マンションを売却すると、利益に対して所得税と住民税がかかりますが、いくらになるのか気になりませんか?
そこでこの記事では、マンション売却にかかる所得税の計算シミュレーションや税金がかからないケース、税金をおさえる方法、相談先などをご紹介します。
マンション売却による税金をおさえたい方は、ぜひ参考にしてください。
マンション売却には所得税と住民税がかかる!
マンションを売却すると、利益に応じて税金がかかります。ここでは、マンション売却に関わる税金の概要を見ていきましょう。
所得税と住民税と復興特別所得税を合わせて「譲渡所得税」と呼ぶ
マンション売却で利益が出た場合、譲渡所得税がかかります。譲渡所得とは、マンション売却による利益のことです。そして譲渡所得税は、以下の3つの税金から成り立っています。
- 所得税
- 住民税
- 復興特別所得税
復興特別所得税は、東日本大震災復興のために2037年までかかる税金です。また譲渡所得税は、マンションを売却した翌年の確定申告で支払うことになります。
譲渡所得税は所有期間によって税率が変わる
譲渡所得税は、マンションの所有期間が5年を超えている「長期譲渡所得」と、5年以下の「短期譲渡所得」によって以下のように税率が異なります。
譲渡所得の種類 | 所得税 | 復興特別所得税 | 住民税 | 合計 |
長期譲渡所得 | 15% | 0.315% | 5% | 20.315% |
短期譲渡所得 | 30% | 0.63% | 9% | 39.63% |
所有期間によって税率が2倍程度違い、長期譲渡所得のほうが税率が低いです。また所有期間は、売却年の1月1日時点を判断基準としています。
譲渡所得は、マンションの売却価格からマンションの購入にかかった費用や売却に必要だった費用を差し引いて算出するため、売却価格が高くても譲渡所得税がかからない可能性もあるでしょう。
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譲渡所得と譲渡所得税の計算方法
ここでは、譲渡所得と譲渡所得税の詳しい計算方法を解説します。
譲渡所得の計算方法
譲渡所得は、「売却価格-取得費用-譲渡費用」で計算します。「売却価格」は、マンションの売却価格のことです。価格が高いほど譲渡所得税を納める可能性が高まります。
「取得費用」とは、マンションを購入したときにかかった費用のことです。購入価格だけではなく、各種税金や手数料、増改築費用なども含まれます。
また、マンションの取得費用は、経年劣化によって消耗した減価償却分を差し引く必要があります。減価償却は、「購入価格×0.9×償却率×売却するまでの年数」で計算され、償却率は以下のように種類によって割合が異なります。
居住用マンションの種類 | 耐用年数 | 償却率 |
木造 | 33年 | 0.031 |
軽量鉄骨 | 40年 | 0.025 |
鉄筋コンクリート | 70年 | 0.015 |
「譲渡費用」は、マンションを売ったときにかかった費用のことです。仲介手数料や印紙税などが主な譲渡費用です。
譲渡所得税の計算方法
譲渡所得税は、「譲渡所得×対象となる税率」によって計算可能です。対象となる税率は先述した長期譲渡所得20.315%、もしくは短期譲渡所得39.63%となります。
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譲渡所得税の計算シミュレーション
実際にどれくらい税金がかかるのか、新築マンションを購入したケースでシミュレーションしていきます。
- 購入居住期間:4年
- 売却価格:5,000万円
- 購入価格:4,000万円
- 取得費用:200万円
- 譲渡費用:250万円
- 種類:鉄筋コンクリート
最初に減価償却を計算します。
①4,000万円×0.9×0.015×4=216万円
減価償却を差し引いたマンションの購入価格は、4,000万円 – 162万円 = 3,784万円です。ここから前述した計算式にあてはめて、譲渡所得税を算出してみましょう。
②(5,000万円-(3,784万円 + 200万円)- 250万円) × 39.63% = 304万円
この税額に、印紙税や登録免許税を上乗せした合計を納める必要があります。
その他にかかる税金
マンションを売却する際、譲渡所得税だけではなく、以下の2つの税金も必要です。
- 印紙税
- 登録免許税
印紙税
印紙税は、マンションの売買契約書を作成する際に納める税金です。以下のように、売却価格によって税額が変わります。
売却価格 | 税率 |
500万円超、1,000万円以下 | 5,000円 |
1,000万円超、5,000万円以下 | 1万円 |
5,000万円超、1億円以下 | 3万円 |
1億円超、5億円以下 | 6万円 |
令和6年3月31日までは軽減税率が適用されるため、印紙税をおさえることが可能です。
参照:No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置|国税庁
登録免許税
登録免許税は、住宅ローンを組むときに設定される抵当権を抹消するために必要です。不動産ひとつにつき1,000円かかると定められています。
また、抵当権抹消を司法書士に依頼した場合、手数料も含めて1〜2万円程度かかります。抹消手続きは自身でもおこなえるため、司法書士への依頼費用を節約することが可能です。
参照:登録免許税の計算 売買、相続などによる所有権の移転の登記
税金をおさえる方法とは?
マンションの売却では、以下の特例や控除によって節税できます。
- 3,000万円特別控除
- 所有期間10年超の軽減税率
- 住宅ローン控除
方法①:3,000万円特別控除
売却するマンションがマイホームの場合、譲渡所得から3,000万円を控除できます。利益が大きくても3,000万円の控除を受けられるため、税金をおさえることが可能です。ただし、以下のような条件を満たしていない場合には利用できません。
- 住んでいたマンションである
- 買主は親子や親戚ではない
- この控除を利用したいことがない など
3,000万円の特別控除は、夫婦でマンションを共有していた場合、それぞれが控除を適用できるため、より大きな節税も実現可能です。
方法②:所有期間10年超の軽減税率
マイホームのマンションで所有期間が10年を超えている場合、10年超所有軽減税率の特例も使えます。この軽減税率は、6,000万円以下の譲渡所得に対して、通常の長期譲渡所得よりも6%程度税率が低くなる特例です。
- 譲渡所得のうち6,000万円以下:14.21%
- 譲渡所得のうち6,000万円以上:20.315%
また、3,000万円の控除と一緒に使えることも特徴です。併用させることで、大幅な節税を目指せるでしょう。
参照:No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例|国税庁
方法③:住宅ローン控除
マンションを買い替える場合は、住宅ローン控除によって節税できます。住宅ローン控除とは、住宅ローンでマンションを購入した場合、年末時点での住宅ローン残高の0.7%が最長10年間税金から控除される制度のことです。
また、新築でも中古でも住宅ローン控除は利用できます。注意点は、3,000万円の控除と併用できないことです。
税金で困ったときの相談場所
マンションに関する税金について相談したいときは、以下の方法がおすすめです。
- 税務署や税理士に問い合わせる
- 不動産会社に相談する
税務署や税理士に問い合わせる
最寄りの税務署や税理士に相談すれば、マンション売却の税金に関する困りごとを解決してくれます。税務署のスタッフは、なにが譲渡所得になるのかや、確定申告のやり方も教えてくれます。
税理士も同様に税金に関することを相談でき、確定申告をすべて任せることも可能です。不動産の確定申告は複雑なので、間違えないためには税金の専門家に頼りましょう。
不動産会社に相談する
マンションの売却を依頼した不動産会社も、税金について相談可能です。不動産会社は、マンションの相場や売り方のコツなどを把握しているだけではなく、節税方法なども熟知しています。
また、不動産会社によっては税理士事務所と連携し、税金に関する無料相談を実施しています。マンション売却に関するあらゆることは、不動産会社に相談しましょう。
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こんな方におすすめ:
・売却を検討中の方
・売却できるか不安な方
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マンション売却にかかる所得税を節税しよう
マンションを売却して利益が出ると、譲渡所得税がかかりますが、特例や控除を利用すれば、大幅に節税することが可能です。
利益が高くても、マンションの購入にかかった費用や売却に必要だった費用も高ければ、税金をおさえられます。
税金について困ったときは、税務署や税理士、不動産会社に相談しましょう。マンションの売却を依頼した不動産会社であれば、相談しやすいのではないでしょうか。
マンションの売却で不明点があれば、不動産会社に頼ることが重要です。
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