介護を考える際に、自宅のリフォームは重要な要素です。一方で、具体的にどこをどうリフォームするのかわからない人や、費用相場が分からない人もいるでしょう。

そこでこの記事では介護リフォームについて、必要な理由や場所、費用相場を解説します。介護に必要な設備や予算が詳しくわかるので、ぜひ最後までご覧ください。

介護リフォームとは

介護リフォームとは、介護を受ける人の立場になって、その人が暮らしやすい環境に自宅をリフォームすることです。特に階段や玄関、トイレ、浴場などをより介護に適した環境にします。

また、介護リフォームは介護を受ける側だけでなく、介助者側の視点も求められます。介助者のスペースも考えてリフォームを行えば、介護を受ける側もより快適な生活を送れるのです。

介護リフォームが必要な理由

介護リフォームが必要な理由は以下の3つです。

• 将来に備える必要がある
• 介助者にとっても快適な空間が必要となる
• 介護の中で事故が起きない物件にしておいた方がよい

以下で3つの観点について解説します。

理由1：将来に備える必要があるから

介護は高齢の家族がいる全ての人が備えておくべき将来的な課題です。介護を在宅で行うのであれば、リフォームは必須と言えます。リフォームは介護が必要になってから行っても、時間がかかってしまい生活に大きな負担がかかります。

しかし、介護が本格的に必要となる前にリフォームをすることで将来の介護をスムーズに行えるのです。介護リフォームは介護が始まる前に行いましょう。

理由2：介助者にとっても快適な空間が必要となるから

介助者にとって部屋などの空間が狭いと、さまざまな行動のサポートをしにくくなり、介護に支障をきたします。介護リフォームによって、介助者にとっても快適な空間をつくると、身の回りの世話をするストレスを減らせるのです。

介護はどうしても介助者に負担がかかり、ストレスにつながります。介助者にとっても快適な空間になるリフォームを行うことによる問題解決も重要です。介護リフォームを行う際は、介助者の視点も意識しましょう。

理由3：介護の中で事故が起きない物件にしておいた方がよいから

介護を受ける人は、自力で日常生活を送ることが困難であり、階段やお風呂での店頭による事故のリスクが高いです。健康な人からすれば意識しなくとも問題ない段差も、高齢者からすれば転倒のリスクがあります。

介護リフォームをする最大の理由は、介護を受ける人が安全に過ごせる環境をつくるためです。段差を最小限にするなど、介護のなかで事故が起きるリスクを最小限にするのも介護リフォームの役割と言えます。

介護リフォームがおすすめの場所

介護リフォームは家全体の暮らしやすさを考えて、必要な場所全てに行う必要があります。中でもおすすめなのは以下の4箇所です。

• 玄関
• トイレ
• お風呂
• 階段

それぞれの場所を具体的にどうリフォームすると介護しやすくなるのか、以下で詳しく解説します。

玄関はスロープの設置をする

玄関のリフォームでは、主にスロープの設置や間口を横に広くするなどの方法で、車いすでの出入りをしやすくします。また、ドアを引き戸にするのも効果的です。

歩いて出入りする際も手すりを設置することで安全にリビングや寝室まで移動可能です。玄関に段差のある家も多いですが、介護を意識したリフォームによって段差をなくせば、事故のリスクも軽減できます。

トイレは洋式にする

トイレは洋式にしつつ、手すりを壁につけることで安全に便座に座ったり、立ち上がったりできます。

トイレの中は気温によっては冷えることがあり、高齢者にとって大きな負担がかかります。室内温度を調整するために、暖房機能のある便座を入れるのも効果的です。

お風呂はスペースを広げる

お風呂は床が濡れて滑りやすく、転倒事故の起きやすい場所です。介助者も付き添って身体を洗う手伝いをするために、スペースを広げるのが重要と言えます。

また、入浴の際は浴槽をまたぎやすい高さにしておくことも事故の防止に効果的です。断熱材や暖房など、快適な温度を保てる工夫をしておけば身体への負担を減らせます。

階段は手すりや照明を設置する

一軒家で2階との移動が必要な場合、階段も介護を意識したデザインにリフォームする必要があります。介護される人がのぼりやすいように、手すりを設置するケースが多いです。

また、照明を明るめに設定すれば、足元を見やすくして転倒のリスクを軽減させられます。人感センサーの搭載された照明ならば、階段の昇降をする際に必ず足元を明るくできるので効果的です。

介護リフォームにかかる費用相場

リフォームは場所によって費用相場が変わります。事前に費用相場を知っておくことで、介護リフォームをする際も、スムーズに内容を決定可能です。以下で、前述した4つのリフォーム場所で、対象ごとの費用相場を解説します。

介護リフォームをするうえで、必要な予算を算出する目安になるので、ぜひ参考にしてください。

玄関の費用相場

玄関をリフォームする際の費用相場は以下の通りです。

玄関をリフォームする場合、転倒防止のために段差を解消したり、車いすを通りやすくするために引き戸に交換したりします。より快適にしたいのであれば、玄関そのものの面積を広げる方法もおすすめです。

トイレの費用相場

トイレをリフォームする際の費用相場は以下の通りです。

トイレは小規模であれば、10万円未満でリフォームが可能です。しかし、和式トイレの場合、洋式へ切り替えるには40万円程度の費用が相場なので予算を確保しておきましょう。

お風呂の費用相場

お風呂をリフォームする際の費用相場は以下の通りです。

お風呂のリフォームをする際の注意点として、ほかの場所よりも費用が高い点があげられます。特にシステムバスは便利ですが、100万円以上かかる場合もあるので注意しましょう。費用を節約しすぎると、事故が起きやすい環境となるので、バランスが重要です。

階段の費用相場

階段をリフォームする際の費用相場は以下の通りです。

階段をリフォームする場合、手すりや照明はそれほど費用はかかりません。しかし、上り下りしやすくするために階段を調整すると50万円近い費用が発生するケースもあります。長期的な視点で最適なリフォームを心がけてください。

条件に合った介護リフォームをしよう

ここまで介護をする人へ向けてリフォームを行う理由やおすすめの場所、費用相場を解説しました。介護は身体能力の衰えた高齢者をサポートするためのもので、困難になった日常生活の行動をとりやすい環境づくりが重要です。

リフォームにおすすめの場所はお風呂やトイレ、玄関、階段などがあげられます。適切なリフォームを行えば、介護に適した安全な環境をつくれます。費用の相場を把握したうえで、適切なリフォームをしましょう。

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