キッチンのリノベーションでできることは、どのようなものがあるでしょうか。キッチンの間取りやレイアウトの種類やそれぞれのメリットなどだけでなく、リノベーションにかかる費用、注意点などをご紹介します。今住んでいる家のキッチンが老朽化していている、中古住宅をリフォームしたいなど、キッチンのリノベーションを検討している方は必見です!
キッチンのリノベーションでできること
キッチンのリノベーションでできることは、どのようなものがあるでしょうか。
リノベーションとは、住む人の暮らしに合わせて改修することです。内装や仕切り、配管にいたる部分を住みやすい間取りに変えるなど、家の機能を刷新させることになります。
キッチンのリノベーションではどうでしょうか。壁に付けてあるキッチンをリビングとつなげてひとつにしてみたり、キッチンの壁をタイルにしてみたりといった内装まで含めたリノベーション。また、位置変更が必要なリノベーションなど種類があります。それぞれご紹介していきます。
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内装まで含めたリノベーション
キッチンのリノベーションでは内装まで含め、大がかりな工事を必要とするのが一般的です。
- キッチンをリビングと一体化させる
- 壁付キッチンを対面キッチンにする
- 吊り戸棚の古いデザインのキッチンをシステムキッチンに変更する
など、リノベーション内容はさまざまです。
その他にも、柱や梁(はり)を造作して、内装に工夫を凝らすリノベーションなどもあります。
位置変更を伴うリノベーション
次に、キッチンの位置変更をともなうリノベーションです。
キッチンを移動するときは、床下の配管やその勾配に注意してスムーズに排水する必要があります。マンションでは、各部屋からの配管が合流しているパイプスペースがあり、キッチンが一定距離以上離れていると、勾配がうまく保てずに排水しづらくなってしまう可能性もあるので注意が必要です。
また、もともと孤立していたキッチンを、リビングダイニングと一体化する場合は、配管の勾配をつけるために、キッチンの向きを変えて配置するなどの対応も考えないといけません。
パイプスペースとの距離を同じくらいにして、段差のない床にすることで、使い勝手をそこなわないキッチンを目指すことになります。
間取りはクローズ型?オープン型?それぞれのメリットは?
住み心地のよい空間、使い勝手のよいキッチンにするには、キッチンの間取りが大事です。大きくわけて2種類の間取りがあります。
昔ながらの調理に特化している独立した間取りは、クローズ型と言われているキッチン。
一方、リビング、ダイニング、キッチンと空間が一体化しているコミュニケーションが取りやすいキッチンをオープン型キッチンです。
それぞれの間取りを紹介します。
クローズ型のキッチン
クローズ型のキッチンの特徴は料理しているところが直接見えない、料理の匂いが気にならないで済む、洗いものがたまっているのを見られることがないなどのメリットもあります。
しかしながら、デメリットは料理中に家族とのコミュニケーションが取りにくいことや、スペースがあまり取れなかったり、日当たりがよくないところに設置することになったりと、開放的な空間にはなりにくいという点があげられます。
オープン型のキッチン
一方、オープン型のキッチンの特徴は、料理をしながらダイレクトに家族とのコミュニケーションが取りやすいことがあげられます。特に小さな子どもがいる家庭では、料理をしている時でも子どもの様子が気になるもの。
オープン型のキッチンでは、開放的でスペースを広くつかえる点も魅力です。おしゃれな雰囲気にしたい人に向いている間取りといえるでしょう。
しかしながら、デメリットは部屋に料理の匂いが広がりやすく、キッチンまわりを整理しないと、散らかっている印象になってしまう点です。
間取りは、住む人の生活のしやすさで選ぶことになります。家族のいる人はコミュニケーションのしやすさなども考えておきたいところです。
キッチンの具体的なレイアウトパターンをご紹介
クローズ型とオープン型の違いを確認したら、次はキッチンの具体的なレイアウトについてです。
壁付け型やペニンシュラ型にアイランド型といくつか種類がありますので、それぞれのメリットやデメリットなどの特徴を紹介していきます。
壁付け型タイプのキッチン
まずは壁付け型です。壁に寄せてある一般的な形のキッチンです。リビング・ダイニングのスペースを広くできることがメリットです。
一方、デメリットは冷蔵庫や電子レンジなどの配置によっては、炊飯器に食器棚などの設置場所です。コンセントの位置を確認しながら、どこに何を配置するかを決めなければならないため、サイズなどの把握が必要になります。
ペニンシュラ型キッチン
次にペニンシュラ型です。ペニンシュラとは半島を意味する言葉で、レンジフードやコンロなどのキッチン設備を一部、壁につけた対面式のレイアウトになります。
メリットとしては、家族と対面して話しながら料理ができる点や、カウンターをリビング側につければ、配膳するときにも便利です。また、カウンターの前に椅子を置いてカフェやバーのような雰囲気で食事をすることもできるため、人気のあるレイアウトのひとつといえるでしょう。
加えて、腰壁を設ければ、料理をしているところがリビングから見えにくいため、メリハリの効いたキッチンスペースにすることができます。
一方、デメリットは料理の匂いやシンクの水音、油跳ねなどに配慮する必要があることです。コンロの前に油跳ねガードを置く、静かな音のシンクを選ぶなどの対策をすると、間違いないでしょう。
また、ペニンシュラ型は収納スペースが不足しやすいこともあげられます。食器棚を置くなどの対応をしたいところです。
アイランド型キッチン
アイランド型はその名の通り、島のように壁から離した形の対面式のレイアウトです。
メリットとしては、四方からキッチンを囲めるため、家族で一緒に料理をしやすいレイアウトであることや、コンロと作業台を分けるなどの自由な設計にしやすいところになります。見た目もおしゃれでスタイリッシュな雰囲気なところも魅力です。
一方、デメリットはキッチン本体が大きいサイズになるため、通路などのスペースを確保する必要がある点です。キッチンのまわりに人が集まることを考えて動線確保をするようにしましょう。
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キッチンをリノベーションする費用は?
キッチンの間取りとレイアウトを確認したあとは、リノベーションの費用を見ていきましょう。キッチンのリノベーション費用はキッチンのグレードや付属設備などにより差が出ます。
キッチンのレイアウトを変更する場合、本体を変更する場合と一部の機器だけ交換する場合など、それぞれの費用を紹介していきます。
キッチンのレイアウトを変更する際
キッチンのレイアウトを変更する際の費用相場を紹介します。基本的な壁付け型からペニンシュラ型へ、またアイランド型へとリノベーションする際、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。
キッチンのレイアウト |
費用相場 |
壁付け型 ⇒ ペニンシュラ型 |
約200万(本体+施工費) |
壁付け型 ⇒ アイランド型 |
約220万(本体+施工費) |
壁付け型からペニンシュラ型にするには、大体200万円ほどが相場になります。本体価格と施工費を含めた額ですが、当然、キッチン本体のグレードなどにより費用も変わります。
次に、アイランド型へと変更する場合です。アイランド型へリノベーションするには、220万円程度をみておきましょう。ペニンシュラ型より若干高いのは、アイランド型キッチンの特徴である、壁から離したキッチンということもあります。こちらも本体をハイグレードのものにしたり、収納を充実させたりといった趣向を凝らせば、当然、費用は高くなり、300万円ほどになることも。
レイアウトの変更をする場合には、費用面をよく検討しておきたいところです。
キッチン本体を交換する際
一方、レイアウト変更をせずにキッチン本体のみの交換でよい場合は、本体費用と設置工事費のみになります。既存のキッチンと新しいキッチンのサイズが同じなら、より費用も控えめにできるでしょう。加えて、似た形をしたキッチンを位置の変更をせずに交換するなら、100万円かからないこともあります。
なお、ペニンシュラ型キッチンの本体価格の相場は100~170万円程度。アイランド型キッチンの本体価格の相場は120~180万円程度です。
一部の機器だけ交換する際
レンジフードの交換や食洗機の設置、ガスコンロからIHなど、一部の機器だけ交換する場合の費用はいくらくらいでしょうか。
費用は工事費込みで、大体30万円前後です。しかしながら、コンセントを増設する工事など、電気工事をはじめとする工事が予想以上にかかる場合もあるため、費用はあくまでも目安としてみておくとよいでしょう。
キッチンをリノベーションするタイミングって?
家族構成が変わるなど、キッチンをリノベーションするタイミングは人それぞれですが、一般的にはどの程度経ったらリノベーションをするべきなのでしょうか。
一般的にはキッチンの耐用年数をベースにリノベーションをおこなうことが多いでしょう。古くなったからキッチンを新しくするという考えです。
この項目では、キッチンの耐用年数や劣化などによる具体例など、リノベーションが必要な事案を紹介します。どのタイミングが一番よいのか、自分の中のベストタイミングを考えてみましょう。
耐用年数は一般的に20年
キッチンの耐用年数は一般的に10年から20年といわれています。使い方や、使用頻度、どれだけ手入れをしているかなどにもよりますが、10年ほど経過すれば、不具合も出てくるとみてよいでしょう。
不具合や老朽化といえば、蛇口やシンクからの水漏れに代表する劣化になります。耐用年数の判断になるため、劣化や水漏れ、引き出しのがたつきなどの修繕が必要な状況になれば、いっそのことキッチンのリノベーションも検討してみてもよいでしょう。
キッチンをリノベーションする際の注意点
キッチンをリノベーションするときには注意点がいくつかあります。
マンションの場合は管理規約を確認することや、キッチンの間口、高さ、奥行などの各部位のサイズを測っておくことが考えられます。
また、リノベーションに関わる電気やガスの容量も重要です。電気ならブレーカー、ガスならガスメーターなどの設備機器があればチェックしておきましょう。なぜなら、キッチンをリノベーションする際、コンロの口数を変更したり、IH化にしたりといった変更をするかもしれないからです。
それらをふまえ、順番に紹介していきます。
マンションの管理規約を確認する
マンションの場合は、勝手にリノベーションはできません。リノベーション可能な部分とできない部分があるので、管理規約で確認しておきましょう。
また、そのマンションによって、できるリノベーションとできないリノベーションがあるため、希望するリノベーションができるかどうかも、あらかじめのチェックが必要です。
特に、マンションはパイプスペースが動かせないため、配管経路の問題が戸建てよりシビアになります。また、電気容量を増やすにも条件付きで許可をしているマンションがあるため、マンションのキッチンリノベーションにおいて、管理規約を確認することは必須といえるでしょう。
キッチンのサイズを把握する
リノベーションの際、キッチンのサイズを把握しておくことも大事です。
たとえば、キッチン全体の幅である間口、床からキッチンのカウンターの上部までの高さ、キッチンの前に立った状態での縦の長さである奥行、コンロからシンクまでの調理スペース、床から天井までの天井高などがあります。
キッチンのリノベーションで新しいキッチンにする場合、今使っているものより大きなサイズを検討しているときは、部屋に搬入できるか確認が必要です。
必要な設備のチェック
最後は、必要な設備のチェックです。キッチンのリノベーションでは、ガスコンロをIHにすることからはじまり、ガスの口数の変更、電気の容量を増やすことが多くみられます。電気やガスの容量はその部屋や住宅によって使用容量には限度があるため、消費電力やガス容量などに注意しなければなりません。
一戸建て住宅ならブレーカーやガスメーターを交換増量ですみますが、マンションの場合は管理規約に沿って変更する必要があります。
リノベーション後に使用したい機器がその容量で使えるか確認してから、決めるようにしましょう。
みんなのキッチンリノベーション事例
ここで、どのようなキッチンリノベーションがあるのかを紹介したいと思います。
テーブルコンロからビルトインコンロのシステムキッチンへの変更
テーブルコンロからシステムキッチンへの変更で、コンロ、シンク、天板と一体化したことにより掃除がしやすくなった事例。
ビルトインコンロだけでなく、オーブンや食洗機などもビルトインを検討すれば、機能性や収納性でキッチンまわりがスッキリ使いやすくなるでしょう。
キッチンの位置を移動して壁付け型からアイランド型に
壁付け型のキッチンをリビングの中心に移動。キッチンで家族とのコミュニケーションをとることが可能になった事例。
子どもが多くても、キッチンのまわりを家族で囲み、みんなで料理をすることもできます。多少費用はかかりますが、コミュニケーションがたくさん取れて、楽しい時間が増えるでしょう。
リノベーションで理想のキッチンへ
キッチンのリノベーションは費用的にみても安くはありません。今使っているものとどう違うのか、希望とするキッチンでどんな生活を送りたいのかを明確にして、検討するようにしましょう。その際は、キッチンのサイズや費用を考慮することで、スムーズなリノベーションが実行できるはずです。
また、マンションに住んでいる人は、管理規約をよく読んで、リノベーションできる範囲や内容はどのようなものか、知っておくこと、許可をとることが重要です。
クローズ型やオーブン型の間取り、アイランド型やペニンシュラ型などのレイアウトなどをシミュレーションして、最適なキッチンリノベーションを実行しましょう。
この記事が快適な生活の一助になれば幸いです。
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