固定資産税はマンションなどの不動産を持つと必ず納めなければならない税金です。その納入時期は一体いつなのでしょうか。家計のことを考えると、固定資産税の時期もあらかじめ把握しておきたいところです。
ここでは、固定資産税はいつからかかるか、支払いの流れはどのようなものなのかを解説していきます。
マンションの固定資産税はいつからかかる?
固定資産税は、マンションなどの資産に掛けられる税金です。これは、毎年1月1日時点での所有者に支払い義務があります。
しかし、1月2日以降に取得した不動産の場合はどうなるのでしょうか。
- 新築マンション
- 中古マンション
- 新築戸建て
それぞれの固定資産税についてみていきましょう。
新築マンションの場合
新築マンションを1月2日以降に取得した場合、固定資産税の納入義務が発生するのは翌年からとなります。
固定資産税の納入義務があるのは、登記記録の「登記名義人」です。つまり、新築マンションの引き渡しが行われ、登記名義人にならなければその年の納入義務は発生しません。
例えば、売買契約したのが2021年の4月で、引き渡しは2022年の2月ということがあります。この場合、固定資産税の納入義務があるのは2023年からになります。
逆に、2021年2月に売買契約をして2021年12月に引き渡しが行われた場合は、2022年から固定資産税を納めなければなりません。
新築マンションの場合は、建設期間があるため固定資産税を納める時期が大きく変わります。
中古マンションの場合
中古マンションの場合は、引き渡し時点から日割り計算をしてその年の固定資産税を納入するのが一般的です。
例えば2022年2月に引き渡しをしたとします。法律上2022年の固定資産税の納入義務があるのは、前のオーナーです。
しかし、前のオーナーが2022年に所有していた期間は1か月。1年のうちのほとんどを所有しているのは、新しい所有者です。
そのため中古マンションの場合は、日割り計算をして所有していた期間分だけ負担するのが一般的になっています。
新築戸建ての場合
新築戸建ての固定資産税の場合は、土地と建物を分けて考える必要があります。土地の分は日割り計算、建物の分は引き渡しの翌年からになるのが一般的です。
固定資産税は、建物のほか土地にもかけられるものです。新築戸建ては土地を所有してから建物を建てるため、固定資産税も先に土地分が、後に建物分が発生することになります。
土地は所有した時点からになるため、中古マンションと同じく日割り計算をするのが一般的です。建物については、引き渡しの翌年からになります。
マンションの固定資産税はいつ払う?
マンションの固定資産税はいつから払うことになるのでしょうか。家計を考えると、あからじめ具体的なスケジュールも把握しておきたいところです。
- 支払いの流れ
- 支払期限
- 支払い方法
上記の3点について解説していきます。
支払いの流れ
固定資産税は自治体へ納める地方税のひとつです。そのため、納入通知書と納付書は4月〜6月頃に各自治体から送られてきます。
自治体によって納入通知書と納付書の発送日時は異なりますが、おおむね同じような時期です。納付書が届いたら、内容を確認して納入方法を選択して必ず期限内に納入手続きをします。
こちらは、2022年の東京都のスケジュールです。
納付期間 |
納期限 |
|
第1期 |
2022年6月1日~6月30日 |
2022年6月30日 |
第2期 |
2022年9月1日~9月30日 |
2022年9月30日 |
第3期 |
2022年12月1日~12月27日 |
2022年12月27日 |
第4期 |
2023年2月1日~2月28日 |
2023年2月28日 |
納入方法には次のようなものがあります。
- 窓口払い(自治体の税務署・コンビニエンスストア・金融機関)
- 口座振替
- クレジットカード
- ペイジー(ATM・インターネットバンキング)
自治体によっては、電子マネー・スマホ決済アプリに対応しているところもあります。また、納入方法の選択肢は自治体ごとになるため、納付書をよく確認することが大切です。
支払い方法によっては、現金のみの対応になります。ペイジーの場合は事前申請が必要なこともあるため、注意が必要です。
支払い期限はいつまで?
固定資産税の納付期限は各自治体によって異なります。また、毎年同じ期限になるわけではないため、納税通知書と納付書の確認が大切です。
うっかり納付を忘れてしまった場合、手元にある納付書では納入できないことがあります。固定資産税が期限内に納付されなかった場合は、延滞金が発生するためです。
期限内に納付できなかった場合は自治体へ問い合わせ、納付書の再発行をしてもらう必要があります。しかし、納付書を再発行してもらっても納付期限が延長になるわけではありません。また、納税通知書の再発行はできません。
固定資産税の納付が確認されないと、自治体から督促や催告が来ます。これにも従わないと最悪の場合、財産の差し押さえになります。納税がどうしても厳しいのであれば、早めに自治体に相談しておくことが大切です。
一括のみ?分納は可能?年に何回払う?
固定資産税は通常4期に分けて納入します。つまり、4回払いです。
自治体によっては第1期の納付期限までに1年分を一括払いできるところもありますが、4回払いをさらに細かくすることはできません。また、一括払いをしたからといって、総額が割引になることもありません。
クレジットカード払いならポイントがつき、結果的に割り引かれたと同じ状態になることはありえます。しかし、クレジットカード払いでは、決済手数料が別にかかります。
決済手数料についても計算方法は自治体によっても異なるため、お得とは言い切れません。ポイントと決済手数料のどちらが大きいかを比較して考えた方がよさそうです。
固定資産税は何年目から下がる?
固定資産税は、3年ごとに変わるタイミングがあります。これは、3年に1度の評価の見直し(評価替え)によるものです。しかし、変わるのであって、必ず下がるというわけではありません。
固定資産税は、土地・建物それぞれの価値を固定資産税評価額として表し「固定資産税評価額×1.4%(税率)」で計算されます。つまり、固定資産税が変わるのは固定資産税評価額しだいということになります。
固定資産税評価額を変化させるのは、総務省の基準にしたがって3年ごとに行われる評価の見直し(評価替え)です。評価替えは地価、物価、建物の状態に応じた適正な価値を判断します。
土地の評価額は路線価によって変化します。一方、建物は年数が経過するごとに価値が下がる(経年劣化する)ものです。そのため、「経年減価補正率」(参照)を掛けて計算することになっています。
経年減価補正率は、木造なら15年から35年、鉄筋コンクリートの建物は、60年かけて下がっていきます。
一般的なマンションの建物は鉄筋コンクリート造のため、経年減価補正率も下がりづらく、目に見えて固定資産税が下がるわけではありません。
また、最大で7年間の減税措置などもあるため、場合によっては固定資産税が上がることも考えられます。3年ごとに必ず固定資産税が下がっていくというわけでもありません。
固定資産税はいつまで支払い続けるもの?
固定資産税は、土地・建物などの不動産を所有する限り払い続けることになっています。
土地の固定資産税評価額は、路線価の変動を受けて評価替えごとに変化します。しかし、価値そのものが無くなるわけではありません。
また、建物の固定資産税評価額は、経年に合わせて経年減価補正率を掛けて計算するためゆっくりと下がっていきます。しかし、ゼロになるわけではありません。
建物の固定資産税は木造なら35年、鉄骨鉄筋コンクリート造なら60年かけて下がりますが、下がったとしても20%までとなっています。
払ったかどうかの確認はどうやってする?
固定資産税の納税状況の確認には2つの方法があります。
・固定資産税通知書や領収書を確認する
・納税証明書を発行してもらう
自分の固定資産税について知る最も簡単な方法は、固定資産税通知書や領収書を確認することです。しかし、失くしてしまった場合は自治体で納税証明書を発行してもらうことで確認できます。
また、固定資産税の額を知りたい場合は、次の方法があります。
- 固定資産評価証明書を発行してもらう
- 公租公課証明書で確認する
- 固定資産税台帳を閲覧する
固定資産評価証明書・公租公課証明書は自治体で手続きをすると発行してもらえます。これらは納税額だけでなく、固定資産評価額も確認できる書類となっています。
固定資産台帳は毎年4月はじめから半ばまでの間、自治体で閲覧できる資料です。これは無料で閲覧できますが自治体によって期間が決められているため、あらかじめ調べておく必要があります。
固定資産税の領収書はいつまで保存すべき?
固定資産税の通知書、領収書は最低でも7年は保存しておきましょう。税関係の書類はできれば20年は保存しておいたほうがよいとされています。
固定資産税の領収書は、不正を防ぐため再発行ができないことになっています。そのため、納税額を知るためには納税証明書などを発行して確認するほかありません。
また、自治体はさかのぼって7年課税できる期間があります。さらに、多く納税してしまっても、5年経ってしまうと時効になってしまいます。
5年以内であれば自治体に申請することで戻ってくる可能性がありますが、5年を過ぎてしまうと税金は戻ってきません。
固定資産税だけでなく、税関係の通知書・領収書はできるだけ長く保存しておいた方がよいでしょう。相続などの場面でも必要となる可能性があります。
固定資産税の納税通知書は?
納税通知書も領収書と同じく最低でも7年、できれば20年分は保存しておいたほうがよいとされています。固定資産税の納税通知書は、再発行ができません。
納税通知書を保存しておいた方がよいのには以下の理由があります。
- 正式な書面である
- 固定資産の評価の確認ができる
- 家計の見積もりができる
納税通知書についてくる「課税証明書」は正式な証明書です。これは登記などにも使われるもので、固定資産税評価額が記載されています。
また、固定資産税は3年に1度の評価替えによって、評価額が変化するものです。評価替えによって評価額が変わり固定資産税は変化することから、家の資産価値を知る書類になります。
さらに、稀なケースではありますが、評価額の計算が間違っている可能性がないとは限りません。明らかに記載されている金額がおかしい、理由なく過去と差があるという場合は、自治体に問い合わせてみる必要があります。
また、通知書を保存して確認することで、ある程度の家計の見積もりが可能です。建物の固定資産税には減税措置の期間があるため、納税額がずっと同じというわけではありません。期間が過ぎると固定資産税は高くなるため、あらかじめ見積もっておいた方がよいかもしれません。
固定資産税の仕組みをきちんと理解しよう
固定資産税は不動産を所有している限り、必ず納めなければならない税金です。
初めてマイホームを手に入れた場合は、どんな仕組みかよくわからないことも多いかもしれません。通知書が郵送されてきてびっくりすることもあるでしょう。
固定資産税は、住宅購入費のほかにかかってくるランニングコストのようなものです。そして、期日にも厳密な決まりがあります。
住宅購入の際は、固定資産税も視野に入れておくことが重要になります。また、納税額だけでなく課税のタイミングも視野に入れておくことが大切です。
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