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地上権と賃借権と借地権の違いとは?それぞれのメリット・デメリット・注意点を徹底解説!

2022.05.13
2022.12.26
住宅模型と芝生

国有地以外のほとんどの土地には、個人や企業などの所有者がいます。既に土地を持っている方、もしくは土地がなくて今探しているという方も多いのではないでしょうか。また「借地権付きマンション」を検討されている方もいるでしょう。

今日は不動産売買の要となる土地の権利について、理解を深めましょう。

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借地権とは

「土地と区画図の画像」

他人や企業が所有する土地を借りて家やお店、マンション、会社などを建てる借主側の権利のことを「借地権」と言います。

 

借地権には「普通借地権」と「定期借地権」の2種類があります。普通借地権の契約期間は木造や鉄筋などの資材に関わらず30年で、更新料を支払えば借地権の更新は可能です。逆に地主側が契約を途中で満了にしたい場合は、明け渡し料を支払わなければなりません。契約期間が満了となった場合は、地主に建物の買い取りを求めることができるのも特徴です。

 

自分で土地を所有していれば、その土地は自由に使うことができます。自分の家を建てたり、個人や企業に貸して収益を得る人もいます。

一方、土地を持っていない場合は借りるしかありません。借りた場合にその土地に対してどこまで権利を主張できるかを知ることは、非常に重要なポイントになります。

 

理解が浅いと不利な契約をさせられてしまうこともあるため、借地権について定義をしっかり把握しましょう。

 

目的・期間

 

借地権は基本的に家やお店、マンション、会社などの建物や竹林などを所有する目的で土地を借りる権利のことです。このため駐車場やテニスコートを作るなど、建物を建てないのであれば土地を借りる際に借地権は発生しません。

 

借地契約をする際は30年や50年など期間を定めて契約することがほとんどで、これにより後にトラブルが発生する確率を軽減させることができます。

 

定期借地権とは

定期借地権は、契約期間が最初に定められた借地権のことです。契約更新ができないという決まりになっているのが重要なポイントです。地上権付きのマンションの場合は、この定期借地権となります

 

契約更新ができないため、50年以上の契約期間となるのが普通です。また契約満了時には建物の買い取りを求めることもできないため、全て解体して更地の状態で土地を返すことが義務付けられます




地役権との違いは?

「通勤や通学でどうしてもあの土地を通りたい」「あの土地に電線や排水管を通させてもらわないと生活できない」というような場合があるでしょう。そのような場合に他人の土地を使えるようにする権利を地役権と言います

 

民法の定義では「他人の土地を自分の土地のために利用する権利」となっています。当事者間で対価の契約をします。地役権を登記することもできるため、トラブルが予想される場合は登記をおすすめします。

 

借地権と地役権、言葉の雰囲気は似ていますが全く別物ですので、注意が必要です。



地上権、賃借権とは

「契約の握手をする人の画像」

借地権契約をして建物を建てると、土地の所有者と建物の所有者が法的にしっかりと区別されるようになります。

 

借地権は「建物の所有を目的とする地上権又は賃借権」と定義されています。つまり借地権の中に地上権と賃借権の2種類があり、権利の強さによって使い分けられています。2つの違いを押さえましょう。

 

地上権

その土地に建てた建物を、地主の許可をもらわなくても他人に譲渡したり、賃貸物件として貸すことができるのが地上権です。このように、地上権を持つとかなり強力で自由度の高い権利を有することになります。また、地上権には登記の義務があります

 

契約期間は定められておらず、当事者間の合意で自由に決めることができます。地代を支払わない契約も可能なため、地主よりも借主の方が立場が強くなります

 

賃借権

賃借権は他人に譲渡したり貸す際や、増改築などをする際も必ず地主に許可が必要という規定のある権利です。地上権と違って必ず賃料に関する取り決めが事前に行われ、賃料を支払う義務を追います。現在交わされている借地権の殆どが、この賃借権です。

 

契約の存続期間は20年以下となっていますが、借地借家法が適用された場合は30年以上に延長することができます。登記に関しては地主に協力義務がないため行われない場合がほとんどですが、後のトラブルを避けるためにも保存登記を行うことをおすすめします。

 

地上権が設定されることは少ない

マンションの画像

地主からすると、自分の土地に建つ建物が自由に所有者変更されたり、長期間権利を行使されるのはあまり平穏な心地がするものではないでしょう。このため、借地権契約をする際は地上権ではなく賃借権を設定し、地主の権利を強めた契約を結ぶ場合がほとんどとなっています。借りる側は契約期間中は問題なく土地を使い続けることができるため、賃借権のほうがトラブルも少なくなるでしょう。



借地権付きの土地のメリットとは?

家の模型の画像

地主と借主が今後長い間良好な関係を築いていくためにも、最初の借地権契約は非常に重要なポイントとなります。互いにメリットを享受できるよう、細かな点も慎重に確認していきましょう。まずは借地権付きの土地のメリットについて、借主の観点からご紹介します。

 

低コストで土地を利用できる場合が多い

賃料や使う年数にもよりますが、土地を購入するよりも低コストで済む場合が多くなります。このため、特に借地権付きマンションの場合は土地代を基本的に含まない価格設定となり、周辺の分譲マンション相場よりも2割から3割ほど販売価格が安くなります。東京などの首都圏や地方都市の地価が高い中心部にあるマンションで意外と安いなと感じる物件は、借地権付きであることが多いのでチェックしてみましょう。逆に土地の安いエリアの場合は、土地を借りるよりも買ってしまったほうがお得な場合も多いです。

 

固定資産税は地主負担

固定資産税はあくまでもその不動産の所有者が支払う税金のため、土地の借主は支払う必要がありません。都市計画税の支払いも不要です。その分を賃料にある程度上乗せしてくる地主もいるので、そのエリアの土地の相場などとも比較検討して、提示された賃料が適切かどうか宅建士や不動産会社、行政に相談してみるのも良いでしょう。建物分の固定資産税は借主負担です。

 

縛られない人生プランが描ける

借主自身は、契約期間中にその土地から引っ越しをして建物を第三者に貸すこともできるので、土地に縛られない自由度の高い人生プランを描くことができます。買った土地に自分の家を建ててしまうと、住宅ローンや感情面からも逆に身動きがとりにくくなってしまう人が多いようです。



借地権付きの土地のデメリットとは?

家の模型の画像

借地権は基本的に借主保護の観点から作られた権利です。しかし全くリスクやデメリットがないわけではありません。契約期間が定められているため期間中は途中解約できないという縛りがあります。

また、返却時は更地にして返すなどの決まりがあるためかなりの解体費用がかかります。他にも借主からするとデメリットとなるポイントがあるので、ご紹介します。

 

抵当権設定の有無に注意が必要

借地の契約をする前に、その土地に抵当権が設定されているか否かを必ず確認しましょう。もしも金融機関が抵当権を実行すれば、その土地は競売にかけられてしまいます。借地権よりも抵当権の方が効力が強いので、土地の借主は追い出されてしまいます。口頭はもちろん、書面でもしっかり抵当権の有無を把握しておく必要があります。

 

住宅ローンが通りにくくなる場合がある

土地などを担保にしてお金を貸すという仕組みの住宅ローンが多いため、借地だと審査が通りにくくなる可能性があります。このためせっかく借地で土地が用意できたのに、ローンが借りられずに建物が建てられなくなる、借地権が設定できなくなるという結果になりかねません。事前に不動産会社に住宅ローンに関するアドバイスを受けたり、金融機関に相談してみましょう。

 

更新料や承諾料がかかる場合もある

当初の予定よりも更に長く土地を借りたくなった場合は、地主から更新料を請求されるでしょう。また建物を売却したりリフォームする際に地主に許可を得ようとすると、承諾料を請求される可能性もあります。何をするにも基本的に地主にお伺いをたてなければいけないのが煩わしいと感じる人も多く、そういう方には借地は向いていないかもしれません。



不動産知識を深め、トラブルを防ごう

いかがでしたか。土地を買うか借りるか、どちらが自分の今後の人生プランに合っているかをよく検討してみましょう。

また今回のように不動産用語は難しく、混乱するものが多いので注意が必要です。様々な規定や義務、注意点も多いため、仲介業者の担当者などに任せ切りになってしまいがちでしょう。しかし自身でもある程度知識を得ていないと、後で大きく損をしたりトラブルが発生する原因となります。ひるまずに積極的に学んでいきましょう。

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