長期優良住宅は税やローンの優遇などメリットも多いですが、定期点検など建物が完成した後のことはよく知らないという人も多いです。
住宅は建てて終わりではなく、快適で安全に過ごすためには定期的なメンテナンスが必要です。
この記事では長期優良住宅の定期点検について、点検時期や内容などを詳しく解説します。ぜひ参考にしてみてください。
長期優良住宅とは?
長期優良住宅とは、長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅のことをいいます。まずは長期優良住宅の概要を解説します。
評価基準を満たした住宅
長期優良住宅の認定を受けるためには、戸建ての場合は次の8つの評価基準を満たす必要があります。
劣化対策、耐震性、省エネルギー性、維持管理・更新の容易性、居住環境、住戸面積、維持保安計画、災害配慮の各項目において、安全性や環境へ配慮した内容の基準が定められています。
マンションなどの共同同住宅の場合の評価基準は、上記に可変性とバリアフリー性を加えた10個です。
税やローンの優遇措置がある
長期優良住宅に認定された住宅は、税やローンなどにおいてさまざまな特例や割引を受けることができます。
主な内容としては住宅ローン減税の限度額の引き上げ、住宅ローンの金利の引き下げ、不動産取得税や固定資産税の減税、地震保険の割引などがあります。
審査を受けると申請できる
長期優良住宅の認定を受けるためには、まずは着工前に長期使用構造等であるかの確認申請をして、技術的審査を受けます。問題がなければ適合証が交付され、所管行政庁へ長期優良住宅認定の申請を行うことができます。
申請手続きは建築主が行うことになっていますが、施工事業者が代理で行うことも可能です。
長期優良住宅は定期点検が義務化されている
長期優良住宅は認定を受けたら終わりではなく、定期点検が義務化されていて維持保全活動を継続していく必要があります。ここでは定期点検の実施義務について解説します。
維持保全計画をもとに定期点検を実施する
長期優良住宅に認定された住宅には、維持保全計画をもとに定期点検を行う義務があります。
点検期間は建築後30年以上行い、少なくとも10年以内の頻度で実施する必要があります。ただし地震や台風など大きな災害が発生した場合は臨時点検が必要です。
点検後は必要に応じて修繕を行います。点検や修繕の内容は記録して保管し、劣化の状況に応じて維持保全計画の見直しも必要になります。
認定の取り消しや罰金に処せられることも
維持保全計画書に基づいた点検や修繕を怠った場合、所管行政庁から改善命令が出され報告を求められる可能性があります。
その際に報告を怠ったり虚偽の報告をしたりした場合、30万円以下の罰金が課されることがあります。そのまま維持保全活動を怠っていると、長期優良住宅の認定が取り消されてしまう可能性があるため注意が必要です。
万が一認定が取り消されてしまった場合は、補助金などの返金を求められることもあります。
長期優良住宅の定期点検の概要
長期優良住宅の定期点検は義務化されており、実施しなければ認定の取り消しや罰金を処せられることがあることは理解できたと思います。しかし、定期点検はいつ誰が実施するのか、実際のところよくわからないという人も多いです。
ここでは定期点検の概要について解説していきます。
定期点検の時期
点検期間は建築後30年以上行い、少なくとも10年以内の頻度で実施する必要がありますが、実際には維持保全計画に記した頻度で実施を行います。
維持保全計画書を作成する際に、一般的には点検時期を2年、5年、10年、15年…としている場合が多いです。まず完成した2年後に最初の点検を行い、その後は5年ごとに点検時期を設定する形です。
規定では点検頻度は10年以内とされていますが、現実的には10年の間に劣化がかなり進みます。5年単位で点検と修繕を行うことで、住宅の性能を維持するように計画している場合が多いです。
定期点検の実施者
定期点検の実施者は、認定計画実施者本人(建築主)あるいは、ハウスメーカーや工務店などを指します。
建築主自身に専門的な知識や経験がある場合を除き、自身で点検を適切に実施することは難しく、現実的ではありません。一般的には建築を行ったハウスメーカーや工務店に点検を依頼する場合がほとんどです。また、点検の専門業者に依頼をするケースもあります。
ハウスメーカーや工務店の場合は点検時期になると事前に連絡をくれる場合が多く、維持保全計画に基づいて点検を実施してくれます。点検結果を説明してもらう際に修繕が必要な箇所や具体的な修繕内容を提案してもらい、実際に修繕作業まで依頼することが可能です。
長期優良住宅の定期点検の内容
長期優良住宅の定期点検では、次の5つの項目において点検を行います。
- 屋外部分
- 体部分
- 屋内部分
- 建具
- 設備
各項目の具体的な点検部位や点検内容について解説していきます。
屋外部分
具体的な点検部位は基礎部分、外壁、屋根、雨どい、軒裏、バルコニーです。足場を組むような大掛かりな点検はせず、目視で確認できる範囲での点検になる場合が多いです。
ひび割れや歪み、腐朽や雨漏りがないかなど、各部分を細かくチェックしていきます。
く体部分
具体的な点検部位は床組、室内側の壁、柱、梁、天井、階段などです。床下や屋根裏などは点検口から目視で確認できる範囲での点検になる場合が多いです。
雨漏りや蟻害、サビや腐朽がないかなどをそれぞれチェックしていきます。
屋内部分
具体的な点検部位は床仕上げ、壁仕上げ、天井仕上げなどです。居室や洗面所、玄関などの各スペースでそれぞれ点検を行います。
床においては凹凸や反り、きしみや割れがないかなど、壁と天井はカビや変色、はがれなどがないかをチェックしていきます。
建具
具体的な点検部位は建物内部の建具、雨戸、網戸、窓枠、戸袋などです。各スペースでそれぞれ点検を行います。
建具は開閉不良や隙間がないかなど、雨戸・網戸・窓枠・戸袋においては腐朽や建付不良がないかなどをチェックしていきます。
設備
具体的な点検部位は電気設備、換気設備、給水管、排水管、ガス管などです。それらに付帯するキッチン設備や洗面設備、浴室やトイレなども点検を行います。
水漏れやガス漏れ、器具の異常や作動不良などがないかなど、各部分において細かくチェックしていきます。
長く安心して暮らせる住まいのために
ここまで長期優良住宅の定期点検について解説してきました。長期優良住宅は税やローンなどの優遇に加えて、長期的に快適で安全に住むことができるというメリットがあります。
住宅の性能を長く保つために、定期点検は必要不可欠なものです。住まいの不具合をいち早く見つけてメンテナンスをしてくために、定期点検を正しく行っていきましょう。
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