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相続不動産の売却時の税金をシミュレーション!計算方法や節税ポイントとは?

2023.02.03
2023.02.24
遺産相続の文字

相続してから3年以内の売却した時や3,000万円控除の利用により、節税できることをご存じですか?

相続不動産を売却した時にかかる税金の種類やそれぞれの計算方法、適用できる別控除を国税庁のHPを参考に紹介していきます。実際にシミュレーションもして解説しています。

取得費が分からない場合の対処法も紹介するので、確定申告の際に役立つでしょう。

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相続した不動産を売却したにかかる税金は?

電卓を見せられながらお金を数える夫婦

相続した時点で遺産が3,600万円を超えていた場合には相続税がかかりますよね。それにプラスして相続不動産の売却により発生する税金が3種類です。ここでは、この3種類の税金について紹介していきます。

  • 譲渡所得税
  • 登録免許税
  • 印紙税


それぞれの計算方法は下記で紹介しているので、そちらをご覧ください。

 

譲渡所得税(所得税・住民税)

譲渡所得税とは、「所得税」「住民税」「復興特別所得税」を合わせたものです。復興特別所得税は2037年12月31日まで2.1%が課税されます。

税率は保有期間によって変わり、5年以下は短期譲渡所得といい39.63%5年を超える場合は長期譲渡所得となり20.315%です。

それぞれの内訳は、短期譲渡所得は所得税30%、住民税9%、復興特別所得税が所得税の2.1%、長期譲渡所得は所得税15%、住民税5%、復興特別所得税は所得税の2.1%となっています。

1つ1つ計算して求めることもできますが、39.63%と20.315%を使った方が簡単に求められるので、計算する際にはぜひ試してみてくださいね。

 

登録免許税

登録免許税とは、不動産の登記を変更する際にかかる税金のことです。通常、売主に支払いの義務はなく買主が払うものですが、住宅ローンが残っている場合や不動産を担保にして借り入れをしている場合には必要になります。

抵当権という返済が滞った場合に銀行が競売にかけるための権利を抹消するためです。

 

印紙税

印紙税は、買主と書類を交わす際に契約書に収入印紙を貼り付けることで納付します。契約書に記載されている金額が10万円を超える場合、令和6年3月31日までに作成された書類は軽減税率が適用されます。

10万円以下の場合は200円、契約書に記載されている金額が1万円未満の場合は非課税です。

 

税金の計算方法

上記で紹介した3つの税金は、どれも自分で計算することができます。それぞれの計算方法を紹介していくので、ぜひ参考にしてください。

 

譲渡所得税(所得税・住民税)

譲渡所得税の計算方法は、「譲渡所得×税率」です。

税率は上記で紹介したものですが、譲渡所得は自分で計算しなくてはなりません。

譲渡所得の計算方法は、「譲渡収入金額-譲渡費用-取得費」です。

相続のため、取得費が不明という場合は「譲渡収入金額×5%」を取得費にするのが一般的です。

3,000万円控除を利用する場合は、「譲渡所得-3,000万円」で残った金額に税率を掛けます。

 

登録免許税

抵当権を抹消するための登録免許税は不動産1つに対して1,000円です。

 

印紙税

契約金額が5億円以下の場合までを表で紹介します。これより高い金額で契約金額が決定した場合の税率は国税庁のHPを参考にしてください。

 

契約金額

本則税率

軽減税率

10万円を超え50万円以下のもの

400円

200円

50万円を超え100万円以下のもの

1千円

500円

100万円を超え500万円以下のもの

2千円

1千円

500万円を超え1千万円以下のもの

1万円

5千円

1千万円を超え5千万円以下のもの

2万円

1万円

5千万円を超え1億円以下のもの

6万円

3万円

1億円を超え5億円以下のもの

10万円

6万円


参照:
不動産売買契約書の印紙税の軽減措置

 

【シミュレーション】相続して空き家になった2,000万円の実家を売却する時の税金

2,000万円の空き家を売却した場合の税金を、3,000万円の特別控除を利用した場合としなかった場合でシミュレーションです。

保有期間30年、取得費不明、譲渡費用30万円とします。

 

【3,000万円の特別控除を利用する場合】

2,000万円-30万円-100万円=1,870万円

1,870万円-3,000万円=-1,130万円となるので、譲渡所得税は0円

 

【3,000万円の特別控除を利用しない場合】

1,870万円×20.315%=3,798,905円

つまり、3,798,905円が譲渡所得税となります。

 

売却した場合に適用できる控除

書類にサインする様子

相続した不動産を売却した場合にも適用できる特例を3つ紹介します。

  • 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
  • 居住用財産(マイホーム)を売ったときの特例
  • 取得費加算の特例

 

これらをうまく使うことで節税になるので、条件が合うものを利用するようにしましょう。

 

被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例

これは平成28年4月1日から令和5年12月31日までに売却し、10個の要件に当てはまった場合譲渡所得の金額から最高3,000万円まで控除できるというものです。

 

  1. 売った人が相続または贈与により、不動産を取得したこと。
  2. 昭和56年5月31日以前に建築されたこと。
  3. 区分所有権物登記がされている建物でないこと。
  4. 相続開始直前に被相続人以外に住んでいた人がいないこと。
  5. 建物のみまたは敷地とともに売却したこと。(建物を取り壊し敷地のみの売却じも含む。)
  6. 相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。
  7. 売却金額が1億円以下であること。
  8. 取得費加算の特例や収容等の場合の特別控除など他の特例の適用を受けていないこと。
  9. 同じ被相続人から相続または贈与により取得したあ建物または敷地にこの特例を適用していないこと
  10. 親子や夫婦など特別な関係がある人に対して売ったものでないこと

 

これら全ての要件を満たさなくてはなりません。

参照:
被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例

 

居住用財産(マイホーム)を売ったときの特例

これはよく目にする「3,000万円の特別控除」です。マイホームを売った時に保有の期間に関係なく適用されます。ただし、控除を受けるために入居したと認められた場合には受けられないので注意してください。

この特例を適用するためにも要件があります。

 

  1. 住んでいる家のみまたは敷地と合わせて売ること。(以前住んでいた家の場合は、済まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること)
  2. 売った年の前年及び前々年にこの特例またはマイホームの譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例の適用を受けていないこと。
  3. 売った年、その前年および前々年にマイホームの買換えやマイホームの交換の特例の適用を受けていないこと。
  4. 売った家屋や敷地等について、収用等の場合の特別控除など他の特例の適用を受けていないこと。
  5. 災害によって滅失した家屋の場合は、その敷地に住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。
  6. 売手と買手が、親子や夫婦など特別な関係でないこと。

 

参照:
マイホームを売ったときの特例

 

これらを満たしていても適用を除外されることもあるので、詳しくは国税庁のHPをご覧ください。

 

取得費加算の特例

正式には相続財産を譲渡した場合の取得費の特例といい、相続または贈与した不動産を3年以内に譲渡した場合一定金額を譲渡資産の取得費に加算できるというものです。

これを適用するためには3つ条件があります。

 

  1. 相続や贈与により財産を取得した者であること。
  2. 取得した人に相続税が課税されていること。
  3. 相続開始のあった日の翌日から、相続税の申告期限の翌日以降3年を経過するまでに譲渡していること。

 

この条件をすべて満たさなくては、適用されないので注意してください。

取得費に加算できる相続税額の計算式は下記です。また、計算した金額が譲渡収入の金額を超える場合は、譲渡収入相当の金額になります。

 

「相続税額×相続税評価額÷(取得財産の価格+精算課税適用財産+純資産価格に加算される暦年課税分に贈与財産の価格)」

 

参照:
相続財産を譲渡した場合の取得費の特例

 

税額をおさえるポイント

家と袋のシーソー

相続した不動産を売却した場合には場合によって、高額な税金を支払うことがあります。せっかく相続したものなので、できるだけ抑えていきたいですよね。そこで、節税するためのポイントを3つ紹介していきます。

 

相続してから3年以内に売却する

相続して3年以内に売却した場合は、取得費加算の特例が適用されます。上記でも紹介したように適用には要件がありますが、満たせているのであれば早めに売却するのがおすすめです。

注意点としては、3,000万円の特別控除とは併用できないので、より節税できる金額が多い方を使うようにしましょう。

 

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保有期間は5年を超えるようにする

上記でも紹介したように、保有期間が5年を超えると譲渡所得税の税率が変わります。5年以下の場合に比べて約19%も下がるので、できるのであれば5年を超えるようにしましょう。

 

取得費をきちんと把握しておく

譲渡収入を減らせれば譲渡所得税も下がります。取得費が不明の場合でも譲渡収入の5%を当てることができますが、実際にはもっとかかっているかもしれません。そうなると損をすることになるので、相続する際に取得費がわかる書類を確認するようにしましょう。

 

売却した翌年に確定申告が必要

不動産を売却したら確定申告が必要です。譲渡収入があった場合はもちろんですが、損益がでた場合にも確定申告をすることで受けられる特例があります。

売却した翌年の2月から3月までにするようにしましょう。確定申告をしなかった場合には、罰則があります。無駄な出費を防ぐためにも、必ずするようにしてくださいね。

 

控除を使って節税しよう

相続不動産の売却時の税金について種類や計算方法、実際に数字を当てはめてのシミュレーションを紹介していきました。

不動産の売却にはさまざまな税金がかかります。せっかく相続したものなので、少しでも手元に残るお金が多くなるよう、しっかり計算してみてくださいね。

この記事が少しでもお役に立てれば嬉しいです。

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