暮らしの基盤である大切な家。ずっと居心地良く、安心して住み続けたいものですよね。
私たちが過ごす部屋の内装とは、壁や天井に床のほかにも、キッチン台やお風呂場にトイレなど全てを言います。長い年月のなかで定期的なメンテナンスはもちろん、必要に応じたリフォームを検討する機会もあるかと思います。
そこで、気になるのがリフォームの種類と費用のほかに、リフォームをするなら知っておきたいポイントについてをご紹介します。
内装をリフォームする目的とは
リフォームの目的は、内装のなかでも気になった箇所を必要に応じた改修を行うことです。
「経年劣化」と「デザイン変更」が主な目的として挙げられます。
経年劣化で傷んできたから
床、壁といった内装をはじめ、給湯器や水道などの住宅設備には寿命があります。
汚れや故障、破損している状態のままでその住宅に暮らすことは、少なからず私たちにストレスを与えているものです。
必要に応じてきちんと修繕することで、そこに住む家族だけでなく来客の方も居心地の良い空間に仕上げ、世代を引き継いでも暮らし続けることができます。
デザインを変えたいから
私たちのライフスタイルは変化していくものです。例えば子ども部屋ならば、成長や進学に合わせて可愛らしいデザインから年相応に合わせシンプルなものに変える必要も出てきます。
また、キッチンやトイレなど時が経てば劣化します。劣化に伴うリフォームもあれば、家電や設備の機能性も日々進化しているので、キッチンのグレードを上げる検討をすることもあるでしょう。
このようにリフォームすることで、ライフスタイルに合った快適な暮らしが実現します。
内装をリフォームするメリット
内装を新しくすることでより居心地良く暮らせること以外にも、リフォームならではの嬉しいメリットがあります。ひとつずつ見ていきましょう。
①慣れ親しんだ住まい・地域でより快適に過ごせる
特にお子様がいる場合、住み替えや引越しによる転園・転校など、生活の変化や新しい環境にストレスを感じてしまうことがあります。
愛着のある家と住み慣れた地域を離れることなく、内装が綺麗になった快適な空間で暮らし続けていくことができるのは、リフォームならではのメリットです。
今の家の場所が家族にとって、利便性や安全性があり、住み心地が良いのであれば比較的手軽に行えるリフォームがおすすめです。
②工期が短く負担も少ない
一般的に内装リフォームは短い工期で改修作業が完了します。
内容と規模にもよりますが、建て替えと異なり住宅の基礎部分の解体を行わないので、住み続けながら作業をしてもらうことも可能です。工期は小規模・部分的な作業であれば数週間ほどで、最短は1日で完了するケースも。
また、工期中の仮住まいの手配をしたり、それに伴う引越しの準備などもなく、大きな手間やコスト抑えることができるので負担が少なく済みます。
③費用が安く、税金が軽減されるケースもある
リフォームは施工場所をピンポイントで改修するので、新築や建て替えに比べ費用を抑えることができます。
その場所に合わせた施工方法を選ぶことができ、予算も組みやすく支出のイメージが明確になるのもメリットです。
また、所得税、固定資産税、贈与税の3つは制度の条件を満たせば減額措置や非課税措置の対象となることもあります。
申請するタイミングや申告先は制度により異なりますので、前もってチェックしておきましょう。
内装をリフォームするデメリット
リフォームをする際に、特に事前に知っておきたいデメリットをまとめました。こちらもひとつずつ確認しておきましょう。
①室内のデザインバランスが崩れることも
施工場所を選んで改修することができるのはメリットでもありますが、場合によっては新しさと古さの差が生じ、インテリアのデザインバランスが崩れてしまう事例があります。
例えば、「洗面台はそのままに、周りの壁紙と床を張り替えたら洗面台の古さが浮いて見える」「キッチン台のデザインを変えてみたら、床と色が合わなくなった」など、ピンポイントでリフォームしたがゆえに起こることです。空間全体を見たときのバランスも考慮しましょう。
②間取りと施工方法に制限がある
建物の構造には「木造軸組構造」「2×4(ツーバイフォー)」「鉄骨造」など種類がありますが、構造躯体により間取り変更の自由度が異なり施工方法に制限がでます。
例えばお子様の成長や家族構成、ライフスタイルの変化にともなう部屋の増減を希望される場合に、建物の構造上支えとなっている壁を撤去できないといった制限のために希望通りに進められない事例などです。
工事内容によっては大規模な基礎の解体が必要になる「建て替え」や「リノベーション」の区分になるので、構造躯体に精通した業者を選びよく確認するようにしましょう。
また、分譲マンションなど集合住宅の場合は管理組合に届け出をし、管理規約をクリアする施工を行う必要があります。
よくある事例でいうと、床材を張り替える場合でも遮音等級が指定されるケースなどです。せっかく気に入った素材やデザインであっても、条件をクリアできないことがありますので、こちらも確認しておきましょう。
③想定していたより費用が高くなることがある
内装リフォームは主に目に見える部分のデザイン変更と改修を目的としていますが、基礎や構造などの状態によって追加工事が必要になることがあります。
そういった場合は工期も長くなり、その分諸経費も掛かるので当初よりも費用が高くなる、という事例です。
後ほど「内装をリフォームする際の注意点」でも詳しく解説いたします。
内装リフォームの種類と費用
リフォーム費用とは、クロスやフローリング材といった「商品代」と、実際に施工する際の「工事費」、人件費や設計費などの「諸経費」が合算したものです。
ここでは各内装リフォームの種類と一般的な費用についてご紹介します。
クロスの張り替え
クロスの張り替えの費用は6畳ほどの広さの空間で4~5万円ほどです。クロスのグレードにより単価が大きく変わり、汚れが付きにくい加工や防カビ機能が備わったものは5~8万円の範囲になります。
壁だけでなく天井部分も同じタイミングで張り替えるのが望ましいですが、吹き抜けや高さがある天井の場合は、その分使用するクロス代がプラスされるので費用もより掛かります。
また業者によって価格表記が、クロスの長さである「〇円/m」と、施工面積である「〇円/㎡」に分かれていることがあるので、見積もり時にきちんと確認しましょう。
スタンダードクロス | ハイグレードクロス | |
クロス単価 | 1,000~1,300円/㎡ | 1,400~1,700円/㎡ |
6畳(40㎡) | 40,000~52,000円 | 56,000~68,300円 |
フローリングの張り替え
フローリングの張り替えは6畳ほどの広さで5~20万円が相場ですが、木材の種類と施工方法により大きく差が出るところが予算のポイントです。
古いフローリングの上にそのまま新たにフローリング材を貼る「重ね張り」と、一度古いフローリングを剝がしてから新しいフローリング材を貼っていく「新規張り」の2種類があり、上張りのほうが費用を抑えることができます。
ただ重ねた分高さが変わりますので段差がでる可能性もあることを覚えておきましょう。
また、畳からフローリングに変更したい場合は、下地の高さを調節しなければならないのでその施工が生じ16~25万前後になります。
内容 | 重ね張り工法(6畳) | 新規張り工法(6畳) |
集成材フローリング | 約5~16万円 | 約9~18万円 |
無垢材フローリング | 約12~18万円 | 約15~22万円 |
畳からフローリングへ変更 | 約16~25万円 |
キッチンリフォーム
キッチンリフォームの相場は50~150万円です。調理台、シンク、コンロ台が一体化したシステムキッチン本体のリフォームが一般的となります。
キッチン本体は設備のグレードやI型、L型、対面型とデザインにより価格はさまざまです。
また、空間の中央にキッチンを設置するアイランド型を希望する場合は、給排水工事など基礎工事が必要になるため100万円を超えることが多くなります。
トイレリフォーム
トイレリフォームは便器のみの交換であれば5~30万円と、機能、性能によって費用に差が出ます。便器交換に合わせ、床と天井といった内装リフォームを含めると20~50万円が相場です。
和式から洋式へ変更したい場合、水栓の設置や配管工事、解体作業など基礎部分から工事を行わなくてはならないため50万円以上掛かることもあります。
内容 | 施工費用 |
便器交換のみ | 5~30万円(グレードにより変動) |
便器+内装(クロス、床材張り替え) | 14~32万円 |
和式から洋式へ変更 | 15~58万円 |
温水便座の設置 | 5~10万円(コンセント増設は1~3万円) |
手すりの設置 | 2~18万円 |
お風呂リフォーム
お風呂リフォームの費用は50~150万円が一般的です。施工事例でもっとも人気なのが、浴室の天井、床、壁、浴槽がセットで製造された新しいユニットバスへの変更で50~80万円ほどになります。
なお、古い住宅に多い在来工法のお風呂からユニットバスに変更したい場合は、解体作業生じるため70~100万円ほどになりますが、ユニットバスの規格によって別途施工が必要となることもあるので確認しておきましょう。このように、設備システムをはじめ、浴室の仕様や開口部のドアの変更などグレードにより変動があります。
快適な内装にするためのヒント
せっかく内装をリフォームするのであれば、今よりも快適に過ごすことができる空間に仕上げましょう。
数ある内装のヒントのなかでも、ここだけはおさえておきたいポイントを2点ピックアップしましたのでぜひ参考にしてください。
配色に統一感を出す
インテリアのカラーコーディネートには「ベースカラー(基礎色)」「アソートカラー(従属色)」「アクセントカラー(強調色)」という配色バランスがあり、内装にあたる壁、床、天井がベースカラーに該当します。
空間の70%を占めるベースカラーが部屋の印象を決めるので、2~3色の同じ系統の色を選ぶといいでしょう。そうすることでまとまりのある仕上がりになり、誰もが居心地よく感じる空間になります。
そのうえで家族の希望に沿ってカーテンやラグ、家具といったアソートカラーと、クッションやアートなどポイント使いのアクセントカラーを足していくと、配色も考えやすく統一感が出ます。
開放感のある間取りにする
快適さを感じるポイントのひとつに「開放感」があります。
人の心理的に、薄暗いなかで周りを囲まれるだけでも不安になり、また目線の高さくらいの物でも圧迫感を感じてしまうことも。明るく視界が広がった間取りにすることにより、誰もが開放感を感じる快適な空間を作り上げることが可能です。
部屋同士を区切っている壁を取り除いたり、空間をひとつに繋げて広く使用できるようにし、見通しの良い間取りにするといいでしょう。
内装をリフォームする際の注意点
実際にリフォームをした際に「事前に注意しておけばよかった」という声が多かったポイントをご紹介します。
リフォームするタイミングに注意
内装の経年劣化は場所、使用している材質、使用頻度によって変わります。
築5~10年は壁や天井のクロス、フローリングや畳といった場所の汚れや破損が気になる時期で、築10~15年でトイレやキッチンなど水まわりのトラブルが目立つようになる頃です。
壊れてしまった後でもリフォームで対処はできるものの、生活に不便が生じるだけでなく余計に費用が掛かってしまうことがあります。
リフォームをその都度行うのはかなりの負担になるので経年劣化のタイミングを知っておき、効率よくリフォームを計画できるといいでしょう。
想像以上に費用がかかる場合
いざ工事に取り掛かり、そこで初めて建物の基礎や構造に老朽化や腐食などのダメージが判明することがあります。
耐久性が低くなっている状態では、たとえ表面だけ修繕しても建物自体の安全性を確保できないため構造補強を行わなくてはなりません。
その場合は追加で解体費や新たな工事費、商品代が加算されます。工期も日数が増え、その分諸経費が掛かり当初の予算よりもオーバーする場合があるので、築年数など今一度確認しておきましょう。
建物の耐久性が低くなっている可能性がある
住宅をはじめビルや商業施設など、あらゆる建築物には建築基準法で定められた耐震基準が設けられていますが、現在の基準である「新耐震基準」は1981年以降に定められたものです。よって1981年以前の「旧耐震基準」の古い建物は耐久性が低くなっている可能性があります。
もし1981年以前の建物のリフォームを行う際には、まず現在の基準をクリアするよう基礎工事を行い、それから内装リフォームに取り掛かるようにスケジュールを組まなくてはなりません。
費用に関しては地方自治体によって補助金、助成金の対象になるので対象の方は確認しておくといいでしょう。
内装のリフォーム事例
和室から洋室へリフォーム
Before
After
床をフローリングにし、ふすまを取り外して壁を設置することで、洋室への変更と独立した部屋の確保を可能にしています。
ユニットバスに変更!明るく、快適なお風呂に◎
Before
After
人気のユニットバスに変更し、小さなお子様からご年配の方まで使いやすいお風呂になり安心して入ることができます。
タンクレストイレに&壁紙を変えて、トイレをスッキリ明るく◎
Before
After
壁紙や床を変更することで、見栄えが美しくなります。また、便器も最新式に取り替えることで、お掃除もしやすく快適に使用することができますよ。
壁紙や素材を変更するだけで、ガラリと雰囲気が変わる◎
Before
After
シューズクローゼットは玄関扉と同じ木目調にすることで統一感のある玄関になります。また、もともと木目調だったクローゼットを壁と同じ白に統一することで、玄関まわりを広々見せることができますよ。
内装リフォームでより快適な住まいを
内装リフォームについてご紹介しました。
住宅は家庭を築いていく大切な財産です。満足のいく理想の空間を作り上げるためにも、リフォーム業者選びも重要となります。
予算のほかにも要望に対する適切な提案をしてくれるか、話を汲み取って円滑なコミュニケーションがとれるかなど相性もあるので、必ず複数の業者を比較検討しましょう。
また、リフォーム業者によって得意・不得意な施工方法が分かれるので、これまでのリフォーム実績なども確認しておくとスムーズです。
今回の記事をぜひ、より家族全員が心地良く暮らせる家作りの参考にしてくださいね。
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