吊り天井とは何か、ご存知でしょうか?
吊り天井って何だろう、そもそも天井に違いってあるの?と思う方もいらっしゃるかもしれません。
本記事では、吊り天井について解説していきます!吊り天井のメリットやデメリットを知って、住まいに取り入れてみてはいかがでしょうか。
吊り天井とは?
そもそも天井には2種類の構造があり、それぞれ吊り天井と直天井にわかれています。
そのうち、天井裏からボルトなどの金属部品を使って格子状の枠組みを吊り下げ、表面に天井ボードを取り付けたものが吊り天井です。建物の上から天井を吊り下げているため、上部と天井の間には空間があります。
それに対し、建物の構造のうち内側の上の部分をそのまま天井とするのが直天井です。吊り天井と違い建物の上部が天井なので、空間はできません。
吊り天井の部品11個を解説
吊り天井は11個の部品によって、天井が吊り下げられています。
吊り天井のイメージがいまいちよくわからない、という方でも、どのような部品で作られているのかがわかれば想像しやすいかもしれません。
そこで、1つずつ吊り天井に使われている部品を紹介します。
吊り元
吊り元とは建物の躯体、つまり、鉄骨などから作られている建物の骨組みを指します。この吊り元を基点としてさまざまな部品を使い、天井を吊り下げるのです。
吊り金具、吊り元金具
吊り金具や吊り元金具は、先程紹介した吊り元とボルトをくっつけるために使われる部品です。
Amazonから引用:ボルト吊り金具ボルト振り金具無し
吊りボルト
吊りボルトは吊り金具を使って吊り元に接合して、天井材を吊り下げるために使われる部品となります。
その他にも、上の階の床と天井の間の空間を調節する役割も果たすのです。
以前は両ネジタイプと呼ばれる、両端にネジ山がある吊りボルトが使われていました。しかし、最近では全ネジタイプと呼ばれる全長にネジ山がある吊りボルトを使うことが多いようです。
Amazonから引用:デンコーラック吊りボルト
ハンガー
ハンガーは、吊りボルトと野縁受けと呼ばれる部材を固定するために使われます。ハンガーを吊りボルトに取り付けたナットで挟み、締め付けることで固定するのです。
野縁受け
野縁受けは細長い形の下地材であり、野縁を支える役割を果たします。
ハンガーの上向きになっているコの字の部分に取り付けることで、吊りボルトに固定するのです。野縁受けは断面がC型になっていることから、CチャンネルやCチャンと呼ばれることもあります。
モノタロウから引用:ネグロス電工 野縁受け
クリップ
野縁受けと野縁を接合するための部品が、クリップです。野縁受けと野縁が十字に交わるよう、接合します。野縁受けや野縁の形によって、クリップもさまざまな形のものがあるのです。
モノタロウから引用:ネグロス電工 Mバークリップ
野縁
天井の仕上げ材を付けるための、棒状の骨組みが野縁となります。
モノタロウから引用:ネグロス電工 二重天井用金具(野ぶち材)
天井ボード
天井ボードは仕上げ材です。天井ボードはビスを使って野縁に固定され、天井を構成します。
天井ボードにはさまざまな素材のものがありますが、石膏ボードやロックウール吸音板が主流であるといえるでしょう。天井ボードは素材だけでなく規格にも種類があり、サイズが異なります。
Amazonから引用:ロックウール天井板「ソーラトン」日本ソーラトン製/ST9-S-600/厚さ9mm×300mm×600mm 18枚
ジョイント
野縁や野縁受けを連結するのに使用される部品がジョイントです。特に天井材の面積が広い場合には、連結用のジョイントが欠かせないものとなります。
Amazonから引用:Teenitorアングルステンレスジョイント金具
水平振れ止め
水平振れ止めは吊りボルトが揺れることを防ぐための部品です。水平補剛材とも呼ばれており、ボルトを固定するために吊りボルトの間へ水平に取り付けられます。
モノタロウから引用:ネグロス電工 水平用振れ止め金具
斜め振れ止め
斜め振れ止めはその名の通り、斜めに取り付けられて吊りボルトが揺れることを防ぐ部品です。
地震が起こったとき横揺れに備えるための耐震補強材として、天井が水平に動くのを抑制する役割を果たします。
モノタロウから引用:ネグロス電工 斜め振れ止め補助金具
吊り天井のメリット
吊り天井では、以下の3つのメリットが挙げられます。
- 遮音性が高い
- スペースを有効活用できる
- 耐久性が高い
この3つのメリットは、吊り天井の特徴である、天井裏に空間ができることで生まれます。このようなメリットがあるからこそ、吊り天井はたくさんの大型施設や建物で採用されているのです。
そこで、それぞれのメリットを詳しく紹介します。なぜ、吊り天井が多くの大型施設や建物で使われているのか、その謎を解き明かしましょう。
遮音性が高い
吊り天井は、遮音性がとても高いことがメリットとして挙げられます。なぜなら、直天井とは違い天井裏のスペースがあるからです。スペースがあることで、構造物を伝わる音の振動をやわらげることができます。
また、この空間を有効活用し、防音材や吸音材、遮音材などを取り付けることも可能です。
このように、天井から下の階へ伝わる音は天井裏のスペースが、下の階から天井へ伝わる音は防音材などが防ぐことによって、遮音性の高さを実現しています。
スペースを有効活用できる
先程のメリットで、天井裏のスペースに防音材などを入れることで遮音性が増すとお伝えしました。実はこれ以外にも、吊り天井では天井裏のスペースを上手く活用することができるのです。
たとえば、配線などの電気設備や水道の配管をこのスペースに収納することができます。この他に、空調などの設備を取り付けることも可能です。
こうして、さまざまな設備を天井裏へ隠すことによって、見た目もスッキリしますし、メンテナンスも簡単になります。
そのため、吊り天井では天井裏のスペースを有効活用できることがメリットとして挙げられるのです。
耐久性が高い
吊り天井は耐久性が高いことも、メリットの1つとして挙げられます。
いくら遮音性が高かったり、天井裏のスペースを有効活用できたりしても、長持ちせず大規模なメンテナンスが必要になってしまっては意味がありません。
しかし吊り天井は直天井と違い、天井裏にスペースがあることで湿気などがたまりにくく影響を受けにくいため、比較的長持ちします。
さらに壁紙やクロスを貼ることによって、耐久性が高くなるといえるでしょう。
吊り天井のデメリット
吊り天井のデメリットは、ずばり耐震性が弱いことです。
吊り天井は天井を吊り下げているという構造上、大きな地震が起こったときに天井が揺れてしまうことがあります。その揺れに耐えられず、吊り下げていた天井が落下してしまうこともあるのです。
とくに、体育館などの大型施設においては耐震性が低くなってしまいます。
実際に東日本大震災が発生したとき、吊り天井を採用していた大型施設の天井が落下するという事故が起きました。
非常時における、大切な命にも関わる大きなデメリットなので、しっかりと確認し理解しておきましょう。
吊り天井の改修には膜天井という選択肢を
このようなデメリットを受けて、東日本大震災の後に政府は基準を定めています。
吊り天井の中でもとくに耐震性の懸念がある、体育館やホールなどの大型施設の吊り天井は、特定天井という政府が定めた基準に当てはまる場合があります。この特定天井にあたる場合には、吊り天井の中でもとくに高い耐震性を求められるのです。そのため特定天井に当てはまる場合には、通常の吊り天井よりも、基準を満たすために構造を整備しなければなりません。
吊り天井には耐震性が低いというデメリットがありますが、これを強化し、吊り天井のメリットと耐震性を兼ね備えている天井があります。それが、膜天井です。
膜天井は吊り材で吊り下げるものではないので、特定天井に当たりません。また膜天井はやわらかく軽いため強度が高く、耐震性も高いのです。
吊り天井のデメリットを見事に回避しつつ、吊り天井のメリットも備えています。そのため、吊り天井の改修には膜天井も1つの選択肢として取り入れてみてはいかがでしょうか。
吊り天井のメリット・デメリットを理解して取り入れよう
ここまで、吊り天井のメリットやデメリットについて確認してきました。
デメリットである耐震性においても、とくに心配される体育館やホールなどの大型施設では政府の基準が定められているため、以前より解消されたといってもいいのではないでしょうか。
また直天井と吊り天井以外の選択肢として、膜天井も存在します。
どのような天井を採用するのかは、それぞれのメリットとデメリットをきちんと確認して取り入れるようにしましょう。
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