マンション売却時の固定資産税は売主・買主のどちらが払うのかご存知でしょうか?
この記事では、マンション売却における固定資産税の概要や売主と買主どちらが払うのか、精算するときの手続き、注意点などをご紹介します。マンション売却での固定資産税で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
固定資産税とは?
固定資産税は、不動産を所有しているすべての人が納める税金です。ここでは、固定資産税の概要を見ていきましょう。
マンションの所有者が納める税金
固定資産税とは、マンションなどの不動産を持っている人が必ず納める税金の種類です。支払いのタイミングは自治体によって異なりますが、支払う人は、1月1日時点で不動産を所有していた人と定められています。
また、6月・9月・12月・2月の4回に分けて支払うことが一般的であり、4〜6月頃に納付書が対象者に届きます。
評価額によって金額が定められている
固定資産税の金額は、「固定資産評価額×標準税率1.4%」で計算できます。固定資産税評価額とは、自治体ごとの基準で家屋や土地の価値を評価した値のことです。3年に1度の間隔で見直し、その時点の地価に応じて金額が定められます。
地価が安い時期・地域の場合、固定資産税も低くなり、地価が高騰している時期・地域は、固定資産税が高くなるでしょう。
条件次第では軽減税率が適用される
固定資産税は、条件を満たしている場合、軽減税率を適用できます。土地の固定資産税は、以下のように面積に応じた軽減税率となります。
区分 | 軽減税率 |
小規模住宅用地(200平方メートル以下) | 固定資産税評価額×1/6 |
一般住宅用地(200m平方メートル超) | 固定資産税評価額×1/3 |
建物は、2022年3月31日までの新築物件の場合、以下の条件で固定資産税額が1/2となります。
- 長期優良住宅:新築から5年
- その他の住宅:新築から7年
- 居住部分の床面積割合:1/2以上
- 居住部分の床面積一戸につき:50平方メートル~280平方メートル以下
条件を満たした場合は、軽減措置を活用しましょう。
都市計画税との違いについて
都市計画税は、市街化区域にあるマンション所有者を対象にした税金です。市街化区域とは、市街化を図るエリア、もしくはすでに市街化しているエリアのことです。
都市計画税の金額は「固定資産評価額×標準税率0.3%」で計算され、以下のように軽減措置もあります。
区分 | 軽減税率 |
小規模住宅用地(200平方メートル以下) | 固定資産税評価額×1/3 |
一般住宅用地(200m平方メートル超) | 固定資産税評価額×2/3 |
固定資産税は1月1日時点の不動産所有者を対象にしていますが、都市計画税の場合、市街化区域にある不動産を所有している人のみ課税されると認識しておきましょう。
さらに、督促状や催告書を無視していると所有者の財産調査がおこなわれ、財産が差し押さえられたりマンションが競売にかけられたりする可能性も。支払いが難しい場合は、速やかに自治体の窓口に連絡しましょう。
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売却時の固定資産税は売主と買主どちらが払う?
マンションを売却して固定資産税を納めるのは、売主と買主双方です。ここでは、マンション売却時の固定資産税は誰が負担するのか、詳しく見ていきましょう。
売主と買主で日割り精算することが一般的
マンション売却での固定資産税は、日割り計算した金額を売主と買主それぞれが支払います。1月1日時点での不動産所有者に固定資産税の納税義務があるため、支払い自体は売主がおこないますが、マンションの引き渡し日以降の税額は、買主に負担してもらいます。
また、固定資産税の精算は、マンション売買の「契約日」ではなく「引き渡し日」から起算することが一般的です。あとでトラブルにならないように、売買契約前にどのように固定資産税を負担するのか、しっかりと話し合っておきましょう。
売買契約書に固定資産税の負担についての取り決めを記載すれば、その内容を無視することはできません。また、違約したときのペナルティを定めることで、固定資産税の負担に関するトラブルを減らすことができますよ。
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固定資産税の計算シミュレーション
固定資産税の精算における起算日は、1月1日、もしくは4月1日となることが多いです。1月1日が起算日となる理由は、毎年1月1日の不動産所有者に対して固定資産税が課税されるためです。
4月1日が起算日となる理由は、固定資産税は4月1日〜翌年3月31日までの税金となり、起算日も4月1日にすることが多いためです。
ここでは、実際にどれくらいの固定資産税になるのか、起算日1月1日と4月1日を例にシミュレーションしてみましょう。
固定資産税評価額の決め方
固定資産税は「固定資産評価額×標準税率1.4%」で計算できますが、評価額は土地と家屋によって、算出方法が異なります。
土地の評価額は、公示地価の70%程度が目安です。公示地価は、国が公表している土地の価格であり、土地取引の指標などになっています。
建物の評価額は、規模や築年数などによって変わります。古いマンションほど評価額は低くなるため、固定資産税をおさえることが可能です。
起算日:1月1日
起算日が1月1日の場合、売主は1月1日から引き渡し日までの分、買主は引き渡し日から12月31日までの分を負担します。
固定資産税が20万円のマンションを6月1日に引き渡した場合、以下のような計算式となります。
- 売主:20万円×1月1日~5月31日(151日)÷365日=82,739円
- 買主:20万円×6月1日~12月31日(214日)÷365日=117,260円
起算日:4月1日
起算日が4月1日の場合、売主は4月1日から引き渡し日まで、買主は引き渡し日から翌年の3月31日までの分を負担します。
上記と同じように、固定資産税が20万円のマンションを6月1日に引き渡した場合の負担割合を見ていきましょう。
- 売主:20万円×4月1日~5月31日(61日)÷365日=33,424円
- 買主:20万円×6月1日~3月31日(304日)÷365日=166,575円
このように、売主と買主の固定資産税の負担割合は、起算日と引き渡し日によって大きく異なります。
マンション売却で固定資産税を精算する注意点
固定資産税を精算するときは、以下の点に注意しましょう。
- 買主と相談しないとトラブルになる
- 建物部分にだけ消費税がかかる
- 不動産会社によっては清算を提案してくれない
買主と相談しないとトラブルになる
固定資産税の支払いは、買主の義務になっていません。一方、マンションを所有していた売主には納税義務があります。
そのため、精算したい場合は、買主と固定資産税の負担について相談し、売買契約書に明記しておくことが大切です。契約書で取り決めせずに、あとから引き渡し日以降は支払ってほしいと打診しても、断られてしまいます。
固定資産税の精算だけではなく、お金に関する話はしっかりと事前に相談し、余計なトラブルを避けるようにしましょう。
建物部分にだけ消費税がかかる
建物部分の固定資産税精算金には、消費税が課されることも注意点です。土地部分は非課税ですが、経年劣化のある建物部分は消費と認められ、課税対象となります。
「土地は非課税」「建物は課税対象」といったマンション売却における税金の扱いは複雑になっているため、不明点は不動産会社に相談すると安心です。
不動産会社によっては精算を提案してくれない
不動産会社によっては、固定資産税の精算を提案してくれません。精算の提案がなければ、自身で計算しなければならず、手間がかかります。
不動産会社が提示する諸費用表に「固定資産税の精算分」などの記載がある場合、固定資産税を精算してくれます。ほとんどの会社では精算の提案がありますが、ない場合は、してくれない理由を問い合わせてみましょう。
固定資産税を正しく理解しよう
マンション売却での固定資産税は、売主も買主も負担することが一般的です。納税義務は売主にありますが、事前に負担する内容を相談し、売買契約書に明記すれば、買主も支払ってくれます。
また、不動産売買における税金は複雑な仕組みになっているため、わからないことがあった場合は、すぐに不動産会社に相談しましょう。不動産会社は、固定資産税の精算や確定申告などのサポートなどもおこなっています。
自身でも固定資産税を理解しながら、不動産会社の力も借りて正しく納税しましょう。
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