「二世帯住宅はどんなタイプもあるの?」
「二世帯住宅のメリットは?」
そんなお悩みをお持ちの方も多いでしょう。
二世帯住宅は、子育て支援や犯罪の防止、生活コストの削減など多くのメリットがあります。この記事では、二世帯住宅も需要が高まっている理由や、メリット・デメリットを解説しますので、ぜひ最後までお読みください。
二世帯住宅の需要が高まっている理由
二世帯住宅の需要が高まっている理由は、主に2つあります。
- 共働き家庭の増加
- 高齢化社会
順番に解説します。
共働き家庭の増加
昭和55年以降、共働き家庭は右肩上がりで増えています。昭和55年に614万世帯だったことに対して、令和2年には1,240万世帯に増加しました。子供の面倒を見る時間が少なくなり、子育てに親世代のサポートが必要になっています。また、新型コロナウイルス感染拡大によって、時差出勤が増え、保育園や幼稚園のお迎えが難しくなってきたことも影響しています。
参考:厚生労働省 令和3年版 厚生労働白書-新型コロナウイルス感染症と社会保障-
高齢化社会
令和2年には、総人口に占める65歳以上の高齢者の割合が28.8%になりました。昭和25年には総人口の5%でしたが、上昇を続けています。親が高齢になり、介護の手助けが必要となっています。共働き家庭の増加から、実家への移動の時間がとりにくくなったことも原因のひとつです。
参考:内閣府 令和3年度版高齢社会白書 1 高齢化の現状と将来像
二世帯住宅の3つのタイプ
二世帯住宅には、3つのタイプがあります。
- 完全同居型
- 一部共用型
- 完全分離型
順番に解説します。
完全同居型
完全同居型とはキッチンやバスルームなどの生活に欠かせない部屋を、親世代と子世代が共有する間取りです。玄関やトイレ、ダイニングなどはひとつずつになります。親世代と子世代の交流が多く、一緒に生活するスタイルです。
一部共用型
一部共用型とは、生活に欠かせない部屋のうち一部だけ共用する間取りです。玄関は共有しますが、キッチンやトイレ、リビングなどはそれぞれ設置します。親世代が1階、子世代が2~3階を使用するケースが多い傾向です。一緒に生活しながら、プライバシーを確保できます。
完全分離型
完全分離型とは、親世代と子世代が別々の世帯として暮らせるようにした間取りです。玄関、バスルーム、リビングなど全ての設備を世帯ごとにそれぞれ設置します。たとえば、同じマンションで隣の部屋に同居するケースです。生活リズムが異なる場合に適しています。
二世帯住宅のデメリットは?
二世帯住宅のデメリットは、プライバシーの確保が難しいことです。子世代が住む2階の生活音が響いたり、親世代の来訪者が絶えないなどのケースがあります。それぞれのライフスタイルに合った二世帯住宅のタイプを選ぶことで、デメリットが解消できます。
二世帯住宅の生活面におけるメリット
二世帯住宅の生活面におけるメリットは、3つあります。
- 1.子育てを助けてもらえる
- 2.犯罪の防止に繋がる
- 3.日本の文化継承
順番に解説します。
1.子育てを助けてもらえる
親世代の協力があれば、仕事が遅くなるときに食事を作ってもらえます。時差出勤や急な出張のときに、保育園や習い事の送り迎えを頼むことも可能です。共働き家庭の子育ての負担を減らし、親世代は孫の成長を見られ、生活に張りがでるメリットがあります。
2.犯罪の防止に繋がる
二世帯住宅は、空き巣などの犯罪防止に繋がります。留守を狙う犯罪者には、親世帯の在宅時間が長い二世帯住宅は、避けやすい傾向があるといえます。また、1階の窓から侵入しても、家の構造上2階にしか行けない可能性など、予測しにくい間取りも空き巣のリスクを減らす要因です。またオレオレ詐欺などの特殊詐欺も、子世代がいることで防げます。
3.日本の文化継承
親世代から孫たちへ日本の伝統文化を伝えられます。たとえば、折り紙やおはじき、お手玉などの手遊びや、端午の節句や十五夜などの季節のイベントを体験できます。着物の着付けや、茶道や剣道などを習える可能性もあります。
二世帯住宅の経済面におけるメリット
二世帯住宅の経済面におけるメリットは、5つあります。
- 1.生活コストが下がる
- 2.相続税・贈与税が下がる
- 3.二世帯住宅にリフォームすると節税になる
- 4.協力して住宅ローンを返済できる
- 5.二世帯住宅に関する補助金を活用できる
順番に解説します。
1.生活コストが下がる
同じ住宅に住むことで、光熱費や食費などの生活コストが下がります。たとえば、親世代に子供を預けたり、両世帯で夕食を共にするケースです。住宅のメンテナンス費用もお互いに負担できるため、経済的な負担も軽減します。
2.相続税・贈与税が下がる
二世帯住宅では、相続のときに「小規模宅地の特例」を利用しやすくなります。この特例は、土地の評価額を抑えて、相続税の負担を軽くする制度です。二世帯住宅で特例を受けるには、特に以下の条件を満たさなければなりません。
- 二世帯住宅が亡くなった親世代の名義であること
- 二世帯住宅に住んでいた子世代が相続すること
- 亡くなってから10ヶ月の相続税の申告期限までに居住と所有を申告する
この3つの条件を満たした場合は、土地の評価額を最大80%減額できます。ただし、小規模宅地の特例には土地の条件などがあるため、詳しくは国税庁のHPで確認してください。
参考:国税庁 No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)
親世代から金品を受け取ると、年間110万円を超える分に贈与税がかかります。しかし、住宅を建てるための資金として受け取ったお金は、子世代の年収が2,000万円以下や住宅資金に充てることなどの条件を満たすと、非課税になります。詳しい条件は、以下の国税庁のHPを参考にしてください。
参考:国税庁 「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」等のあらまし
3.二世帯住宅にリフォームすると節税になる
中古住宅を購入して、二世帯住宅にリフォームすると節税になります。
不動産取得税は土地や住宅を取得した人が払う税金です、50㎡以上240㎡以下の床面積かつ移住要件を満たす住宅は、1世帯当たり1,200万円控除されます。二世帯住宅は2世帯で計算されるため、控除額が2,400万円になります。適用条件が各市町村ごとに異なり、お住まいの市区町村のHPで確認しましょう。
4.協力して住宅ローンを返済できる
親世代と子世代で協力できる住宅ローンには、リレーローンとペアローンの2つのタイプがあります。
リレーローンでは親世代がローンを組み、途中から子世代に引き継いで返済していくローンです。親世代と子世代のどちらかの年収だけではローンが組みにくい場合や、親世代が高齢で短い返済期間しか支払えないケースに向いています。
ペアローンは、1つの住宅に親世代と子世代がそれぞれローンを組んで返済することです。住宅ローン控除も親世代と子世代それぞれ適用され、高額なローンを組めます。ただし、団体信用生命保険に親子ともに加入する必要があります。
5.二世帯住宅に関する補助金を活用できる
市区町村によっては、新たに二世帯住宅を建てる場合に補助金を出している地域もあります。
例えば、千葉県の佐倉市では、18歳未満の子供がいる世帯あるいは夫婦のどちらかが40歳未満の世帯と、親世帯が同居するために住宅を建てた場合に、最大30万円の補助金が出ます。各市区町村によっては、リフォームでも補助金が出るケースもあります。
二世帯住宅のメリットを理解して、理想の家を手に入れよう!
二世帯住宅の需要が高まっている理由は、共働き家庭の増加と高齢化社会のためです。二世帯住宅には、3つのタイプがあり、親世代と子世代のライフスタイルに合わせたタイプを選びましょう。二世帯住宅には、犯罪防止や生活コストがさがるなどのさまざまなメリットがあります。生活面と経済面のメリットを理解して、理想の二世帯住宅を手に入れましょう。
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