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築30年のマンションって大丈夫?メリット・デメリットや後悔しないためのポイントをまとめて紹介

2022.07.21
2022.12.16
築30年以上のマンション

マンションの価格が高騰しているなか、中古物件の購入を視野に入れている人も多いのではないでしょうか。

中古マンションを選ぶときのポイントのひとつになるのが築年数です。築浅物件に魅力を感じる人が多いと思いますが、中古にもメリットがあります。

そこで今回は、築30年のマンションに着目し、メリットとデメリットを考えていきます。

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築30年のマンションは、あと何年住める?

家の模型と虫眼鏡

中古マンションを購入するときに気になるのが「あと何年住めるか」ということでしょう。

一般的なマンションの寿命はどれくらいなのか、築30年のマンションはあと何年くらい住めるのかを見ていきましょう。

耐用年数と寿命は別

建物には「耐用年数」があります。マンション(鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造の建物で住居用)の耐用年数は、47年と定められています。

ただしこの耐用年数は、減価償却における資産価値を計算するために税法上定められたもので、耐用年数である築47年を過ぎたからといって、そのマンションがすぐに取り壊されたり住めなくなるということではありません。

マンションがいつまでもつかは、いわゆる「寿命」が関係してきます。では、マンションの寿命はどのくらいなのかということになりますが、一律に「〇年」ということは難しくなっています。

マンションの寿命には、材料のコンクリートの寿命と管理体制が大きく関わってきます

一般的にコンクリートの寿命は100年程といわれています。コンクリート造りの建物は適切にメンテナンスが行われていれば、100年くらいはもつと考えられていますが、このメンテナンスに関わってくるのがマンションの管理体制です。

きちんと修繕計画を立て、躯体はもちろん、給排水管等のメンテナンスを行っているかで、住まいとしての寿命が変わってくるのです。

目安として、国土交通省の資料(※1)では、RC系住宅の寿命は68年という結果が出ています。(RC=鉄筋コンクリート造)

ここから考えると、築30年のマンションを買った場合、平均して38年は寿命があるということになります。

参照:「中古住宅流通促進・活用に関する研究会」報告書取りまとめ後の取組紹介‐国土交通省

 

「新耐震基準」で建てられている

マンションの耐久性を考えるときに、ひとつのポイントとして新耐震基準を満たしているか、ということがあります。

建物を建てるときには、耐震基準を満たしていることが必要ですが、この耐震基準は1981年に大きく見直され「新耐震基準」となりました。

築30年のマンションであれば、新耐震基準で建てられているため、耐震性の面で安心感があるといえるでしょう。

 

メリットは?

MERIT・DEMERITと書かれた家の画像

築年数が経過したマンションは、新築や築浅物件とは違った良い面があります。

築30年のマンションにはどのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。

購入価格が抑えられて、価値も下がりにくい

築年数がある程度経過したマンションのメリットとして、一番に考えられるのは価格が抑えられていることです。

同じような立地、面積であれば、新築や築浅物件と比較して安価で購入することができます。

利便性や間取りの良い物件を探しているなら、新築にこだわらずに築年数が古めの物件も視野に入れると選択肢が広がります。

中古マンションの価値は築20年位まで下落し続けますが、その後は大きく値を下げることがありません。築30年のマンションであれば、購入後に価格が大きく下がることも考えにくいでしょう。

 

立地の良い物件が多い

築年数が経過したマンションは、良い立地に建てられているものが多いのも特徴です。

マンションの建築は、立地条件の良い土地から進められていきます。なので、後からマンションを建てようとすると、一番良い条件のところには既にマンションが建っていることになるのです。

したがって、駅が近い、環境が良いといった好立地には、築年数が古めのマンションが多くなります

 

大規模修繕工事が済んでいることが多い

マンションは定期的に大規模修繕工事を行って、建物や設備の修繕をしながら維持していくものです。

大規模修繕工事は12年程度に1度実施するのが望ましいとされており、築30年のマンションであれば、2回の大規模修繕工事を済ませていることになります。

大規模修繕工事の実施や計画は、マンション購入時に確認しておきたいことのひとつです。もし、築30年を経過したマンションで2回の大規模修繕工事が実施されていなければ、そのマンションは管理体制が緩いと考えられます。

 

管理の状態が把握しやすい

築年数の経過したマンションは、管理状態を把握しやすいといったメリットもあります。

マンションは管理がしっかりしているかどうかで、寿命や暮らしやすさが各段に違ってきます。

新築の場合は、今後マンションがどのように管理されていくのかを判断することは難しいですが、築古物件であれば、建物の状態や修繕計画から管理状態を把握しやすくなります

 

住宅ローン控除が利用できる

築30年のマンションは、住宅ローン控除の適用対象となるのもメリットです。

住宅ローン控除はローンを利用してマンション等を購入した場合に税金が優遇される制度です。中古マンションの場合、新耐震基準が適用された1982年以降に建てられたものが住宅ローン減税の対象となるので、築30年のマンションなら適用可能ということになります。

(住宅ローン減税の適用には築年数以外の諸条件があります。)

 

固定資産税が安い

マンションを所有すると、毎年固定資産税を納めなくてはなりません。この固定資産税の額は、土地と建物の固定資産評価額によって決まります。

築年数が経過すると、建物部分の固定資産税評価額が下がるため、固定資産税を安く抑えることができます

 

リノベーションを行って、理想の間取りにできる

リノベーションをして自分の暮らしやすい部屋を作りあげることができるのも、中古マンションならではのメリットです。

新築マンションで自分の希望にピッタリあった間取りを探すのは意外に苦労するものです。かといって、新築を買ってすぐにリノベーションというのも現実的ではないでしょう。

築30年程度のマンションなら、購入時の価格を抑えられた分をリノベーション費用にあてて、好みの空間が実現できます。

 

デメリットは?

引っ越しした部屋で頭を抱える夫婦

ここまで築30年のマンションを購入することのメリットを見てきましたが、古い物件にはやはりデメリットもあります。

物件を選ぶ前に、デメリットも確認しておきましょう。

設備が古い可能性がある

築30年のマンションは、設備が古い可能性があります。

自分の室内の設備であれば、リノベーションで新しいものに変えることができますが、共用部分となるとそうはいきません。

オートロック、宅配ロッカー、防犯カメラ、インターネットの光回線といった、あたり前だと思っている設備がないことも考えられます。

また、配管部分も劣化が進んでいるでしょう。修繕や交換の履歴や今後の計画を調べるなどし、状態を理解してから購入するようにしましょう。

 

外観が古い

築30年のマンションは、外観が古く感じてしまうこともあるでしょう。

汚れや劣化などは、大規模修繕工事の際に手を入れることができますが、建物のデザインを変えることは難しいです。

マンションのデザインにも流行りがあるので、築30年の物件だと、どうしても古く感じてしまうことは否めません。

ただ、レトロで味があるデザインは築古のマンションならではです。個性的な外観のマンションが好みなら、築30年の古い物件で好みのものが見つかるかも知れません。

 

買ってすぐ大規模修繕工事が始まる可能性がある

マンションは定期的に大規模修繕工事が実施されます。大規模修繕工事は12〜15年の周期で行うのが一般的なので、築30年のマンションを購入した場合、入居してすぐに第2回目の工事が始まってしまう可能性があります

工事が引っ越しと重なった場合、車両の入庫制限などで不便になります。また、工事中は建物がシートで覆われるので眺望や日当たりが悪くなる、工事音が響く、といった事象もおこります。

マンションの修繕計画を確認して、大規模修繕工事の日程が近いようなら工事を終えてから入居することを考えても良いでしょう。

 

住宅ローンに制限がかかる可能性がある

一般的な住宅ローンは最長で35年までの返済期間が設定できますが、中古物件については、返済期間が制限される場合があります

返済期間が短くなれば毎月の返済額が多くなり、生活設計にも狂いが生じてしまいます。購入前にローンの期間と支払額についてしっかりと調べておきましょう。

 

賃貸の場合はリノベーションが難しい

中古マンションはリノベーションで自分好みの部屋にできるのが魅力ですが、賃貸物件の場合は自分の判断でリノベーションすることができません

内装などいじった場合は退去時に原状回復をする必要があるので注意してください。

 

築30年のマンションを購入する際に気をつけるポイント

POINTと書かれた黒板の画像

ここまで、築30年のマンションのメリット・デメリットを見てきました。

最後に、築30年のマンションを購入する際に、特に注意したいポイントを説明します。

適切にメンテナンスされているか、修繕履歴と修繕積立金を確認する

マンションがどれくらい長持ちするかは、適切にメンテナンスが行われているかどうかが大きく関わってきます。

もし、メンテナンスが適切に実施されていなければ、一般的な寿命を待たずに取り壊しになる可能性もあります。

そのため、築年数の経過した中古マンションを購入する際には、修繕履歴を必ず確認しましょう。

また、修繕積立金の額もメンテナンスがしっかり行われるかどうかの目安になります。

修繕積立金が極端に安い場合、将来的に資金が不足し、思い通りにメンテナンスができなくなる可能性があります。

 

日常の管理状態がしっかりしているか

日常的な管理がきちんと行われているかもチェックしたいポイントです。

日常の管理が不行き届きだと、ゴミ捨て場や駐輪場などが乱雑になり、暮らしにくくなるうえに、美観を損ねてマンションの資産価値も下がってしまいます。

また、日常の管理状態を見ることは、管理組合がしっかり機能しているかどうかの目安にもなります。

共有部分の美観が保たれているマンションは、管理体制が良く、管理組合もしっかり機能し、住民の意識も高いといえます。

ロビーや廊下の掃除は行き届いているか、ゴミ置き場は清潔か、駐輪場は整理整頓されているかなど、共用部分が綺麗に保たれているかを現地で確認しましょう。

 

建て替えの可能性はあるのか

築30年を超えているマンションは、建て替えが検討されている可能性もあります。

マンションの平均寿命は68年といわれているものの、老朽化によるやむを得ない場合以外でも、建て替えが検討されるケースがあります

耐震性を高めたい、バリアフリーにしたいといった大がかりな計画の場合、修繕よりも建て替えの方が良いと判断することもあるからです。

リノベーションをしたが数年で建て替えになった、というようなことがあってはもったいないですから、あらかじめ確認をしておきましょう。

 

将来的に売却できるのか

マンションは、一度買ったら一生涯住み続けると決まっている訳ではありません。

家族構成が変わったり、転勤になったりという理由で、将来的にマンションを手放すこともあるかもしれません。

もし売却となった場合に、買い手が付きやすい物件を選んでおくと安心です。

駅から近く都心にアクセスしやすい立地で、ファミリーが暮らせるような広さがある物件は、古くても売りやすいといえるでしょう。



築30年のマンションはメリットがたくさんある

築30年のマンションは、新築に比べて価格が安いため、希望の立地で手に入れやすいことや、リノベーションをして好みの空間を作れることなどが魅力です。管理状態を確認して購入できるのも、安心材料のひとつでしょう。

築30年のマンションを購入する際には、修繕履歴と修繕積立金、共用部分の整備、建て替えの可能性についてなどを確認しましょう。

マンションは、築30年を超えてもまだまだ住むことができます。人気の立地や間取りを選べば将来的な売却も可能です。マンション選びの候補に入れてみてはいかがでしょうか。

 

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