マンション売却時にかかる税金や、減価償却費の計算方法が分からないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
本記事では、マンション売却時にかかる税金と減価償却費の関係や計算方法を解説します。計算するときの注意点もまとめているので参考にしてください。
減価償却とは?
減価償却とは、時間が経つにつれて資産の価値が減少していくという考え方です。事業用のマンションを購入した場合だけではなく、自宅用のマンションを購入した場合も減価償却しなければなりません。
マンションを売却する際、売却価格から経費を差し引いて算出した譲渡所得に対して課税されます。マンションの購入費用も経費に含まれていますが、減価償却の考え方によってマンションの価値が購入時よりも資産価値が低下しているため、購入資金全額を経費として計上することはできません。
減価償却の計算方法
ここからは、減価償却の計算方法を解説していきましょう。減価償却の計算方法は、定額法と定率法の2種類があります。
方法①定額法
定額法とは、毎年決まった金額を減価償却する方法です。定額法による減価償却費は、取得価額×定額法の償却率で計算できます。自宅マンションを売却する場合、定額法を用いて減価償却費を計算しなければなりません。
方法②定率法
定率法は、減価償却費が一定の割合で減少するように計算する方法です。定率法の減価償却費は、未償却残高×定率法の償却率で計算できます。
定率法における減価償却費は、毎年減少することを覚えておきましょう。法人の場合は、定率法を用いて減価償却費を計算することが多いです。
マンション売却時にかかる税金と減価償却費の関係
マンション売却時にかかる税金と減価償却費がどのような関係があるのか気になっている方も多いでしょう。ここでは、マンション売却時にかかる税金と減価償却費の関係を解説します。
譲渡所得税の計算方法
マンションを売却して利益が出た場合は、譲渡所得税を支払わなければなりません。譲渡所得税の計算に必要な譲渡所得は、譲渡価格-譲渡費用-取得費で計算できます。
譲渡価格は、マンションの売却価格のことです。3,000万円で購入したマンションを4,000万円で売却した場合、譲渡価格は4,000万円になります。
譲渡費用は、印紙税や仲介手数料などの売却時にかかった費用です。取得費は、マンションの購入代金-減価償却費で計算します。
マンションの譲渡所得税を算出するためには、減価償却費を正しく計算しなければなりません。
マンションの減価償却費の計算方法
ここからは、マンションの減価償却費の計算方法について解説します。正しい譲渡所得税を計算するためには、減価償却費の計算が必要です。
①建物購入代金を調べる
マンションの購入代金には、建物だけではなく土地の代金が含まれていることが多いです。建物部分のみを減価償却するため、建物部分の購入部分の代金を調べなければなりません。
建物購入代金は、マンション購入時の売買契約に記載されています。売買契約契約書に記載されていない場合は、消費税額から建物の価格を算出可能です。
また、減価償却費の計算にはマンションの購入代金以外にもマンションの取得に関わった費用も建物購入代金と同様に減価償却しなければなりません。
マンション購入時にかかった仲介手数料や不動産取得税などの費用も土地と建物に分けて計算する必要があります。
②償却率を調べる
マンションの減価償却費を計算するためには、償却率を計算しなければなりません。償却率とは、耐用年数に応じて定められた割合です。償却率は、マンションの材質や構造によって異なります。
構造 |
耐用年数 |
木骨モルタル造のもの |
20年 |
木造・合成樹脂造のもの |
22年 |
鉄骨鉄筋コンクリート造りのもの 鉄筋コンクリート造のもの |
47年 |
マンション売却時の耐用年数は、法定耐用年数-(経過年数×0.8)で計算します。計算した耐用年数から償却率の計算が可能です。
③経過年数を計算する
経過年数とは、マンションを購入してから売却するまでの所有期間のことです。6ヶ月以上の時は切り上げて1年、6ヶ月未満の場合は切り捨てて計算します。
マンションの所有期間が10年8か月の場合は、経過年数は11年として計算することを覚えておきましょう。
リフォームしたマンションを売却する場合は、リフォームした日から売却までの所有期間で計算します。
④数式に代入する
減価償却費は、建物部分の取得費×0.9×償却率×経過年数で計算します。
以下のマンションを売却した際の減価償却費を計算してみましょう。
- マンションの建物取得費:4,000万円
- 鉄骨鉄筋コンクリート造り
- 購入日:平成20年2月1日
- 売却日:平成30年3月1日
減価償却費の計算式に代入すると、4,000万円×0.9×0.026×10=936万円になります。
マンションの減価償却費から取得費を計算する方法
譲渡所得税を計算する際は、正しい取得費を計算しなければなりません。取得費は、購入価格と減価償却費に細分化されます。
マンションの購入価格から減価償却費を差し引くことで、正しい取得費の計算が可能です。
マンションの減価償却費や取得費を計算するときの注意点
正しい減価償却費を計算するためには、いくつかの注意点を確認しておく必要があります。ここからは、マンションの減価償却費や取得費を計算するときの注意点を解説していきましょう。
注意点①マンションの購入時期によって数式が異なる
平成28年4月1日以降に購入したマンションは、定額法を用いて減価償却費を計算することを覚えておきましょう。定額法は、建物購入代金×0.9×償却率×経過年数で減価償却費を計算します。
注意点②マンションの用途によって計算法が異なる
マンションの用途によっても計算方法が異なります。2007年3月までに取得した事業用マンションを売却する場合、減価償却費は取得費用×0.9×償却率×事業に使用した月数の累計÷12で計算可能です。
2007年4月以降に取得した事業用マンションは、取得費用×償却率×事業に使用した月数の累計÷12で計算します。
注意点③取得費にできない費用がある
以下の費用は取得費として計上できません。
- 町内会費
- 引っ越し費用
- つなぎローンの金利・事務手数料
- 家具・家電購入費用
- マンションの積立費・管理費
- 火災保険料
マンションの購入にかかる費用は、人によって異なります。取得費に計上できるか判断できない場合は不動産会社に相談しましょう。
マンション売却時にかかる税金や減価償却費の計算方法を覚えておこう
マンション売却時にかかる税金や減価償却費の計算方法について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
マンション売却時にかかる税金を計算するためには、減価償却費の計算が必要です。スムーズに確定申告ができるように、売却時にかかる税金や減価償却費の計算方法を覚えておきましょう。
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