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管理費はなぜ必要?家賃に含まれる理由と用途について

2022.04.22
2022.04.22

賃貸に住むと当たり前のように支払うことになる管理費ですが、何に使われている費用なのでしょうか。

今回は、管理費はなぜ必要か、支払う理由や用途について解説します。

管理費を正しく理解することは、失敗のない物件選びにも繋がります。ぜひ参考にしてください。

 

管理費って何?なぜ毎月の家賃に含まれる?

「電卓と家の模型を持っている困り顔の女性の画像」

不動産公正取引協議会連合会によると、管理費とは「マンションの事務を処理し、設備その他共用部分の維持及び管理するために必要とされる費用をいい、共用部分の公租公課等を含み、修繕積立金を含まない」と定義されています。

 

簡単にいうと、マンションの共用部分の維持管理のための費用です。日常的に使われる費用のため、賃貸物件の入居者は、家賃などと合わせて毎月決められた金額の管理費を支払う必要があります。

 

また、管理費は事業用賃貸の場合は課税対象になりますが、居住用の賃貸マンションなどであれば家賃と同じく非課税のため、税率が変わっても管理費の金額は変わりません。

 

参照:不動産公正取引協議会連合会「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則、実施細則、DK・LDKの広さの基準」

 

何に使われる?

管理費は賃貸物件を維持管理していくのに必要な出費で、おもに廊下や集合玄関、エレベーターなどの共用部分の電球代・水道代・定期清掃費・管理人が常駐する物件であれば管理人の人件費などに使われます。

 

また、管理費の定義にもある「マンションの事務」という点には、賃貸借契約書の作成費や家賃などの徴収にかかる費用も含まれているかもしれません。

 

このように幅広い用途で使われる管理費ですが、管理費の使用用途は法律で定められているわけではないため、実際に何に使われているか入居者が正確に把握するのは難しいでしょう。

 

管理費は誰が決める?

管理費を決めるのは、大家さんまたは管理会社です。賃貸経営が乏しい大家さんの場合、管理会社に提案される額を管理費としているケースも多く、いずれの場合も賃貸物件のグレードや広さ、近隣類似物件の相場を調べて管理費を決めています。

 

また、大家さんが管理会社に管理を委託している場合、管理会社に支払う管理業務委託料の額と同額を管理費にしていることも多いです。

 

共益費との違いは?

不動産公正取引協議会連合会では管理費だけでなく、共益費についても次のように定めています。「借家人が共同して使用又は利用する設備又は施設の運営及び維持に関する費用をいう」

 

共益費のほうが広い意味合いで使われるように感じますが賃貸物件においては、管理費と共益費には大きな違いはなく、どちらもマンションの維持管理のために使われる費用です。基本的に管理費と共益費の両方を請求されることはありません。

 

どちらの表現を使うかは貸主や管理会社が決めていますが、ポータルサイトで紹介されている物件は、ポータルサイト運営側で統一した表現にされていることもあります。

 

このように管理費と共益費は表現方法の違いだけなので、どちらの表現であっても違いはなく、とくに気にする必要はないでしょう。

 

参照:不動産公正取引協議会連合会「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則、実施細則、DK・LDKの広さの基準」

 

修繕積立金との違いは?

修繕積立金は賃貸ではなく分譲マンションを購入した際に支払う必要がある費用です。将来の大型修繕やあらかじめ決められた項目の修理費用を積み立てるために支払います。

 

一方、管理費は日々の暮らしに必要な維持管理費です。そのため、修繕積立金は大型修繕に向けた長期的な積み立て金なのに対し、管理費は毎日の暮らしに直結する短期的に使われる費用といった違いがあるといえるでしょう。

 

管理費の相場はいくら?

「マンションの模型と鍵とお金の画像」

管理費の相場は家賃の5~10%といわれています。管理費にはとくに上限額や下限額が定められているわけではありません。

 

高層マンションや設備が充実している賃貸物件は、そうでない物件よりも維持管理費がかかるため管理費が高くなります。

 

また同じ物件内でも広さが異なる部屋だと部屋が広い部屋のほうが管理費は高いなど、部屋によっても管理費が異なるケースがあるため注意しましょう。

 

そのほか、一時的に家賃に管理費を組み込んだり、管理費に家賃の一部を組み込んだりしているケースもあるため同じ物件の同じタイプ部屋でも、管理費が違うこともあります。



管理費を値切ることは可能?

「不動産会社の女性と話す夫婦の画像」

管理費を値切ることは不可能ではありません。ただし、その賃貸物件の管理を管理会社に委託している場合は、値切ることができないケースが多いです。

 

その場合、大家さんが管理会社へ支払う管理業務委託料を、入居者から徴収する管理費でまかなっているケースがあります。

 

まずは管理費よりも家賃で値引きの交渉をして、家賃を値切れなければ、管理費を値切ってみましょう。また、管理費を値切る際は、事前に仲介会社に管理形態がどうなっているのか確認しておくといいでしょう。

 

管理費0円の物件も!理由は?

「メリットとデメリットのリストの画像」

賃貸物件を探していると「管理費0円」という物件を見つけることもあるでしょう。管理費0円といわれると、お得感がある反面、管理体制を心配する方も多いのではないでしょうか。

 

しかし、管理費0円だからといって、その物件の維持管理を全くしていないというわけではありません。

 

なぜなら、実際は管理費がかかっていないのではなく、家賃に組み込まれているケースがほとんどだからです。「管理費0円」と表記することでお得感を感じさせる狙いがあります。

 

それでは、管理費が0円の物件にはどのようなメリットとデメリットがあるのか見ていきましょう。

 

管理費なしのメリット

管理費なしのメリットは、月々の総支払額が安くなることです。上記で管理費0円は家賃に管理費が組み込まれているケースがほとんどとご説明しました。

 

しかし、引越し閑散期や長期間空室になっている部屋など入居促進をはかるために、本来徴収している管理費を一時的に無料にしているケースもまれにあります。

 

タイミングよくこのような物件に巡り合えれば、実際にお得に契約できるので管理費なしのメリットを実感できるでしょう。

 

管理費なしのデメリット

管理費なしのデメリットは、契約時の初期費用が高くなってしまうことです。初期費用として、支払う敷金や礼金は家賃〇か月分と決められています。

 

そのため、家賃に管理費を組み込んでお得感をだしているケースだと、管理費が組み込まれていないケースよりも管理費の分だけ敷金や礼金も高くなり、実際にはお得に契約することはできません。

 

物件探しの際に注意するポイント

「賃貸マンションの集合玄関の画像」

物件探しの際に注意するポイントは、支払い面と物件の管理状況にあります。

 

まず支払い面の観点から物件を検討する際は、管理費の有無ではなく契約時の初期費用および月々の総支払額で判断することをおすすめします。余裕をもって支払える額であれば管理費の有無は気にする必要はないでしょう。

 

そして、管理費を支払うからといってしっかり管理してもらえるという保証はありません。物件の管理状況を把握するためには、管理費の有無や金額よりも現地を確認するのが1番です。

 

内見の際は、部屋だけでなく共用廊下にゴミが落ちていないか、掲示物は更新されているか、自転車置き場は整頓されているかなど共用部分にも注目するとおのずと管理状況も見えてくるでしょう。

 

管理費についても理解を深めよう

管理費は集合玄関や廊下、エレベーターなど共用部分の維持管理費として使われるため、家賃と同じように毎月の支払いに含まれます。

 

設備が充実していたり広い部屋の場合、管理費は高くなりやすいですが管理費が高いからといって管理状況が素晴らしいというわけではありません。

 

物件探しの際は、管理費の有無や額にとらわれすぎず、広い視野で物件探しをするといいでしょう。

不動産情報メディアの記事管理、編集を行う。 記事は不動産売買から家具やインテリアなど住環境に関する内容まで網羅。

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