「リバースモーゲージ」という言葉をご存じでしょうか。
リバースモーゲージとは、自宅を担保に資金を借り入れる高齢者向けのローン制度のことで、近年人気が高まっています。
こちらでは、リバースモーゲージとは一体どんな制度なのか、仕組みやポイントについて説明しておきます。
老後について不安がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
リバースモーゲージとは?
リバースモーゲージとは、自宅に住み続けながら、その自宅を担保にして融資を受ける高齢者向けのローンの制度のことをいいます。
一般的なローンは、最初に一括で受け取った融資金額を月々返済していき、最終的には完済するよう設定されています。
リバースモーゲージは、自宅を担保に一括、もしくは月々の年金として融資金額を受け取り、借入人が死亡したときに担保となっていた不動産を処分して借入金を一括返済します。
一括で借りて少しずつ返済していく一般的なローンとは反対に、最後に融資金額を一括返済することからリバースモーゲージ(リバース=逆、モーゲージ=抵当・抵当権)という名称が付けられています。
リバースモーゲージの仕組みと流れ
リバースモーゲージは、自宅を担保に融資を受け、借入人が死亡した後に、その自宅を売却して返済を行うという仕組みになっています。
つまり、存命中は自宅を手放す必要もなく、融資金額を受け取ることができるということです。
返済は死亡後に行われるため、負担が少なく老後資金を手に入れられることから、近年人気が高まっています。
リバースモーゲージに関するポイント
リバースモーゲージの利用について、気になるのは以下の3つのポイントではないでしょうか。
- リバースモーゲージは戸建てのみ?マンションでも可能?
- 審査に通らないこともある?
- 死亡後は必ず売らなければならない?
それぞれ詳しく解説していきます。
リバースモーゲージは戸建てのみ?マンションでも可能?
リバースモーゲージに活用できるのは、基本的には土地付きの戸建てのみとなっています。
その理由は、担保の評価額は土地の価値を中心に算出されることが多いからです。
ただしマンションでも「駅から近い」「人気のあるエリアにある」など、資産価値が高い物件の場合はリバースモーゲージを利用することができる場合もあります。金融機関によっても、マンションを対象にしているか否かは変わってくるので、自分のマンションが対象となるかが気になる場合は、金融機関に相談してみるとよいでしょう。
審査に通らないこともある?
リバースモーゲージはローン制度の一種なので、審査があります。
審査内容は金融機関によってさまざまですが、重要なのは物件の評価額です。担保となる不動産に資産価値がないと判断された場合は、審査に通らないこともあります。
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死亡後は必ず売らなければならない?
リバースモーゲージは、借入人の死亡後に借入金を返却するローン契約のため、死亡後は、一括返済をするか、担保となっている家を売って返済するか、いずれかの方法をとらなくてはなりません。従って、もしも家を売らずとも元金を返済できる場合は、必ずしも家を売る必要はなくなります。
また、配偶者が同居している場合は、配偶者の居住リスクを回避するため、借入人が死亡後に配偶者に契約を引き継ぐことができる商品が多くなっています。その場合は、もしも借入人が死亡しても、すぐに家を売って返済する必要はなく、配偶者は自宅に住み続けることができます。
リバースモーゲージのメリット
リバースモーゲージの主なメリットは以下の4つです。
- 家に住み続けたまま資金を調達できる
- 月々の支払いが少ない
- 高齢者でも利用可能
- 用途自由な場合が多いため、生活費にも充てられる
それぞれ詳しく説明していきます。
①家に住み続けたまま資金を調達できる
リバースモーゲージを利用することにより、家を売却することなく、住み続けたまま資金を借り入れることが可能となります。
住む場所と老後資金の不安のない生活を送れることは、リバースモーゲージの大きなメリットです。
②月々の支払いが少ない
リバースモーゲージの場合、月々の返済は利息のみで、元金は借入人の死亡後に返済することになります。つまり、存命中は毎月の返済額は少なく抑えられ、生活に余裕を持たせられるということです。
③高齢者でも利用可能
リバースモーゲージは高齢者向けのローン制度なので、年金以外に収入がなくとも利用することができます。通常のローンは年齢制限があるので、高齢者でも資金調達ができることも、リバースモーゲージのメリットといえます。
④用途自由な場合が多いため、生活費にも充てられる
金融機関が扱うリバースモーゲージの場合、投資目的などの一部を除いて用途は自由です。生活費に充てることも自由なので、融資金を利用して豊かな老後生活を送ることも可能となります。
リバースモーゲージのデメリット
リバースモーゲージの主なデメリットは以下の3つです。
- 金利上昇リスクがある
- 評価額下落リスクがある
- 長生きリスクがある
それぞれ詳しく説明していきます。
①金利上昇リスクがある
リバースモーゲージの金利は変動金利であることが大半なので、金利が上昇した際は、利息額が増加する可能性があります。
リバースモーゲージでは、元本の返済は借入人の死亡後に行われますが、利息分については月々支払いを行うことが多くなっています。つまり、金利が上昇すると、毎月の支払額が増加し、家計が圧迫されるリスクがあるということです。
②評価額下落リスクがある
担保となる不動産価値の見直しは定期的に行われます。もしも評価が下がった場合、融資金額が減額されることも考えられます。もしも、それまでの借入額が新たな融資金額を上回ってしまった場合、契約が終了となることもあり得るので注意が必要です。
③長生きリスクがある
リバースモーゲージは、基本的には借入人の死亡後に借入金を一括返済するものですが、もしも、生きている間に融資限度額に達した場合、契約が終了になってしまう可能性があります。その場合、存命中に家を失うリスクがあるということを覚えておきましょう。
リバースモーゲージはこんな人におすすめ
リバースモーゲージは、以下の2つの場合に特におすすめです。
- 相続人がいない場合
- 住宅ローンの返済を楽にしたい人
それぞれ詳しくお伝えします。
①相続人がいない場合
相続人がおらず、死亡後に家を残しておく必要がない場合はリバースモーゲージはおすすめといえます。
リバースモーゲージでは、契約終了後に家を売却して資金を返済するので、相続人に家を資産として残すことができなくなりますが、相続人がいない場合は、残すことを考えなくてもよいため、リバースモーゲージを利用しやすいでしょう。
②住宅ローンの返済を楽にしたい人
リバースモーゲージは住宅ローンからの乗り換えが可能です。住宅ローンからリバースモーゲージに乗り換えることで、月々の返済は利息分のみとなり、生活に余裕が生まれます。
住宅ローンの返済が負担となっている人には、リバースモーゲージはおすすめといえるでしょう。
リバースモーゲージの注意点
リバースモーゲージの利用を考えている場合、以下の3点に注意する必要があります。
- 利用には審査がある
- 評価の見直しにより、途中で契約終了の可能性がある
- 金利の変動により、毎月の利息返済額も変わる可能性がある
リバースモーゲージには審査があるため、誰でも利用できるわけではありません。また、審査時の評価が継続されるわけではなく、定期的に見直しされるため、融資限度額が減少することもあります。今までの借入額が新たな融資限度額を上回っていた場合、途中で契約が終了する可能性もあるので注意が必要です。
また、金利の上昇により利息金額が増える可能性もあることも覚えておきましょう。
リバースモーゲージの金利相場は?
リバースモーゲージの金利相場は、金融機関によっても違いますが、3%から4%ほどに設定されており、住宅ローンに比べ高くなっています。
ただし、金利が高い分、手数料が優遇されていたりなど、金融機関によってサービスが変わっている場合もあります。利用前には、金利だけではなくその他のサービスも比べ、どの金融機関がより良いのか判断してみてください。
リバースモーゲージとリースバックの違い
リバースモーゲージは、「自宅に住み続けながら、その自宅を担保にして融資を受け、死亡後に一括返済するもの」です。
リースバックは「自宅を売却し資金を受け取り、売却後もそのまま住み続ける方法」のことをいいます。
リースバックの場合、自宅を売却後、賃貸という形で住むことになります。
いずれ高齢者住宅に住みたいなど、住み替えを考えている場合は、リースバックを利用して売却金で入所一時金などを支払うことができます。
すぐに家から出て行く必要もないので、ゆっくりと引っ越し先を決めることもできますよ。
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リバースモーゲージも選択肢に入れよう
リバースモーゲージについてお伝えしました。
リバースモーゲージは、自宅に住みながらも融資を受けられる高齢者向けの画期的なローン制度です。
返済は死亡後に行われるため、存命中の負担が少ない一方で、金利上昇や評価額下落などのリスクもあるので、しっかりと理解しておくことが重要です。
老後の生活や資金については、誰でも不安に思うことです。
リバースモーゲージの仕組みやメリット、デメリットを知ったうえで、将来の選択肢の一つとして考えてみてください。
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