マンションの給湯器は、使えないとお風呂に入れないなど困ることも多いです。しかし、給湯器についてはわからないことも多いのではないでしょうか。
特にリフォームやリノベーションの際には、きちんと確認しておく必要があります。こちらでは、マンションの給湯器の交換や修繕費についてご紹介していきます。
給湯器を交換するときの手順
給湯器を交換するときの手順は賃貸物件と所有物件で異なります。勝手に給湯器を交換してしまうとトラブルになりかねないので、しっかり把握しておきましょう。
【賃貸物件の場合】大家さんや管理会社に確認する
賃貸物件の場合、給湯器の管理は貸主の維持管理責任下にあるので、大家さんや管理会社へ確認するようにしましょう。
経年劣化での修理・交換に関しては、借主から費用はかかりませんが、万が一借主が原因で故障した場合は修理・交換の費用を請求される場合もあります。
分譲マンションの所有者から部屋を借りている場合は、マンション自体を管理している会社とは別に管理会社がいるので注意が必要です。
【所有物件の場合】自分で業者に依頼する
所有物件の場合、給湯器は専有部分にあたるので、物件を所有している世帯主が依頼や費用を請け負う必要がありますが、設置できる給湯器を自ら選ぶこともできるのは嬉しい点です。管理会社へ連絡すれば、提携している業者を紹介してくれる場合もあります。
分譲マンションの場合、給湯器の場所によっては専有部分ではなく、共有部分にある場合もあるので、管理組合へ連絡が必要になることがあります。
工事が決まったら管理組合に申請書の提出が必要になることも。交換する前に規約内容をしっかり確認することが大切です。
管理組合が細かい規定を定めている場合もあるので、交換が決まったら必ず連絡をするようにしましょう。
給湯器の種類は全部で6種類
マンションの給湯器といっても、実際に使用しているのがどの種類なのかわからないということも多いのではないでしょうか。マンションの給湯器には、さまざまな種類がありそれぞれ仕組みや働きが違います。
- ①ガスふろ給湯器
- ②ガス給湯器(高温水供給式タイプ)
- ③ガス給湯専用機
- ④ガスふろ給湯器・ガス給湯専用機壁貫通タイプ
- ⑤ガスふろがま
- ⑥ガス給湯暖房用熱源機
はじめに、それぞれの仕組みや働きについてご紹介します。
①ガスふろ給湯器の特徴
お湯をつくる給湯器と、お風呂をわかす風呂がまが一体になっているものです。給湯の機能とお風呂をたく機能が同時に使えるため、お湯を使いながらお風呂の追い焚きができます。
キッチンで洗い物をしている間に、お風呂を追い焚きで温めたいときに便利です。家族の人数が多くお風呂の追い焚きをしたい家庭には、特に役立つでしょう。家事の時短にもつながります。
②ガス給湯器(高温水供給式タイプ)の特徴
給湯専用の給湯器です。お風呂のお湯張りやシャワー、洗面所、キッチンの給湯ができます。しかし、お風呂の追い焚きはできません。
高温水供給式タイプのガス給湯器は追い焚き機能ではなく、高温のお湯を足すことで好みの温度に調節します。湯加減はそのままで、お湯の量だけを増やしたいというときにも役立つでしょう。
③ガス給湯専用機の特徴
給湯専用の給湯器です。お風呂にお湯を張ったり、シャワーや洗面所、キッチンの給湯ができます。家中のお湯をつくることができますが、お風呂の追い焚きはできません。
お風呂のお湯がぬるくなってしまった場合には、お湯を足すかお湯を張りなおす必要があります。お風呂に入る人数が少ない家庭に向いているでしょう。
シャワーを使いながら、キッチンでお湯を使うこともできます。
④ガスふろ給湯器・ガス給湯専用機壁貫通タイプの特徴
ガスふろ給湯器と同じように、家中のお湯が給湯できるほか追い焚きもできます。また、壁の中にガスふろ給湯器を設置するというところがポイントです。
壁の中にガスふろ給湯器を入れることで、浴室内を広くでき、大きな浴槽を設置することができます。子どもと一緒に入れる大きな浴槽を設置したいときにはおすすめのタイプです。
⑤ガスふろがまの特徴
浴槽にためた水をガスの力で加熱して、お風呂をわかす設備のことです。ガス給湯器ではありますが、キッチンや洗面所への給湯はできません。
お風呂のお湯をわかすほか、追い焚きができます。しかし、シャワーは使えるものとそうでないものとがあるため、あらかじめ確認しておくことが必要です。シンプルにお風呂をわかす設備と捉えるとよいかもしれません。
⑥ガス給湯暖房用熱源機の特徴
お湯をつくる給湯器と、お風呂をわかす風呂がまが一体になっていて追い焚き機能の追加もできます。加えて、床暖房や浴室暖房乾燥機の温水暖房機能が使える機能があるものです。
キッチンや浴室への供給のほかに、追い焚き、床暖房やパネルヒーターなどを1台でまかないます。床暖房はお部屋全体をじんわりと暖めることができ、足元の冷えが気になる方にはおすすめな設備です。
給湯器の使用期限は「10〜15年」
一般的に言われている給湯器の使用期限は10年〜15年です。しかし、設置している場所や環境、使い方によっても差が出ます。
メーカーでは、標準的な使用期間を「10年」と設定していることが多いようです。またこれにともなって、10年で部品の製造も終了する可能性があります。
故障しても、部品が無ければ修理ができません。もし修理ができたとしても、修理代が大きくかかる可能性があります。
給湯器の使用期限は10年〜15年を目安と考えるのが無難でしょう。同じ給湯器を10年以上使い続けている場合は注意が必要です。
給湯器交換5つのサインとは?
給湯器には使用期限があります。より安全に安心して使うためには点検や交換が必要です。 7〜8年前から使用している給湯器であれば、交換のサインを見逃さないようにしましょう。
次のような不具合があれば、それは交換のサインかもしれません。
- お湯が出ない
- 温度が安定しない
- 異常音がする
- 煙が出る
- 追い焚きができない
お湯が出ないだけでなく、温度が調節できない、シャワーの温度が変わるなど小さな変化にも気を付けましょう。また、給湯器はお湯をわかすときに音を発しますが、いつもと違う音の場合は故障が考えられます。
黒い煙が出ている場合は、不完全燃焼を起こしているかもしれません。かなり危険な状態です。
追い焚きができない、お湯が出てもお湯張りができないのも故障のサインです。給湯器の働きがいつもと違うと感じたら、故障や交換のサインと考えましょう。できるだけ早く専門の業者さんに連絡することをおすすめします。
給湯器の交換費用はいくらかかる?
マンションに設置できる給湯器には種類があり、それぞれに本体価格は異なります。また、設置場所によっても交換の作業内容が異なるため工事費はさまざまです。
主にかかるのが本体価格+工事費と考えると次のようになります。また、取扱業者によって本体価格も異なるため、正確な費用を算出するためには詳しく見積もりをしてもらうのがおすすめです。
給湯器のタイプ |
費用 |
ガスふろ給湯器 |
およそ19万円~25万円+工事費 |
ガス給湯器(高温水供給式タイプ) |
およそ22万円~26万円+工事費 |
ガス給湯専用機 |
およそ19万円~25万円+工事費 |
ガスふろ給湯器・ガス給湯専用機壁貫通タイプ |
およそ16万円~34万円+工事費 |
ガスふろがま |
およそ14万円~22万円+工事費 |
ガス給湯暖房用熱源機 |
およそ48万円~52万円+工事費 |
(参照:リンナイ)
給湯器が故障したときの3つのパターンの対処法
「シャワーを使おうとしたらお湯が出ない」となると、焦るかもしれません。しかし、そんな時こそ、落ち着いて対処しましょう。
- ①水が出ない場合
- ②ガスメーターがエラーを起こしている場合
- ③給湯器自体が故障している場合
上記の故障パターンの対処法をご紹介します。
①水が出ない場合
お湯だけでなく、水も出ない場合には水道の元栓が閉まっている可能性があります。また、断水している可能性もあるでしょう。
給湯器は電気を使って着火し、お湯をつくる機器です。給湯器のリモコンやコントローラーを確認して異常がない場合は、電気系統のトラブルの疑いがあります。
②ガスメーターがエラーを起こしている場合
こちらの場合は、ガス系統のトラブルを疑いましょう。ガスメーターの安全装置が作動していたら、復旧作業を行います。
原因が水道、電気系統、ガス系統でもなければ、給湯器の故障である可能性が高いです。また、7年以上使用している給湯器ならば、特に気を付けたいポイントといえます。
③給湯器自体が故障している場合
こちらの場合は、専門の業者さんへの連絡が必要です。分譲マンションの場合は、自分で業者さんへ修理・交換を依頼しましょう。(賃貸マンションの場合は、はじめに管理会社や大家さんへの連絡が必要。)
作業時間や、修理には時間がかかることがあります。また、交換の場合は給湯器の取り寄せが必要になる場合があるため、時間や期間に関して注意が必要です。
給湯器の交換サインを見逃さないようにしよう
給湯器は生活の中に無くてはならない設備です。
使用している給湯器の特徴や働きを知り、トラブルへの備えを整えておきましょう。使用期限や使用年数にも注意が必要です。
ガス系統のトラブルは、大きな事故につながりかねません。安心で快適な暮らしを守るために、日ごろから給湯器の作動具合の確認や定期点検の機会を大切にしましょう。
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