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認定長期優良住宅建築証明書の発行方法やメリットを解説!無くした場合の対処法も

2022.07.15
2022.12.16

新築を考えている方で「長期優良住宅」という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。簡単に説明すると、「国が認めた長く住める家」です。手続きをする必要があるため、建築までの時間が長くなります。この記事では、認定長期優良住宅建築証明書の発行について詳しく紹介していくので、スムーズに手続きを進める参考にしてください。

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認定長期優良住宅建築証明書を発行するには?

住宅設計図と家の模型

長期優良住宅の認定を受けたい場合は、設計書の時点で書類を提出します。建築が始まってからの提出はできませんので注意してください。

発行までの流れは、「①長期優良住宅の基準をクリアした住宅の設計→②登録住宅性能評価機関へ審査を依頼→③適合証の交付→④所管行政に認定の申請→⑤認定通知書の交付」となります。

判断基準や、評価の依頼方法、認定の申請方法について詳しく説明していきます。

 

長期優良住宅の判断基準

長期優良住宅の判断基準は新築の場合9つあります。

 

  1. 劣化性:劣化対策等級3以上であり、何世帯にわたって使用できること
  2. 耐震性:耐震等級2以上、または免震建築物であること
  3. 維持管理・更新の容易性:建物に影響を与えずにメンテナンスができるか
  4. 可変性(戸建て住宅以外):居住者に合わせて間取り変更ができるか
  5. バリアフリー性(戸建て住宅以外):バリアフリーリフォームに対応できるか
  6. 省エネルギー性:省エネルギー対策等級4以上であること
  7. 居住環境:良好な景観の形成、地域における居住環境の維持・工場に配慮されてること
  8. 住戸面積:1階の床面積が40平方メートル以上かつ床面積の合計が75平方メートル以上であること
  9. 維持保全計画:定期的な点検、補修に関する計画の策定されていること

 

これら全てをクリアする住宅の設計が必要です。

新築と増改築では判断基準が違うので、注意してください。増改築の場合はこれらにプラスして災害配慮があり、「自然災害による被害の発生防止または軽減に配慮されていること」とされています。

 

性能評価の依頼方法

設計が完成したら、書類を揃えて「認定住宅性能評価機関」へ審査を依頼します。必要な書類については、下記に取得方法と一緒に記載してるのでそちらを参考にしてください。

認定住宅性能評価機関とは、日本住宅性能表示基準の性能について評価方法基準に従って、客観的に住宅の評価を行う機関のことです。本来なら行政が行う調査を代わりに行うことで、行政が混雑せずスムーズに審査が行えます。

依頼方法は建築者かハウスメーカー(委任状が必要)が直接連絡をし依頼完了です。全国に評価機関はあるので、住んでいるところの近くで依頼できます。審査が終了し、認定基準を見たしたら「適合証」が交付され終了です。

 

所管行政庁への申請方法

認定住宅性能評価機関での審査が終了し、交付された適合証を所管行政に認定申請書と合わせて提出します。審査を挟まずに行政への申請もできますが、その場合でも行政が認定住宅性能評価機関へ外部委託するので、先にしておいた方が申請してからの期間が短くなりおすすめです。

提出された書類を参考に認定基準に達しているかを最終確認し、問題がなければ「認定通知」が交付されます。

この認定通知が交付されるより前に着工してしまった場合は認定が無効となりますので、交付されたことを確認してから着工するようにしましょう。



発行にかかる費用の平均は?

住宅ローンの計算をする人

認定されていた方がメリットが多い長期優良住宅ですが、認定を受けるためにはコストがかかります。主に「申請・審査費用」と「書類作成費用」です。この2つの平均的な金額を紹介します。

他にも判断基準をクリアしようとすると住宅自体の建築費用が3割程度アップする場合もあるので、ハウスメーカーを決める際には優良住宅の予算を確認してくださいね。

申請・審査費用

技術審査や認定手数料はだいたい基本料金が5〜6万円程度、プラスして書類修正料や併願審査料といった追加料金が発生してくる場合があります。また、近くに依頼機関がなく離れている企業に依頼した場合は出張費もかかってくるので、依頼する場合はHP等で金額を確認してから行うことがおすすめです。

どの評価機関もHPに料金を記載していることが多いので、事前にチェックし無駄な出費を抑えるためにも、提出書類はきちんと確認してから評価を依頼しましょう。

 

書類作成費用

ハウスメーカーに「長期優良住宅建築等計画」という書類を作成してもらう必要があり、その手数料で10万円程度かかる場合があります。

しかし、専門的な書類のため自分で作成するのは難しく、作成してもらうことで不備もなく審査がスムーズに進むはずです。

どうしてもここにかかるコストを削りたい場合は、作成方法だけ教えてもらい、自分で作成することをおすすめします。行政のHP等に書類の記載例があるのでそれらを参考にするといいでしょう。

 

認定長期優良住宅建築証明書のメリット

鍵を持ち喜ぶ夫婦

コストをかけてまで、長期優良住宅を建築するメリットはあるのでしょうか。この点を疑問に思っている方も多いですよね。年収が多い方にとってはあまり効果がないかもしれませんが、基本的にはメリットの方が大きいです。

個人的に魅力的なメリットを3つ紹介します。

  • 住宅ローン控除
  • 固定資産税の免税期間延長
  • 地震保険料の割引

これらについてどれくらいお得になるのかを紹介していきます!

 

住宅ローン控除

長期優良住宅に認定されると、消費税10%以上で購入し、2025年末までに入居した場合にかぎり13年間年末時点の住宅ローン残高より0.7%が所得税から控除されます。ちなみに、長期優良住宅に認定されていない省エネ住宅の場合は0.7%の控除を13年間です。これだけ見ると違いはありませんが、控除対象借入限度額が変わってきます。

一般的な省エネ住宅が4,000万円にたいし、長期優良住宅は5,000万円となるので、最大控除額が91万円、年間控除限度額は7万円の差が生まれます。

 

固定資産税の減税期間延長

一般住宅を新築した場合の固定資産税の減税期間は2分の1が3年間ですが、2024年3月末までに入居した場合長期優良住宅は2分の1が5年間減税されます。3階建て以上の住宅は免税期間が7年間です。固定資産税の税率は自治体によって1.4%や1.6%などと違うので、HP等を確認して計算すると金額がわかります。計算方法は「評価額×標準税率(1.4%)」です。

評価額とは、土地の価格や住宅の時価額から東京都と各市町村が算定します。そのため、自分で計算したものと同じ金額が固定資産税として請求されるとは限りませんので、あくまで参考程度に計算してください。

 

地震保険料の割引

認定の判断基準となっている耐震等級ですが、この耐震等級が高いと保険料の割引が受けられるのです。耐震等級1の場合は10%、2の場合30%、3の場合50%の割引が受けられます。つまり、長期優良住宅の判断基準で耐震等級2以上となってるため、最低でも30%の割引が適用されることになるのです。地震が多い日本で住宅を建てる場合に必要不可欠な地震保険を割引できるのはとてもありがたいですよね。割引で浮いた予算をもしもの時に備えたり、防災グッズの購入に充てるのもいいと思います。



申請に必要な主な書類は?

書類を作成する女性

評価機関への依頼や、行政への申請時に必要な書類について、取得方法と一緒に紹介します。一般的に必要とされている書類を紹介しているので、必ずこれというわけではないことをご了承ください。

 

登録住宅性能評価機関の依頼に必要な書類

書類 取得・作成方法
認定申請書 各評価機関のHPからダウンロード
設計住宅性能評価申請書 各評価機関のHPからダウンロード
設計内容証明書(設計内容追加証明書) 各評価機関のHPを参考に自作
内容説明書送付書類 各評価機関のHPを参考に自作
委任状(他社へ依頼する場合のみ) 自作

 

所管行政への申請書類

書類 取得・作成方法
認定申請書 各所管行政のHP
維持保全計画書 各所管行政のHPを参考に自作
居住環境基準に関する調査票 各所管行政のHPを参考に自作
自然災害基準に関する調査票 各所管行政のHPを参考に自作
設計住宅性能評価書 登録住宅性能評価機関へ依頼

 

必要な書類は申請前に所管行政のHPで確認

上記に記載しているのは、あくまでも必要最低限の書類です。これら以外に必要な書類や、これらに代わる書類を各評価機関や行政から要求されることもあるので、事前に確認してください。

HPを見てもわからない場合は、直接行政に電話してもいいと思いますが、ハウスメーカーに聞いても教えてもらえるはずです。自作できない書類に関してはハウスメーカーへ作成をお願いする必要があるので、必要書類に関してはその時に確認するのでもいいと思います。

書類もれがあると、認定への時間が長くなるので1回で済むよう提出前に再度確認しましょう。

 

認定長期優良住宅建築証明書を無くした時の対処法は?

ソファの下を探している男性

1度取得した認定長期優良住宅建築証明書を無くしてしまった場合はどうなるのでしょうか?再発行は可能なのか、できなかった場合の対処法はあるのかを紹介していきます。

必要な時に見つけられなかった場合に備えて、事前に知っておくと慌てずに対処できますよ。

 

再発行はできない?

確定申告を行う時に必要な「長期優良住宅建築等計画の認定通知書」か「認定長期優良住宅証明書」。もし、これらを無くしてしまった場合、認定通知書は再発行ができませんが証明書は1級建築士または登録住宅性能評価機関が発行しているものなので、依頼すれば手数料等はかかりますが、再発行が可能です。その場合即日発行とはならないこともあるので、注意してください。

 

代わりになる書類の発行をしてくれる場合も

先ほども記載した通り認定通知書は再発行ができません。しかし行政によるかもしれませんが、「台帳記載事項証明書」というものを発行してもらえます。基本的には即日発行なので、急に必要になった場合でも対応可能です。

しかし、これの発行には300円ですがお金がかかります。証明書が必要なことはほとんどありませんが、必要になった時にすぐ取り出せるよう、住宅関係の書類と一緒に保管しておくと、すぐに取り出せて紛失の心配もないのではないでしょうか。

 

認定を受けなくても問題はない?

虫眼鏡で模型を観察する人

認定されるとさまざまなメリットがある「長期優良住宅」ですが、初期投資や着工までの期間が必要です。初めからそんなにコストをかけたくない方や、少しでもはやく建てたいという方もいますよね。その場合認定を受けなくても問題ありません。長期認定住宅の割合は令和2年で25.5%と、そこまで多いわけではありませんので、気にする必要はないです。

認定を受けていない住宅でも、国の基準をクリアしていれば生活していく上で特に問題を感じることはないと思います。

 

長期優良住宅でお得にマイホームを!

長期優良住宅に認定され、住宅ローンの控除や地震保険料の割引といったメリットを最大限に活かし少しでもお得にマイホームをゲットしましょう!

収入の額などで場合によっては最大限メリットを活用できない可能性もあるので、あくまでも、お得に住宅を建築する方法の1つとして認識していただけたらと思います。

ご自身、ご家族に合った住宅の建築設計をしてくださいね。

 

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