すまい給付金とはどのような制度なのか、名前は聞いたことがあっても詳しいことは知らないという人は多いですよね。
この記事では、すまい給付金の制度の内容や算出方法、条件に応じた給付金額などを詳しく紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
すまい給付金とは?
すまい給付金とは、引上げ後の消費税率が適用される住宅を取得する場合、引き上げによる負担を軽減するために住宅取得者へ現金を給付する制度です。
増税による住宅購入の駆け込み需要が増えること、増税後に住宅購入者が激減することを見込んで導入されました。年収が一定額以下の人に対して、住宅を購入したときに現金が給付されます。
補助額の計算方法は?【計算例あり】
給付される補助額は、住宅取得者の収入と持分割合によって決定されます。計算方法は次の通りです。
給付額=給付基礎額×持分割合
給付基礎額は収入額の目安(都道府県民税の所得割額)によって決まり、持分割合は不動産の登記事項証明書に記載されたものになります。
例えば年収500万円で都道府県民税の所得割額が9万円の場合、給付基礎額は40万円になります。持家割合が50%の場合の計算例は次の通りです。
40万円(給付基礎額)×50%(持分割合)=20万円(給付額)
すまい給付金は年収による制限はある?
ここではすまい給付金の制度が対象となる場合について、年収の制限やいつの年収が反映されるのかについて解説します。
目安はいくら?取得時の消費税によっても異なる
すまい給付金の給付金額は、取得時の消費税率と収入額の目安によって異なります。
消費税率8%時は、収入額の目安が510万円以下の人を対象に最大30万円、消費税率10%時は、収入額の目安が775万円以下の人を対象に最大50万円となります。
ただし上記は妻の収入がない夫婦で、中学生以下の子供が2人の場合のモデル世帯が住宅取得する際の夫の収入額の目安です。妻の収入や扶養家族の人数などに応じて収入額の目安は異なるため、注意が必要です。
いつの年収で決まる?大事なのは「都道府県民税の所得割額」
都道府県民税の所得割額は、市区町村が発行する課税証明書で確認できます。都道府県民税の所得割額は、発行年度の前の年の収入で決定されます。
新たに取得する住宅の引渡しを受ける時期によって、確認する課税証明書の発行年度が決まっているため注意が必要です。
課税証明書は、発行年度の1月1日時点に居住していた市区町村から発行されます。一般的には毎年6月頃に前年分の所得に更新されますが、市町村によって時期が異なるため、すまい給付金では7月1日を一律切り替え時期としています。
上記をふまえて、引渡し時期に応じた課税証明書の年度の例は次の通りです。
令和4年6月に引渡しを受ける場合、令和3年度課税証明書(証明されるのは令和2年の収入)を用います。
令和4年9月に引渡しを受ける場合、令和4年度課税証明書(証明されるのは令和3年の収入)を用います。
年収1000万円でも受け取れることがある
消費税率8%時は年収510万円以下、10%時は年収775万円以下が対象となりますが、世帯年収が1,000万円という場合でも受け取れるケースがあります。
例えば次のケースの給付額について解説します。
・消費税率10%時
・住宅ローンを利用して注文住宅を購入
・夫の年収が600万円、妻の年収が400万円、世帯年収が1,000万円
・持分割合は夫が50%、妻が50%
この場合に計算シミュレーションで給付額を算出すると、夫が10万円、妻が20万円、合計30万円となります。
計算シミュレーション
国土交通省のすまい給付金のサイト内にある「すまい給付金シミュレーション」は、簡単な情報を入力することで、すまい給付金の対象となるのか、どのくらい貰えるのかを算出することができます。
ここでは所有権は自分1人(持分割合100%)で扶養家族がおり、住宅ローンを利用して注文住宅を建てる場合の計算を例に説明します。
消費税率10%で、年収400万円の場合
50万円(給付基礎額)×100%(持分割合)=50万円(給付額)
上記の計算から、給付額は上限額の50万円となります。同じ年収400万円でも、扶養家族がいない場合は給付基礎額が40万円となるため、給付額も40万円となります。
消費税率10%で、年収750万円の場合
10万円(給付基礎額)×100%(持分割合)=10万円(給付額)
上記の計算から、給付金額は10万円となります。同じ年収750万円でも、扶養家族がいない場合は給付基礎額が0円なので、給付の対象外となります。
消費税率8%で、年収400万円の場合
30万円(給付基礎額)×100%(持分割合)=30万円(給付額)
上記の計算から、給付金額は上限額の30万円となります。同じ年収400万円でも、扶養家族がいない場合は給付基礎額が20万円となるため、給付額も20万円となります。
その他:年収別早見表
ここでは収入の目安額に応じた給付金額の一覧を紹介します。自分の給付金額はどのくらいなのかを確認する際の参考にしてください。あくまでも目安なので、正確な給付金額は都道府県民税の所得割額と併せて確認してください。
消費税率10%の場合
年収 |
給付金額 |
450万円以下 |
50万円 |
450万円超~525万円以下 |
40万円 |
525万円超~600万円以下 |
30万円 |
600万円超~675万円以下 |
20万円 |
675万円超~775万円以下 |
10円 |
775万円超 |
なし |
消費税率8%の場合
年収 |
給付金額 |
425万円以下 |
30万円 |
425万円超~475万円以下 |
20万円 |
475万円超~510万円以下 |
10円 |
510万円超 |
なし |
住宅ローンを利用していない場合は?
住宅ローンを利用していない場合でも、次の2つの条件を満たしていれば給付の対象となります。
①住宅を取得した人の年齢が50歳以上
②フラット35Sと同等の基準を満たす住宅であること
②の「フラット35Sと同等の基準を満たす住宅」とは、次のうちのいずれかに該当する場合です。
・耐震性に優れた住宅
・省エネルギー性に優れた住宅
・バリアフリー性に優れた住宅
・耐久性・可変性に優れた住宅
※年齢が50歳以上の場合は、フラット35S基準への適合が確認できる書類を用意して申請しましょう。
年収以外の条件は?
すまい給付金を受けるためには、年収以外に次の2つの条件を満たす必要があります。
①床面積が50m²以上であること
②第三者機関の検査を受けた住宅であること
②の「第三者機関の検査を受けた住宅」とは、次のうちのいずれかに該当する場合です。
・住宅瑕疵担保責任保険へ加入した住宅
・建設住宅性能表示を利用する住宅
・住宅瑕疵担保責任保険法人により保険と同等の検査が実施された住宅
年収と上記の条件を満たしている場合、住宅の引渡しを受けてから1年3ヶ月以内に申請を行います。制度が開始した当初は申請期限が1年以内でしたが、新型コロナウイルスの流行により1年3ヶ月以内に延長されています。
すまい給付金をかしこく活用しよう
この記事では、すまい給付金の制度の内容や算出方法、条件に応じた給付金額などを詳しく紹介しました。
新型コロナウイルスの流行により申請期限が変更されたように、社会の状況を考慮して制度の対象期間等の内容が変更されることもあります。
最新の情報を確認するようにし、制度を上手に活用してみてください。
不動産に関するお悩みを解決!
中古マンション・リノベーションを得意とする「wednesday」。物件の購入や売却、リノベーションのサービスを提供しています。
不動産の売買は人生において、とても大きなイベントです。だからこそ、「よくわからない」を無くして、安心して理想の暮らしを手に入れていただくためにセミナーや個別相談を実施しています。
不動産のプロであるwednesdayのコンシェルジュにお気軽にご相談ください。
■FP(ファイナンシャルプランナー)に相談
不動産購入の資金計画についてプロのFP(ファイナンシャルプランナー)にご相談いただけます。
こんな方におすすめ:
・住宅ローンに関する不安がある方
・無理のない資金計画をたてたい方
■不動産売却についての相談
不動産の売却についてのご相談は、個別相談のフォームよりお申し込みください。
■LINEで気軽に相談
WednesdayのLINEアカウントを友だち追加していただくと、コンシェルジュにLINEのメッセージ上でいつでも気軽にご相談いただけます。