住宅ローンを契約して住宅を購入した際に適用されるのが、住宅ローン減税。住宅ローン減税を使うことで、還付金が入り、金銭的負担を減らせるメリットがあります。本来、住宅ローン減税は2021年までの制度でしたが、期間の延長が発表されました。そこでこの記事では、2022年からの変更点や、住宅ローン減税の手続きを解説します。
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住宅ローン減税とは?
住宅ローン減税とは、住宅ローンで物件の購入やリフォームをする場合に、所得税や住民税の控除を受けられる制度のことです。税金から控除され還付金が入ることで、金銭的負担を減らせるメリットがあります。
また、住宅ローン減税を受ける場合には、一定の要件を満たさなくてはいけません。住宅ローンを契約すれば自動的に適用される制度ではないので、初年度は住宅ローン減税を受けるために確定申告をしなければなりません。
2年目以降は、会社の年末調整で税額を調整してくれます。個人事業主の方等確定申告を毎年されている方は、住宅ローン控除の申告も毎年必要です。
2022年住宅ローン控除改正による変更点
住宅ローン減税を利用することで、税金の還付を受けられるメリットがあります。実は、住宅ローン控除は2021年で終了予定の制度でしたが、住宅ローン控除改正により、期間が延長されました。期間延長の他にも複数の変更点が発表されたので、整理していきましょう。
<2022年住宅ローン控除改正による変更点>
- 控除率が1%→0.7%に引き下げ
- 制度の期間延長
- 控除期間は新築住宅・買取再販は13年、中古住宅は10年
- 住宅の環境性能に応じ借入限度額を上乗せ
- 中古住宅の築年数要件が緩和
- 新築住宅の床面積要件を40㎡以上に緩和
①控除率が1%→0.7%に引き下げ
住宅ローンの控除率が1%だったのに対し、0.7%に引き下げられます。つまり、住宅ローンの残高が同じでも、2022年からは控除される金額が少なくなるということです。
控除の対象となるローン残高が3,000万円の場合、控除額は1%の時の月30万円から、月21万円の控除額に減額されます。
②制度の期間延長
住宅ローン控除は、2021年年末までに入居した人を対象にした制度でした。しかし、2022年の改正により、制度が4年間延長されます。つまり、2025年の年末までに入居した人が、住宅ローン控除の適用を受けることができます。
③控除期間は新築住宅・買取再販は13年、中古住宅は10年
今回の改正により、新築住宅、買取再販の控除期間が13年となります。(※令和6年1月1日以降に建築確認をうけるもので一定の者は10年)
中古住宅の場合は、以前と変わらず10年間です。
④住宅の環境性能に応じ借入限度額を上乗せ
住宅ローン控除では、控除が適用される金額が決められています。そのため、住宅ローン残高が限度額を超えている場合は、限度額を超えた部分は控除の対象になりません。今回の改正によって、「省エネ基準適合住宅」や、より高性能の「ZEH(ゼッチ)(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)水準省エネ住宅などの環境性能の良い住宅に関しては、控除の限度額が引き上げられました。
⑤中古住宅の築年数要件が緩和
中古住宅で住宅ローン控除を受ける場合には、定められた築年数の要件を満たしている必要がありました。具体的には、マンション等耐火建築物は25年以内、木造等耐火建築物以外は20年以内に建築されたものです。もし、築年数要件を満たしていない場合には、「耐震基準適合証明書」や「既存住宅性能評価書」を取得することで、住宅ローン控除を受けられます。
しかし、2022年の改正によって、築年数要件が緩和。住宅の構造に関係なく、「昭和57年(1982年)以降に建築された住宅」であれば、住宅ローン控除が適用されます。
⑥新築住宅の床面積要件を40㎡以上に緩和
これまで、住宅ローン控除が受けられるのは、床面積が50㎡以上の住宅に限られていました。しかし、今回の改正によって、床面積50㎡以上だったものが40㎡以上に緩和されます。
つまり、これまで1LDKなど単身者用の住宅は住宅ローン控除が適用されにくかったのに対し、単身用の住宅でも住宅ローン控除を受けられる可能性が高くなりました。
結局、住宅ローン減税はいつまで?
住宅ローン控除改正により、控除率は引き下がってしまったものの、期間が延長されたり、限度額が上がったりとポジティブな面も多いです。
契約期限と入居期限の違いは?
契約期限とは住宅の購入手続きをする期限を指し、入居期限とは実際に住み始める期限を指します。今回の改正によって、契約期限の発表はなかったものの、2025年の年末までの入居であれば、住宅ローン減税の利用が可能です。そのため、住宅ローン減税を利用したいと考えている人は、2025年の年末までに入居できるようにスケジュールを立てましょう。
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住宅ローン減税の手続きはどうやる?
住宅ローン減税は、2025年の年末までに入居した人であれば利用できる制度です。期間の延長が決まったので、これを機に住宅ローン減税を受けたいという人も多いのではないでしょうか。そこでここでは、住宅ローン減税の手続きについて詳しく解説します。
住宅ローン減税は、住宅ローンを契約すれば自動的に適用されるわけではないため、初年度は確定申告を通して申請する必要があります。期間が決まっているので、忘れずに必要書類を提出しましょう。
どこでやる?
住宅ローン減税の手続きは、初年度に限り税務署に必要書類を提出する必要があります。会社員の場合には、2年目以降は年末調整で住宅ローン減税を受けられるので、ローンの残高証明書を勤務先に提出してください。
申告はいつ頃すればいい?
住宅ローン減税の手続きは、2月16日から3月15日の確定申告の期間に必要書類を提出します。必要書類は、税務署に持参するか郵送して提出してください。e-Taxを使用すれば、インターネット上での提出もできます。
住宅ローン控除はどれくらいお得?
住宅ローン控除は住宅ローンの残高に応じて還元される制度ですが、どれくらいお得になるか気になる人も多いはず。そこでここでは、住宅ローン控除の還元額について見ていきましょう。
<住宅ローン控除はどれくらいお得?>
- 新築住宅・買取再販(認定住宅)の限度額について
- 新築住宅・買取再販(認定住宅以外)の限度額について
- 中古住宅の限度額について
※全て住宅ローンの年末残高の限度額です。
新築住宅・買取再販(認定住宅)の限度額について
新築住宅・買取再販(認定住宅)の限度額は以下の通りです。
~2021年 |
2022・2023年 |
2024・2025年 |
5,000万円 |
5,000万円 |
4,500万円 |
ちなみに、認定住宅とは良好な状態で住み続けられるような措置を講じた住宅を指します。バリアフリー性や省エネルギー性、耐震性などが優良であるということです。
新築住宅・買取再販(認定住宅以外)の限度額について
新築住宅・買取再販(認定住宅以外)の限度額は以下の通りです。
~2021年 |
2022・2023年 |
2024・2025年 |
|
ZEH水準省エネ住宅 |
4,000万円 |
4,500万円 |
3,500万円 |
省エネ基準適合住宅 |
4,000万円 |
4,000万円 |
3,000万円 |
その他住宅 |
4,000万円 |
3,000万円 |
2,000万円 (2023年までに建築確認がされた新築に限る※ 一定の場合には令和6年6月30日まで) |
ZEH(ゼッチ)とは、「ゼロ・エネルギー・ハウス」のことです。省エネ基準よりもさらにグレードの高い住宅を指します。住宅でエネルギーを作り、省エネを徹底し、そして断熱などでエネルギーの過剰消費を防ぐものです。
省エネ基準とは、名前の通り、その住宅が省エネ仕様になっているかを判断する基準を指します。基準に挙げられるのは、断熱性がしっかりしているか、そして冷暖房や照明は省エネ仕様になっているかなどです。
中古住宅の限度額について
中古住宅の限度額は以下の通りです。
~2021年 |
2022・2023年 |
2024・2025年 |
|
認定住宅 |
3,000万円 |
3,000万円 |
3,000万円 |
その他住宅 |
2,000万円 |
2,000万円 |
2,000万円 |
このように、住宅の種類によって住宅ローン減税の限度額が異なります。住宅ローン減税を使う際には、どの住宅の種類に当てはまるのか、限度額はいくらになるかを確認し、控除額をシミュレーションするようにしましょう。
しかし、住宅の種類によって控除限度額が異なるので、必ずしも0.7%分が還元されるわけではありません!
住宅ローン残高が控除限度額を上回っていると、超過分は計算されないため、想定よりも還付額が少ないこともよくあります。
なお、年数によって限度額が異なるため、注意が必要です。
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住宅ローン控除の改正内容は理解できましたか?
2022年の改正で、築年数要件や床面積要件が緩和されました。要件が緩和されたことで、住宅ローン減税の利用ができるようになった人も多いはずです。住宅ローン減税を使うことで、還付金を住宅ローンの返済にあてられるようになります。住宅ローン減税の概要や条件、そして手続きの方法を頭に入れて、住宅をお得に購入しましょう。
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