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マンションの大規模修繕工事とは何?工事内容と規模感をわかりやすく解説

2022.04.15
2022.04.15

マンションの購入を考えているならば、まず知っておきたいのが大規模修繕です。

マンションでは、10数年ごとに必ず大規模修繕が行われます。

今回は、大規模修繕工事とは何なのか、何故必要なのか、費用や流れについても詳しくお伝えしていきます。

マンションの購入を検討している人は参考にしてみてください。

 

マンションの大規模修繕工事とは?

シートで覆われているマンションの画像

 

マンションの大規模修繕工事とは、マンションの老朽化を防止するための大がかりな修繕工事のことをいいます。

どれだけ優れた建築技術が使われていようとも、建物は経年により劣化していきます。マンションの価値を保ち、快適で安全な生活を送るためには、定期的な修繕工事は必要不可欠です。

そのため、分譲マンションでは、管理組合が主体となって大規模修繕委員会を発足し、長期修繕計画に基づいて大規模修繕を進めていきます。

こちらでは、大規模修繕工事の内容や、行う理由について詳しくお伝えしていきます。

 

具体的には何をする?

大規模修繕では、普段のメンテナンスでは難しい大規模な修繕を行います。

具体的には、外壁補修、鉄部塗装、屋上防水、吸水・排水管工事などの建物本体の修繕、そして、共用廊下やベランダ、階段、エレベーター、エントランスなどの共用部分のクリーニングや補修が行われます。

大規模修繕の期間中は、足場が組まれ、共用部分に資材が置かれるなど、少なからず生活に影響がでます。また、共有部分であるベランダも工事範囲に含まれるため、工事期間中はベランダが使用できません。

大規模修繕前には、必ず管理組合から工事計画の説明があるので、直前に慌てないために、しっかりと内容を確認しておくことが重要です。

 

目的は劣化防止

大規模修繕を行う理由は、建物の劣化を防止するためです。

常に雨風にさらされているマンションは、経年により劣化していきます。

メンテナンスをせずにそのまま放置していると建物の寿命が縮んでしまうことはもちろん、快適性や安全性が失われ、マンションの資産価値も下がってしまいます。

マンションの大規模修繕は、快適で安全な生活と、マンションの資産価値維持のために必要なものです。

 

法律で義務付けられてはいない

建築基準法では、大規模修繕の定義について言及してはいるものの、その実施については特に義務付けられていません。

ただしマンションの外壁については、10年ごとに全面打診調査を実施することが建築基準法により義務付けられています。

全面打診調査は、10年目の年度から3年以内に外壁改修がある場合は先送りが可能とされているので、多くの場合、13年以内に全面打診調査と共に大規模修繕も行われています。

 

大規模修繕の工事期間はどれくらい?

カレンダーの画像


大規模修繕工事には、どのくらいの期間がかかるのでしょうか。

工事の内容やマンションの規模にもよりますが、一般的な大規模修繕では計画から工事完了まで2年から3年ほどかかるといわれています。

計画から着工までで1年から2年かかり、着工から完了までは、50戸以内の小規模マンションの場合は2か月から4か月、50から100戸ほどの中規模マンションで4か月から半年、100戸を超える大規模マンションの場合は、半年から1年を超える場合もあります。

マンションにおける大規模修繕は、長い年月と高額な費用を要する非常に大きなプロジェクトといえるでしょう。

 

大規模修繕の周期は?何年ごとに行う?

足場が組まれているマンションの画像

大規模修繕は12年の周期が一般的な目安といわれています。

これは、国土交通省が作成している「長期修繕計画作成ガイドライン」にて修繕周期は12年程度とされていたことが理由とされています。

また、建築基準法で、全面打診調査を竣工または改修から13年以内に行わなくてはいけないと義務づけられていることも、修繕周期を12年としていた理由のひとつです。

しかし、大規模修繕は必ずしも12年で行う必要があるわけではなく、近年では15年や18年周期で行われる例も増えています。

 

大規模修繕の費用はいくらくらいかかる?

家の模型とクエスチョンマークの画像

 

大規模修繕の費用は、工事の内容にもよりますが、一戸あたり100万円前後が目安とされています。つまり、住戸数が30戸ならば3000万円、100戸ならば1億円もかかるということです。

大規模修繕の費用は非常に高額となるため、マンションの所有者は「修繕積立金」を毎月積み立て、その修繕積立金を利用して大規模修繕を行うことになります。

しかし、複数回大規模修繕を行うと、積立金が足りなくなることも起こり得ます。その場合、修繕積立金の増額もあるということも覚えておきましょう。

 

大規模修繕に建築確認申請は必要?

申請書を記入している手の画像

 

大規模修繕の内容によっては、建築確認申請が必要な場合もあります

建築確認申請とは、建物を新築、もしくは増改築する際に、建築基準規定に適合しているかどうかを確認するために申請するものです。

マンションの大規模修繕の場合、建物の主要構造部である、壁、柱、床、梁、屋根、階段の一カ所以上において、半分以上の補修工事を行う場合は建築確認申請が必要となります。

ただし、一般的なマンションの大規模修繕での工事では、外壁補修や屋根防水、排水管工事などがなされ、主要構造部の補修は行われないため、建築確認申請は不要とされています。

 

大規模修繕までの7ステップ

修繕中のマンションの画像

マンションの大規模修繕の流れは、以下のようになります。

 

①大規模修繕委員会発足

②発注形式の決定

③劣化状況の確認

④大規模修繕の方針を決める

⑤見積もりを取る

⑥施工業者を決める

⑦大規模修繕工事開始

 

一つずつ、詳しくみていきましょう。

 

①大規模修繕委員会発足

大規模修繕の実施が決まったら「大規模修繕委員会」を発足します。

「大規模修繕委員会」は、マンションの規模にもよりますが5人から10人ほどで構成され、大規模修繕における全てのことの調整役を果たすことになります。

 

②発注形式の決定

大規模修繕の発注方式には、外部のコンサルタントと契約し工事設計を行う「設計監理方式」と、施工会社と管理組合の2者間で契約する「責任施工方式」などがあります。

「設計監理方式」の場合、別途コンサルタント料が発生しますが、専門家を通すことにより安心して修繕を進めることができます。大規模修繕工事に詳しくない場合は、コンサルタント会社に委託することも検討してみるとよいでしょう。

 

③劣化状況の確認

事前に建物診断を行い、マンションの劣化状態を確認します。

建物診断を受けることにより、マンションの劣化状態を把握するとともに、修繕費用の概算を算出することができます。

 

④大規模修繕の方針を決める

建物診断の結果を参考にして修繕の内容や予算を決めます。大規模修繕計画書がある場合は、計画書に基づいて進めることになります。

 

⑤見積もりを取る

方針と計画が決定したら見積もりを取ります。複数の会社から見積もりをとり、施工方法や期間、費用を比較していきます。

 

⑥施工業者を決める

大規模修繕委員会が見積もりを元に施工業者の候補を選定し、組合員に提案して業者を決定します。

大規模修繕の程度によって、過半数もしくは3/4以上の賛成が必要となります。

 

⑦大規模修繕工事開始

大規模修繕工事の契約締結後、工事が実施されます。

 

その他・備考

通常、大規模修繕終了後には施工業者による定期点検が実施されます。また、大規模修繕工事に起因する不具合が発生した場合などは、無償で対応してもらえます。このようなアフターサービスは、施工業者によって異なるので、事前に確認しておくとよいでしょう。

 

2回目以降は1回目と異なる?

考える女性とクエスチョンマークの画像

年数が経過するにつれて建物の劣化は進むため、2回目以降の大規模修繕工事は1回目よりも修繕箇所が増え、それにより、工事期間が長くなり、費用も高くなる傾向があります。

また、劣化具合により給水管の交換や電気設備等の大がかりな工事も実施されるため、1回目とは工事内容が大きく変わります。

大規模修繕は、劣化状況に応じて内容が異なり、それにより期間や費用が変わるということを覚えておきましょう。

 

管理組合や理事会の役割とは?

スーツ姿でペンをとる男性の画像

大規模修繕の調整役は修繕委員会が担いますが、最終的な決定権は管理組合や理事会にあります。

大規模修繕工事についての情報発信はもちろん、居住者・近隣住民からの苦情の対応、完成時の立ち会いなど、大規模修繕における管理組合や理事会の役割はさまざまです。

特に、大規模修繕は期間が長いため苦情や相談を受けることも多くなります。トラブルに発展させないためには、迅速な対応とこまめな状況報告が必要になります。場合によっては、専用窓口を設ける必要もあるでしょう。

トラブルを回避し、大規模修繕を完遂するためには、管理組合の役割は非常に重要になります。

 

大規模修繕コンサルタントとは?

笑顔の男性の画像

大規模修繕コンサルタントとは、大規模修繕時に管理組合と施工会社の間に入り、大規模修繕工事をサポートする専門家のことです。

管理組合や修繕委員会の中に建築や修繕の知識がある人がいない場合、管理組合だけで大規模修繕を進めていくのは非常に困難です。

従って、多くの場合は大規模修繕コンサルタントと契約を結び、専門家の意見を仰ぎながら大規模修繕に臨みます。

大規模修繕コンサルタントの仕事は、修繕工事の方針や仕様の決定、工事のチェック、アフター点検時のチェックなど多岐に渡るため、管理組合が大規模修繕に不慣れな場合も安心して進めることができます。

 

部屋選びの際に大規模修繕についての注意点

感嘆符のついたブロックの画像

大規模修繕は毎月積み立てている修繕積立金によって行われますが、回数を重ねるごとに修繕費用が高額になるために、修繕積立金が増額されることも少なくありません。購入後、すぐに修繕積立金が増額されることもあり得るので、今後増額予定があるのかをあらかじめ確認するとよいでしょう。

また、入居後すぐに長期間の大規模修繕が始まると、生活にも影響がでてしまいます。前回の修繕はいつだったのか、また、次回の修繕予定はいつなのかも購入前に確認しましょう。

 

大規模修繕は行われるのかしっかり確認しよう

マンションの大規模修繕についてお伝えしました。

大規模修繕は、住民の安全で快適な生活と、マンションの資産価値を保つためにも必要な工事です。

しかし、工事中は、施工業者の出入りが多くなる、共用部に資材が置かれる、外壁塗装のためベランダに洗濯物が干せなくなるなど、日常生活に少なからず影響が及びます。

また、修繕にかかる費用は非常に高額です。

マンションの購入を検討している人は、次回の大規模改修の予定や、修繕積立金についても必ず確認しておきましょう。

 

航空業界に2年間勤めた後、不動産が好きすぎて2021年にMUSUBUに入社。月間90本MUSUBUメディアのwednesdayとTSUNAGUの構成考案と執筆を務める。絶賛宅建勉強中のライター兼編集者。趣味はルームツアーのYouTube動画を見ること。

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