中古マンションを購入したいけれど、いつまで住めるのか、もし寿命を迎えたらどうすればいいのかなど、不安に思う方も少なくないでしょう。
今回は、中古マンションの耐用年数についてご紹介します。
耐用年数と寿命の違いや、寿命を迎えたときの対処法などをまとめましたので、参考にしてみてください。
中古マンションの耐用年数とは?
中古マンションの耐用年数とは、「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」で定められた年数をいいます。
中古マンションに限らず、建物や建物附属設備は構造や用途によって使用に耐えうる年数が定められていますが、実際に住むことができる年数ではありません。
耐用年数は税務上の法律で定められた年数で、法定耐用年数とも呼ばれます。
法定耐用年数は?
法定耐用年数は、国税庁の資料によると、建物の構造や用途により次のように定められています。
構造・用途 | 住宅用の耐用年数 |
木造・合成樹脂造のもの | 22年 |
木骨モルタル造のもの | 20年 |
鉄筋鉄骨コンクリート造・鉄筋コンクリート造のもの | 47年 |
れんが造・石造・ブロック造のもの | 38年 |
参照:国税庁
新築マンションの耐用年数は47年ですが、中古マンションの場合は次のように計算します。
<47年以上経過した建物>
法定耐用年数×20%=47×20%=残存耐用年数9年
<経過年数が47年未満の建物>
(法定耐用年数-経過年数)+経過年数×20%
例:10年経過したマンションの場合
(47-10)+10×20%=37+2=残存耐用年数39年
耐用年数は平均40年前後
中古マンションの耐用年数の平均は40年前後です。
東京カンテイ*¹の資料によると、マンションの建て替え時期の平均は、全国で33.4年、東京都で40年でした。
また、国土交通省が作成した集合住宅の長寿命化を目指す報告書*²によると、分譲マンション建て替えの平均築後年数は37年です。
築後40年前後に建て替えられているマンションが多いことなどから、中古マンションの耐用年数は40年前後が目安といえます。
参照:
耐用年数と寿命の違い
耐用年数とは税務上の目安であり、マンションの場合は47年と決まっています。
これに対して寿命とは住むことのできる期間であり、明確に決まっていません。
マンションは築後47年を過ぎると住めなくなるのではなく、建物の資産価値がゼロになるという意味なので、寿命=47年ではないのです。
国土交通省の報告書によると、鉄筋コンクリート造の建物の物理的寿命は117年となっています。
また、鉄骨鉄筋コンクリート造および鉄筋コンクリート造の構造体の耐用年数は120年、外装仕上で延命すると150年という結果が出ていました。
構造が同じマンションでも、使い方などにより劣化スピードは大きく異なるため、明確な寿命を算出することは難しいといえるでしょう。
中古マンションの耐用年数・寿命を左右する要因は?
中古マンションの耐用年数や寿命は、さまざまな要因により短くなることもあります。
長く住むことができるマンションと、早く寿命を迎えてしまうマンションには、どんな違いがあるのでしょうか。
ここでは中古マンションの耐用年数・寿命に影響を与える3つの要因について見ていきましょう。
要因1:管理状況
中古マンションの寿命は、管理状況により大きく異なります。
近年に建築されたマンションの場合は、適切な修繕計画が立てられているのが一般的です。計画書に従って定期的にメンテナンスされているマンションであれば、長く住むことができるといえるでしょう。
しかし、1960年~1970年代に建築されたマンションは、修繕計画が立てられていないケースが多く、メンテナンスが不十分である可能性が高いです。
定期メンテナンスがあるなどしっかり管理されたマンションほど、本来の寿命をまっとうできるといえるでしょう。
要因2:建物構造と建築時期
建物構造と建築時期もマンションの寿命に影響を与えます。ポイントとなるのは耐震基準です。
マンションは建築された時期によって、地震に対する強度が異なります。
1981年6月までに建築確認申請が行われた建物であれば「旧耐震基準」、1981年6月以降に建築確認申請が行われた建物は「新耐震基準」です。
旧耐震基準のマンションの場合、耐震改修工事を行うには高額な費用がかかるため、耐震性能が低いことを理由に寿命を迎えてしまうこともあります。
要因3:立地条件
中古マンションの耐用年数や寿命は、立地条件によっても大きく異なります。
たとえば海に近い場所にあるマンションは、潮風による影響を受けやすく、建物の寿命が短くなることが多いです。
日当たりが悪いマンションでは、湿気により建物の劣化が早まる可能性があります。
立地条件に見合った修繕計画を立て、定期メンテナンスがなされているかどうかがマンションの寿命を左右するといえるでしょう。
中古マンションが耐用年数を過ぎたらどうする?
どんなマンションでも、いつかは耐用年数を迎えます。購入したマンションが耐用年数を過ぎた場合の対処法は次の3つです。
- 建て替える
- 売却する
- そのまま住む
それぞれくわしく説明していきます。
建て替える
中古マンションが耐用年数を過ぎた場合、居住者負担で建て替える方法があります。
しかし、建て替え費用が高額になることや、所有者の4/5以上の賛成が必要になることなどから、現実的な対処法とはいえません。
近年では建物の容積率を利用して以前よりも大きいマンションを建て、増えた戸数分を販売することで建て替え費用を賄う方法があり、積極的に推進されています。
売却する
耐用年数を過ぎたマンションを売却し、築浅のマンションに引っ越す方法もあります。
ただし、劣化が進んだ状態で売却しても、なかなか購入希望者が現れない可能性が高いです。
中古マンションの売却を検討する場合は、耐用年数や寿命を迎える寸前ではなく、余裕を持って行動に移すことをおすすめします。
そのまま住む
中古マンションが耐用年数を過ぎても、建て替えや住み替えをしないでそのまま住む方法もあります。
ただし、修繕計画が立てられていないマンションや、旧耐震基準で建てられたマンションの場合は、住み続けるには不安があるといえるでしょう。
建物の安全性について、管理組合に確認しておくと安心です。
中古マンションと耐用年数の関係は?
中古マンションの耐用年数は、マンションに関わるさまざまなことと大きく関係しています。
すでにマンションを購入して住んでいる人、これから中古マンションの購入や売却を予定している人は、どのような関係があるのか把握しておくとよいでしょう。
耐用年数と住宅ローン
中古マンションの購入でも住宅ローンを組むことは可能です。
しかし新築物件と異なり、中古マンションの場合はローン借入期間が制限される可能性があります。
たとえば、築25年の鉄筋コンクリート造のマンションの場合は、法定耐用年数47年-25年=22年となり、借入期間は最大で22年までとなるのが一般的です。
借入期間が短くなるほど毎月の支払金額が大きくなりやすいため、住宅ローンを組むときはしっかり返済計画を立てるようにしましょう。
耐用年数と減価償却
中古マンションを売却して利益を得た場合は譲渡所得税の対象になりますが、売却益から減価償却費を差し引くことで節税が可能になります。
減価償却とは税金の申告の際に必要なものであり、時間の経過に応じて減っていく不動産の価値を一定の割合で算出したものです。
中古マンションの場合は建物と附属設備が対象となります。中古マンションの減価償却の計算には、法定耐用年数や経過年数が関係してくるため、売却を検討している方は覚えておくとよいでしょう。
耐用年数を確認して中古マンションを購入しよう
中古マンションの「耐用年数」とは、税務上の使用に耐えうる年数であり、平均は40年前後です。「寿命」は住むことのできる期間であり、建物の管理状況や構造などにより変動します。
耐用年数を過ぎても住み続けることは可能ですが、計画的に適切なメンテナンスが行われているか確認しておくと安心です。
中古マンションを購入するときは、建物の耐用年数についても把握しておくとよいでしょう。
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