中古マンションを購入するときに、外部から見えない配管の傷みはどうなのか気になる方もいるのではないでしょうか。建物の老朽化の具合は見れば確認できますが、配管は外からは見えないため劣化状況はわかりません。
そこでこの記事では、マンション配管の不具合の確認方法や配管交換費用・誰が負担するのかなどについて解説します。
一般的な配管寿命は何年?
近年水道管の材質は向上しているため、耐用年数は通常約30〜40年とされています。特にステンレス鋼管やポリエチレン管の耐用年数は半永久的といわれますが、配管の繋手のパッキングは30年程度で補修しなければならないとされています。
したがって、30年程度が寿命で交換の時期と考えてよいでしょう。
どんな配管か確認しておこう
家庭の配管は、給水管・給湯管・排水管などの種類があります。どのような配管なのか下記にまとめてみましょう。
【配管の種類】
配管の種類 |
内容 |
給水管 |
公共の配水管から分岐して家庭に飲み水を供給する水道管 |
給湯管 |
給湯器から浴室・洗面所・キッチンなどにお湯を届ける管 |
排水管 |
各家庭の配水を下水道に流す管 |
よくある配管の不具合
耐用年数が過ぎた配管は、不具合が生じやすくなります。次のような症状が発生した場合は配管交換の時期といえます。
水が流れにくくなる
配管の損傷や劣化が進むと、水の流れは悪化し詰まりやすくなります。高圧洗浄などで一時的に水の流れが良くなっても、再び悪くなるような場合は配管の寿命といえるでしょう。そのまま放置しておくと水漏れで階下の人に迷惑をかける恐れがあります。配管交換の時期として捉え、交換した方がよいでしょう。
赤いサビが混じっている
金属製の配管を使用している場合は、配水管の腐食や劣化でサビてしまい、水が赤く濁ってしまうことがあります。一度サビてしまうと、内部が再びきれいになることはないため、早めの対応が必要です。
水に濁りがある
配管自体ではなくパッキングなどに問題があり、水が濁ってしまうこともあります。この場合は部分的な修繕で改善することもありますが、水漏れが治らない場合には配管が寿命の可能性があります。
水が漏れている
パッキングの緩みや配管の詰まり・腐食などで水漏れが発生することもあります。マンションの水漏れは、自宅の壁や床ばかりでなく階下の住宅にも損害を与える恐れがあります。水漏れで多額の費用が発生するばかりでなく、人間関係も悪化することもあるため、早めの対応が必要です。
配管の交換費用は誰が負担するの?
マンションの配管交換が必要になった場合、だれが負担するのでしょうか。負担箇所が専用部分か共用部分かによって負担者は異なってきます。
専用部分は自己責任
専有部分の配管交換費用は、原則所有者の自己負担です。配水管は共用部分と専用部分にまたがっていますが、専用部分の工事については所有者が負担しなければなりません。
なお配水管工事は大掛かりになることもあるため、共用部分の配管工事が行われるときに専用部分も合わせて行うとよいでしょう。共用部分だけ配管交換しても、専用部分の配管も老朽化していて、後日余分な費用が発生することもあります。
共用部分は管理組合
共用部分についての配管交換は、マンション管理組合の負担で行われます。一般的にマンションの大規模修繕を実施する際に、配管交換工事も同時に行われます。配管交換工事をすべき時期に行わないと、マンションのいくつかの場所で水漏れが発生することになるでしょう。そうなった場合には、マンションの価値を下落させるだけでなく、寿命も縮めることになりかねません。したがって配管交換工事は、大規模修繕計画にも基づき着実に行われる必要があります。
配管交換の費用目安
配管交換の費用目安は、一般的に30万円程度とされています。しかし配管交換するためには、床や壁を壊す大掛かりな工事になる可能性があります。その場合、内装工事を含めた工事費用は50万円~100万円が目安となるでしょう。
しかし水漏れが発生してから対応すると、修繕費だけでなく階下の方に大きな損害を与えるとも限りません。そのため定期的な点検や交換を行い、無駄な費用が掛からないようにしましょう。
なお、リフォームやリノベーションを行うときに、配管交換も同時に行えば、費用効率が良いだけでなく余分な手間も省けます。
修繕工事の依頼先
配管交換などの修繕を依頼する際には、知識と実績が豊富な信頼できる工事会社に依頼しましょう。十分な知識や実績がない工事店に依頼した場合、後で余分な出費が発生しないとも限りません。
水道局の指定工事店に工事を依頼すれば、資格試験や講習も受けているため、安心して工事を任せられます。水道局の指定工事店は、各地方自治体のホームページで確認できます。
配管の問題が少ないマンションの見分け方
外観がきれいなマンションだといっても、配管は外からは見られないため、問題があるかどうかはわかりません。そのため中古マンションは、次にあげるような点をチェックして購入しましょう。
築年数が浅いマンション
配管の寿命は通常30年といわれますので、築浅マンションであれば配管の不安は少ないでしょう。しかし配管は年月を経るにしたがって劣化していくため、将来にわたって安心が確保されているわけではありません。そのためすぐに買い替える予定のある場合は別として、今までマンションのメンテナンスがどのように行われてきたか、チェックすることは必要です。
きちんとした修繕履歴や修繕計画のあるマンション
中古マンションを購入する際には、きちんとした修繕履歴や修繕計画があるかチェックしましょう。修繕履歴があればどのようにマンションを管理してきたかということがわかり、きちんとした修繕計画があれば今後もマンションを管理していこうという意思が読み取れます。
また、大規模修繕のための積立金が十分にあり、滞納がないかチェックする必要があります。十分な額の積立金がないと、大規模修繕が行われる際には、負担金が増額されないとも限りません。
管理組合の議事録が適切に保管され、閲覧できることも大事です。管理組合の議事録には修繕についての記載がなされているのが一般的で、積立金や修繕についてのポイントを掴めます。
管理会社・管理組合がワークしているマンション
中古マンションを選ぶときに重要な点は、管理会社と管理組合がしっかり管理しているかどうかという点です。
管理会社は管理組合の委託を受けて、日常の設備点検などマンションの管理を行います。また管理組合は、区分マンションの所有者で構成され、マンション管理を行います。
したがって管理会社と管理組合により、マンションの管理が行き届いていれば、配管についても問題が起きる可能性は少ないといえるでしょう。
管理会社が良いかどうかは、マンションの掃除が行き届いているかどうかである程度分かります。また管理組合については長期修繕計画が立案されているか、修繕積立金が十分あるか、総会の議事録がきちんと記載されているかなどで把握できます
点検口があるマンション
点検口があれば、配管の状況を定期的に把握できます。そのため配管に問題がある場合には、点検口から直ちに確認し素早く対処できます。また点検口があるマンションならば、管理をしっかり行って長期にわたって住めるマンションを作ろうという意識も高いと推察できるでしょう。
マンションを購入する際は配管についてもチェックしよう
マンションの配管は外観からはわからないため、中古マンションを購入する際には管理が行き届いている物件を選ぶ必要があります。管理会社や管理組合がしっかりしていれば、定期点検も的確に行い、大規模修繕時には配管交換などの工事を着実に行ってくれるでしょう。その結果マンションのメンテナンスに余分な費用が掛かることも少なく、マンションの価値が大幅に下落することも少ないといってよいでしょう。
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