住宅ローン残債がある家を離婚により財産分与する場合、どのように分けるのでしょうか。名義人が夫で妻が住む場合や夫が住む場合、妻が住む場合の支払い義務について解説していきます。他にも、養育費との相殺はできるのか、オーバーローンの時はどうなるのかを実際の判例を踏まえながら紹介するので、ぜひ参考にしてください。
離婚時の「財産分与」の考え方
財産分与とは、結婚している期間に得た財産を分けることを言います。これは、法律でも定められている権利です。
財産分与には、以下の4種類があります。
■清算的財産分与:
婚姻期間にできた共有資産を分けること
■扶養的財産分与:
離婚することで相手の生活が苦しくなる場合、生活を維持するために行う財産分与のこと
■慰謝料的財産分与:
相手を傷つけたことにより離婚になった場合に、慰謝料として財産を渡すこと
■過去の婚姻費用の清算としての財産分与:
婚姻期間にひと月でも生活費を支払っていない月があれば、その分を清算するために財産を渡すこと
このように財産分与には種類があり、場合によっては財産を均等に分ける必要はないのです。
財産分与に当てはまるもの
婚姻期間に夫婦で協力して得た財産が該当します。例えば、結婚してから購入した車や家、生命保険や子供の学資保険です。
これらは、そのままどちらかが使ったり支払いを続ける場合、売却や解約した金額の半分を相手に支払う必要があります。
この場合、同等の金額分の財産を相手が得ることで支払わずに分けることもできるので、話し合って決めてくださいね。
家の財産分与のために確認すること
家を財産分与するためには、確認することが多数あります。話し合う前に確認しておくことで、スムーズに進めることが出来るので準備しておきましょう。
家の所有名義
家の所有名義は、契約時の書類や法務局で登記事項証明書を取得することでも確認できます。
住宅ローンの名義とは別の場合もあるので、きちんと確認するようにしましょう。
住宅ローンの残債と債務者、契約内容
住宅ローンの残債は、銀行に問い合わせることで確認できます。確認までに時間がかかる場合もあるので、余裕を持って書類の発行を依頼しましょう。
家の価値
家の価値は、査定を依頼することで分かります。Webサイトを使って簡単に行うことができるので、一度してみるのがおすすめです。また、一度に複数の不動産会社で行えるサイトだと相場を知ることができますよ。
家を財産分与する方法
家を財産分与する方法は、2つあります。
- 家を売却して現金化する方法
- どちらかが家をもらい、もう一方は現金を受け取る方法
どちらの場合も、家の査定を必要とするので話し合いの前に査定の依頼をしておきましょう。そうすることで、スムーズに進めることができますよ。
家を売却して現金化
家を売却して現金化し、分けることで1番分かりやすく財産分与することができます。売却するためには、お互いに家を出る必要があるため、引越しの準備をしてから売却しましょう。
また、住宅ローンが残っている場合は注意が必要です。この点は下で詳しく紹介しています。
どちらかが家をもらい、もう一方は現金を受け取る
この場合、家の価値の半分程度を相手に渡す必要があります。現金で渡すのが1番分かりやすいですが、現金以外でも同等の財産を渡すのでも大丈夫です。どちらがいいかは、受け取る側が決めることができます。
名義人と住む人の支払い義務については、下で詳しく紹介しているので、是非参考にしてください。
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不動産の売却を検討中の方は、簡易査定にお申し込みください。wednesdayの簡易査定は、面倒な訪問は不要でオンラインのみで売却まで完了します。
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・売却・住み替えを検討中の方
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家を売却して現金化する場合
家を売却して現金化する時に、住宅ローンが残っている場合の注意点をしょうかいします。
家を売却する際に「アンダーローン」と「オーバーローン」と言う言葉を聞いたことありますか?これらは財産分与する上でとても大切なことです。それぞれ詳しく紹介します。
アンダーローンの場合
「アンダーローン」とは、家の価値が住宅ローンの残高を上回ることを言います。そのため、売却した金額でローンを完済しても手元に現金が残ることが多いです。この場合だと、売却をスムーズに進めることができます。
オーバーローンの場合
「オーバーローン」とは、家の価値が住宅ローンの残高を下回ることを言います。そのため、売却してもローンの完済ができず、追加で支払いが必要です。一括返済ができない場合は、売却ができないため支払いを続けなければなりません。
また、実際の判決でオーバーローンの場合は財産分与の対象とならないと考えられているので注意してください。
銀行が設ける条件を全てクリアする必要があるので、しっかり相談してから決めるようにしましょう。
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どちらかが住む場合の支払い義務はどうなる?
住宅ローンが残っている状態で、どちらかがそのまま住む場合の支払い義務について解説します。名義人が住む場合と、名義人でない人が住む場合の2つのパターンです。ここでは、名義人が夫の設定で進めますが、反対の場合も一緒なので、是非参考にしてください。
どちらの場合にしても、住まない人に対して家の価値の半分の財産を渡す必要があります。
夫が名義人で夫が住む場合
名義人がそのまま住み続ける場合は、特に必要な手続きがないため、スムーズに進みます。
しかし、妻が連帯保証人の場合はそれを解除するための手続きが必要です。解除するためには、ローンの完済や新たに組み直す必要があります。他にも場合によっては、連帯保証人を変更することもできるので、銀行に相談してみるのがおすすめです。
夫が名義人で妻が住む場合
名義人が夫で住宅ローンも夫の場合、両方を妻に変更する必要があります。家の名義人は簡単に変更可能です。
妻に返済能力があれば、ローンの組み直しができるので、銀行の承諾を得れば住宅ローンの変更もスムーズにできます。
しかし、返済能力がない、または残金を補えるほどの借入が難しい場合は変更できません。
そのため、夫が支払いを続ける代わりに養育費等の支払いをしないという実例もあります。
住み続ける側に返済能力がない場合は、このような方法もあるので、しっかり話し合って決めるようにしましょう。
財産分与は離婚後2年以内にしなくてはならない
財産分与は2年以内にしなければなりません。言い直すと、離婚後2年以内なら請求できるということです。離婚を急ぎ話し合いをしていなかった場合でも、2年以内なら、財産の半分を請求することができます。
もし、相手が応じなければ家庭裁判所で調停を申し立てることで請求することもできるので、安心してください。
調停が不成立の場合は、審判により相手の財産を差し押さえることができます。この場合、相手の合意は必要ありません。スムーズに話が進まなかった場合は、家庭裁判所を利用するようにしましょう。
財産分与の話し合いは早めにしよう
離婚してからも財産分与は可能ですが、できるだけ離婚前に話し合いをしておくのがおすすめです。そうすることで、離婚後にスムーズに新生活を始めることができます。また、話し合いの前に家の価値を調べておくようにしましょう。事前に下調べをしておくことで、冷静に話し合いができる時に、簡潔に終わらせることができますよ。
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