リノベーションとリフォームの違いは、わかっているようで実際よく知らない人が多いのではないでしょうか。
意味が似ているため混同してしまいますが、ここでは事例付きで違いを解説します。
メリットとデメリットについても紹介しているので、検討している方やどちらにしようか迷っている方も、ぜひ参考にしてくださいね。
「リノベーション」とは?
まずは、リノベーションについて例を挙げながらご紹介します。
リノベーションとは、新築や中古は関係なく、すでに建てられた建物に対して、より住みやすくなるように新たな価値や機能を付け加えることです。英語のrenovationには、改装・刷新・革新という意味があります。
例えば、部屋の間取りを変更したり、壁や床材の変更などがリノベーションに当たります。自由度が非常に高く、自分好みの住宅にデザインすることができますよ!
「リフォーム」とは?
次に、リフォームについて例を挙げながらご紹介します。
リフォームとは、建物の古くなった箇所に対して、部分的に修繕・改良することです。英語のreformは、改正する・改善するという意味があります。
例えば、トイレやバスルームを最新式に取り替えたり、壁紙の張り替えなどがリフォームに当たります。住んでいて気になる部分を、ピンポイントで変えることができますよ!
「リノベーション」と「リフォーム」の違いは?
言葉の違いについてはおわかりいただけましたか?
ここからは、実際の工事規模や住まいの機能性についての違いをご紹介します。どちらにしようか迷っている方は、それぞれの良さについて規模と機能の面で解説してるので、参考にしてみてください!
工事の規模について
工事の規模は、リノベーションの方が大規模なものになります。リノベーションは住宅を包括的に工事するため、時間もお金もかかります。しかし、設計から携われるので、ライフスタイルに合わせた理想の住空間を作ることができます。
一方リフォームは部分的な工事のため、リノベーションに比べて短い時間で費用を抑えつつ、快適に暮らすための設備を整えることができます。
そのため、理想の住まい作りが最優先の方にはリノベーション、時間や手間を抑えつつ、今よりも快適な暮らしをしたい方にはリフォームがおすすめです。
住まいの機能性について
住まいの機能性は、どちらも現状より良くなるという意味では共通しています。
リノベーションは、現状のものをまったく別のものに変更するため、住宅に新しい機能性をつけることができます。
一方リフォームは、現状のものを新しいものに交換するため、新築の状態に機能性を回復させることができます。
つまり、リノベーションは機能性を+α、リフォームは機能性をマイナスからゼロに戻すこと、といえるでしょう。
「リノベーション」のメリット
ここからはリノベーションのメリットを3つご紹介します。住まいはリノベーションによって、あなた好みに生まれ変わることができますよ。
また、費用や資産価値の面でもメリットが大きいので、住空間作り以外にも魅力がたっぷりです。
①新築を1から作るよりも費用を抑えられる
自由な設計が可能でありながら、土地代や基礎工事などが不要なため、注文住宅に比べて費用を抑えることができます。
また、固定資産税も新築の方が多くかかってくる可能性が高いです。
もしリノベーションを最初から考えている場合は、築年数が経った中古物件を購入することで、より低コストで理想の住まいを作ることができますよ。
②資産価値が下がりにくい
資産価値は、築年数と物件へのニーズで決められます。築年数が経つと資産価値は下がっていきますが、リノベーションを施すことで、デザイン性や機能性の向上がニーズにつながり、同じ築年数の物件に比べて資産価値は高くなります。
また、資産価値は一定期間を過ぎると減少率が小さくなります。そのため中古物件をリノベーションすれば、購入時から売却時までの資産価値はより下がりにくいです。
自分の理想の住まいを、高い価値で次の世代に残していけるのは魅力的ですね!
「家族が増えて部屋が必要になった」「リモートワークが進み仕事のための作業スペースが必要になった」など、変わりゆくライフスタイルに対応することができます!
また、実際に住んでみて感じた不満点も解決できるのが魅力です。住宅の周辺環境は気に入っているけれど、住環境を変えたい方にリノベーションはおすすめです! >>プロフィールはこちら
「リノベーション」のデメリット
魅力的なメリットがたくさんあるリノベーションですが、デメリットもあります。
ここではそのデメリットについても解説するので、理解を高め、リノベーションの際に失敗しないようにしましょう。対策もご紹介してるので、ぜひ参考にしてください。
①すぐに住むことができない
大規模なデザイン変更が可能な一方で、設計から施工までの工事期間が長いです。そのため、施工が始まるとしばらくそこに住むことはできません。
対策として、事前に仮住まいの場所を見つけておくことをおすすめします。リノベーション費用に加えて仮住まいの家賃もかかってくるので、予算を組むときは忘れずに考慮してくださいね。
②リフォームに比べて費用がかかる
部分的に修繕していくリフォームに比べ、部屋全体を変更していくリノベーションは費用も手間もかかります。しかし長い目で考えると、部分ごとに行うリフォームの総額よりも、1回のリノベーションの方が費用が抑えられる可能性もあります。
この記事の後半には、リノベーションとリフォームそれぞれの費用目安をまとめています。そちらを参考にしながら、ご自身の環境と相談して、どちらの方がお得か検討してみてくださいね。
③解体してから問題点がみつかることがある
表面上では問題なかったことも、実際に解体してみると基礎部分の劣化や耐震性の問題が明らかになる場合があります。設計通りに進められなかったり、追加の工事費用がかかることもあるので、事前に施工会社とリスクについての話し合いをしておくなど、対策が必要になります。物件購入時の資料を用意したり、過去のリノベーション事例や施工会社の保証などを見ておくとよいかもしれません。
「リフォーム」のメリット
ここからはリフォームのメリットを3つご紹介します。
リノベーションに比べて工事の規模が小さいため、日々の生活を邪魔せずに、住まいを快適にすることができますよ。費用面のメリットも大きいので、負担を減らしつつ今よりも快適に暮らしたい方は必見です。
①費用が抑えられる
リフォームは部分的に手を加えていくため、リノベーションに比べて費用がかなり抑えられます。
また、セルフで行える箇所も多いので、その場合は人件費や設計費が削減でき、材料費のみでリフォームすることができます。
少ない費用で現状の不満を解決することができるので、比較的簡単に生活の質を向上させることができますよ。
②部分ごとに改善できる
部分ごとに改善することができるので、今の住まいの思い出や雰囲気を残すことができます。
また、気になる部分をピンポイントで変えることができるのも魅力です。今よりも快適に暮らしたいけれど、住まい全体は気に入っているという方には、リフォームをおすすめします。
③仮住まいをする必要がない
リノベーションと比べて工事の規模が小さく、住まいの一部のみの工事になるので、通常の暮らしを続けることができます。そのため、仮住まいを用意する必要がなく、その分の手間と費用も抑えることができますよ。内容によっては数時間で終わるため、早急に修繕したいと考えている方に特におすすめします。
「リフォーム」のデメリット
魅力的なメリットがたくさんあるリフォームですが、デメリットもあります。ここではそのデメリットについても解説するので、理解を高め、リフォームの際に失敗しないようにしましょう。対策もご紹介してるので、ぜひ参考にしてください。
①家全体との調和が取れなくなる可能性も
部分的に新しいものへ変更するため、もともとの設備や空間に対してリフォーム箇所が浮いてしまう可能性があります。せっかく思い入れのある住まいの雰囲気を残せるリフォームを選んだのに、周囲と馴染まないために住まい全体が気になってしまったら、もったいないですよね。そうならないためにも、事前にデザインを確認しシミュレーションすることをおすすめします。業者を介したり、アプリを使用することで、リスクを軽減することができます。
②総費用が高くなることがある
気になる部分をピンポイントで変えられることがリフォームの魅力ですが、リフォーム箇所が増えると、結果として総費用が高くなることがあります。今後その住まいにどれくらい居住する予定なのか、ほかに修繕する箇所はないかなどを確認し、リフォームかリノベーションどちらがお得なのか検討してみてください。
「リノベーション」と「リフォーム」の費用相場を比較してみました
それぞれの部分的な工事と全体的な工事の費用をご紹介します。施工会社や材質によって異なってきますが、リノベーションやリフォームを検討する際の目安にしてみてください。
部分的な工事の場合
「リノベーション」の場所別の費用相場
場所 |
費用 |
間取りの変更 |
5~35万円 |
キッチン |
30~200万円 |
バスルーム |
50~150万円 |
洗面所 |
10~50万円 |
トイレ |
15~50万円 |
壁掛けクローゼットの増設 |
20~50万円 |
ウォークインクローゼットへの変更 |
20~80万円 |
耐震工事 |
25~200万円 |
断熱工事 |
20~120万円 |
「リフォーム」の場所別の費用相場
場所 |
費用 |
外装 |
~150万円 |
壁紙 |
5~10万円 |
床の張り替え |
~10万円 |
キッチン |
50~100万円 |
バスルーム |
60~120万円 |
洗面所 |
10~25万円 |
トイレ |
15~30万円 |
リビング |
50~150万円 |
それぞれの費用の目安は以上の通りです。場所や内容によって費用は異なってきます。また、セルフで行うか業者に頼むかによっても費用は大きく異なります。
メリット・デメリットだけでなく、予算と相談して、リノベーションにするかリフォームにするか決めるのも1つの案です。
全面的な工事の場合
リノベーション |
リフォーム |
10~15万円(1㎡あたり) |
3~24万円(1㎡あたり) |
住まいをフルリノベーションする場合、1㎡あたり10~15万円が目安と言われています。60~70㎡のマンションをリノベーションしようとすると、600~1000万円ほどの費用がかかると考えられます。また、仮住まいが必要となる場合、その費用もさらに必要になります。
一方、リフォームは部分的に行うことが多いですが、フルリフォームをすることもできます。その場合、1㎡あたり3~24万円が目安と言われていて、60~70㎡のマンションをリノベーションしようとすると、180~1680万円ほどの費用がかかると考えられます。
リノベーション事例
ここからは、実際のリノベーション事例を5つご紹介します。大幅な間取りの変更が可能なリノベーションは、部屋の雰囲気がかなり変わっています!
事例①快適なリビングダイニングキッチンへ
Before
After
リビングの扉の位置をずらし、キッチンがリビングから見えないように変更しています。また和室を洋室へリノベーションしています。
事例②開放感あふれるリビングダイニングキッチンへ
Before
After
玄関からリビングへの壁を撤去し、キッチンからリビングが見渡せるようになりました。壁がなくなったことで、閉塞感も軽減されています。
事例③快適なリビングダイニングキッチンへ
Before
After
障子で仕切られていた部分に壁を作ることで、部屋の数を増やしています。また、キッチンの位置を変更し、新たに収納を作っています。
事例④壁を無くして広々リビングダイニングに
Before
After
壁を無くし、もともと2部屋だった部屋を1つにすることで、2つの窓から光が差し込む明るいリビングになりました。
事例⑤明るく開放的なキッチンに
Before
After
閉塞的だったキッチンの壁を無くすことで、開放的なキッチンになりました。リビングと1つの空間になることで、光も入り空調も行き届くので、より快適に料理をすることができます。
リフォーム事例
ここからは、実際のリフォーム事例を5つ紹介します。部屋の構造は変わりませんが、手軽に雰囲気を変えることができますよ!
事例①壁紙・床材・扉を変えて明るいお部屋に
Before
After
こちらの子ども部屋は、壁紙を張り替え、床材をフローリングへ変更しています。また扉のデザインも変更され、部屋全体の雰囲気が明るくなりました。
事例②壁紙・扉を変えただけで明るく華やかな空間へ
Before
After
こちらのリビングは、機能や配置は変えずに壁紙や扉を変更しただけですが、部屋の雰囲気がかなり変わっています。
事例③壁紙・扉・カウンターを変えただけで広々明るい玄関へ
Before
After
こちらの玄関では、扉やカウンターのデザインを変更し、全身鏡を取り付けました。壁紙と扉が白で統一されることで、玄関を広く見せています。
事例④タンクレストイレでスッキリ、壁紙で印象もガラリと明るく
Before
After
トイレは、最新式に変更し、壁紙と床を張り替えることで、使い勝手も雰囲気も変えることができます。
事例⑤IHと食洗機付きで使いやすく、自分好みのキッチンへ
Before
After
キッチンは、ガスコンロからIHへの変更や食洗器の設置など、自分好みにカスタムすることができます。また壁や床も白を基調とした色に変更されているので、空間が広く見えますね。
「リノベーション」と「リフォーム」の違いは理解できましたか?
今回は、混同しやすいリノベーションとリフォームの違いや、それぞれの特徴についてご紹介しました。自由な設計が可能で、ライフスタイルに合わせた理想の住まいを作れるリノベーションと、気になる部分をピンポイントで修繕し、費用と手間を抑えつつ今よりも快適な暮らしを作れるリフォーム、どちらにも異なる魅力がありますね。
住まいは暮らすうえで非常に重要な要素です。リノベーションやリフォームを通して、より快適な住空間を作ってみてはいかがでしょうか?
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