二世帯住宅はデメリットだらけという噂は本当なのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。二世帯住宅にデメリットはある一方、メリットも少なくありません。この記事では、二世帯住宅のデメリットやメリット、二世帯住宅にして後悔を減らすコツを解説します。二世帯住宅を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
二世帯住宅のデメリット
二世帯住宅には、以下のようなデメリットがあります。
- 共用スペースを気軽に使えない
- 生活のリズムが合わない
- 相続トラブルの可能性がある
- 光熱費の負担でもめる
- プライバシーが保てない
まずはデメリットを知り、家づくりに役立てましょう。
デメリット①:共用スペースを気軽に使えない
二世帯住宅には、好きなタイミングで共用スペースを使えないデメリットがあります。
たとえば、キッチンを共用している場合、家事の時間が重なってしまうと、思うように料理や洗い物ができなくなってしまいます。
またリビングを共用する場合、他の世帯が寝ていると、夜中までくつろいだり、テレビを見たりすることに対して気が引けてしまうでしょう。
それぞれの世帯が気軽に共用スペースを使えず、ストレスを溜めてしまうことも少なくありません。
デメリット②:生活のリズムが合わない
親世帯と子世帯の生活リズムが合わず、暮らしにくさを感じることもデメリットです。
それぞれの世帯の生活リズムが合っていればストレスを感じませんが、親世帯は早めに就寝し、子世帯は夜まで遅く起きている場合、それぞれが気を遣い、ストレスを感じやすいです。
親世帯は、夜うるさくて寝られず、子世帯は休日の朝ゆっくりと過ごせない可能性があります。
生活時間のズレによって暮らしにくいと感じることは、二世帯住宅ならではのデメリットと言えるでしょう。
デメリット③:相続トラブルの可能性がある
相続で問題が起きやすいことも、二世帯住宅のデメリットです。
親と子の共有名義にしている二世帯住宅の場合、親が亡くなると、親の共有持分は相続対象となります。
そして兄弟姉妹がいるケースにおいては、遺産分割でトラブルになるリスクが考えられるでしょう。
たとえば、子世帯はそのまま暮らしたいと思っていても、兄弟姉妹が家を売って遺産を分配して欲しいと相談してくる場合があります。
相続の際はどうするのか、前もって話し合っておくことで、トラブルを減らせるでしょう。
デメリット④:光熱費の負担でもめる
二世帯住宅は、光熱費の折半でもめることもデメリットです。
5:5の費用負担の場合、一方の世帯が明らかに電気や水道などを使っていたとしたら、費用の割合が不公平になってしまいます。
また、お金のことは世帯間でも話しづらいため、ストレスを感じやすいでしょう。
相続を含めお金に関することは、事前にしっかりと話し合っておくことが大切です。
デメリット⑤:プライバシーが保てない
プライバシー空間を作りづらいことも、二世帯住宅のデメリットに挙げられるでしょう。
世帯間の仲が良くても、プライバシーが保てなければ、気疲れしてしまう可能性があります。
特に実の親子ではない配偶者の場合は、息苦しさを感じやすいでしょう。
共用スペースが多い二世帯住宅は、注意が必要です。
二世帯住宅にはメリットもある!
二世帯住宅にデメリットは多いものの、以下のようなメリットもあります。
- 建物にかける費用をカットできる
- 光熱費を安く抑えられる
- 安心感がある
- 税金を抑えられる
- 育児や家事などを協力し合える
二世帯住宅がデメリットだらけではないことを把握し、二世帯住宅にすべきか検討しましょう。
メリット①:建物にかける費用をカットできる
二世帯住宅にすると、建物にかかる費用を抑えられるメリットがあります。
共用スペースを広くすれば、各世帯で戸建てを建てるより建築費用を低くできるでしょう。
また、親世帯の土地に建てる場合、子世帯は建物部分のみの費用だけになるため、コストカットを期待できます。
メリット②:光熱費を安く抑えられる
光熱費を安く抑えられることも、二世帯住宅のメリットです。
光熱費の折半でもめる可能性はありますが、基本料金がひと家族分だけとなり、1世帯当たりの負担を半分にできます。
また世帯の人数が増えても、光熱費が大幅に上がるわけではないため、各世帯分をまとめることで、コストカットにつなげられるでしょう。
メリット③:安心感がある
二世帯住宅には、常に安心感があります。
いつも親が近くにいたり、大勢の人がいたりして、孤独を感じにくいです。
また、親にお金の心配や不安などをすぐに相談できるため、安心して生活できます。
メリット④:税金を抑えられる
二世帯住宅によって、相続税を抑えられることもメリットです。
相続する土地の課税評価額を最大で80%減らせる「小規模宅地の特例」を利用できる可能性があるためです。
親世帯と子世帯が別々に暮らしている場合は条件が厳しくなり、利用することが難しいですが、二世帯住宅の場合は同居しているため、「小規模宅地の特例」を利用しやすいでしょう。
メリット⑤:育児や家事などを協力し合える
親世帯と子世帯が協力し合って暮らせることも、二世帯住宅のメリットです。
日々の掃除や料理だけではなく、それぞれの世帯が育児・介護をサポートし合い、安心して暮らせます。
親世帯と子世帯が別々に暮らしている場合、親を近くで見守れません。
また、子どもの一人きりの時間が多くなってしまうリスクもあります。
二世帯住宅にすることで、介護・育児において大きなメリットを感じられるでしょう。
二世帯住宅にして後悔を減らすコツ
二世帯住宅にして後悔しないためには、以下のコツをおさえておきましょう。
- 間取りを工夫する
- 生活音の対策を検討する
- お金やルールについて話し合う
- 相続関連は兄弟姉妹にも相談しておく
- 優良な業者に依頼する
それぞれ順に解説します。
コツ①:間取りを工夫する
生活リズムの違いやプライバシー問題を解決するためには、二世帯住宅の間取りを工夫することが大切です。
二世帯住宅には、以下の3つの間取りがあり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
間取りの種類 |
メリット |
デメリット |
完全分離 |
共有スペースがなく、各世帯別々に暮らせる |
大きな家が必要であり、建築費用が高くなる |
完全同居 |
すべてを共有スペースにするため、狭い土地でも建てやすい |
生活をともにするため、ストレスを感じやすい |
一部共用 |
一部のみ共用スペースにする間取りで、各世帯の好みを反映させやすい |
完全分離よりもプライバシーの確保が難しく、完全同居よりもコストがかかる |
できるだけコストを抑えたい場合は、完全同居がおすすめですが、各世帯の暮らしの自由度を考えると、完全分離が向いているでしょう。
どの間取りにするのかは、ライフスタイルやコストを考えて決めることをおすすめします。
コツ②:生活音の対策を検討する
生活音に対して対策することも、二世帯住宅で後悔しないコツです。
各世帯で生活リズムが異なる場合、生活音が気になり、トラブルの元になってしまいます。
生活音を対策する際は、以下の方法を取り入れてみましょう。
- 寝室とリビング・子ども部屋を遠ざける設計にする
- 水回りを一ヶ所にまとめ、寝室の近くに配置しない
- 防音マットを敷いたり、床を二重にしたり防音対策を行う
それぞれの世帯が快適に暮らせるよう、生活音の対策を検討しましょう。
コツ③:お金やルールについて話し合う
二世帯住宅を建てる前に、お金やルールについて話し合うことも重要です。
お金に関しては、各種費用負担の割合やローンについて相談しましょう。
親世帯も子世帯も借入するのかなど、資金計画を立てなければ、スムーズに二世帯住宅を建てられません。
お金に関すること以外では、共用スペースのルールについても話し合っておきましょう。
お風呂の時間や掃除の担当者などを決めておくことで、快適な暮らしを実現しやすくなります。
コツ④:相続関連は兄弟姉妹にも相談しておく
相続トラブルを避けるためには、事前に兄弟姉妹と相談しておくことが重要です。
親が亡くなった後、家を売却するのか、それとも住み続けるのかなどを話し合っておけば、相続する段階になっても、余計なトラブルを減らせる可能性があります。
親の介護についても話し合っておけば、どのように介護をするのか役割分担を決められ、それぞれが自分らしく暮らせるでしょう。
コツ⑤:優良な業者に依頼する
二世帯住宅を建てる際は、優良業者に相談しましょう。
立地や家族構成、資金などによって、最適な間取りやプランは異なります。
優良な業者を見つけるためには、公式サイトで業者の実績を調べることがおすすめです。
また、業者が開催しているセミナーなどに参加すれば、手軽に情報収集できます。
二世帯住宅のデメリットを知り、トラブルを回避しよう
二世帯住宅には、共用スペースを気軽に使えなかったり、プライバシーが保てなかったりするものの、デメリットばかりではありません。
光熱費を安く抑えられたり、育児や家事などを協力し合えたりするメリットもあります。
二世帯住宅を立てる際は、優良業者に相談することで、最適なプランを提案してくれるでしょう。
二世帯住宅のメリット・デメリットを知って対策し、各世帯が楽しく暮らせるようにしませんか。
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