マンションを購入後、住宅ローン以外に毎月徴収される修繕積立金がありますが、実際何に使われるものなのかよく知らないという方も多いのではないでしょうか。
今回は、修繕積立金の相場やどのように使われるのか、修繕積立金の支払いは定額なのかなどについて詳しくご紹介していきます。
修繕積立金とは
修繕積立金とは、建物の外壁やエントランス、駐車場の補修や配管の交換、災害時の補修などの共用部分を補修、維持するために住民で毎月積み立てる費用のことです。
修繕積立金は数年後だけでなく、何十年先の大規模な修繕にも備えて積み立てていきます。
建物の価値を維持するために必要なもので、入居後も支払い続ける必要があります。
課税対象になる?
修繕積立金は課税の対象になりません。
修繕や管理を行うのは区分所有者ではなく管理会社なので、支払いを行ったものに対して対価性はなく資金を預けているだけなので課税の対象にはなりません。
管理費との違い
修繕積立金と管理費との違いは、その費用の使い道に違いがあります。
修繕積立金は外壁など建物の大きな部分の修繕に使われ、管理費は共用部分の電気代やマンションの管理費、清掃費など日々の管理に使われるものです。
下記の表からわかるように、修繕積立金よりも管理費の価格が高い傾向があります。
また修繕積立金は分譲時に作成される長期修繕計画に基づいて決められ、管理費は部屋の広さによって決まることが多く、広いお部屋であればあるほど高くなります。
修繕積立金の目安はガイドラインをチェック
修繕積立金のガイドラインとは2011年に国土交通省が作成したものです。
このガイドラインは、実際の長期修繕計画の情報を集め、区分所有者や管理組合が修繕積立金に対して金額の目安や基本的な知識を表し、その平均値を目安としてみて判断することができるように作られました。
このように平均額の目安が公開されているので、自身の支払っている修繕積立金や今後マンションを購入する際の参考にしてください。
修繕積立金の相場は?
修繕積立金の相場は、いくらなのでしょうか。
国土交通省が5年ごとに行っているマンション総合調査では、平成30年度の調査結果を見ると1戸につき11,243円/月が平均額です。
築年数が新しい=安いとは限らない
築年数が新しい物件の修繕積立金が、築古物件より安い場合があります。
初めは綺麗で修繕積立金が安いならいいと思う方もいるかもしれませんが、実は管理費の積立方式が違います。
修繕積立金の積立の方式には「均等積立方式」と「段階増額積立方式」の2つがあります。
引用:平成30年度マンション総合調査結果からみたマンションの居住と管理の現状
近年建てられた新築のマンションでは「段階増額積立方式」という積立方式が多く採用され、初めは安くても積立金の見直しの際に値上げが行われていくのでトータルで見ると安いとは限らないので注意が必要です。
戸数の多さは金額とあまり比例しない
マンションの総戸数が多い場合、1戸当たりの負担が安くなると考える方も多いでしょうが、一概にそうとは言えません。
20戸以下などと、「戸数が少なければ金額が安くなる」と思うことがありますが、実は集められる修繕積立金が少なくなるため管理が行き届かなかったり、実際に工事をする際に追加で徴収されることがあります。
また、301〜500戸などの大きなマンションの場合は、マンション自体が大きいため特殊な足場を組んだり大掛かりな工事になったりすることがあるため、戸数が多くても修繕積立金が高くなることがあります。
つまり、戸数の多さは、修繕管理費の金額とはあまり比例しないと言えます。
修繕積立金は値切れる?
毎月積み立てていく修繕管理費ですが、毎月払うので家計への負担になるでしょう。
以下から修繕積立金は値切ることができるのか、どんな影響があるのかご紹介します。
修繕積立金がないマンションはリスクが高い
修繕積立金とは、数年後や数十年後などマンションが劣化した時の工事費を積み立てていくものだと紹介しました。
そのため修繕積立金がないマンションは、実際に大規模な修繕を行う必要があるとなった時に高額な修繕費を請求されるリスクがあります。
修繕管理費がないマンションでも自分達で少しずつ積み立てておきましょう。
したがって、毎月払うといったランニングコストは抑えられますが、いずれ修繕費として徴収されるので修繕積立金がないマンションは注意です。
修繕積立金の不足によって将来的に値上がりする可能性がある!
修繕積立金の金額は、長期修繕計画に沿って決められていて、この金額は一般的に5年毎に見直しが行われます。
しかし、最初の積立金を安く見積もっていたり、段階増額積立方式であったりする場合や計画外の大規模修繕を行った場合など積立金が値上がりすることは珍しくありません。
値上がりするタイミングなどは、購入時の長期修繕計画書に見通しなど書かれているので確認するようにしましょう。
修繕積立金について理解いただけたでしょうか?
修繕積立金とは、マンションの共用部分などの大規模な修繕を行う時に使われる資金を入居者で積み立てて貯めておくシステムです。
ですが、この積立金がないと大規模修繕を行う際に高額な費用を請求されることもあります。
また、マンションの修繕はマンションの資産価値を維持するためにも必要です。
マンションのローン返済とは別に毎月払っていくものになるので、しっかりと修繕積立金も含めた資金計画を立てるようにしましょう。
■諸費用を節約したい方向けのおすすめ資料
▶︎無料でダウンロードはこちら