タワーマンションの売却を考えてはいるものの、売るタイミングがつかめない…という方も少なくないでしょう。
中古のタワーマンションを売却するには、売るタイミングやコツをおさえておくと安心です。
今回はタワーマンションの売却についてご紹介します。
中古のタワーマンションを売りに出したい方は参考にしてみてください。
なぜ中古のタワーマンションは売りにくい?
一般に、中古のタワーマンションは売却しにくいといわれています。
中古のタワーマンションを売却しにくい理由は主に次の2つです。
- 大規模修繕の費用が高い
- 住宅ローン金利上昇の可能性がある
ただし、設備が充実している、好立地にあるなど、人気がありニーズの高いタワーマンションであれば売却しやすいこともあります。
大規模修繕の費用が高い
中古のタワーマンションを売却しにくい理由には、大規模修繕にかかる費用が高いことが挙げられます。
マンションの大規模修繕とは、建築当初の資産価値の低下を防ぐために行われる、計画的な修繕工事です。
建物の経年劣化に合わせて行われる工事で、外壁補修工事や給排水管工事などがあります。
一般的なマンションと比べ、タワーマンションの場合は工事の規模が大きくなるため、高額な費用が発生すると考えられているのです。
大規模修繕工事の費用が高額になると、毎月の修繕積立金では不十分となり、費用の追加請求をされる可能性があります。
また、費用不足により大規模修繕工事が行えないリスクもあるため、売却しにくくなるといえるでしょう。
住宅ローン金利上昇の可能性がある
現在、世界のインフレ率は上昇傾向にあり、主要国では金利を引き上げつつあります。
将来的には日本の住宅ローン金利も上昇する可能性があるといわれているため、高額なローンを組んで不動産購入をする人は減少する可能性が高いといえるでしょう。
また投資目的でタワーマンションを購入する人も多いのですが、世界情勢や景気の後退などにより購入する人が減る可能性もあります。
購入希望者が少なくなると、価格を下げてでも売却しようとする人が増えるため、高く売ることは難しくなるといえるでしょう。
中古のタワーマンションを売却するタイミングは?
中古のタワーマンションを売る場合、売却に適した時期を知っておくと安心です。
好条件で売却するためにも、次の3つのタイミングをおさえておくとよいでしょう。
- 所有期間が5年以上
- 所有期間が10年以上
- 賃貸物件なら空室のタイミング
それぞれ詳しく解説していきます。
所有期間が5年以上
中古のタワーマンションを売却するには、所有期間が5年を超えたタイミングがおすすめです。
不動産を売却することで得られる所得=譲渡所得には、譲渡所得税が課せられます。
譲渡所得税の税率は不動産の保有期間により異なり、所有期間が5年以上の場合は20%です。
所有期間が5年未満では39%で計算されるため、5年を超えてから売却するほうが税金の負担を減らすことができます。
所有期間が10年以上
不動産の所有期間が10年を超えたときも、タワーマンションの売却のタイミングといえます。
タワーマンションを居住用として利用している場合は、譲渡所得の軽減税率の特例を受けられるからです。
譲渡所得が6,000万円以下であれば、所得税率は10%、住民税は4%となります。
ただしこの特例を受けるには、住まなくなってから3年以内に売却するなどの条件を満たす必要があることを覚えておきましょう。
賃貸物件なら空室のタイミング
賃貸物件のタワーマンションの場合は、入居者が退去して空室になったタイミングで売却しましょう。
居住用として売却すると、投資物件として売却する場合に比べて高い金額をつけやすくなります。
ただし、入居者の退去のタイミングに合わせる必要があるため、慎重に売却時期を決めるとよいでしょう。
中古のタワーマンションを高く売るには?
中古のタワーマンションをできるだけ高く売るには、いくつかポイントがあります。
- 販売元に相談する
- 一般媒介契約を選ぶ
- ホームステージングを行う
売却を検討する場合は、これらのポイントをおさえておくとよいでしょう。
販売元に相談する
中古のタワーマンションを高く売るには、購入した不動産会社に相談するのがおすすめです。
販売元の不動産会社であれば対象となる物件の情報が豊富なので、正確に査定してもらえる可能性が高いでしょう。
物件の特徴やアピールポイントを熟知しているケースが多く、その物件に適した買主を探してもらえる可能性もあります。
一般媒介契約を選ぶ
媒介契約の方法を「一般媒介契約」にするのもおすすめです。
媒介契約とは、タワーマンションなどの不動産売買の仲介を依頼するときに、不動産会社と締結する契約のことをいいます。
媒介契約の種類は「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」「一般媒介契約」の3つです。
専任媒介や専属専任媒介の場合は、複数の不動産会社と契約することはできません。
一般媒介の場合は、複数の不動産会社と契約することができるため、より多くの不動産会社や購入希望者に情報が伝わります。
ただし、立地が悪いなどあまり人気のない物件を売却するときは、積極的に販売活動を行ってくれる専任媒介や専属専任媒介を選ぶとよいでしょう。
ホームステージングを行う
中古のタワーマンションを高く売るには、部屋をモデルルームのように演出する「ホームステージング」を行うのも効果的です。
ホームステージングとは、照明や家具、小物、観葉植物などを使って、部屋を魅力的にみせる売却方法をいいます。
家具が何もない単なる空室の状態に比べると、実際に住んだ状態をイメージしやすくなるため、買主が見つかりやすくなるでしょう。
専門業者に依頼した場合の費用相場は約15万円ですが、ホームステージングを行うと早期・高値売却の可能性が高まります。
退去後でも住みながらでもホームステージングを行うことは可能なので、一度検討してみるとよいでしょう。
中古のタワーマンションを売却するときの注意点
最後に、中古のタワーマンションを売却する時に知っておきたい注意点を3つご紹介します。
- 税金や手数料が発生する
- リフォーム前に売却する
- 3ヵ月以上売れない場合は売却方法を変更する
これらの注意点をおさえ、満足のいく売却を行いましょう。
税金や手数料が発生する
タワーマンションなどの不動産を売却するときには、以下のような税金や手数料が発生します。
大まかな金額の目安は売却価格の10%程度といわれているため、売却前に準備しておくとよいでしょう。
<税金>
・印紙税(印紙代)
契約金額に応じて売買契約書に貼る収入印紙の代金
・登録免許税
物件の所有権を移動させる「所有権移転登記」や、登記簿謄本から抵当権の内容を削除する「抵当権抹消登記」にかかる税金
・譲渡所得税
物件の売却により得た利益にかかる税金
<手数料>
・仲介手数料
物件の売却を仲介してもらう不動産会社に支払う手数料
リフォーム前に売却する
中古のタワーマンションは、基本的に売却前にリフォームをする必要はありません。
リフォームすることで見た目は美しくなっても、築年数は同じです。
築年数や立地など、条件が同じ物件と比較した場合、リフォームにかかった費用が上乗せされていると、価格の高い物件は選ばれにくいといえるでしょう。
3ヵ月以上売れない場合は売却方法を変更する
タワーマンションを売りに出してから3ヵ月以上たっても買い手が決まらない場合は、売却方法の変更を検討しましょう。
売却しにくい理由としては、販売価格が高すぎる、築年数が古い、立地が悪いなどが挙げられます。
しかし、物件の周辺環境や築年数、日当たり具合などは変えることができません。
販売価格を低く設定する、媒介契約の種類を変えるなど、売却しやすくなる工夫をするとよいでしょう。
タイミングやコツをおさえて中古タワーマンションを売却しよう
中古のタワーマンションには、売却しやすい物件と売却しにくい物件があります。
確実に売却するには、売りに出すタイミングや売り方のコツを覚えておくと安心です。
ご紹介したポイントや注意点をふまえ、損のないように売却してみてください。