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高気密・高断熱住宅にするメリットやデメリットは?

2022.10.27
2022.10.27

さまざまな環境変化に対応しやすいように設計された高断熱住宅。他の住宅と比べて費用が高いという一面はありますが、多くのメリットがあります。

本記事では、高断熱住宅にどのようなメリット・デメリットがあるのか詳しく解説をしていきます。ぜひ参考にしてください。

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高気密・高断熱住宅ってどのような住宅?

温かみのある雰囲気の家

高気密・高断熱住宅は温度変化による影響を受けにくく、一年中快適に過ごしやすい住宅です。高気密と高断熱はそれぞれ言葉が異なり、下記のような意味を指します。

高気密:外部と家の中の隙間がほとんどなく、空気を逃がしにくい

高断熱:家の壁に、専門の建材を入れて外気からの影響を受けにくい

外からの冷気や熱気による影響を受けないとともに、家の中の空気を外に逃がさないことから、一年中Tシャツ一枚でも快適に過ごせます。

北海道や東北地方など寒い地域に採用されていることが多く、過ごしやすい住宅を選びたいと考えている人におすすめの住宅になります。

 

高気密・高断熱の基準とは

木ブロックのクエスチョン

高気密と高断熱どちらにも基準値が存在しますが、明確な数値による基準は存在しませんしかし、それぞれの基準値や数値の見方を知っておくことによって、マイホームを建てる際や物件を購入する際の参考にできます。

気密性能と断熱性能の数値について紹介していくので、高気密・高断熱住宅が気になる人は覚えておきましょう。

 

気密性能の数値

気密性能に関する数値は「C値」で表されます。延べ床面積1㎡に対して何㎠隙間があるかを表した数値となり「相当隙間面積」と呼ばれる場合もあります。

当然、延床面積に対して隙間が少ないほど気密性に優れており、寒冷地でC値2.0㎠/㎡以下が好ましいと考えられています。

寒冷地以外の場所では、C値5.0㎠/㎡以下が理想的であると考えられていますが、住み方や感じ方は人によって異なるため、一つの目安として考えましょう。

 

断熱性能の数値

断熱性能は「Ua値」で表されます。国土交通省の2013年度次世代省エネ基準として注目されています。

具体的には、外の気温と室内の温度差が1度あるとき、家全体で外皮1㎡あたりどれくらい熱が逃げるかに対する数値です。

一般的な地域の住宅はUa値0.6Wが目安とされており、0.6W以下を超える住宅は断熱性能に優れている住宅になります。

 

高気密・高断熱住宅のメリット

メリットとデメリット

高気密・高断熱住宅は一年中快適に過ごしたいと考えている人におすすめの住宅ですが、大きなメリットとしては下記の6つがあげられます。

 

  • 気温の変化を受けにくく、快適に過ごしやすい
  • 冷暖房費の節約ができる
  • 結露ができにくい
  • 洗濯物が乾きやすい
  • 防音効果が高い
  • 常にきれいな空気を取り込める

 

それぞれのメリットについて解説をしていきますので、高気密・高断熱住宅が気になっている人は参考にしてみてください。

 

気温の変化を受けにくく、快適に過ごしやすい

高気密・高断熱住宅の最大のメリットはやはり外の気温の影響を受けにくいため、寒い冬の時期や暑い夏の時期でも快適に過ごすことができるという点です。

温度変化が激しい地域だとどうしても気温に合わせて体調を整える必要があり、季節の変わり目などは体調を崩してしまう人も少なくありません。

しかし、高気密・高断熱住宅であれば外からの影響を受けないため、家の中で過ごしていると体調が大きく崩れてしまうという状態を防ぎやすいです。

もちろん体調を崩してしまう点は他にもさまざまな要因がありますが、家にいる際の気温の変化によって体調が崩れてしまう心配は解消されます。

 

冷暖房費の節約ができる

冷暖房機を長時間付けたり、温度を大きく設定しなくても少量のエネルギーで快適な状況を作れるため、必然的に冷暖房費の節約が可能です。

他の住宅と比べて気温による影響を受けないため、エアコンをはじめとした冷房や暖房を長時間付けておく必要がありません。

高気密・高断熱住宅にするには、大きな費用がかかりますが、毎年の冷暖房費をしっかりと下げていくことができるため、初期投資ができる人は高気密・高断熱住宅がおすすめです。

 

結露ができにくい

高気密・高断熱住宅の場合は外からの空気を室内に取り込まないとともに、外に対しても室内の温度が伝わりにくい状態となっているため、結露ができにくいです。

冬や夏は冷暖房機を使用してしまうため、どうしても外と室内での温度差が生まれやすく、冬などは結露が生まれやすくなります。

しかし、高気密・高断熱住宅の場合は結露対策が必要なく、結露を放置してカビが発生してしまう状態を作らないため、日頃の手入れを少なくすることも可能です。

 

洗濯物が乾きやすい

部屋の中が常に一定の温度で保たれているため、洗濯物が乾きやすい点もメリットとしてあげられます。

夏場は外に干すことによってすぐに洗濯物が乾きますが、冬はどうしても気温が低いため、洗濯物があまり乾きにくいです。

高気密・高断熱住宅であれば外の低い温度の影響を受けず、洗濯物が乾きやすい環境の下で干しておくことができるため、洗濯物が多い家庭にもおすすめになります。

 

防音効果が高い

高気密・高断熱住宅は他の住宅と比べても隙間が少ない住宅になるため、遮音性に優れている点も魅力です。

遮音性に優れているため、子供の足音や、電車・車による騒音を感じずに過ごすことができます。

周りの環境のことを気にせずに過ごせるという点からも高気密・高断熱住宅に住むのはメリットが大きいといっても過言ではありません。

 

常にきれいな空気を取り込める

高気密・高断熱住宅は「24時間換気システム」設置が義務化されました。24時間換気システムは吸気口があり、窓を開けていなくても排気口から空気が出ていく仕組みです。

24時間常に空気の循環が行われている状態になるため、綺麗な空気の中で過ごすことができます。

 

高気密・高断熱住宅のデメリット

黒板に書くメリットとデメリット

多くのメリットがある高気密・高断熱住宅ですが、デメリットもあるため、しっかりと把握しておく必要があります。

 

  • 初期費用がかかりやすい
  • 石油暖房機が使えない
  • 家全体の工事を検討する必要がある
  • 内部結露が起こる可能性があり

 

それぞれのデメリットについて解説をしていきますので、メリットと合わせて把握しておきましょう。

 

初期費用がかかりやすい

他の住宅と比べて高気密・高断熱住宅は緻密な設計や専門的な建材・作業が必要になるため、どうしても費用がかかってしまいます。

一度初期費用がかかってしまいますが、初期費用を支払うことができた後は、毎月の冷暖房費などを抑えることが可能になるため、できるのであれば初期費用を用意しておきましょう。

 

石油暖房機が使えない

高気密・高断熱住宅は24時間換気システムが導入されていますが、石油暖房機を使うと室内での空気の循環が難しくなるため、使用は避ける必要があります。

実際に窓を開けて使用するという方法もありますが、窓を開けるのを忘れてしまうと一酸化炭素中毒を引き起こすおそれがあるため、石油暖房機を使用する場合は細心の注意を払うのが必要です。

 

家全体の工事を検討する必要がある

一部の工事は難しく、家全体を高気密・高断熱住宅専用設計にしていく必要があります。一部にしてしまうとその部分が空気の逃げ道になってしまい、高気密・高断熱の意味が薄れてしまいやすいです。

そのため、高気密・高断熱住宅にしたいと考えている場合は家全体を工事することを念頭に置いておきましょう。

 

内部結露が起こる可能性があり

高気密・高断熱住宅は隙間が少ないため、外に空気が逃げにくいですが、室内の暖かい空気が断熱材の内部に侵入してしまい、結露ができてしまう可能性があります。

内部結露が起きないように、通気層を確保しながら状況に合わせた施工を行うことが重要です。

 

高気密・高断熱住宅の注意点

黒板に書かれたチェックポイント

多くの魅力がある高気密・高断熱住宅ですが、デメリットとともに、注意点も把握しておく必要があります。

 

  • 換気に気を付ける
  • 気密測定を行ってくれるメーカーにする
  • 複数のメーカーに見積もりを依頼する

 

それぞれの注意点について詳しく解説をしていきますので、高気密・高断熱住宅が気になる人は注意点もチェックしておきましょう。

 

換気に気を付ける

高気密・高断熱住宅は前述でも触れているように、24時間換気システムを設置する必要がありますが、長時間住み続けていると24時間換気システムが故障する場合があります。

故障した状態で放置をしてしまうと、空気が汚染された状態で過ごすことになり、体調に悪影響が出やすいです。

通気性が悪い状態で過ごさないためにも、24時間換気システムが正常に動作しているかも確認していく必要があります。

 

気密測定を行ってくれるメーカーにする

断熱性は断熱材の種類・壁の厚さで数値化できるものの、気密性に関しては業者が保有している専門の機械を使わなければ測定できません

気密性をあまり詳しく紹介してくれないメーカーも出てきているため、なるべく気密測定をしっかりと行ってくれるメーカーに依頼をかけるようにしましょう。

 

複数のメーカーに見積もりを依頼する

高気密・高断熱住宅は他の住宅とは異なり、専門の建材や技術が必要になるため、メーカーによって価格が大きく変わります。

安すぎる場合は気密性や断熱性がやや心許ない状態になっているケースも多いため、しっかりと断熱性や気密性がどのような数値なのか確認するのが好ましいです。

なるべく複数のメーカーで見積もりを取り、どこが自分にあっているのか決めるようにしましょう。

 

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高気密・高断熱住宅で失敗しやすいポイント

人差し指を出すビジネスマン

高気密・高断熱住宅で失敗しやすいポイントは下記の3つです。

 

  • 窓が小さい
  • 目的を見失う
  • 寝室の窓を大きく設計する

 

それぞれの失敗しやすいポイントについて解説をしていきますので、参考にしてみてください。

 

窓が小さい

高気密・高断熱住宅は24時間換気システムが作動しているため、基本的に窓を開けるという習慣が少なくなります。

そのため、窓が小さくても良いというイメージを持つ人も多いのですが、窓を小さくしてしまうと外からの光があまり入らず、暗い印象になってしまうケースが多いです。

光が差し込む明るい雰囲気にするためにも、窓の大きさは小さくなりすぎないように気を付けましょう。

 

目的を見失う

高気密・高断熱住宅は外部の影響を受けず、快適に過ごしやすい住宅になりますが、ついつい気密性や断熱性を追求して、完璧な住宅にしようと考える人も少なくありません。

しかし、気密性や断熱性を追求した状態は専門の技術や建材が必要になるため、当然価格が跳ね上がってしまいます。

気密性や断熱性も数値で確認はできるものの、それ以上行っても効果が感じられにくいというラインも存在するため、コスト面と効果のバランスが取れた住宅づくりを意識しましょう

 

寝室の窓を大きく設計する

部屋の中でも寝室の窓を大きく設計する人も多いですが、寝室の窓を大きくしてしまうと睡眠に悪影響が出やすいです。

冬の時期は窓の近くで「コールドドラフト現象」が起きます。コールドドラフト現象とは、窓周辺の空気が冷やされ、冷えた空気がそのまま窓の下に広がって内部に侵入するという状況になります。

高気密であればあまり影響は少ないですが、それでも影響が出るケースもあるため、寝室の窓は大きすぎないサイズにしましょう

 

後悔しないように高気密・高断熱住宅を建てよう

高気密・高断熱住宅は一般的な住宅と比べても優れており、一年中快適に過ごせるという点が最大の魅力です。

しかし、高気密・高断熱住宅にもメリット・デメリットがある上に、注意点があるため、建設を考えている場合はしっかりと良し悪しを把握しておくことが大切になります。

 

■個別相談

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