マンションを検討するとき、よく耳にする坪単価。「何となく聞いたことはあるけど具体的に部屋選びでどう活用すればよいのかわからない」という方も多いのではないでしょうか?
この記事では坪単価計算方法のほか、都内マンションにおけるおおよその坪単価相場なども紹介しています。部屋選びの際に、ぜひお役立てください。
マンションの坪単価とは?
「坪」とは尺貫法の単位。そして「坪単価」とは「1坪あたりの価格」です。「その物件が1坪あたりいくら程度になるのか?」を計算した値が、坪単価ということになります。
物件広告はおもに「70平米が◯◯万円」「2LDKが◯◯万円」など、総額で表記されますが、総額だけでは広さ・階数・間取りなどの要素が、どのくらい価格に加味されているのか、わかりにくいですよね。
坪単価を計算することで、同じ物件内にある条件の異なる部屋のうち、どの部屋が1坪あたり割安なのか簡単に算出できるため便利です。
坪単価の計算方法は「物件の販売価格 ÷ 平米数 × 3.3」
1坪は畳2畳分ほどの広さで、平米(平方メートル・㎡)に換算すると3.3平米ほど。坪単価の計算方法は「物件の販売価格÷面積(平米)×3.3」です。
たとえば、販売価格3,000万円で面積が50平米の物件は、「3,000万円 ÷ 50平米 × 3.3 = 坪単価198万円」となります。
また、物件の面積があらかじめ坪数で表記されている場合は、「販売価格 ÷ 坪数」で計算すれば坪単価を算出できます。たとえば、販売価格2,500万円で面積が10坪と表記されている場合は、「2,500万円 ÷ 10坪 = 坪単価250万円」です。
坪単価を計算するときは、物件の面積が平米(平方メートル・㎡)と坪のどちらで表記されているか確認しましょう。
物件探しの際に坪単価を活用するメリットはある?
ここでは、物件探しの際に坪単価を活用する代表的なメリットについて紹介します。
・同じ物件内の価格を比較できる
・詳しくない土地の相場がわかる
坪単価を活用することにより、賢く物件探しができるようになるので、必ずチェックしましょう。
①同じ物件内の価格を比較することができる
坪単価を計算することで、同じマンション内の違う部屋を比較検討しやすくなります。たとえば、このような場合です。
・301号室 50平米 3,000万円
・401号室 60平米 3,500万円
この2部屋は、総額だけを比べると401号室のほうが高額です。しかし坪単価を計算してみると、以下の価格になります。
・301号室 約198万円/坪
・401号室 約192万円/坪
坪単価を見てみると、高額に思えた401号室のほうが、実は割安であるとわかります。このように坪単価を計算することで、同じマンション内にある条件の違う部屋を比較しやすくなるのです。
また、同じ階数の部屋を比べるときに坪単価を算出すれば、部屋の方角や設備、角住戸かどうかなどの条件が、価格にどの程度加味されているのか知ることもできます。総額だけで見るよりも、賢く物件を比較検討できるようになるでしょう。
②詳しくない土地の相場がわかる
マンションの価格は広さ・間取り・築年数などさまざまな要素により変動しますが、立地によっても大きく左右されます。同じ広さであっても、人気なエリアと不人気なエリアでは、土地の相場がまったく違うためです。
詳しくないエリアの中でマンションを検討する場合、土地相場が全くわからないので困惑してしまうでしょう。しかし、そのような時に坪単価を計算すれば、希望するエリアの土地相場をおおよそ把握できます。
土地相場を把握することにより、どのエリアでマンションを検討するか、予算に合わせてスムーズに絞り込めるのでとても便利です。
新築マンションの坪単価相場は?
新築・中古問わず、マンションの坪単価は建設されたエリアによって大きく左右されます。ここでは代表して東京都内の相場を紹介しますが、坪単価は同じエリアでも年度によって変動するので、あくまでも参考値として見るようにしてください。
東京都内でも坪単価が高いエリアである「港区」と、安いエリアである「葛飾区」の坪単価相場を比較してみます。
・港区=628.5万円/坪
・葛飾区=241.8万円/坪
港区と葛飾区では、2.6倍ほど坪単価相場が違うとわかります。築年数や階数など、ほかの条件が同じであっても、坪単価の相場が違うエリアではかなり価格の差が開くため、予算に合ったエリアで物件探しをすることが大切です。
中古マンションの坪単価相場はどのくらい?
ここでも新築マンション同様に、東京都内で坪単価が高いエリアである「港区」と、安いエリアである「葛飾区」の坪単価相場を比較してみましょう。
・港区=約414万円/坪
・葛飾区=約177.8万円/坪
中古マンションでは、港区と葛飾区で2.3倍ほど坪単価相場が違うとわかりました。
坪単価を算出することで、「葛飾区であれば新築マンションを検討できる」「港区に住むことを優先するのであれば中古マンション」というふうに、予算からエリアや新築にするかどうかなどを絞り込みやすくなります。
坪単価を見るときの注意点4つご紹介
ここでは、坪単価を比較するときの注意点について紹介します。
- 坪単価は部屋の木材が増えるとその分高くなる
- 算出する際には設備費が入っているか確認する
- 「延べ床面積」か「施工面積」どちらを用いているか確認する
- 坪単価だけでなく総合的に見て購入するか判断する
代表的な上記4つの注意点について、それぞれ解説しますので見ていきましょう。
①坪単価は部屋の木材が増えるとその分高くなる
同じハウスメーカーの物件で、かつ同じ坪数であったとしても、木材が増えることで坪単価は高くなります。木材の増加により、部屋を造る費用が高くなってしまうためです。
- 壁や床面の凹凸が増える
- 部屋の向きにより形状が変わる
- 基礎の面積が大きくなる
このような状況により使用する木材の数が多くなると、その分費用がかさむため、坪単価も上がってしまいます。
「坪単価が高いため良い物件だと思ったら、実際には思わぬ凹凸が多いだけだった」などの事態にならないよう、坪単価はあくまでも参考値としてとらえるのがおすすめです。物件の内見は、必ず行ったうえで検討するようにしましょう。
②坪単価を算出する際カーテンや照明の費用は入っているか確認する
坪単価は、建物の建築費用のみを用いて算出されるのが一般的です。
しかしハウスメーカーによっては、備え付けのカーテンや照明などの費用も含んで、計算していることがあります。計算に含まれている家具家電が、数十万円ほどの高額になっているケースもあるので、注意が必要です。
坪単価で物件を比べるときは、備え付けの家具家電が計算に含まれているかどうかをハウスメーカーへ確認してみましょう。含まれている場合は、建築費用のみで算出した坪単価を教えてもらうと、ほかの物件との比較がしやすくなります。
③「延べ床面積」か「施工床面積」どちらを用いているか確認する
「延べ床面積」とは玄関ポーチ・ベランダ・バルコニーなどを含まない床面積のこと。そして「施工床面積」とは、それらをすべて含んだ床面積のことです。
そのため同じような広さでも、施工床面積で算出した物件のほうが、1坪あたりの単価が安くなってしまいます。異なる面積で算出された坪単価を見てしまうと、正しく比較できなくなるので要注意です。
坪単価の計算にどちらの面積を用いているかは、ハウスメーカーによって変わります。ハウスメーカーの異なるマンションを比較する際は、担当者へ確認してみるとよいでしょう。
④坪単価だけでなく総合的に見て購入するか判断する
坪単価はマンションを比較検討する際に、便利な指標となりますが、「坪単価が割安かどうか」だけで物件を決めてしまうのは危険です。
どういった物件に住むかは、生活の質に直結します。そのため、マンションを選ぶときは立地条件・住宅設備・方角・階数・セキュリティなど、あらゆる視点から比較し、自分たちのライフスタイルに合った物件を探すようにしましょう。
「坪単価は割安だったけれど周辺環境が良くなかった」「住んでみたら設備に満足できなかった」といった状況にならないよう、さまざまな点から総合的に判断するのがおすすめです。坪単価はあくまでも参考値として、判断材料の1つに留めておくとよいでしょう。
坪単価は計算できるようにしておこう
坪単価を算出すると、物件を比較しやすくなったり、詳しくない土地の相場を把握できたりするので便利です。しかし、坪単価はエリアや年度、新築かどうかなどによって価格変動するほか、ハウスメーカーごとに計算方法が異なるので注意しましょう。
また、坪単価は物件選びの便利な指標となりますが、それだけで購入するかどうか判断するのは危険です。
マンションを選ぶ際は、周辺環境や設備などを総合的に比較して、ライフスタイルに合った物件を購入するようにしましょう。坪単価はあくまでも、判断材料の1つとして参考にするのがおすすめです。
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