マイホーム購入時に、多くの方が利用する住宅ローン。月々の返済額を少なくするためにも「頭金」は用意したいものですが、どのくらい用意すればいいのでしょうか?また、年代によっても必要となる頭金の額も変わってきます。今回は、頭金1,000万円に設定した場合の住宅購入について徹底解説します!
頭金とは
頭金とは、住宅価格から住宅ローン借入額を引いた部分の金額を言います。たとえば、5,000万円のマンションを購入し、1,000万円を頭金として支払うとします。その場合、残りの4,000万円は住宅ローンを組んで支払うことになるのです。
頭金の支払いは、売買契約から引き渡しまでの間に行います。
頭金があると支払いはどうなる?
頭金で先に支払っていた分、毎月のローンの返済額を下げることができます。また、その分の利息を払わなくて済むので、支払いの総額がかなり変わってきます。
また、頭金を用意することで住宅ローンの審査が通りやすくなる、借入時の金利が優遇されるといったメリットもあります。
頭金の相場はいくら?
住宅の購入額と頭金(自己資金)の全国平均額、そしてそこから頭金の割合を算出した表です。頭金の平均額は戸建なのかマンションなのか、新築なのか中古なのかでも変わってくるため、目安として参考にしてみてくださいね。
購入資金(万円) |
自己資金(万円) |
自己資金比率 |
|
注文住宅 |
3,168 |
848 |
26.8% |
分譲戸建て |
3,826 |
971 |
25.4% |
中古戸建て |
2,894 |
1,140 |
39.4% |
分譲マンション |
4,639 |
1,589 |
34.3% |
中古マンション |
2,263 |
976 |
43.2% |
参照:
令和2年度 住宅市場動向調査報告書(国土交通省 住宅局)
頭金の目安は「購入額の2割」?
「頭金の目安は購入額の2割」と聞いたことはありませんか?実は、かつては頭金を2割用意しないと住宅ローンが組めなかったため、その名残で今でもそういわれているのです。現在は頭金がゼロでも住宅を購入できます。
頭金なしで住宅を購入する際は、リスクが付き物。そのため、今でも「頭金は2割」を目安にしている人が多いのでしょう。
40代後半だと1,000万円くらいの頭金が必要になることも!?
年齢によっては、1,000万円ほどの頭金がマストになるケースもあります。金融機関ごとに「完済年齢」が決まっているため、40代後半の場合は返済期間が短くなるからです。
たとえば48歳で「完済年齢75歳」とされている金融機関でローンを組む場合、返済期間は27年。35年ローンを組む場合と比べると8年も短くなります。それだけ毎月の返済額が高くなることになり、負担に感じる人もいるでしょう。
頭金として1,000万円ほど用意できれば、月々の返済額を抑えられます。つまり、年齢が上がれば上がるほど頭金の必要性が高まるといえるでしょう。
手元のお金が無くならないように注意する
頭金を用意する際に大切なのが、手元にお金を残しておくことです。月収で生活がまかなえるからと貯金のすべてを頭金として支払ってしまうと、病気や事故、災害による住宅の破損など想定外の出費に対応できなくなります。
子どもの教育費も考え、まとまった金額を将来のために残しておきましょう。
頭金なしで家を購入する際の注意点
頭金なしで住宅ローンを組むことを、「フルローン」と呼ぶこともあります。フルローンでの住宅購入には、気に入った物件を買い逃さないというメリット、そして手元にお金を残せるというメリットも。ですが、以下のような注意点があります。
- 住宅ローンの利息が多くなる
- ローンの審査に通らない場合もある
- 金利が上昇すると返済額も増える
- 家を売却する際にローンが残っている可能性もある
それぞれの注意点について、詳しく解説します。
①住宅ローンの利息が多くなる
頭金なしで住宅ローンを組む場合は購入額をすべてローンでまかなうことになるため、月々の返済額が高くなります。つまり、トータルで考えると支払う利息が多くなるということです。
4,000万円の住宅を購入して頭金を800万円用意する場合と比べてみましょう。金利やローンの年数にもよりますが、利息の総額に80万円程度の差が出る計算になります。
②ローンの審査に通らないことがある
頭金を用意しない場合、金融機関によるローンの審査が厳しくなります。場合によっては落ちることもあると考えておきましょう。
審査では年齢や年収だけでなく、マイカーローンの有無、クレジットカードの利用額などもチェックされます。年齢が高かったり他のローンを組んでいたりする場合は、頭金を用意することを勧められるでしょう。
③金利が上昇すると返済額も増える
変動金利型の住宅ローンを利用する場合、金利が上昇すると返済額も増えてしまいます。頭金なしでローンを組むと借入金額が多くなるため、思っていた以上に返済総額が高くなり生活にゆとりがなくなってしまうケースも。
頭金なしで住宅を購入する場合は、借りる側が選択した期間は金利が変わらない「固定金利選択型」の住宅ローンがおすすめです。少なくとも10年間は固定金利にしておくと安心ですよ。
④家を売却する際にローンが残っている可能性もある
頭金なしで住宅を購入すると、売却した代金でローンを完済できない可能性があります。新しい住居の家賃を支払いながら住んでいない住宅のローンを支払い続けることになると、生活に余裕が持てません。
将来的に売却する可能性がある場合は、なるべく頭金で支払っておくこと、そして資産価値が下がりにくい物件を選ぶことが大切です。
関連記事:
40代が頭金なしでマイホーム購入するのは大丈夫?メリットやデメリットを解説
頭金の1,000万円を貯めるには?
頭金として、1,000万円貯めるのは簡単なことではありませんが、貯金のコツをご紹介します。
- 定期預金をする
- 投資を始める
- 節約してコツコツ貯める
- ボーナスをすべて貯金にまわす
それぞれの方法について解説しますので、自分に合っているものを選んでくださいね。
定期預金をする
定期預金は普通預金より金利が高いため、貯金に向いています。期日まで引き出せないことから、無駄遣いを防ぐ効果もありおすすめです。
定期預金の金利が大幅にアップするキャンペーンを実施している金融機関もあるため、探してみてくださいね。メガバンクだけでなく、ネット銀行や地方銀行、信用金庫もチェックしましょう。
投資を始める
お金を増やすには、投資という選択肢もあります。
通貨の売買を行い価格変動による為替差益を得る「FX(外国為替取引)」、企業が発行する株式を売買する「株式投資」、オンラインで売買するビットコインなどの「仮想通貨」、投資で得た利益を非課税で受け取ることができる「つみたてNISA」などさまざまな種類があります。
無理なく始められるものからチャレンジしてみましょう。
節約してコツコツ貯める
勤務先に「財形貯蓄制度」があれば、それを利用して貯めるのもおすすめです。給料から天引きされるため、「貯金せず使ってしまった」という事態を避けられます。
また、お金のかかるレジャーを我慢する、ガス会社や電気会社を少しでも安いところに変える、買い物にメモを持参し必要なものだけを買うなどの地道な節約も大切ですよ。
ボーナスをすべて貯金にまわす
ボーナスを生活費に充てず、入ったらすぐに貯金用の口座に移す方法もあります。ボーナスはないものとみなし、月々の給料で生活をやりくりしましょう。
住宅の購入資金として大切に残しておけば、時間はかかるかもしれませんがいずれ目標額に到達するはずです。
頭金1,000万円あればも安心
購入したい住宅の価格にもよりますが、多くの場合は住宅を購入する際の頭金を1,000万円ほど用意しておくと安心です。月々の支払額を抑えられるため、購入後の生活が楽になります。
もちろん、頭金なしでも住宅を購入できますが、利息の総額が大きくなることやローンの審査に通りにくくなることがあります。
大切なのは、無理のない返済プランを立てること。手元にお金を残しながら多めの頭金を支払い、豊かな新生活を始められるといいですよね。
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