家を買う際、多くの方が利用する住宅ローン。住宅ローンを組む際には、頭金を支払うことが多いですが、必ずしも頭金が必要なのでしょうか?頭金なしでも購入する場合のメリット・デメリット、支払額のシミュレーション例を解説します。さらに、注意すべき点を3つご紹介します!
頭金とは?
頭金とは、住宅販売価格からローン借入額を引いて残った金額のことで、売買契約から引き渡しまでの間に支払います。頭金を用意することで、住宅ローンの借入額が変わってきます。
ちなみに、住宅購入には住宅価格以外にも登記費用や手数料などさまざまな費用が必要になりますが、これらは頭金には含まれません。
頭金なしで購入することは可能?
では、家を購入する際に、頭金が用意できない場合はどうなるのでしょうか?
住宅価格全額をローンにする「フルローン」で購入することも可能です。
頭金なしだとどうなる?
頭金がなくても審査が通れば、住宅価格の全額を銀行から借り入れることもできるため、頭金がなくても家を購入をすることはできます。
ただし、銀行側の審査は頭金がある場合に比べ、なしの場合の方が厳しくなる傾向にあります。
また、頭金がない場合は住宅ローンの借入額が増えて、総返済額は増えてしまいます。
今後、ローンの月々の返済額が増えるということなので返済計画をしっかり立てる必要があります。
頭金なしで家を購入するメリットは4つある
頭金なしで家を購入すると、どんなメリットがあるのでしょうか?
- 低金利や優遇措置が高い場合がある
- 毎月の返済額を低くできる場合がある
- 快適な新居に早く住める
- 貯蓄を残しておける
返済を早く始めることで毎月の支出を抑えることができたり、いざというときのために貯蓄を残すことができます。
①低金利や優遇措置が高い場合がある
住宅をローンで家を購入することで、住宅ローン控除の制度を利用することができます。頭金なしで家を購入する場合は借入額が多くなるため、この住宅ローン控除を最大限利用することができることがあります。
ローンの利息が増える金額分と控除される金額分が上回るのかどうかで比較して考えてみましょう。
②毎月の返済額を低くできる場合がある
ローンは借入する年齢が早ければ早いほど、長期住宅ローンを組めるため、毎月の返済額は低くすることができます。
頭金を今から貯める場合は、頭金なしでもローンを早く返済しはじめる方がトータルで安く済むことができる場合もあるので、現在の家賃や頭金を貯められるまでの期間などをシュミレーションして考えてみましょう。
③快適な新居に早く住むことができる
快適な新居に早く住むことができることもメリットに挙げられます。
④貯蓄を残しておける
もし今賃貸に住んでいて、頭金をこれから貯める場合には、家賃を払いながら貯めることになりますが、即購入に踏み切れば家賃負担の分が無くなります。
また、高額な頭金を支払って、備えてあった貯蓄がなくなってしまうと、万が一何か起こったときに対応することができません。
急に病気になったり、子どもが出来たなどに備えて、ある程度の貯蓄は必要な場合があります。
こういった時に現在の貯蓄を頭金に回さずに置いておけるのはメリットと言えるでしょう。
頭金なしで家を購入するデメリットは4つある
頭金なしで家を買うときのメリットを見てきましたが、ではデメリットはどんな点があるのでしょうか?
- 利息分が高くなるので総支払額が増える
- ローンの審査が厳しくなる
- 金利が上昇する場合があり返済額が高くなることがある
- 家を売った時にローンが残ることがある
頭金がない場合、最終的な支払額で見ると支払額が増えたり、金利が高くなったりします。
頭金なしはメリットもありますが、デメリットになることもしっかり理解しておくことが必要です。
①利息が高くなるのでローンの総支払額が高くなる
頭金なしで購入する場合、頭金がある場合に比べて借入額が多くなります。
そのため元本が増えるため、その分利息が高くなってしまうので、結果的に支払う総金額が高くなるのです。
②住宅ローンの審査に通らないことがある
頭金なしの場合、ローンの審査基準が少し厳しくなるので審査に通らないことがあります。
なぜ厳しくなるのかというと、頭金がないとローンの返済額が高くなり返済できない可能性も出てくるからです。
銀行側はローンの返済ができなくなって貸し倒れされないために、契約者がローン返済できるかどうかを厳しく見られます。
③金利の上昇によって返済額が高くなってしまうことがある
金利は変動するため、ローン開始時よりも金利が上がってしまうことがあります。
その場合、返済額が高くなってしまうので金利が上昇してしまった時のことも考えておく必要があります。
④家を売却してからもローンを払い続けなければいけない可能性がある
ローン返済途中で返済が難しくなり、自宅を売却しなければいけない場合があります。
このような場合、自宅の売却価格だけではローンの返済を終えることができないでしょう。したがって、ローン残額を払い続けなくてはいけない状況に陥ってしまいます。
貯金0円でもマンションを購入する方法
多くの方がマンションを購入するときに住宅ローンを利用します。銀行の審査が通れば頭金がなくても購入することができます。
ただし、ここで重要なのは頭金が0円なのか、貯金が0円なのかどうかです。頭金はなくてもローンに含めることができますが、貯金が0円の場合はさまざまなリスクがあります。
まず貯金が0円の場合はローンの審査がより通りにくくなります。年収が多い、勤務先が大手企業などでない場合以外は、さらに審査が通りにくいです。また売買契約をする際に手付金として購入金額の5〜10%を支払う必要があり、最初にある程度まとまったお金が必要になります。
この2つを乗り越えられれば貯金が0円でもマンションを購入することはできますが、その後の生活なども考えて購入しましょう。
頭金なしで購入した場合/頭金ありで購入した場合
では、頭金がある場合とない場合でどれくらいの差額があるのかシュミレーションしたのでご紹介します。
頭金なし |
頭金あり |
|
物件価格 |
30,000,000円 |
30,000,000円 |
頭金 |
0円 |
3,000,000円 |
借入額 |
30,000,000円 |
27,000,000円 |
金利 |
1.56% |
1.3% |
返済期間 |
35年 |
35年 |
返済方法 |
元利均等返済方式 |
|
ローン返済総額 |
38,950,427円 |
33,620,837円 |
総支払額の差額 |
2,329,590円 |
|
毎月の返済額 |
92,739円 |
80,050円 |
参照:住宅保証機構株式会社 住宅ローンシュミレーション 、フラット35 借入金利水準
このように比較してみると頭金を300万円用意して住宅を購入すると、頭金がない場合より230万円支払額が少なくなります。
最初にまとまったお金を用意するのか、月々の返済が1万円ほど高くなっても35年払い続けるのか、返済計画をしっかり確認して自分たちにあったプランを選びましょう。
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頭金なしのマンションを購入する際の3つの注意点
頭金なしでマンションを購入する際には、リスクもあることを理解してから購入するようにしましょう。
- 返済額が大きくなるので返済計画を確認する
- 頭金がなくても、手数料は払えるようにしておく
- 金利が高くなる場合がある
上記3つの注意点を詳しく解説していきます。
①返済額が大きくなるので返済計画を確認する
借入額が多くなると月々の返済金額も増えてきます。ローンは毎月払っていくものなので、家計が圧迫しないかどうか、しっかりと返済計画を確認しましょう。
②頭金がなくても、手数料は払えるようにしておく
頭金が用意できなくても、物件購入の際に必要になる手数料は払えるようにしておきます。
物件の価格以外に必要になる手数料とは、各種手数料や印紙代や登記費用などのことです。これらの手数料(諸費用)はマンションの購入価格の3〜6%に値します。
③金利が高くなる場合がある
金融機関やローンの種類によっては、物件の価格と頭金によって借入金利が変わることがあります。
そのため金利が変わると利息分が高くなり、ローンの金額が高くなってしまうことがあり、総返済額が増える場合があります。
ただし、メリットでお伝えしたようにローンの控除を受けることもできるので総合的に見て確認しましょう。
具体的な返済計画を
頭金なしでも銀行の審査が通れば、ローンを組んでマンションを購入することは可能です。
また、頭金がなく今から準備すると時間もかかり現在の住まいの家賃もかかってしまいます。その間に頭金なしでマンションを購入するほうが安くなる場合もあります。
ただし、頭金なしで購入すると月々の返済額が多くなります。自分達のライフイベントも考えて家計に負担がなく、返済していくことが可能かどうか具体的に返済計画を立て、判断することが大切です。
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