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マンションの売却は所有期間によって税金が高くなる?取得後3年以内のマンションで活用できる節税方法解説

2022.10.14
2023.02.20
家の形のキーホルダーが付いた鍵と電卓の画像
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証券外務員一種,2級ファイナンシャル・プランニング技能士
大里貫寛
慶應義塾大学卒業後、三菱東京UFJ銀行(現、三菱UFJ銀行)に新卒入社。主に法人営業担当として融資や様々な金融サービスを ...続きを読む

マンションを取得してから3年で売却する場合、税金がどのくらいかかるかご存じでしょうか。マンションの売却にかかる税金は、所有期間によって変わります。

本記事では、マンション売却にかかる税金について詳しくお伝えしていきます。所有期間や税金の利率についても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

マンションの売却にかかる譲渡所得税とは?

マンションを売って得た利益のことを譲渡所得といいます。譲渡所得税とは、この譲渡所得にかかる住民税と所得税、復興特別所得税のことです。

 

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証券外務員一種,2級ファイナンシャル・プランニング技能士
大里貫寛
復興所得税は2037年までが対象です
復興特別所得税とは、2037年まで譲渡所得税に加わることが定められている、東日本大震災の復興のために使われる税金のことです。
所有年数に関わらず、所得税に2.1%の税率をかけて計算します。
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所有期間によって譲渡所得税税率は変わる?

カレンダーの画像

マンションの所有期間が5年以下の場合は短期譲渡5年超の場合は長期譲渡となり、譲渡所得税にかかる税率が変わります。

それぞれ詳しくみていきましょう。

 

短期譲渡所得

マンションの所有年数が5年以下の場合は、短期譲渡所得となります。

税率は、住民税が9%、所得税が30%、復興特別所得税が0.63%となり、合計で39.63%の税率がかかります。

 

長期譲渡所得

マンションの所有年数が5年超の場合は、長期譲渡所得となります。

税率は、住民税が5%、所得税が15%、復興特別所得税が0.315%となり、合計で20.315%の税率がかかります。

 

譲渡所得税の計算方法と例

電卓を叩く手と家の模型の画像

マンション売却にかかる譲渡所得税は、どのように計算するのでしょうか。

こちらでは、計算方法と計算例をお伝えしていきます。

 

計算方法

譲渡所得税は、以下の計算式で算出できます。

譲渡所得税=譲渡所得✕税率

税率は、短期譲渡所得の場合は39.63%、長期譲渡所得の場合は20.315%となります。

 

このうちの譲渡所得は以下の計算式で算出します。

譲渡所得=譲渡収入金額-(取得費+譲渡費用)

 

計算例

譲渡収入金額が4,000万円、取得費3,000万円、譲渡費用100万円の場合を例に、譲渡所得と譲渡所得税を計算していきます。

まずは譲渡所得ですが、

譲渡収入金額4,000万円-(取得費3,000万円+譲渡費用100万円)=900万円

となるので、譲渡所得は900万円となります。

 

次は、譲渡所得税について計算していきます。

譲渡所得税は、短期譲渡と長期譲渡で税率が変わるので、まずは短期譲渡所得の場合について計算していきます。

譲渡所得900万円✕短期譲渡所得の税率39.63%=356.67 

つまり、356万6700円が譲渡所得税となります。

 

長期譲渡所得の場合は、

譲渡取得900万円✕長期譲渡所得の税率20.315%=182.835 

100円以下は切り捨てとなるので、182万8300円が譲渡所得税となります。

 

短期譲渡の場合に利用できる節税とは?

「TAX」と書かれた模型と電卓を押す手の画像

マンションの所有期間が5年以下の短期譲渡の場合、譲渡所得税が適用され税率が高くなりますが、譲渡所得税には利用できる節税方法があります。

こちらでは、マンション売却で利用できる節税について2つお伝えしていきます。

 

3,000万円の特別控除

3,000万円の特別控除とは、居住用財産を売却した際に利用できる特例で、所有期間の長短にかかわらず譲渡所得から最高3,000万円まで控除できるというものです。

3,000万円の特別控除を利用すると、譲渡所得税は以下の計算で求めることができます。

 

譲渡所得税=(譲渡所得-3,000万円)✕税率

 

つまり、この特例を利用すると、譲渡所得が3,000万円以下の場合は譲渡所得税がかからないということになります。

 

マイホーム買い替え特例

マイホーム買い替え特例とは、所有期間が10年を超える物件を売却し新しく住居を購入した際に、売却価格よりも購入費用が高いときに利用できる特例で、売却時の譲渡所得税を先送りできるというものです。

ただし、先送りした譲渡所得税は、新居を売却する際に支払う必要があります。

 

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証券外務員一種,2級ファイナンシャル・プランニング技能士
大里貫寛
適用条件を確認しておきましょう
マイホーム買い替え特例は、10年以上居住していることや、居住しなくなってから3年以内に売却することなど適用条件が定められています。また、3,000万円の特別控除など、ほかの特例と併用できないので注意しましょう。
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相続の場合は3年以内に売却するべき?

相続した不動産を売却した場合も譲渡取得税はかかりますが、相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに売却すると「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」を利用することができます。

「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」とは、相続税のうちの一定額を不動産の取得費とすることができるという特例のことです。譲渡取得は売却金額から取得費と譲渡費用を差し引くことで算出するため、取得費が増えることにより、譲渡取得は少なくなり、支払う税金を抑えることができます。

相続税の申告期限は、相続の開始のあった日の翌日から10か月以内と定められているので、相続から3年10か月以内に売却すると節税ができるということになります。

 

相続空き家の3,000万円特別控除の適用条件とは?

チェックマークの付いた模型が積み上がっている画像

相続空き家の3,000万円特別控除とは、相続により空き家を引き継いだ際、売却で得た譲渡所得から最高3,000万円を控除できるというものです。

相続空き家の3,000万円特別控除を受けるには、以下の要件を満たす必要があるのでチェックしてみてください。

 

  • 建物だけではなく土地も相続していること
  • 相続の開始から3年後の年末までに売却していること
  • 被相続人が亡くなるまで居住していたこと
  • 1981年5月31日以前に建築された建物であること
  • 耐震性が認められる建物、または建物を解体して土地だけを売却していること
  • 区分所有建物(マンション)ではないこと
  • 相続から売却するまで居住や事業用に使われていないこと
  • 同じ被相続人からの相続でこの特例を受けていないこと
  • 売却した物件に対して他の特例を受けていないこと
  • 売却金額が1億円以下であること
  • 配偶者や親子、直系血族などに対しての売却ではないこと

 

マンションの売却はタイミングが重要

マンションの売却にかかる税金は、所有年数によって異なります。また、節税する方法も多数ありますが、こちらも所有年数に制限があるので注意が必要です。

節税を考えると、マンションの所有年数は非常に重要です。どの節税方法を利用するのがいいのかを考えたうえで、売却のタイミングを決めてみて下さい。

 

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