実家売却はどのタイミングでするのがいいのかご存知でしょうか?
実家の相続を考えると気になるのが税金。
生前と相続後ではどれぐらい変わるのかをご紹介します。
生前と相続後、売却するタイミングで何がかわる?
実家売却のタイミングは「生前」と「相続後」の2つが考えられます。
どちらの場合も、売却の手順はほぼ同じです。
ただ、名義人である親が生きている時に売却する場合よりも、相続後の方が売却前に確認すべきことは多くなってしまいます。
相続後に実家売却をする際、確認すべきことについては以下でご紹介しています。
関連記事:
実家売却の手順とは?相続の際の注意点や売却費用もご紹介!
生前に実家を売却する場合と、相続後に実家を売却する場合で違うのは、相続税がかかるかどうか。
どちらの場合でもかかる税金 |
・譲渡所得税 ・住民税 ・復興特別所得税 ・消費税 ・印紙税 |
相続後に売却する場合の税金 |
・相続税(相続時に支払い) ・登録免許税(実家の名義変更にかかる費用) |
相続税と登録免許税がかかる分、相続後に売却する方が税金の支払いが必ずしも高いかというと、そうとは限りません。
なぜなら、生前に売却する場合と相続後に売却する場合とでは、税金を抑えられる制度に違いがあるからです。
適用条件もあるので、それぞれを確認し、どちらのほうがより節税効果が高いかを見てみましょう。
その他にも、生前に売却する場合は実家の名義人である親との話合いも必要ですし、生前贈与も視野に入れている被相続人も増えています。
実家には住んでいた頃の思い出も多いはず。
他の兄弟や親も含めて、一緒に考えていくことで、トラブルを防ぐことが可能です。
【生前に売却する場合】税金を抑えられる制度
被相続人が生存中に売却をする場合に利用できる制度は以下の3つです。
- 3000万円の特別控除の特例
- 10年超所有していれば「軽減税率の特例」も併用可能
- 特定のマイホームの買換えの特例
3000万円の特別控除の特例
居住している住宅を売却する場合、譲渡所得から3,000万円までを控除できます。
住宅の所有期間についての条件はありませんが、以下の適用条件があります。
- 3年以内に住んでいた住宅を売る
- 売却した年より2年以内にマイホームの買い替えや交換の特例を受けていない
- 親子や夫婦間での売買ではない
この他にも適用条件があり、適用除外になるケースもあります。
詳細は国税庁 No.3302 マイホームを売ったときの特例をご覧ください。
10年超所有していれば「軽減税率の特例」も併用可能
不動産売却でかかる譲渡所得・住民税・復興特別所得税。
売却した年の1月1日時点で所有期間が10年越えであれば、軽減税率を適用できます。
所有期間 |
5年未満 |
5年以上10年以下 |
10年越(6,000万円以下部分に適用) |
10年越(6,000万円越え部分に適用) |
譲渡所得税 |
30% |
15% |
10.21% |
15% |
住民税 |
9% |
5% |
4% |
5% |
復興特別所得税 |
0.63% |
0.315% |
0.214% |
0.315% |
合計 |
39.63% |
20.315% |
14.424% |
20.315% |
※税率は2023年時点のもの
所有期間が5年未満と10年越えの場合を比較すると、約20%も差があることがわかります。
特定のマイホームの買換えの特例
「3,000万円の特別控除の特例」「軽減税率の特例」の特例と併用はできませんが、こちらの特例も知っておきましょう。
実家を売却し、代わりの自宅を購入した場合に適用が可能です。
その他の条件としては、居住期間が10年以上かつ所有期間が10年を超えているということ。
ただ、注意したいのが非課税になる特例ではないということです。
譲渡所得に対する税金は本来なら売却した年の翌年に支払わなければいけませんが、支払い時期を新しく購入した家を将来売却する時まで繰り延べられるようになるのが「特定のマイホームの買換えの特例」。
支払いを先に延ばすほうがいいのか、先にご紹介した特例を利用するほうがいいのかはケースバイケースなので、一番いい方法を考えて利用しましょう。
【相続後に売却する場合】税金を抑えられる制度
相続後に売却する場合に利用できる制度としては以下の4つがあります。
- 小規模宅地等の評価減の特例
- 空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例
- 取得費加算の特例
- マイホームを売ったときの特例(同居家族限定)
4つ目の「マイホームを売ったときの特例」は「【生前に売却する場合】税金を抑えられる制度」でもご紹介したものです。
相続後に売却する場合に利用できるのは、実家で同居していた方限定なので注意してください。
これら4つの税金を抑えられる制度についても下記で詳しくご紹介しています。
関連記事:
実家売却の手順とは?相続の際の注意点や売却費用もご紹介!
生前に売却する際のポイント
生前に売却をする場合のポイントは以下の3つです。
- 所有者である親の同意は必須
- 他の相続人との相談
- 認知症などで本人の意思確認が困難な場合
所有者である親の同意は必須
相続する前の実家の所有者の名義は親。親の同意なしには売却はできません。
「親が生きているうちに財産をどうするかの相談はしにくい」と感じる人も多いでしょう。
しかし、親が生きているうちに「財産分与に関してどのように考えているのか」「既に誰かに相談しているのか」などを聞いておくことで、兄弟間の争いを防げるだけでなく、より効果的な節税方法を考えられます。
日頃から相談をしておくことが大切です。
他の相続人との相談
相続人である兄弟全員が売却で問題ないと考えているとは限りません。
そのまま実家に住みたい、リフォームをして誰かに貸したいと考えている可能性もあります。
認知症などで本人の意思確認が困難な場合
親の意思確認が困難な場合は、売却までに別の手続きが必要です。
認知症や入院で意識がない状態など、判断能力がないと判断されるような場合、通常の売却手続きを行っても、契約は無効になってしまいます。
重度認知症や意識がない場合は成年後見制度、認知症の症状が軽い場合は家族信託を利用しましょう。
どちらも費用がかかるデメリットはありますが、売却手続きをスムーズに進めるには有効な手段です。
相続後に売却する際のポイント
相続後に売却をする場合のポイントは以下の2点です。
- 空き家として放置しすぎないように!
- 売却したい場合は前相続人の同意が必要
空き家として放置しすぎないように!
売却の手続きの準備や手続きは、実家を売却しようと決めたらできるだけすぐに動き出しましょう。
相続した実家には固定資産税などの維持費がかかり、「特定空き家」と自治体から指定されると優遇措置が受けられなくなるデメリットまであります。
「空き家問題」がニュース等で報じられていますが、空き家を放置することでトラブルに巻き込まれる場合もあるので、放置することはデメリットが大きいです。
相続後に利用できる節税の特例の中には、空き家の期間が長いと利用できないものもあるので、特に事情がないのであれば、迅速に手続きを進めていきましょう。
売却したい場合は全相続人の同意が必要
実家を売却したい場合、全相続人の同意が必要。
ひとりでも反対の相続人がいると売却できませんので、相続が発生する前から全相続人の意思確認をしておくことが大切です。
相続した家を売却する手順についてはこちらで紹介しています。
関連記事:
相続した家を売却するメリットとは?手順や節税ポイントもご紹介!
生前に売却すべきか、相続後に売却すべきかはよく考えよう
生前と相続後、どちらが税金面でお得かはケースバイケース。
実家売却時に利用できる特例は状況により異なるので、自身の場合はいくら税金がかかるのかを、今回のコラムを参考に考えてみてください。
思い出が詰まった実家だからこそ、納得のいく売却ができるようにしましょう!
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