあれば、自分で作成が必要な書類もあります。
自分で書類を作成するのが心配な場合は、専門家に依頼することも可能です。
贈与の場合
不動産の名義変更の理由が贈与の場合は、以下のような書類が必要になるでしょう。
書類 |
取得場所 |
贈与契約書 |
自作か専門家に依頼し作成 |
登記識別情報 |
登記所 |
印鑑証明書 |
各市区町村の役場 |
固定資産評価証明書 |
各市区町村の役場 |
こちらも各市区町村の役場で取得できる書類もあれば、自分で作成する書類もあります。
また、贈与契約書や贈与証書の作成が自分では心配という場合は、専門家に依頼することも可能です。
離婚の場合
不動産の名義変更の理由が財産分与の場合は、以下のような書類が必要になるでしょう。
書類 |
取得場所 |
離婚協議書 |
自作か専門家に依頼し作成 |
戸籍謄本 |
各市区町村の役場・コンビニ |
財産分与契約書 |
自作か専門家に依頼し作成 |
登記識別情報 |
登記所 |
印鑑証明書 |
各市区町村の役場 |
固定資産評価証明書 |
各市区町村の役場 |
住所証明書 |
各市区町村の役場 |
こちらも各市区町村の役場などで取得する書類もあれば、自分で作成する書類もあります。
戸籍謄本に関しては、コンビニで取得することも可能です。
売買の場合
不動産の名義変更の理由が不動産の売買の場合は、以下のような書類が必要になるでしょう。
書類 |
取得場所 |
売買契約書 |
自作か専門家に依頼し作成 |
登記識別情報 |
登記所 |
住民票 |
各市区町村の役場・コンビニ |
印鑑証明書 |
各市区町村の役場 |
固定資産評価証明書 |
各市区町村の役場 |
委任状 |
自作 |
こちらも、各市区町村の役場で取得できる書類もあれば、自分で作成する書類もあります。
住民票に関しては、コンビニで取得することもできますし、一部の郵便局でも取得可能です。
名義変更に費用はいくらかかる?
不動産の名義変更にかかる費用も、名義変更する理由などによって違ってきます。
登録免許税というものが名義変更の際にかかってきますが、この登録免許税は名義変更する理由などによって税率が違ってくるものです。
また、名義変更の理由などによって必要な提出書類も違ってきますので、書類の取得費用も違ってくるでしょう。
以下では、相続の場合・贈与の場合・離婚の場合・登録免許税以外の費用について、詳しく解説していきます。
名義変更のケース |
必要書類 |
費用 |
相続の場合 |
①遺言書 |
専門家に依頼する場合は、数万円から300万円位かかる場合もある。 |
②住所証明書 |
300円程度。住民票の場合、約300円~400円。戸籍の附票の場合、約300円。印鑑証明書の場合、一通200円~400円程度。 |
|
③登記原因証明情報 |
専門家に依頼する場合は、1通1万円程度。 |
|
④遺産分割協議書 |
専門家に依頼する場合は、5万円~10万円程度。 |
|
⑤登記識別情報 |
書面請求・オンライン請求ともに300円 |
|
⑥印鑑証明書 |
一通200円~400円程度。 |
|
⑦固定資産評価証明書 |
1枚200円~400円程度 |
|
⑧委任状 |
自作に必要な紙やペンの費用。 |
|
⑨登録免許税 |
固定資産税評価額の0.4% |
|
贈与の場合 |
①贈与契約書 |
専門家に依頼する場合、2万円~5万円程度。収入印紙代金が200円。 |
②登記識別情報 |
書面請求・オンライン請求ともに300円 |
|
③印鑑証明書 |
一通200円~400円程度。 |
|
④固定資産評価証明書 |
1枚200円~400円程度 |
|
⑤登録免許税 |
固定資産税評価額の2%の登録免許税がかかる。 |
|
離婚の場合 |
①離婚協議書 |
専門家に依頼する場合、5万円~10万円程度。 |
②戸籍謄本 |
1通450円。 |
|
③財産分与契約書 |
専門家に依頼する場合は数万円程度。 |
|
④登記識別情報 |
書面請求・オンライン請求ともに300円 |
|
⑤印鑑証明書 |
一通200円~400円程度。 |
|
⑥固定資産評価証明書 |
1枚200円~400円程度。 |
|
⑦住所証明書 |
300円程度。住民票の場合、約300円~400円。戸籍の附票の場合、約300円。印鑑証明書の場合、一通200円~400円程度。 |
|
⑧登録免許税 |
固定資産税評価額の2%の登録免許税がかかる。 |
相続の場合は固定資産税評価額の0.4%の登録免許税がかかりますが、贈与と離婚の場合は2%もの登録免許税がかかってきます。
専門家に依頼する場合の費用は、専門家の事務所によって費用も様々ですので、表はあくまでも目安費用です。
名義変更の流れとは?
不動産の名義変更を自分で行う場合の流れは、名義変更の理由などにより異なります。
例えば、相続の場合は、名義変更に必要な書類を取得し登記申請書を作成、法務局に申請するというのがおおまかな流れです。必要書類は先ほど紹介した名義変更の理由によって、必要な提出書類を用意する必要があります。
離婚の場合は、離婚届を提出し、必要な書類を取得、登記申請書の作成をして法務局に申請するというのがおおまかな流れです。
登記が完了したら、法務局から登記識別情報などの書類を取得します。
名義変更しないとどうなる?
不動産の所有者になったのに名義変更をしないと、不動産の売却ができない・住宅ローンの担保に不動産ができないなどのデメリットが発生してしまう可能性があります。
不動産の名義変更をしていないと、その不動産の所有者だと公的に主張することが難しいです。
不動産の所有者だと公的に主張できず、誰が所有者かわからない状態になってしまいますと、こういったデメリットが発生してしまう可能性があるでしょう。
名義変更する際の注意点とは?
不動産の名義変更をする際は、注意点があります。
とくに、自分で名義変更を行う際は、提出書類の不備がないか確認が必要です。もし書類に不備があった場合は、法務局に訂正しに行かなければならず、手間が増えてしまいます。
さらに相続が理由での名義変更は提出書類も多いですし、手続きも難しいため、名義変更の手続きが不安な方は司法書士などのプロの方に相談するとよいでしょう。
手順を確認して名義変更を行おう
不動産の名義変更は、名義変更の理由によって必要な提出書類や費用などが違ってきます。
相続・贈与・離婚・売買などの理由によって名義変更が必要な場合は、早めに名義変更の手続きをするとよいでしょう。
また、自分で不動産の名義変更を行うことも可能ですが、心配な場合は司法書士などプロの方に相談してみるのがおすすめです。
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