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マンション売却で得た所得は分離課税?確定申告は?計算方法と所得の種類も解説!

2022.11.28
2023.02.27
「TAXと家と電卓」
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宅地建物取引士,ファイナンシャルプランナー
溝部智佳子
大学卒業後、投資用マンションの販売を経験。「不動産業界をフェアでオープンにしたい」という考えに共感し、株式会社MUSUB ...続きを読む

マンション売却にかかる税金の計算がよくわからない、と困っていませんか?マンション売却時の所得は分離課税という課税方式が採用され、確定申告も必要です。

この記事では、分離課税とは何かやマンション売却時の譲渡所得、所得の計算方法、確定申告など税金に関することを解説します。マンション売却を検討している方は参考にしてください。

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分離課税とは?

不動産売却時の所得にかかる分離課税とは、ほかの所得とは合算せず、定められた税率をかけて納税額を決める課税方式のことです。「分離」という言葉のとおり、所得単体で納税額を決めます。

マンションの売却で得た所得に対しては、独自の税率になっているため、次回以降の章で詳しく解説します。

 

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宅地建物取引士,ファイナンシャルプランナー
溝部智佳子
所得に対して納税額を決める方法は、分離課税だけではなく、総合課税もあります
総合課税は、対象の所得をすべて合算し、累進課税制度によって税率を決める方式です。合算した所得から控除分を引いた課税対象額に、5~45%の所得税率が課されます。
総合課税と分離課税との違いは、「所得を合算するのか」と「税率」です。 >>プロフィールはこちら

 

マンション売却で得た所得は譲渡所得になる

マンション売却の所得は、「譲渡所得」に該当します。ほかにも、以下のようにさまざまな所得の種類があります。

 

所得の種類

特徴

不動産所得

不動産賃貸の所得

配当所得

株式による所得

利子所得

利子による所得

給与所得

雇用者から支払いがある給料

事業所得

事業で得た所得

退職所得

退職一時金

譲渡所得

不動産売却による所得

山林所得

山林の譲渡による所得

一時所得

賞金や賞品など

雑所得

上記以外の所得

マンションを売却したときの利益は「譲渡所得」になり、不動産の賃貸で得た所得は「不動産所得」と間違えやすいため、注意が必要です。

また、譲渡所得の課税額は、所得額だけではなく、所有期間や諸々の条件によって異なります。譲渡所得税の計算方法は、次の章で詳しくご紹介します。

 

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宅地建物取引士,ファイナンシャルプランナー
溝部智佳子
利益が高額の所得のため、不動産売却は分離課税になっています
不動産売却が総合課税ではなく、分離課税の方式になっているのは、不動産売却による利益が高額の所得だからです。不動産売却の所得を総合課税方式で合算した場合、高い累進税率が適用され、納税するのが難しくなってしまいます。
重い課税を防ぐために分離課税という課税方式が作られているため、「不動産売却による税金が高くて困る」という大きな心配はいりませんよ。 >>プロフィールはこちら

 
関連記事:
マンション売却で発生する「譲渡所得」とかかる税金について解説!

譲渡所得税の計算方法

「電卓をたたく人」

譲渡所得は、不動産を所有していた期間によって税率が異なります。ここでは、譲渡所得の税金を計算する方法を見ていきましょう。

 

計算式

不動産売却の譲渡所得に対する税率は、所有期間が5年を超えている「長期譲渡所得」と、5年以下の「短期譲渡所得」によって異なります。それぞれの税率は以下のとおりです。

 

譲渡所得の種類

所得税

復興特別所得税

住民税

合計

長期譲渡所得

15%

0.315%

5%

20.315%

短期譲渡所得

30%

0.63%

9%

39.63%


不動産を売却する際、
長い所有期間のほうが税率が低いです。所有期間は、不動産を売却した年の1月1日時点で、5年を超えているのか、それとも5年以下なのかで判断します。

これらの税率を譲渡所得にかけることで譲渡所得税がわかりますが、譲渡所得は、「不動産の売却額-不動産の購入額-売却で必要だった費用」で算出できます。不動産の売却額ではなく、利益が課税譲渡所得になることを覚えておきましょう。

 

分離課税は給与所得等に合算できない

先述したとおり、分離課税の場合、あらゆる所得を合算せずに所得単体で納税額を決めます。そのため、譲渡所得がマイナスになり損益通算でほかの所得を減額し、節税することはできません損益通算とは、赤字の所得を他の所得から差し引く方法のことです。

譲渡所得がプラスでもマイナスでも、給与所得等に合算できないため、損益通算できないと認識しておきましょう。  

分離課税のメリット

「MERIT」

分離課税のメリットは、以下の2つです。

  • 所得税をおさえられる
  • マイホームの売却では損益通算できる


それぞれ順に見ていきましょう。

所得税をおさえられる

分離課税は、所得税をおさえられるメリットがあります。累進課税の場合、所得金額が大きくなればなるほど税金が高くなりますが、分離課税は別で税金を計算するため、累進課税の影響がありません

仮に、分離課税の対象所得が大きくても、総合課税が小さいのであれば、全体の税負担をおさえられることになります。マンション売却のような分離課税は、税金をそれほど気にすることなく、利益を追求しやすいといえるでしょう。


関連記事:
マンション売却にかかる所得税の計算シミュレーション!税金がかからない場合も解説!

マイホームの売却では損益通算できる

マイホームの売却でマイナスになった場合、特例として損益通算で節税可能です。ただし、以下の条件を満たす必要があります。

  • 自分の住んでいる家と土地を譲渡する
  • 住まなくなってから3年以内に売却する
  • 所有期間が5年を超えている
  • 償還期間10年以上の住宅ローンがある


投資用不動産においての損失では損益通算できないため、注意が必要です。

 

参照:
No.3390 住宅ローンが残っているマイホームを売却して譲渡損失が生じたとき(特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)|国税庁

 

分離課税は確定申告するべき

分離課税には、確定申告の必要がある「申告分離課税」と必要がない「源泉分離課税」の2種類あります。原則、譲渡所得や山林所得、退職所得に関しては、確定申告しなければなりません。

マンションの売却で利益が出た場合は、必ず確定申告しましょう。赤字になった場合も、確定申告によって損益通算できます

確定申告の時期は毎年2月16日〜3月15日と決まっているため、この間で納税する金額を算出し、所轄の税務署に確定申告書を提出してください。

 

マンション売却時に使える特例

「電卓の数字を見せる人」

マンション売却では、さまざまな特例や控除によって、売却益をおさえることが可能です。ここでは、マンション売却時に使える3つの特例をご紹介します。

  • 3,000万円の特別控除
  • 10年以上所有で軽減税率
  • 課税を繰り延べられる制度

 

特例①:3,000万円の特別控除

売却した家がマイホームの場合、特例で譲渡所得が3,000万円まで控除されます。この特例を適用すると、譲渡所得が3,000万円未満の場合、税金がかかりません。

ただし、以下の場合は対象外となるため、注意が必要です。

  • この特例の利用を目的とした家
  • 仮住まいだった家
  • 保養や娯楽のための家


マイホームであれば、適用できると認識しておきましょう。

 

参照:
No.3302 マイホームを売ったときの特例|国税庁

 

特例②:10年以上所有で軽減税率

10年以上所有していたマイホームを売却する場合、軽減税率が適用されます。以下のように6,000万円を下回る譲渡所得の場合、通常の長期譲渡所得よりも6%程度税率が低くなります

  • 譲渡所得のうち6,000万円以下:14.21%
  • 譲渡所得のうち6,000万円以上:20.315%


また、この軽減税率は、
3,000万円の特別控除と併用可能です。

 

参照:
No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例|国税庁

 

特例③:課税を繰り延べられる制度

マイホームを買い替えたときに、売ったマイホームの譲渡所得税を次の売却時まで繰り延べられる制度もあります。

売却したマンションの譲渡所得があってもその年には課税されず、買い替えたマイホームを売るときに発生した譲渡所得と合算して計算されます。

ただし、課税を免除する制度ではなく、あくまでも将来的に税金を納める必要があるため、注意が必要です。

 

参照:
No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例|国税庁

 

譲渡所得は分離課税として納税しよう

マンション売却時の所得は「譲渡所得」となり、分離課税として扱われています。分離課税は、ほかの所得と合算することなく、所得単独で税金を計算するため、累進課税の影響がないといえるでしょう。

また、マンション売却では、3,000万円の特別控除や軽減税率、損益通算など、さまざまな特例を適用させ、節税することが可能です。マンション売却の税金に関して理解を深めて、正しく売買しましょう。

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