初めてのマンション売却にあたって「何から始めたらよいのかわからない」と悩まれる方も多いのではないでしょうか。また、不動産は大切な資産ですから「高く売りたい、損をしたくない」と誰もが考えるはずです。
そこで今回は、マンション売却の流れから、失敗せずに高く売るためのポイントまで幅広く解説します。
マンション売却の流れとは
マンション売却の流れは、おおまかに「売却準備期間」「売却活動中」「売却後」の3段階に分けられます。
これだけではイメージしにくいかもしれませんので、マンション売却の具体的な流れや内容を以下の項目にまとめました。
- マンション売却の全ステップ
- 売却までの期間
- 売約に必要な書類
スムーズなマンション売却の実現のために、お役立てください。
マンション売却のステップ
マンション売却の全ステップは、以下のとおりです。
ステップ |
内容 |
①事前準備する |
・売却に必要な書類のチェック ・自分でも価格相場を調べておく |
②相談・価格査定 |
いくつかの不動産会社に、相談と査定してもらう |
③契約の締結 |
気に入った不動産会社と契約を結ぶ |
④売却活動開始 |
・売り出し価格を決める ・不動産会社が購入希望者の集客を行う |
⑤内覧対応 |
・購入希望者の内覧対応を行う ・購入意思が固まった方に対して、売買条件の交渉などを行う |
⑥売買契約の締結 |
・不動産会社の担当者による重要事項説明 ・売買契約の取り交わし ・買い主から手付金を受け取る ・不動産会社に仲介手数料の支払い |
⑦マンションの決済・引き渡し |
・買い主から売却代金の受け取り ・鍵や住宅設備に関わる書類の受け渡し ・司法書士による登記手続き |
売却までどのくらいの期間がかかる?
マンションを売却するまでには、約4か月ほどの期間を要するといわれています。
それぞれのステップにかかる期間の目安は、以下のとおりです。
状況 |
ステップ |
期間 |
売却活動前 |
事前準備する |
1~2週間程度 |
相談・価格査定 |
1~2週間程度 |
|
契約の締結 |
1~2週間程度 |
|
売却活動中 |
売却活動開始 |
売却活動から契約締結まで |
内覧対応 |
||
売買契約の締結 |
||
売却後 |
マンション引き渡し |
1か月前後 |
必要な書類はどのくらいある?
必要な書類の項目と書類の内容については、以下のとおりです。
種類 |
書類内容 |
本人確認書類 |
「身分証明書」や「印鑑証明書」、「住民票」など。 |
登記簿謄本 |
物件に関する情報が書かれた書類。 |
売買契約書 |
物件を購入したときに締結された契約書。 |
重要事項説明書 |
物件を購入したときに作成された書類。 |
図面や設備の仕様書 |
物件の間取りや設備などの細かな情報を確認するための書類。 |
固定資産税通知書 |
毎年送付されますが、最新の書類が必要。 |
マンション売却額の相場は?
マンション売却額の相場は、実際に取引された価格の成約価格を参考にするとよいでしょう。
以下の表では、主要都市の成約価格をまとめました。
都県 |
成約価格 |
前年比 |
東京都 |
約4,512万円 |
5.4% |
神奈川県 |
約3,003万円 |
3.6% |
埼玉県 |
約2,253万円 |
2.7% |
千葉県 |
約2,136万円 |
3.9% |
参照:
【2020年】首都圏不動産流通市場の動向(公益財団法人東日本不動産流通機構)
しかし、相場が上昇傾向にあるからといっても、儲かるためには販売戦略を立てることが重要です。信頼のおける不動産会社を慎重に選ぶことは基本ですが、それ以外にも販売時期を見極めたり、マンションがより魅力的に見える演出をしたりするなどの工夫をおこないましょう。
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失敗しないために!高く売るためのポイント10選
大切な資産であるマンションを売却するにあたって、絶対に失敗はしたくないものです。
ここでは、高く売るためのポイントを10個ご紹介します。
- 売却準備は余裕を持って進める
- 査定は複数の会社に依頼する
- マンション売却に最適な時期
- 良い不動産会社の見極め方
- 損をしないための価格の決め方
- 売却活動で気をつけること
- ハウスクリーニングに依頼し部屋をきれいにする
- 瑕疵担保保険に加入する
- 安易にリフォームしない
- 周辺環境を調査して付加価値がないか確認する
①売却準備は余裕を持って進める
売却準備は余裕を持って、「4〜5か月前」から進めましょう。準備期間に余裕がないと、前知識がない状態で売りにだすことになるため、適正価格の判断に誤り、損をしてしまう可能性があるからです。
不動産売却には時間がかかるため、スケジュールに余裕を持って組んでおくことが大事です。
一般的に、売り始めてから引渡までの「売却活動期間」は3か月が目安といわれていますが、価格の査定や瑕疵担保保険の加入の準備を考慮すると「4~5か月前」売却準備を始めるのがおすすめです。
②査定は複数の会社に依頼する
同じ物件でも不動産会社によって、査定額が数百万円も異なるケースもあるため、複数の不動産会社に依頼することがポイントです。査定価格は不動産会社の考える「売却予想価格」であることから、高く売れる自信のある会社ほど高い査定価格を出す傾向にあります。
そのため、複数の不動産会社に査定を依頼し、比較・検討することはマンション売却をするうえで、とても重要であるといえるでしょう。
③マンション売却に最適な時期は?
マンションの売却は、引っ越しシーズンである1〜3月を狙うのが最適といえるでしょう。理由としては、年始から年度終わりまでの1〜3月は、翌年度からの新生活に向けて引っ越しが増えるため、この時期に中古マンションのニーズも高まる傾向にあるからです。
高く売るためには、不動産ニーズが高い時期を狙い、多くの購入希望者に内覧にきてもらう必要があります。そうすることで、大幅な値下げ交渉をしてくる人を避け、希望者通りの価格で購入してくれる人が見つかりやすくなるでしょう。
また、1〜3月の間に売り切れなかった場合は、値下げしてまで無理に売却しようとせず、次の需要の高まりまで待つのもひとつの方法です。
④良い不動産会社の見極め方
高く売るためには、売却業専門の「売ること」に特化した不動産会社を選びましょう。
不動産会社は、おおまかに以下3つの専門業務に分かれています。
- 不動産売却業:売買物件の仲介や買取再販など
- 不動産開発業:マンションや戸建住宅を建設して販売
- 不動産管理業:建物の管理や清掃など
マンション売却であれば「不動産売却業」をメインとする不動産会社に依頼するのがポイント。売却業専門の会社であれば、売却に関するノウハウや専門知識が豊富で、なおかつスムーズに売却をサポートしてくれるでしょう。
なお、不動産会社の得意とする事業は、会社ホームページに「売却」や「査定」などの記載があれば、売買業務に力を入れていると判断できます。
■wednesdayの簡易査定
不動産の売却を検討中の方は、簡易査定にお申し込みください。wednesdayの簡易査定は、面倒な訪問は不要でオンラインのみで売却まで完了します。
こんな方におすすめ:
・売却・住み替えを検討中の方
・今のお家がいくらで売れるか知りたい方
⑤損をしないための価格の決め方
損をしないようにするには、売り出し価格を設定する前に、売却価格の最低ラインを決めておきましょう。
最低ラインの決め方としては、ローン残高や売却にかかる諸費用などをふまえ「下回ったら困るという金額」を把握すること。
最低価格を算出したうえで価格を決めないと、残っている住宅ローンが返せないなどの問題が発生し、損してしまう可能性があるからです。
⑥売却活動で気をつけること
売却活動で値下げする際には「不動産会社の担当者とよく相談すること」がポイントです。思うようにマンションが売れない場合には、値下げを検討するかと思います。
しかし、いくらまで値下げをするか、いつのタイミングで値下げをするかを決めるのは、不動産取引に精通した人でなければ判断が難しいです。
そのため、売却活動中に値下げをするのであれば、値下げしても損しないよう不動産売買に慣れた担当者に相談し、適切なアドバイスをしてもらいましょう。
⑦ハウスクリーニングに依頼し部屋をきれいにする
高く売るためには、ハウスクリーニングを利用し部屋をきれいにしておきましょう。売却活動が始まると、物件に興味を持った人が次々と内覧に訪れます。
その際、部屋がきれいで清潔感があれば、購買意欲を高めることが可能です。
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⑧瑕疵担保保険に加入する
マンションを高く売るためには、瑕疵担保保険に加入しましょう。瑕疵担保保険とは、売却後、物件にキズや欠陥などが見つかった場合、その補修費用を保険料によってまかなえる保険のことです。
また、瑕疵担保保険に加入している物件であれば、買い主が住宅ローン控除を利用できます。このように、買い主側にとって大きなメリットが得られるため、瑕疵担保保険に加入するだけで、買い手がつきやすくなるといえるでしょう。
⑨安易にリフォームしない
マンションを高く売りたいのであれば、安易にリフォームをしないようにしましょう。その理由としては、リフォーム費用を物件価格に上乗せした価格での売却は難しいからです。
たとえば、リフォーム済みの物件とリフォーム無し物件が同じ価格で同じマンション内にあった場合「見た目の良さ」からリフォーム済みが有利に働くかもしれません。
しかし、リフォームをしても中古物件であることや築年数は変えられないため、同マンション内の競合物件より数百万円も高くなってしまうと売れにくい傾向にあります。
実際にリフォームにかかった値段より高く売れないと損をしてしまうため、安易にリフォームをするのではなく慎重な判断が必要です。
⑩周辺環境に付加価値がないか確認する
マンションの周辺環境を調査して、買い手が興味の湧きそうな付加価値がないか確認することも重要です。
例えば、スーパーやコンビニ、病院、郵便局などの生活に便利な施設があるとアピールポイントとなります。付加価値が見つかれば、不動産会社にしっかりチラシやインターネット広告にアピールポイントを記載してもらうようにしましょう。
途中でやめたいと思ったら?中止することは可能?
何らかの事情により、マンション売却を途中でやめたいと思った場合、買い主と売買契約を「結ぶ前」であれば、デメリット無しで中止することは可能です。
しかし、売買契約を結んだあと中止する場合には、どんな事情があったとしても、違約金を支払わなければならないので注意しましょう。違約金の具体的な金額は、買い主から受け取った手付け金の倍額を支払うのが一般的です。
マンション売却は税金がかかる?
マンション売却をした際には、以下の税金がかかります。
税金の種類 |
内容 |
登録免許税 |
不動産の名義変更時にかかる税金 |
印紙税 |
マンション売却時に取り交わす契約書などの文書に課税される税金 |
譲渡所得税 |
マンションを売却し、利益が出た場合に発生する税金 |
住民税 |
前年1月から12月の所得に応じて支払う税金 |
復興特別税 |
東日本大震災の復興のために使われる税金 |
登録免許税と印紙税は、マンション売却による利益が出ても出なくでもかかる税金です。それ以外の、譲渡所得税・住民税・復興特別税は「利益が出たとき」にのみ支払い義務が発生します。
確定申告が必要!準備すべき書類
マンションを売却したあとには、損益にかかわらず確定申告をしましょう。確定申告を行うことで納税額を押さえられたり、節税ができたりするからです。
しかし、マンション売却を完了してから確定申告するまでには時間が空いてしまうため、いざ確定申告するタイミングで「あれがない、これがない」となってしまうかもしれません。事前にどのような書類を準備しておくべきなのか、しっかりと把握しておきましょう。
主に必要になる書類は、以下のとおりです。
<税務署で入手する書類>
- 確定申告書B様式
- 「申告書B第一表、第二表」及び申告書第三表(分離課税用)
- 譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)
<自分で準備する書類>
- 売買契約書(コピー)
- 仲介手数料などの領収書(コピー)
売却の流れは理解できましたか?
マンション売却の流れは、おおまかに「売却準備期間」「売却活動中」「売却後」の3段階に分けられます。失敗せずにマンション売却を進めるには、流れや必要な書類を事前に準備しておきましょう。
また、大切な資産であるマンションを売却する際には、失敗はせずに高く売りたいと誰もが思うことです。なるべく高値で売却できるように、今回紹介した高く売るための10個のポイントをぜひ参考にしてみてください。
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